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PC版バトルフィールド VはQLC NAND SSDでも快適になるのか、ロード時間を検証してみた

レイトレーシング対応FPSゲームをNVMe SSD「Crucial P1 SSD」で高速化 text by 坂本はじめ

 リアルタイムレイトレーシングに対応した最先端のグラフィックで注目を集める「バトルフィールド V」は、起動やプレイ再開時に長いデータロードの待ちが発生するゲームでもある。

 データロードの待ち時間は無いに越したことは無く、レスポンスの良さは快適さに直結する。

 そこで、SSDを活用することでPC版バトルフィールド Vのロード時間をどれだけ短縮できるのか、Core i9-9900K + GeForce RTX 2080搭載PCを用意し、効果のほどを検証してみた。

「バトルフィールド V」のロード時間を短くしたい!リアルタイムレイトレーシングの美麗グラフィックを快適に楽しむ

 グラフィックに定評のあるバトルフィールドシリーズの最新作である「バトルフィールドV(BATTLEFIELD V)」。

 そのPC版は「DirectX Raytracing(DXR)」によるリアルタイムレイトレーシングを初めてサポートしたゲームとしても注目を集めている。

 実際に遊んでみると、景色を眺めているだけでも楽しめるほどのクオリティがあり、テクノロジーデモ的な面でも見るべき部分は多い。PC版だからこそ楽しめる高画質は、なるべく多くの人に触れてもらいたいと思わせるものだ。

 最先端技術による美麗なグラフィックが楽しめるバトルフィールド Vだが、その代償としてゲーム中に発生する「ロード」はかなり長いものとなっている。このロード時間の短縮にSSDがどの程度役に立つのかを見るのが今回のレビューだ。

QLC NAND採用SSD「Crucial P1 SSD」とHDDのロード時間を比較

 今回、PC版バトルフィールド Vのロード時間短縮を狙って利用するのは、Crucial P1 SSDシリーズの1TBモデル「CT1000P1SSD8」。メモリセルへの4bit記録を実現した3D QLC NANDフラッシュを採用したM.2タイプのNVMe SSDだ。

 QLC NAND採用製品としては第一世代の製品となるCrucial P1 SSDだが、1TBモデルのCT1000P1SSD8は、最大2GB/sのシーケンシャルリード性能と17万IOPSのランダムリード性能を実現し、200TBWの耐久性(1TBモデル)と5年間製品保証も備えている。ゲーム用SSDとしては申し分のない性能と耐久性を備えながら、QLCの恩恵によるNVMe SSDとしては比較的安い容量単価も魅力だ。

Crucial P1 SSDシリーズの1TBモデル「CT1000P1SSD8」
CrystalDiskMarkの実行結果。
基板裏面、NANDなどは表面のみに実装されている。
製品パッケージ。デザインはMX500やBX500などと同じトーンのものになっている。

 今回のテストでは、Crucial P1 SSDと一般的な3.5インチHDD(3TB/5,400rpm)にそれぞれインストールしたバトルフィールド Vを実行し、SSDの利用によってゲーム中のロード時間がどれだけ短縮されるのかを確認する。

 テスト用PCには、GeForce RTX 2080とCore i9-9900Kを搭載したIntel Z390環境を用意した。バトルフィールド Vのグラフィック設定は、画面解像度をWQHD(2,560×1,440ドット)、描画品質は「DXR有効」かつプリセットを「最高」に設定した。

ゲームの起動時間は約3割ほどSSDが高速に

 ゲームの起動を開始してからメインメニューが表示されるまでのロード時間は、PC版バトルフィールド Vにおいて特に長く感じるロードのひとつだ。

 今回のテストでは、クラウド同期の完了からメインメニューの表示が完了するまでの時間を測定してみた。クラウドの同期は数秒程度だが、ばらつくので純粋にストレージのロードが始まってからを測定している。

 結果だが、HDDにインストールしたバトルフィールド Vが起動に約51.7秒掛かっているのに対し、Crucial P1 SSDの起動時間は約36.5秒だった。SSDの利用で短縮された起動時間は約15.2秒で、SSDはHDDの約71%の時間で起動を完了している。

プレイ再開時のロードはSSDが3割ほど時間を短縮

 バトルフィールド Vには「大戦の書」として複数シナリオのシングルプレイヤーモードが用意されている。このシングルプレイヤーシナリオを途中から再開する際に発生するロード時間を比較した。

 測定の結果、Crucial P1 SSDが約20.5秒でロードを完了したのに対し、HDDのロード時間は約29.9秒を要した。SSDの利用で短縮されたロード時間は約9.4秒で、SSDはHDDの約68%の時間でロードを完了している。

「練習場」利用時のロード時間もSSDなら25%ほど高速に

 12月5日のアップデートで追加された「練習場」では、ビークルや武器の試用や練習が行える。1人で操作の練習を行ったり、最大4人までのフレンドと一緒練習を行うことも可能だ。

 今回は、練習場への出撃をクリックしてから、ムービーがスキップ可能になるまでの時間を比較した。

 Crucial P1 SSDのロード時間は約21.4秒で、HDDのロード時間は約28.9秒だった。SSDの利用によって短縮されたロード時間は約7.5秒で、SSDはHDDの約74%の時間でロードを完了している。

PC版バトルフィールド Vのプレイヤーならぜひ使いたいSSD、快適さを向上

 PC版バトルフィールド Vは最近発売されたゲームの中でも、特にロード時間の長いゲームのひとつだ。長大なロード時間の全てがストレージアクセスによるものでは無いが、高速なSSDを利用することで概ねロード時間はHDDの3分の2近くにまで短縮できる。

 また、今回利用した3D QLC NANDフラッシュを搭載した新しいタイプのSSDだが、今回の結果を見る限り、ゲームに利用するのも良さそうだ。最速SSDというわけではないが、ゲームではしっかりとパフォーマンスを発揮しているといえるだろう。

 3割前後でもロード時間が短縮されることでのレスポンスの良さはあり、快適さは向上する。SSDを利用しないことでプレイのたびに待ち時間として失われるロード時間の大きさ考えれば、PC版バトルフィールド Vのインストール先にはぜひともSSDを利用したい。

[制作協力:Crucial]

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