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「アサシン クリード オデッセイ」のロード時間を短縮、4Kゲームを「WD Black NVMe SSD」でより快適に

セーブデータやコンテニュー時に効果を発揮、高画質ゲームを遊ぶなら高速SSD text by 坂本はじめ

ハイエンドなゲーミングPCにはストレージもハイエンドなモデルを組み合わせたい。
今回は「アサシン クリード オデッセイ」を使い、ロード時間の検証を行った。

 近年、グラフィック品質を重視して制作された大作ゲームの多くは、4K解像度でのプレイも想定した高解像度かつ高品質なテクスチャを採用しており、極めて美しいグラフィックスでゲームを楽しむことができる。

 しかし、ゲームの高解像度化は、同時にゲームの大容量化も招いており、インストール容量が数十GBに達するゲームも今や珍しくなくない。こうした大容量化はゲーム中のロード時にストレージから読み出すデータ量の増加も意味しており、ゲーミングシーンにおけるストレージ性能の重要性が一層高まっている。

 今回は、グラフィックス品質に定評のあるアサシン クリード シリーズ最新作「アサシン クリード オデッセイ」を使い、現行最速クラスのNVMe SSD「WD Black NVMe SSD」によって、4K対応ゲームの快適性をどこまで高められるのか検証してみた。

超高速、リード3.4GB/sのハイエンドSSD「WD Black NVMe SSD」でゲームを快適に

 まずは、今回のテストに用いるSSD「WD Black NVMe SSD」について紹介しよう。

 WD Black NVMe SSDは、Western Digitalがスピードを追求して設計したハイエンドNVMe SSDだ。

 PCI Express 3.0 x4をインターフェイス採用したM.2タイプのSSDで、ピーク性能はリード3.4GB/s、ライト2.8GB/sに達する現行最速のSSDのひとつ。また、3GB/sを超える高速品としては動作温度か低めな点も特徴となっている。詳しくは前回のレビューを参照してもらいたい。

WD Black NVMe SSDの1TBモデル「WDS100T2X0C」。
フォームファクターはM.2 2280 (Key M)。
メーカー保証5年信頼性の高さもウリ。
CrystalDiskMarkの実行結果。スペック通りのパフォーマンスを発揮している。

 今回のテストに用意したのはWD Black NVMe SSDの1TBモデル「WDS100T2X0C」。今回はこれをゲームインストール専用SSDとして使った場合のパフォーマンスを確認する。

4Kゲームが快適に遊べるGeForce RTX 2080 Ti + Core i7-8700K環境を用意

 今回のテストに用いるゲーミングPCは、最新鋭ウルトラハイエンドGPU「GeForce RTX 2080 Ti」のFounders Editionと、Intelの6コア12スレッドCPU「Core i7-8700K」を組みわせたもの。

 アサシン クリード オデッセイのベンチマークで計測したところ、4K最高画質で平均50fpsで遊べる結果を出しており、シングルGPUのゲーミングPCとしては、現行最速クラスの実力を備えた構成だ。

GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition。
6コア12スレッドCPU「Core i7-8700K」。
アサシン クリード オデッセイのベンチマークにおいて、4K解像度かつグラフィック品質「最高」設定で平均50fpsを記録できる実力を持っている。

今回は4K解像度対応のPC版「アサシン クリード オデッセイ」を使用、ロード時間を計測

 今回テストに用いるゲームは、10月5日に発売されたばかりの「アサシン クリード オデッセイ」。

 10年以上続く「アサシン クリード」シリーズ最新作である本作は、古代ギリシアを舞台としたオープンワールドゲームだ。

 近年流行りのオープンワールドゲームでは、ロードによる待ち時間を挟まないシームレス化が進められており、プレイ中にロード画面の前で待機するという時間は少なくなってきているが、ゲーム開始時のマップ生成や、一部の機能を利用した際などにはロードが生じることになる。

4Kゲームのロード時間を短縮してストレスを減らすNVMe SSDセーブデータからのロードとコンテニュー時のロードで効果を発揮

 今回のテストでは、アサシン クリード オデッセイを4K解像度(3,840×2,160ドット)かつグラフィックス品質「最高」で動作させ、ロード待ちが生じるシーンでのロード時間を各3回ずつ測定して平均値を比較する。

 また、WD Black NVMe SSDの実力を測るための比較製品として、HDDとしては最高峰の性能を持つWD Blackシリーズの6TBモデル「WD6003FZBX」を用意した。

WD Blackの6TBモデル「WD6003FZBX」。
CrystalDiskMarkの実行結果。HDDとしては最高クラスのパフォーマンスを有している。
今回はWD BlackシリーズのSSDとHDDを用いて快適性の違いを見ていく。

ゲーム起動時のロード時間はSSDとHDDでほぼ差が無い結果に、ストレージ以外の要因が大きい?

