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オッサンが美少女に大変身!VTuberになるのは面白すぎて危険だったぞ

野郎ドモ!憧れの萌え萌えな「男の娘」になろうぜ! text by 藤山 哲人

※記事初出時からの訂正箇所に関しては記事下部をご参照ください。

「男の娘(おとこのこ)」ってご存知?VRで叶う次元を超えた夢

次元の壁を破り、俺は「男の娘」になる!

 アニメ好きなら誰もが知ってる「男の娘」。あーっ!オレも男の娘になりてーっ!という人も多いはず(マジか!マジだ!)。

 字面でわかると思うが、お察しの通り、「男の娘」とは早い話「女の子の格好をした男の子」のことである。がっ!我々性の狩人の中では、もっと厳密なルールがある。それは、以下の通り。

・限りなく女の子のような容姿でなければならない
・萌え萌えどきゅーん!とハートを射抜くような性格でなければならない(性格ブスは男の娘として許さない!)
・両性具有(我々でいう“ふたなり”さん)ではなく、生物学的には「オス」でなければならない
・2次元~2.5次元の3D CGまでが適用範囲(これ以上の次元に適用すると危険である)

超かわいい二人、見ているだけでもたまらないだろ~
現実世界の様子、おっさん二人が妙に縮こまっているように見えるが気のせいだ

 世はまさに男の娘ブーム。今年の夏のコミケは、男の娘と「○ゲゲの鬼太郎」の6期ね○娘で圧巻されるのが確実だ。

 しかし、女の子のような容姿が必須という時点で「男の娘」になるのは不可能だった……だったが、最近はコンピュータが次元の壁を破り、俺たちの夢「男の娘」になれるのを知っているかーーーーっ!ビバ!チ○コーーーっ!

 VirtualCastやVRChatなど変身できるVRシステムが誕生、肉体から解放され魂で語れる時代が今来ている!可愛ければ性差の壁もあっさり越えられる、最も進化した我ら同志諸君!この夏、男の娘デビューするのだ!

スカートとブラは必要なし!必要デバイスはVRヘッドマウントディスプレイとPCだ

テストに使用したGeForce GTX 1070搭載のゲーミングPC。GeForce GTX 1060以上のビデオカードに4コアCPUの組み合わせであればVR系のコンテンツは大体快適に楽しめる。

 VRを使って仮想世界で「男の娘」になれば、スカートブラも必要ない。必要なのは、3Dゲームが遊べる性能のPCとVRヘッドマウントディスプレイ(以下 VR HMD)だ。

 女性用下着を買うわけじゃないので、ビデオカードやVR HMDを買うにしても「あ、プレゼント用に包んでください」と、さも自分のものではないことを店員にアピールする必要もない。素晴らしい!

 必要なソフトは「VirtualCast(バーチャルキャスト)」。これ実はインフィニットループとドワンゴが提供していて、個人でも商利用でも無償って言うからデブ!いや、太っ腹!

 対応OSは、いまのところWindows 10のみ。3Dゴーグルなどのデバイスは、HTC VIVE、Oculus Rift(オプションのOculus Touchが必要)、Windows Mixed Realityをサポート。動作環境はVIVE推奨スペックに準ずるとされているので、CPUがCore i5-4590以上、GPUがGeForce GTX 1060以上といったあたりがラインだ。

バーチャルキャスト対応のVRヘッドセット「HTC VIVE」
「Oculus Rift(Oculus Touchが必要)」も対応機器だ

 あとは部屋にこもってコッソリインストールすれば、学校や会社の友達や同僚、部下や上司、警備のおじさんやヤクルトのお姉さんにもバレずに男の娘になれる!

 ディスプレイにミラーリング映像を表示させなければ、ゴーグルの3D映像を覗かれることもないので、両親や妻子にも自分が男の娘であることがバレることもない。なんというパラダイス!なんというエデン!思う存分ギャランドゥできるのだ。

 ただ男の娘に変身している間は、普段よりも体をクネクネさせているため、奇妙な印象を与える程度だ。「ヨガのアプリをやってた」と言えば、切り抜けられるだろう。

ポーズだけであれば他人に見られても“男の娘に変身している”とは思われないはずだ!存分に楽しんで欲しい。

男の娘って、オブジェクト指向プログラムだった!衝撃!

