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低価格でも快適な操作感、ADATAのゲーミングデバイスは高コスパ

ゲーミングブランド「XGP」のマウス/キーボード/ヘッドセットをチェック text by 新井将彩成

 ADATAといえばメモリやSSDが有名だが、ゲーミングブランド「XPG(Xtreme Performance Gear)」の製品としてゲーミングデバイスも多数販売している。

 今回はその中からエントリークラスのゲーミングマウス/キーボードと、高機能タイプのゲーミングヘッドセットを紹介する。

 手頃な価格のモデルを探しているユーザーや、エントリークラスのゲーミングデバイスを購入する予定のユーザーは参考にしてもらえれば幸いだ。

ADATAのゲーミングブランド「XPG」、同社最高クラスの製品を投入

 まずはXPGのブランドから簡単に紹介しよう。XPGは、ADATAがプロゲーマーやハイエンドユーザー向けに高性能製品を提供するために設立したゲーミングブランドだ。

 同社は製品の性能や安定性を検証する「A+テスト」という独自の指標を用いてクオリティチェックを行っているが、XPGブランドの製品はその基準を凌駕するレベルの製品が投入されているという。

 ブランド設立当初はメモリやSSDを中心としたラインナップだったが、2017年からはゲーミングデバイスも拡充されており、多数のモデルが用意されている。

 一部ショップでは製品の展示デモなども行われており、秋葉原地区ではパソコン工房 秋葉原BUY MORE店などで実機のデモが行われている。

 ゲーミングデバイスは触ってみないとわからない部分も多いので、是非こうしたデモを活用して欲しい。

秋葉原ではパソコン工房 秋葉原BUY MORE店などでデモ展示が行われている。

ゲームで使用感をテスト、3種の主要デバイスの使い心地を確認

 今回レビューをしていくゲーミングデバイスはマウス、キーボード、ヘッドセットの3種類。

 マウスは本体表面にXPGのロゴがプリントされた「INFAREX M20」、キーボードは9パターンのイルミネーション機能に対応する英語配列キーの「INFAREX K10」、ヘッドセットはアンプやスタンドが付属する「EMIX H30+SOLOX F30」の3モデルを使用した。

 上記のデバイスの使用感を試すため、「CS:GO(Counter-Strike: Global Offensive)」、「PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)」の2タイトルでテストを行った。

 なお、マウスのINFAREX M20とキーボードのINFAREX K10にはユーティリティソフトは無く、イルミネーションのパターンや色の変更などはデバイス側で直接変更する仕組みになっている。

5,000DPIのセンサー搭載で3,500円のゲーミングマウス「INFAREX M20」ケーブルは布巻き、LEDイルミネーションも搭載

INFAREX M20

 まずはマウスのINFAREX M20を紹介しよう。

 INFAREX M20はオムロン製のスイッチを採用する右利き用USBマウス。有線接続タイプで、RGB LEDによるイルミネーション機能を備えている。LED機能はマウス底面にあるスイッチでオフに切り替えることもできる。店頭価格が税込3,500円前後と手頃な点も特徴だ。

 解像度は400/800/1,600/3,200/5,000DPIから、ポーリングレートは250/500/1,000Hzから選択可能。DPIはマウス上部、ポーリングレートはマウス底面の備え付けのスイッチで切り替える仕組みになっている。

本体正面、右利き用のデザイン。
左側面。本体は滑らかな形状になっている。
右利き用マウスなのでこちらにボタンなどは無い。
本体にはXPGのロゴマークがあしらわれている。
底面のソールは前方は大きめ。底面にはポーリングレート、LED機能のスイッチが備えられている。
ケーブルは布巻仕様。

 本体サイズは132×69×43.5mm、重量は160gで、USBケーブルは取り回しのしやすい布巻き仕様。対応OSはWindows 7以降。

エントリークラスでもしっかりとした操作感、若干重めのマウスが好みのユーザー向け

 実際に使用してみた感じだが、3,500円前後で販売されているマウスとしてはかなり満足度の高い使い心地だ。

 形状的にはかぶせ持ちのユーザーに適しており、ボタンのクリック感なども心地良い。サイドボタンなどの感触も悪くない印象だ。エントリークラスのモデルとしてはなかなかの完成度といった印象を受けた。

 デザインもシンプルで、「ボタン数が多くてどれを押せば良いのかわからない」、「各種設定が面倒」と感じる初心者層にもお勧めしやすい。

 ケーブル込みのマウス重量は160gと若干重めなので、この部分は好みが分かれるかもしれないが、一般的なゲーミングマウスでは微妙に軽いと感じているユーザーにはフィットするだろう。重量がある分、狙ったところで止めやすく、マウスが軽すぎてAIMがずれるといったユーザーは実際に触ってみてもらいたい。

ゲームでテストした限りでは癖なども無く、素直な操作感だった。
本体重量は完全に好みの部分になるが、若干重めな分安定している面もある。
サイドボタンなどの感触も悪くない。
ケーブルを除いた本体重量は120g前後のようだ。

英語配列/メカキー採用のゲーミングキーボード「INFAREX K10」イルミネーションやWindowsキーロック機能も搭載

INFAREX K10

 INFAREX K10はをメカニカルキースイッチを採用するエントリー向けのゲーミングキーボード。店頭価格は税込4,300円前後。

 英語配列のモデルで、キーの刻印は英語。全7色のLEDバックライトを搭載しており、9種類のイルミネーション機能に対応している。イルミネーション機能は明るさの調整や点滅の速度などをキーボード側から操作が可能となっている。

 FNキーとF1~10,12キーで使用できるメディアキー機能をを搭載するほか、キー入力の取りこぼしが減る「26キーアンチゴースト」やWindowsキーをロックする機能も備えている。

