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プレゼンに展示会での宣伝、スマホで活用も、「モバイル液晶」で激変するワークスタイル
コンパクトでさりげなく使えるモバイル2画面環境のススメ text by 日沼諭史
2018年8月29日 06:05
「デュアルディスプレイになれば仕事の効率が200%になります!(意訳)」という、今にして思えばなかなかに大胆不敵な理由をつけて稟議書を通したのは10年以上前だっただろうか……。
今であれば、そんな無理矢理な言い訳を作らなくても、1人で2台以上のディスプレイを使うことを推奨している理解のある会社も増えているようだ。200%とは言わないまでも、ディスプレイ1台より2台の方が効率がアップすることは明らかだからだろう。
ところで、時代はモバイル全盛。PC市場は縮小傾向にあるものの、ノートPCやタブレットにもなる2in1タイプのPCは人気が高まっていると言われている。特にビジネスの現場では、持ち運びに向いた13インチクラスのモバイルPCが活躍しているのを目にすることが多い。
そんな使い勝手に優れた13インチクラスのモバイルPCだが、やはり時には画面の小ささ、狭さがネックになることもある。であれば、デスクトップPCと同じように、コンパクトなモバイルPCもデュアルディスプレイ化することで、そうした弱点を補いつつ、仕事の効率アップにつなげられるのではないだろうか。
そうした状況で組み合わせたいのが、持ち運んで使えるGeChic製モバイル液晶ディスプレイのOn-Lapシリーズだ。15.6インチのOn-Lap 1503Hや、11.6インチのOn-Lap 1102H V2を組み合わせることで、これまでにないワークスタイルを実現できそうだ。どんな使い方があるのか、利用シーンを見てみよう。
【記事目次】
・モバイルディスプレイの定番モデルをチェック
・2画面は並行作業に便利、文書や画像の閲覧/編集に活躍
・外での打ち合わせやコワーキングスペースで快適な環境を構築
・展示会の宣伝ディスプレイに好適、スマホと合わせれば携帯性も抜群
・メインディスプレイやスマホを“PC”として使う際のディスプレイにも便利
今時の「モバイル液晶」を再確認、15インチと11インチの定番モデルをチェック
まずは15.6インチのOn-Lap 1503Hから紹介しよう。
こちらは視野角の広いIPS液晶を採用したモバイル液晶ディスプレイで、フルHD(1,920×1,080ドット)解像度までの映像を出力できる。
薄さは約12mm、重量は約798gで、重量面から言えばかなり軽量な13インチノートPCくらいの感覚。縦横サイズはそれなりだが、薄いおかげもあってバッグにも意外とすんなり収納して持ち運べる。
もう1つのOn-Lap 1102H V2は、IPSの一種であるFFS方式の11.6インチ液晶パネルを採用した製品だ。
こちらも解像度はフルHDで、1,677万色以上、輝度350cd/m2、コントラスト比1,000:1と、小型ながらも1503Hより基本性能では優れているところもある。
厚さ約11mm、重量約590gと、11.6インチ相応のコンパクトさを実現しつつ、6,900mAhのバッテリーを内蔵し、電源なしで最大4.5時間稼働するのも特徴だ。
モバイルPCと組み合わせるとき、据え置き型ディスプレイではなく、この2つのモバイル液晶ディスプレイを選ぶのがなぜ最適なのか。それは、据え置き型ディスプレイだとモバイルPCと一緒に持ち運んで使うのが(一般的には)難しいことと、もう1つ、電源の確保という問題があるから。
On-Lap 1503Hと1102H V2は、薄型でどちらもかさばらずに持ち運べるだけでなく、電源の確保に頭を悩ませなくて済むのが最大のメリットと言ってもいい。
いずれも、使い始めるときに接続が必要になるのは、HDMIケーブルと電源となるUSBケーブルのみ(1102H V2を内蔵バッテリーで駆動させる場合はUSBケーブルなしでもOK)。
モバイルPCならどちらのケーブルもPCのポートから接続するだけでOKというシンプルさで、接続方法に戸惑ったり、電源の確保に手間取ったりすることはゼロだ。
付属の専用スタンドを使えば横置きにも縦置きにもでき、1503Hの場合はそれぞれ3段階、1102H V2は無段階の角度に変えられる。
最小限のスペースに設置できるのに加えて、持ち運びたいときは装着したままの状態で薄く貼り付けるように収納できるので、スタンドありの状態でもモバイル性能はほとんど変わらない。身軽に移動しつつ、行く先々でデュアルディスプレイ環境を簡単に整えることができるのだ。
2画面なら情報収集と作業を並行できるOffice文書や画像の閲覧・編集にも活躍