 オレもみなさんも、もう何十年も男の着ぐるみを着て自分を演じている。だからバーチャルの世界で、いきなり女の子の容姿を手にいれようとしても、なかなか女の子っぽいしぐさができない!

 とはいえ悲しむことはない。少しの練習と考え方を少し変えるだけで、今の256倍可愛くなれる!

 最終的にはVtuberとしてデビューするのが目標。まずは男の娘として恥じない程度に、女の子のしぐさを身に着けよう!

バーチャル空間内にはカメラとディスプレイが設置可能で、これらを使うことで自分自身がどう映っているのかを確認できる。

 バーチャル空間には、アングルを自由に変えられるカメラと、大型ディスプレイがあるので、まずカメラで自身を映し、バーチャル空間の中のディスプレイで、人にはどのように見えているのかを研究しよう。

 と言っても、なかなか女の子のしぐさというのはむずかしい。「そもそも女の子っぽさとは何か?」「何が女の子っぽく見えるのか?」「その手段や方法は?」と、最小構成単位まで分解して突き止めていく。

 それはもうオブジェクト指向プログラムの世界!

 アプリケーション「男の娘」を構成するオブジェクトはさまざまだ。顔もあれば服もある、さらには手足やスカートや髪といったオブジェクトの数々で構成されていることに気づくだろう。

 また体全体は、手足などのオブジェクトのインスタンス(同じ類のオブジェクトを継承したもの)で左右が構成され、それぞれ独自のプロパティやメソッドを持っている。

女の子は、髪や服、顔に手足、スカートと言った様々なオブジェクトで構成されている。女の子を構成する重要な要素を知ろう。

 手や腕オブジェクトは、角度や位置などのプロパティと、どんな速度でどの方向に動かすのか?というメソッドを持っている。このように最小単位にまで落とし込んで、男の娘を構成する要素を考えるいいだろう。

 少し高度にはなるが、外部からのイベントに対する処理も忘れずに! たとえば「手を握られた」というイベントに対しては、「瞬時に手をすくめ、顔を赤らめる(実際に恥ずかしがることも可能!)」という一連のプロシージャーを用意しておこう。いつ呼び出されるか分からないプロシージャも多くなるが、男の娘としての引き出しの数=用意したイベントの対するプロシージャとなる。これ重要!

 すごいぞ俺!天才じゃねーか!?男の娘=オブジェクト理論

 ただこうしてボトムアップでフルスクラッチし、男の娘を解析・コーディングしていくと、要素が膨大すぎて途中でワケが分からなくなる。まあ、基幹系のシステムを構築するのと同じだ。共通の処理を合理化しすぎて、頭がパンクする(笑)。

 こういったときは、視点を変えてトップダウンで作り上げていくといい。「アニメ(やリアル)で見た可愛い女の子のポーズ」を思い浮かべ、パターンで組み上げていくのだ。

女の子がよくするポーズを真似してみよう、いろいろなことがわかってくるはずだ。

 たとえば「両手を頭の上に持って行きニャン!」のポーズ。コレ自体をサブルーチンというか、インスタンス化して手の位置や動かし方などのプロパティをチョイチョイいじると、かなり手軽に可愛い女の子を作れる!

 どうよ!?みんなも男の娘になってきたでしょ?

 こうして「投げキッス」「両手を頬に寄せる」「わーい!と腕を広げる」などのインスタンスを、自分の中に用意しておく。ある程度インスタンスが揃ったところで、これらをランダムにコールしていくと、もう立派な男の娘なのだ!

 一番カンタンにイメージできるのは、3Dゲームのキャラメイク画面。装備や武器などを変更していると、キャラが一定時間ごとに、振り返ったり、肩を上下したり、ホコリを払ったりするあの動作だ。動作ひとつひとつがインスタンスで、持っている武器などは変わっても、基本の動作(=インスタンス)は変わらない。

 同志諸君!こぞって萌えるインスタンスを組んで、みんなで共有資産を増やすのだ!