 安価なモデルではあるが、一通りゲーミングキーボードのポイントを抑えた仕様になっている。

本体正面。
フレームレス構造になっている。
本体裏面。
メカニカルキースイッチを採用。
キーの高さは標準タイプ。
キー配列は英語。
LEDイルミネーションは9種類から選択可能。
横から見てもなかなか美しい。

4,300円でも一通りの機能を搭載、つくりのしっかりしたゲーミングキーボード

 エントリーモデルではあるが、多機能タイプとなっており、お買い得感はある。本体は樹脂製だが、剛性なども悪くない印象だ。

 キースイッチは白いメカニカルキーを搭載。クリック感の無いリニアタイプのスイッチで、Cherryの赤軸と比べると打鍵感は若干重め。打鍵音も比較的静かだと言える。ゲームで試した限り、操作感も中々良く、4千円前後のモデルとしては完成度が高い。つくり自体は「お値段以上」といった感じだ。

 ラインナップが英語配列のみとなっているのが惜しい部分だが、高コストパフォーマンスなゲーミングキーボードが欲しいユーザーや、初めてゲーミングキーボードを購入するユーザーにはお勧めできる。

キー荷重はCherryの赤軸と比べると比べると若干重め。
ゲームで試しているかぎり操作感は良好だった。
スペースキーなど大型のキーも押しやすい。
とっさの操作にもしっかり反応してくれる。

アンプとスタンドがセットになったゲーミングヘッドセット「EMIX H30+SOLOX F30」

EMIX H30

 EMIX H30は7.1chバーチャルサラウンドを用いて臨場感あふれる音を再現するゲーミングヘッドセット。価格は税込15,000円前後。アンプやスタンドがセットになっていることもあり、高価格帯のモデルになっている。

 53mmの大口径ドライバーを採用しており、厚みのあるクッション採用。イヤーカップの一部はメッシュデザインになっているが、構造は密閉型とのことだ。

 PCとの接続方式はアナログ接続/USB接続両対応で、USB接続の際は付属のアンプ「SOLOX F30」を使って接続する仕組み。マイクは着脱式でノイズキャンセル機能を搭載している。

 アンプの「SOLOX F30」は本体のみでもエフェクトの切り替えなどが可能だが、ユーティリティソフトを利用することでより細かい音質の調整も可能になっている。

ヘッドセット本体正面。
黒地に赤が映えるデザイン。
イヤーカップは厚みがあり、柔らかい。
53mmの大口径ドライバーを採用。
ヘッドバンド部分にもクッションが入っている。
マイクはノイズキャンセル機能付き
付属アンプの「SOLOX F30」。
ヘッドセット接続側。
USBハブ機能も備えている。
付属のスタンド。
ヘッドセットとアンプを固定できる。
製品は3点セットのパッケージになっている。

柔らかい装着感のヘッドセット、好みの音質に細かくチューニングも可能

 まずはEMIX H30+SOLOX F30の音質だが、傾向としては抜けの良いクリアな印象だ。音が籠もるようなことは無く、透明感のある音質が好みのユーザーには好印象だろう。また、外部からの遮音性も確保されている。

 ゲーミングヘッドセットは、銃声や足音などの効果音が細かく聞き分けられる方が有利に立ち回れるので、ゲームの中で必要な音を強調する傾向がある。このモデルもそうしたチューニングが施されており、効果音などは聞き分けやすい。

 装着感の方だが、イヤーパッドとヘッドバンドは柔らかい素材を採用していることもあり、着け心地はどちらかというとソフトな印象だ。ヘッドバンド部分の調整は金属製のワイヤーで無段階調整する方式になっている。このタイプは頭の大きいユーザーには合わない場合もあるので、購入時は実際に装着感を確かめてからの方が良いだろう。また、ある程度使っていると馴染む部分もあるので、使い込んでから真価を発揮する可能性もありそうだ。

イヤーカップは一部メッシュになっており、音質は抜けの良いタイプになっている。
足音や効果音など、ゲーム中の音は聞き分けやすい
ヘッドバンドの幅などの調整は金属製ワイヤーで無段階調整する仕組みになっている。
エフェクト機能を使用することで、さらにゲーム向けの音質にチューニングすることもできる。

 付属のアンプ「SOLOX F30」は本体単体でもゲームエフェクトを使用することが可能。より効果音を聞き分けやすくしたり、没入感を高める方向での音質変更などが行える。音量調節やマイクミュート、7.1chバーチャルサラウンド機能の操作スイッチなどを備えており、操作もしやすい。

 ユーティリティソフトを使用した場合はより細かい音質調整が可能で、ゲーム向けに音質を特化させたり、音楽リスニング向けに調整したりと、より好みに合わせた調整が可能だ。また、ボイスチェンジ機能なども利用可能になる。

アンプの「SOLOX F30」は本体単体でもある程度音質のチューニングなどが可能。
ユーティリティを使用することでより細かい調整が可能、プリセットも多数用意されている。
イコライザー意外にもさまざまな調整機能を備えている。

エントリーモデルの完成度は高め、マウス/キーボードはなかなかの高コスパモデル

 今回はエントリーモデル中心のレビューとなったが、XPGのエントリーマウス/キーボードは価格からすると完成度は高い。安価にゲーミングデバイスを揃えたい場合などは選択肢に加えてもらいたい。

 ヘッドセットは実売で15,000円前後とやや高価格帯のモデルになるが、アンプやスタンドもセットのモデルが欲しい場合や、細かい音質チューニングを行いたいユーザーなどには向いていると言える。デザインや装着感は好みや体格によっても大きく評価が変わる部分なので、購入前には店頭デモ機を活用してもらいたい。

[制作協力:ADATA]