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「モバイル液晶」今から始めてみませんか?「持ち運べる」たったそれだけで、広がる可能性
持ち運べるからこそできるあんな用途やこんな使い方 text by 清水理史
2018年7月30日 00:01
「ディスプレイは固定で使うもの」という旧来の概念を覆したのが、「On-Lap」をはじめとするモバイル液晶ディスプレイだ。
ノートPCのデュアルディスプレイ化、スマホやゲーム機の大画面化、サーバーやNASのメンテナンス用、撮影現場での写真確認用など、「持ち運べる」というだけで、さまざまな用途に広がりを見せている。
On-Lapを発売するGeChicでは、8月にバッテリー内蔵タイプの最新モデルである「On-Lap 1102H V2」を投入予定。画面サイズやタッチ、バッテリーの有無など、様々な観点で「モバイル液晶」を選べるようになっている。ますます注目を集めるモバイル液晶の魅力や便利さに、あらためて迫ってみよう。
「持ち運べる」新しいスタイルのディスプレイ
「持ち運べる」というだけで、こんなにも可能性が広がるものか――。
通常、液晶ディスプレイと言って、思い浮かべるのは、24~30インチのPC用の製品となることだろう。大画面で高精細。表示の美しさなどが追求された製品で、PCの近くに一度設置したら、引越やレイアウト変更などが発生しない限り、ほとんど動かすことはないはずだ。
一方、モバイル液晶は前述したように、小型かつ軽量で、しかもUSB給電などで手軽に動作させることが可能となっており、文字通り「持ち運べる」ディスプレイとなっている。
サイズは11~15インチほど、重量は500~800gほどと実用的な範囲に留めつつ、汎用的なUSBを給電ポートに採用することで電源供給を用意にしたり、HDMIやDP、D-subなどどのような機器につなげられる豊富な入力端子を備えていたりと、いかに快適に持ち運べるかが重視されている。
現在では、この分野のパイオニアであるGeChicのOn-Lapシリーズだけでも、10種類近くのモデルがラインナップしており、毎年のように新モデルが投入されている状況だ。
実際、2018年8月にも新製品となるOn-Lap 1102H V2が発売される。11.6インチの小型サイズながら、フルHD表示が可能なモバイルディスプレイで、6,900mAhのバッテリーを内蔵し、最大4.5時間の利用が可能な製品だ。
従来モデルであるOn-Lap 1102Hの改良版という位置付けだが、本体側面にUSB給電とバッテリー駆動を切り替えるスイッチを新たに搭載するなど、使い勝手を向上させた製品となっている。
各社から、後追いで似たようなモバイルディスプレイが登場する中、着実に進化を重ねることで、そのリードを保っている印象だ。
「小さく」「持ち運びできる」ディスプレイの可能性は想定以上
そうは言っても、ノートPCにはディスプレイが搭載されているし、スマートフォンも本体そのものがディスプレイと言ってもいい。家庭用ゲーム機だって液晶搭載のポータブル製品が人気になっていることを考えると、持ち運べるディスプレイに、「それほど価値があるとは思えない」、そう考える人も少なくないはずだ。
実際、モバイル液晶が市場に登場した当初は、そんな声も珍しくなかったが、現在では、実際に製品を手にしたユーザーから、さまざまな活用方法が報告されており、その魅力が広く知られるようになってきた。
たとえば、以下のような使い方ができる。
ノートPCで一歩進んだデュアルディスプレイ環境を
ノートPCの映像出力端子とUSBポート(給電)を使ってモバイル液晶を接続すれば、手軽にデュアルディスプレイ環境を構築することができる。デスクトップを拡張して作業領域を広げることもできるうえ、場合によっては画面を複製して商談の場などで相手に画面見せることも可能だ。
最近のノートPCはディスプレイサイズが大きく、解像度も高いが、それでも2画面を使った「ながら」作業の魅力は大きい。Webを見ながら文書を作る、PDF資料を参照しながらプレゼン資料をまとめる、片方の画面にメールを常に表示していつでも対応できるようにする……、などなど、さまざまな活用が可能だ。
しかも、On-Lapシリーズには、タッチ対応のモバイル液晶も用意されているため、接続したモバイル液晶をタッチで操作することもできる。タッチ非対応のノートPCをタッチ操作で使ったり、タッチ対応のノートPCでメインとサブのどちらの画面も同じ操作体系で操作したり、モバイル液晶を手書きメモ用に使ったりと、一歩進んだデュアルディスプレイ環境を実現できる。