そんなOn-Lap 1503Hや1102H V2をモバイルPCのセカンドディスプレイとして仕事に使う時、具体的にはどんなシーンで活用できるだろうか。
真っ先に考えられるのは、情報収集するためのWebブラウザーや参考資料をOn-Lapに映しておき、メインとなるモバイルPCの画面で実作業をする、というデュアルディスプレイならではのスタンダードな使い方だろう。
デュアルディスプレイの利点に関するおさらいみたいになってしまうが、1画面のみの場合はアプリケーションのウィンドウをいちいち切り替えたり、ウィンドウサイズを変えながら作業する必要がある。が、2画面に分けて表示することで切り替え操作を省くことができ、視認性を高めて作業効率を上げられるようになる。
例えばMicrosoft Excelのような表計算ソフトでは、常に全画面表示して一度に広い範囲のセルを表示することで視認性、一覧性を高めることができる。このとき、もう一方の画面で他のソフトを表示すれば、ウィンドウの移動や切り替え操作は不要。新旧のデータを横並びにして見比べるときにも便利だ。列数の多い横長のデータを2画面にまたがって表示させる、といった使い方も効率アップにつながるだろう。
画像編集も2画面あると都合が良い。
Adobe Photoshopなどの画像編集ソフトだと、多数のツールパレットが画面を占有するせいで肝心の画像が隠れてしまいがち。そのせいで本来の画面サイズより大幅に画像を小さく縮小表示しなければならず、編集しにくくなるが、2画面ならツールパレットを一方の画面に追い出すだけでそれらの問題をすっきり解決できる。
そしてOn-Lapを縦置きにすると、横置きとはまた違った使い方が可能になる。
縦長のA4サイズで作られることの多いMicrosoft WordやPDF形式の資料を縦置きのOn-Lapで表示すれば、1ページを画面一杯に表示できる。On-Lap 1503HならA4サイズの資料を原寸に近い大きさで表示させられるので、印刷した時と同じような見た目で確認できるのもメリットだ。
外回りやミーティングが多い人、フリーアドレス環境にもマッチ
先述したように、薄型のため11.6インチの1102H V2はもちろんのこと、15.6インチの1503Hでも持ち運びは苦にならない。しかもモバイルPCとはHDMIとUSBの2本のケーブルで接続するだけで、セットアップの手間もかからないのがOn-Lapのいいところ。
ケーブルがかさばることもないので、社内ミーティングで自分のデスクと会議室の間を行き来する程度なら、モバイルPCとモバイル液晶ディスプレイを接続したまま持ち運んでしまうのもアリだ。
自分の席が特に決まっていないフリーアドレス環境やコワーキングスペースなども、On−Lapの持ち運びのしやすさとコンパクトさを活かせるシーンの1つ。1人に割り当てられた限られたスペースでも、デュアルディスプレイ環境を即席で作り上げていつも通りのペースで仕事できるはずだ。
外部からの電源供給がなくても動作するバッテリー内蔵の1102H V2なら、長時間のミーティングや外出でモバイルPCのバッテリー消費が気になるような時も、不安なくガンガン2画面環境を活用できるのがうれしい。
会議室でミーティングやプレゼンをする際にも、On-Lapならではの“特性”が有利に働く。例えば、自分のモバイルPCで表示している内容を相手に見せるようなシチュエーションを考えてみよう。モバイルPC本体のみの1画面だけだと、本体の向きをぐるりと変えるしかなく、操作しながら画面を見せる、というのが難しくなってしまう。
しかし、On-Lapでデュアルディスプレイ化している場合は、最初からモバイルPCと背中合わせにして相手側に向けておくことができ、見せたい資料を見せたいタイミングで表示させられる。また、最近のノートPCで増えてきている、天板を180度開いた1枚板のようにするスタイルも、On-Lapならただ平置きにするだけで実現可能。テーブルを囲む人たち全員が額を突き合わせてディスカッションするのに最適だ。
このような使い方をするとき、外付けのOn-Lapは接続しているモバイルPCの向きや位置には左右されないので、ケーブルが届く範囲なら自由に手に取って見てもらえる、というのもOn-Lapのメリット。さらに拡張デスクトップ側を見せるのであれば、モバイルPC側のメインのデスクトップを相手にさらすことがない、という利点は大きい。
アイコンが散らかったデスクトップ、マニアックな壁紙やブックマーク、メッセージツールの通知など、人に見られるとちょっと恥ずかしいかもしれないプライベートな部分だけでなく、メール画面やパスワード入力の様子といったコンプライアンスに関わるところもきっちり隠しておける。それだけでも、ミーティングやプレゼン時に2画面構成にしておく意味はある。