オッサンでもかわいくなることは楽しい!バーチャル空間でかわいさアピールを研究し尽くせ

 ある程度女の子らしいしぐさを身に着けると、今度は「より可愛く自分を見せたい!」という欲求に駆り立てられる(いや~、マジで……)。たぶん女子がお化粧したり、「こんな顔みせられないよ~」的なアレと同じだ。

 VirtualCastには、プリセットキャラクターが何人かいるので、まずは好みのキャラクターになることからはじめよう。禁忌事項は、男キャラや人じゃないキャラの選択。それらは封印してもいいぐらいだ。

デフォルトの状態でも複数の女の子キャラが用意されているので、まずは好みのキャラクターを選ぼう。

 なお、キャラごとに萌えポイントは違ってくるので、使うインスタンスも必然的に変わるし、プロパティも変わってくる。巨乳オブジェクトがあれば、ジャンプメソッドを使って、胸をたゆんたゆん言わせてアピールするもいいだろう。キャラによってはスカートがたくし上げたりもできるので、全身回転メソッドでなに気にパンチラアピールするもいい。

 また、小さい女の子なら、カメラ位置をより高く設置して、常に上向きで。両手を抱っこしてポーズにして「お兄ちゃんアピール」も非常に有効だ。

普通にしているだけだと、想像以上にかわいさは出ない。いろんなポーズをとって研究する必要がある。
いろいろ試していくと、首をかしげる仕草は有効なことがわかる。かわいさ発見の連続だ!
胸がポイントのキャラクターなら、上手く使ってアピールする方法も身に着けたい。ちなみに、このキャラはたゆんたゆんに胸が揺れる!
上目遣いが如何に強力な“武器”なのか、自分で行うとより実感できる

 仮想空間内には、ハリセンやピコピコハンマーなどの小道具もあるので、萌えポイントの補強に使うといい。ゲーム用の○×札や画面の一部をモザイク処理するモザイクウォールなども、適応する場所次第で殺傷力の高い演出が可能になる。とくにマイクパフォーマンスは、多くの男の娘ファンを魅了する最強ウェポンになること間違いない。

VirtualCastにおけるマイクパフォーマンスは重要なものになるだろう。モザイクウォールなども用意されており、使う側のセンス次第で無限の可能性が広がる。

 なお、キャラクターデータはVRM形式のものが利用可能だ。ニコニ立体などでVirtualCast正式対応のモデルデータなども公開されている。ただし、3Dモデル毎に利用規約などがあるので、そこはよく確認して注意して欲しい。データ自体はMMD向けや他の3Dモデルのものなどを変換できなくはないが、基本的にはモデルデータの制作者に認められていない方法となる。このあたりはルールを守って楽しもう。一切外部に出さず個人で遊ぶ分には、野良のMMDモデルを突っ込んで、セクシーなメイドさんやアイドルになったり、いろんな動物の○レンズになったり……、正直ヤバイくらいにぶっ飛んでる方が面白いのだが……。ルールがあるので、決して野良のMMDモデルを使った動画配信はしないこと!紳士たるもの権利を侵害してはならないのだ。

 また、声はある程度ボイスチェンジャを噛ませて、キーを高くできるようにはなっている。しかし、コルグやローランドから発売されているボコーダー(大昔YMOが「テクノポリス」で使ってた「TOKIO」ボイスなど声にエフェクトを書けるシンセサイザやエフェクタとかで)あたりを使うと、色々なエフェクトが加えられるので、より魅力的な声作りもできるだろう。今や数万円で買えることに、筆者はビックリしたよ!

飛び入り機能で他の男の娘と絡む(エロくない意味で)実はこれもかなり楽しい!

 さて、VirtualCastには、「凸」と呼ばれる飛び入り機能がある。これはサーバを介して、VirtualCastの空間を共有する機能だ。1人が親となり、子は親の空間に入ることができる。

 共有された空間は、親子のHMDにフィードバックされるので、ほぼタイムラグなく2人のアバターで絡める(性的な意味ではない!)というわけ。

VirtualCastは副数人が同じバーチャル空間で絡むことができる。撮影のため同じ部屋で行ったが、地球の反対側にいる友人と一緒に配信することも可能だ。

 写真では、解説を分かりやすくするために同一の会議室で行っているが、実際には日本のどこでも、世界のどこに居てもいい。2人をひも付けるニコニコ動画のサーバに接続できればいいだけだ。