 まずはゲーム起動時のロード時間をみてみよう。

 今回は、ゲーム起動中に表示されるタイトルウィンドウが表示されている時間を測定してみた。

 測定の結果、HDDのロード時間が「16.0秒」であったのに対して、WD Black NVMe SSDは「15.9秒」だった。僅かにWD Black NVMe SSDが早いが、これはほぼ差のない結果と言って良いだろう。

 最近のゲームの多くは、ゲームの起動からタイトル画面までの間にストレージから読み出すデータの量はそれほど多くないため、ここではストレージ性能の差がロード時間に大した影響を与えなかったようだ。

セーブデータのロード時間はSSDを使用すると約10秒短縮可能

 最近のゲームは起動時に大したデータを読み込んでいない分、タイトル画面からプレイ可能なゲーム画面を表示する際に、マップやオブジェクトの描画に必要なデータを一気に読み出すため、長時間のロードが発生する。

 今回は、セーブデータを指定してからプレイ可能なゲーム画面が表示されるまでの時間を測定してみた。

 ここでは、HDDのロード時間が「38.9秒」だったのに対し、WD Black NVMe SSDは10秒近く早い「29.0秒」だった。ほとんど差のつかなかった起動時間とは異なり、ストレージ性能の差がロード時間を大きく縮める結果となった。

定点移動のファストトラベルは若干SSDが高速、多用するので地味にSSDが快適

 マップが広大なオープンワールドゲームにおいて、拠点間を瞬時に移動する「ファストトラベル」は、移動時間を短縮する重要な機能だ。

 アサシン クリード オデッセイでも、ビューポイント間の「高速移動」という形でファストトラベルが実装されている。

 ファストトラベルはマップ間を「瞬時」に移動する機能だが、当然ながら移動先のマップを描画するためのロード時間が発生する。このロード時間がWD Black NVMe SSDでどこまで短縮できるのか見てみよう。

 今回のテストでは、ケファロニア島の「天体観測所」から「雷神ゼウス像」へファストトラベルした際に掛かった時間を測定した。

 HDDで約27.7秒掛かったファストトラベル時のロード時間は、WD Black NVMe SSDを使うことで約24.2秒へと約3.5秒短縮された。

 ファストトラベル時のロードで読み出すデータの量は、現在地と移動先の風景が異なるほど多くなる。今回は同じ島の中という似通った風景感での移動であったので、セーブデータのロード時間ほど大きな差はついていないが、移動先が異なればより大きな差がつく場合もあるだろう。

ベンチマークテストはSSDがかなり高速、性能差が素直な数字に

 アサシン クリード オデッセイには、グラフィックス設定の確認用にベンチマーク機能が実装されている。これにより、ユーザーは自身が設定したグラフィックス設定が、ゲーム中でどの程度のフレームレートで動作するものなのかを確認できる。

 当然ながら、ベンチマークを実行する際にはグラフィックス設定に応じてマップを生成する必要があるため、ベンチマークが実行されるまでにはロード時間が発生する。今回はその時間を測定してみた。

 HDDが「40.9秒」であったのに対して、WD Black NVMe SSDのロード時間は「23.2秒」。半分とはいかないまでも約57%の時間でロードを完了している。

 マップを一から生成するという意味ではセーブデータのロードと同じような内容だが、生成するマップが異なれば読み出すデータも異なるため、時間やストレージ性能差の影響も変化する。セーブデータのロードも、セーブ地点が異なればベンチマークのロード時間のような大差がつくこともあるだろう。

 また、ベンチマーク時にこれだけの差が出ているので、ゲーム側の最適化が進めば、もしかすると本編側もSSDの速度がより発揮されるようになるかもしれない。

周囲確認の「イカロスの眼」使用時のロードをSSDで短縮、繰り返し使う機能は若干の短縮でも実利有り

 アサシン クリード オデッセイでは、上空を飛行する鷹の眼を借りるアビリティ「イカロスの眼」を使って進路の確認や索敵を行う。

 非常に重要なアビリティであるイカロスの眼だが、主人公から離れた位置を探索してからイカロスの眼を解除すると、主人公周辺のマップを再表示するためのロードが発生する。このロード時間をWD Black NVMe SSDで短縮可能なのか見てみよう。

 HDDで生じたロード時間が「3.5秒」なのに対し、WD Black NVMe SSDでは「2.4秒」と約1.1秒のロード時間が短縮された。

 利用頻度の高いアビリティだけに、イカロスの眼を解除してからマップが再表示されるまでのロード時間は、数字以上にプレイヤーのストレスになり得るものだ。1.1秒の差は小さなものだが、セーブデータのロード以上に体感できる時間短縮であると言っても過言ではない。

リトライ時のロードはSSDが高速、アクションゲームをより快適にするSSD

 アサシン クリード オデッセイでゲームオーバーになると、セーブ地点からゲームを再開することになる。

 今回は、コンティニュー時に「最後のセーブをロードする」を選択した際、プレイ再開までに生じるロード時間を測定してみた。

 測定結果は、HDDが「33.4秒」であったのに対し、WD Black NVMe SSDは約7秒早い「26.4秒」だった。

 コンティニュー時のロード時間は最終セーブ地点からの距離や経過時間にも左右されるので、こまめなセーブで短縮することも可能だ。いずれにせよ、リスタートまでの時間短縮は高難易度で試行錯誤を楽しむユーザーにとってのメリットとなるだろう。

4Kゲームの没入感を高めるならストレージも妥協は禁物アサシン クリード オデッセイをより快適にするWD Balck NVMe SSD

 高度なシームレスマップを採用するアサシン クリード オデッセイでも、セーブデータのロードやコンティニューなどでマップを生成する際には長時間のロードが発生する。

 プレイ中に印象に残ったロード時間は、「イカロスの眼」と「コンティニュー」だ。プレイ中に生じるこれらのロードは、単に経過した時間以上に待たされているという印象が強いものであり、これらを短縮する意義は大きい。

 プレイ中に発生するロードによる小さな中断で没入感を損なってしまっては、せっかくのグラフィックス品質も台無しになりかねない。最高のグラフィックス品質でアサシン クリード オデッセイを楽しみたいなら、ストレージ性能に妥協は禁物。WD Balck NVMe SSDのような現行最高クラスの性能を持つSSDを選ぶべきだろう。

[制作協力:Western Digital]