展示会のデモンストレーションにも大活躍、スマホとの併用もアリ
企業が展示会などに出展するようなときもOn-Lap 1503Hや1102H V2の強みが活きる。
展示に関わる荷物を搬入する際には、据え置き型ディスプレイがかさばるアイテムの1つともなっている。On-Lapなら先述したように1503Hでもカバンにしまえるほどなので、搬入時の荷物を減らせるはずだ。
また、大規模ブースならともかく、テーブル1つ分ほどの広さしかないブースで展示するような場合は、メインの展示物の置き場所を考えると、据え置き型ディスプレイ1台すら置き場所に悩むこともある。そういう点でも、最小限の設置スペースで済むOn-Lapは好都合なのだ。
展示する内容にもよるが、映像や資料の出力に使う機器は必ずしもモバイルPCや小型PCでなくても良い場合もある。例えばスマートフォンの画面を見せる、というときにもOn-Lapを活用することが可能だ。
HDMI出力(MHLやUSB Type-Cでの出力を含む)に対応しているスマートフォンなら、接続するだけでスマートフォンの画面をそのまま拡大して表示でき、来場者にわかりやすく説明できるだろう。モバイルPCよりさらに省スペース化できるのもうれしい。
15インチモデルはメインディスプレイとしても実はイケる!スマホ画面の拡大表示用に使っても便利
画面の大きな1503H。小さいがバッテリーも内蔵している1102H V2。それぞれ用途に合わせて活用したいが、個人的にはここまで挙げたようなシーン以外に、以下のような使い方も提案したい。
まず、1503Hについては、その画面の大きさを活かし、あえてメインディスプレイとしてシングルディスプレイで使ってみるのはどうだろうか。
13インチクラスのモバイルPCの画面は、自分のデスクでじっくり腰を落ち着けて作業するには、やはりちょっと小さい。機種によってはキーボードも入力しにくかったりする。
そこで、ワイヤレスのマウスやキーボードを別途用意して、1503Hの正面に配置する。モバイルPCは1503Hに接続するが、ディスプレイを閉じたまま“母艦”として脇に置いておくだけ。
こうすることで、まるでデスクトップPCのような、あるいは15インチクラスのノートPCのようなスタイルで、広い画面上で作業できるのだ。
サイズの小さな1102H V2は、サブディスプレイとして業務のマルチタスク化に貢献するような使い方が便利そうだ。
例えばメインディスプレイとなるモバイルPCの横に置いておき、メールソフトやSlackなどのビジネスチャットソフトを常時表示させておけば、業務上のやりとりがスムーズになる。
ビデオチャットなんかも1102H V2上で表示させれば、相手の様子をしっかり把握しつつ、資料の参照、共有も素早く行なえる。
あとは1503Hと1102H V2の両方に共通する活用方法として、スマートフォンと組み合わせたリモートデスクトップもおすすめ。
リモートデスクトップ用のスマートフォン向けアプリはいくつかあるが、画面が小さく、細かな操作が必要な場面では実用が難しかった。しかしOn-Lapで画面を大きくすることで、そんな欠点は一気に解消する。
1503Hと1102H V2はタッチ操作には対応していないけれど、スマートフォンにワイヤレスのマウスとキーボードを接続すれば問題なし。
普段はモバイルPCをデュアルディスプレイで運用し、時にはOn-Lapをサクッとスマートフォンにつなぎ替えて、リモートのPCやサーバーを快適かつ実用的に操作・管理する。そんなスタイリッシュな業務環境が簡単にできあがるのだ。
応用が利かせられる性能と機動力、PCだけでなくスマホでも活用!
ハードウェア性能は十分に高く、持ち運びにも便利な最近の13インチクラス以下のモバイルPC。その一番の弱点だった画面の小ささを克服するために、モバイル液晶ディスプレイであるOn-Lap 1503H/1102H V2を追加するのは最も手軽でスマートな方法だ。
モバイルPCの画面とOn-Lapのデュアルディスプレイ構成でデスクトップを広く使えるようにするのもいいし、あえて1503Hの大きさに頼ってシングルディスプレイで運用するのもいい。モバイルPCだけでなく、スマートフォンの画面を拡大するのにも役に立ってくれる。
ディスプレイを1台追加するからといって、デュアルディスプレイ化することにこだわる必要はなく、いろいろな発想で応用を利かせられる性能と機動力を持っているのがOn-Lapのいいところ。みなさんも、それぞれのビジネスシーンでOn-Lapが活躍する場面を見つけ、使いこなしてみてほしい。
[制作協力:GeChic]