スマホやゲーム機の視線を「手元」から解放
モバイル液晶は、PCだけでなくスマートフォンやゲーム機に接続することも可能となっている。
最近では、スマートフォンで映画や動画配信サービスを楽しむ人も増えているが、モバイル液晶を使えば、こうした動画コンテンツも11~15インチの大画面で表示することができる。
出張時のホテルなどで、メールで届いた文書をスマートフォンでチェックするようなシーンも珍しくないが、こうした文書もモバイル液晶で表示すれば、小さな文字に目を細めずに済む。商談や打ち合わせの席などで、スマートフォン上の資料をモバイル液晶に表示して相手に見せるといった活用もできるだろう。
ゲーム機での活用も可能だ。家族がテレビを見てるときでも、ゲーム機専用のディスプレイとしてモバイル液晶を使えば、自分の好きなときに好きなゲームを思う存分楽しむことができる。旅行先で携帯型ゲームの外部ディスプレイとして活用することで、友人などと大きな画面でマルチプレイを楽しむことなどもできるだろう。
サーバーや組み込み機器で活用、宣伝用ディスプレイにも
ディスプレイレスで運用するサーバーやNASなどのメンテナンスにモバイルディスプレイを活用することもできる。エラーが発生したときなど、必要なときだけ接続して使えるうえ、小型軽量なのでサーバールームに持っていくのも苦にならない。
Rasberry Piなどのシングルボードコンピューターと組み合わせて活用することもできる。モバイル液晶の背面に取り付けてタブレット端末のように使うこともできるし、受付システムやKIOSK端末などを独自開発するといった用途にも活用できる。
ビジネスシーンでの活用の幅も広く、店舗の宣伝用ディスプレイとして使ったり、POSシステムのデュアルモニタとして使うこともできる。工場などで使われる産業用コンピューターや制御用マシンのディスプレイとして使うことなども可能だ。
3種類の画面サイズ、タッチ対応の有無などで多数モデルをラインナップ
このように、さまざまな用途に活用できるモバイル液晶だが、使い方に合わせてさまざまなモデルが用意されている。
GeChicのOn-Lapシリーズは、大きく通常モデルとタッチモデルの2種類に分かれており、通常モデルは、サイズごとに11.6インチの「110x」、13.3インチの「130x」、15.6インチの「150x」シリーズがある。
前述したノートPCのデュアルモニタとして使うのであれば、15.6インチのフルHDのパネルを搭載した「On-Lap 1503H」がおすすめだ。画面サイズが大きい分、文字の視認性も高い。
13.3インチの「On-Lap 1305H」は、小型ながらフルHD対応なのが魅力で、持ち運びやすさを重視しつつ、高解像度の環境を実現したい人に向いている。スマートフォンやゲーム機途の組み合わせに適しているほか、縦置きにも対応するため、ノートPCのデュアルディスプレイ環境でも使いやすい。
11.6インチの製品は、ゲーム機との組み合わせに適したファミコンカラーの「On-Lap 1101F」、フルHDながらバッテリー搭載で利用場所を選ばない「On-Lap 1102H」、カメラとの組み合わせに適したフルHDの「On-Lap 1101P」などがある。
一方、タッチ対応の製品は、11.6インチの「On-Lap 1102I」、13.3インチの「On-Lap 1303I」、15.6インチの「On-Lap 1503I」がある。解像度はいずれもフルHDなので、サイズで選べばいいが、On-Lap 1303IはminiDPにも対応するため、miniDP出力のPCなどでは重宝する。
このほか、一部のモデルを除き、Rear Dockに対応しており、背面に装着した専用ドックでケーブルを見えないようにうまく処理したり、背面にStick PCやStick TVなどのデバイスを装着することもできる。
こうした拡張性や実用性が考慮されているあたりは、さすがモバイル液晶のパイオニアメーカーといったところだ。
実際の活用事例をチェックしてみよう、出張に会議、ゲームや趣味でも活躍
以上、モバイル液晶の概要や魅力についておさらいしてきたが、単なる画面表示用の機器というだけでなく、いろいろな活用ができることに気づいたことだろう。
実際の使い勝手が気になる場合は、これらの記事を参照してみることをおすすめする。つなぎかたや設定、実際に使ってみた感想などが大いに参考になるはずだ。
[制作協力:GeChic]