 1人の空間でできることはすべてできるのだ、背景を変えたりカメラアングルを変えたり、アイテムを使ったりも自由自在。また2人が同じアバターを使うこともできるので、自分自身のドッペルゲンガーと遊んでも寿命を縮めたり、過去の自分に干渉して世界線が変わってしまうこともない(一般にドッペルゲンガーに遭遇すると寿命が短くなると、「月刊ム○」などでは常識となっている。世界線はシュタインズ○ート的な何かだ)。

VirtualCastにはちょっとした小道具なども用意されており、場を盛り上げることができる。

 ピコピコハンマーやハリセン、○×札を使えば、ちょっとしたゲームや罰ゲームもできる。

 でも2Pならぬ飛び入り機能で一番楽しいのは、相手と絡めること。衝突判定はないので、抱き合ったり握手したりすると、通り抜けてしまうが、HMDの映像を見ながらうまく自分のポジションや手の位置あわせをすれば、自然な握手やハグだってできる。男の娘の可愛さを引き出すなら、お互いに頭をヨシヨシしたり、頬を触ったりすると、そりゃものスゲー破壊力の高い映像になる。

お胸の触りっこなんかも合法的にできる、すばらしい! スカートめくりなんかもし放題だ

 さらに殺傷力を高めるのは、パンツの覗き合いや、お胸の触りっこ。ひゃっほーぅ!

 相手がつるぺたさんだと、まったく面白くない(笑い)が、おっきい娘だと、タッチするとたゆんたゆん揺れて、いとおかし。またパンツを見るために、床を這いつくばる自分が、無性に楽しくてしょうがなくなる!

こんなに堂々とスカートを覗きに行けるのはVR空間だけ、絡み配信はいろいろと熱い

 さらにスカートや髪の毛もキャラによっては、接触イベントに応えるものもあるので、捲ったり、掻きあげたりして、かなりアダルティーな遊び方もできる。さすがに女性相手には問題があるが……「相手は男だ」。

 これをYouTubeでオンエアしようものなら、再生回数のカウンタは、見えないぐらいの速さでガンガン回り、あっという間に100万再生も夢じゃないだろう。まぁBANされない程度に遊んでみて欲しい。

VTuberデビューで男女の仲も上手く行く?男性・女性両方の感性を会得できる新感覚を体験!

 実際に体験して、いろいろ男の娘のなんたるかを、分析してみたが、「昭和生まれで大学生の娘が3人いるオッサンでも、女の子になるのは“超”楽しい」。おそらく女装も、このぐらい楽しいんだろう。うわー!やってみてー!

 超楽しいからVTuberとしてトークしても、その楽しさが視聴者に伝わるはずだ。もちろん2人でボケとツッコミを担当したり、掛け合って話しをすれば、面白さも2倍。棒読みちゃんで声を入れるより、256倍面白いのは確実だ。65536倍ぐらいかも?

 そして、3D空間に没頭しているうちに、「どうすれば自分が可愛く見えるのか」、「どうすると萌えなのか」を「常に」考えるようになる。男であれば普段考えすらしない事なので、体感した際に多くの人が驚きを感じられるはずだ。

 また、男性脳・女性脳なんてことが言われ、男女は理解し合えないよう話もきくが、3D空間を経由すると、その空間が右脳左脳のゲートウェイになる海馬となって、男性脳と女性脳の両方が理解できるように感じた。つまり女性の思考を少し理解できるようになる!

 娘や彼女の考えていることが分からない、妻は一体何を考えているのやら、とお嘆きの方にも、男の娘になることを強くオススメしよう。自分が男であるときより、女性に対する理解が深まるはずだ。

 ただひとつ注意して欲しいのは、「“男の娘”はとても気持ちいい空間」であるということ。最近のゴーグルはフレームレートも高く、3D酔いをまったく起さないので、気持ちのいいバーチャル空間からログアウトしたくなくなる。これが唯一の難点だ。

 ぜひみなさんも、身も心もだんだんと“男ではなくなっていく”独特な錯覚を覚えて欲しい。

※(7/24 11:25)対応機器の記載に誤りがありましたのでその旨訂正しました。
※(7/24 19:45)3Dモデルデータの記載に関して訂正、加筆を行いました。