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速さを追求したCORSAIRの薄型ゲーミングキーボード「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE」を試してみた

反応の速さに特化、低背スイッチの「Cherry MX Low Profile Speed RGB」搭載 text by 白倉甲一

 低背タイプのCORSAIR製ゲーミングキーボード「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE」を今回は紹介する。

 CherryMXスイッチの中で最もアクチュエーションポイントの短い「Cherry MX Speed」をロープロファイル仕様に改良した「Cherry MX Low Profile Speed RGB」をスイッチに採用したモデルで、更なる高速入力を可能にしたという。

 国内で展開されているのは、日本語配列モデルの型番「CH-9109018-JP」で、税込2万3千円~2万5千円前後で販売されている。

 製品スペックと合わせ、実際の製品を確認してみよう。

「K70 RGB MK.2シリーズ」の良さを踏襲しつつ低背化珍しい薄型メカニカルキーボード

 まずは基本的なスペックから紹介しよう。本体サイズは幅438×奥行168(mm)で、重量は約1.08kg。日本語108配列キーに、マルチメディアキー、音量調節ダイヤル、ゲーム向けのファンクションキーなどを追加したUSBキーボードとなっている。

 フルNキーロールオーバーやアンチゴースト機能、1,000Hzレポートレートなどに対応しているほか、同時押しや連続入力なども安心して行える仕様になっている。

 このあたりはK70 RGB MK.2シリーズの機能を踏襲しているといえるだろう。

LEDバックライト点灯時、金属フレームに反射して賑やかに発光する。
本体背面、上部にチルトスタンド、四隅のゴム足は大きめで安定性も十分。
左から、プロファイル切り替え、LED調光、キーロックボタン。
音量調節ダイヤルやマルチメディアキー搭載で、フルスクリーン時などシステムの操作権を奪われがちなゲーム中に重宝する。

 そのほか、本体にはUSBスルーポートを搭載。FPS用(W/A/S/D)とMOBA用(Q/W/E/R/D/F)の交換用キートップ(ラバーコート)や、パームレストなどが付属している。

PC本体に接続する二股ケーブル。スルーポートを使わない場合、右側のキーボードマークの付いた端子のみでも利用可能。
本体上部にUSBパススルーポート、USBフラッシュメモリなどを手元で抜き差しするのに使ったり、他デバイスのケーブルを裏に這わせたくない場合などに便利。
付属品、内容物は概ね「K70 RGB MK.2シリーズと同様。
交換用ラバーキートップは標準のものと高さや角度が異なるので、滑り止め以外に認識性を高める効果も期待できる。

徹底した高速入力へのこだわり、低背設計に特化したメカニカルキーボード

 ここからが本題になるが、今回紹介しているK70 RGB MK.2 LOW PROFILEの最大の特徴は背の低さと言える。

 キースイッチ/キーボード本体の高さはもちろん、少しでもキーに触ればスイッチが反応する、高速入力がウリのロープロファイルモデルに仕上がっている。

チルトスタンドを使用しない状態での本体高さは29mm。通常モデルが39mmなのでその差は約10mm。キーがしっかり階段状に配置されたステップカルチャーになっており、打鍵を損なわないような工夫が見られる。
パームレストを使用することで手首を曲げず、ほぼ平らな状態でのキーボード打鍵が可能。

 入力の肝となるキースイッチの仕様だが、「Cherry MX Low Profile Speed RGB」はアクチュエーションポイント1.0mm/キーストローク3.2mmとなっており、これは高速入力をウリとする「Cherry MX Speed」のアクチュエーションポイント1.2mm/キーストローク3.4mmをさらに高速化する驚異的な数値となっている。

 2種類の単純な比較だとそれほど大きな差には思えないかもしれないが、これは同じリニアスイッチで標準的な「Cherry MX Red」のアクチュエーションポイント2.0mm/キーストローク4.0mmと比較した場合、半分押し込むだけでキーが反応するという事になり、底打ちをする場合には押し込みまでに0.8mm分の差が生まれる。

正面からみた「Cherry MX Low Profile Speed RGB」キースイッチ
メーカー公表によるとキースイッチの高さは従来よりも35%ほど低くなっている。

 キーストロークや押し下げに必要な荷重だけを見ればパンタグラフキーボードが優位な点もあるが、メカニカルキースイッチとしてはかなり高速入力に特化した設計になっている。一般的なキースイッチとの数値的なスペック差もあり、ゲーム時における初動の早さや、タイピング時の高速打鍵には少なからず影響を与えるだろう。

ユーティリティ「iCUE」で設定もイルミネーションも一括制御

 本製品はCORSAIRの統合ユーティリティ「iCUE」に対応しており、他のCORSAIR製品と合わせて統合的に制御が可能。イルミネーションなどの連携なども可能だ。

 キーボード設定のプロファイルは複数登録することが可能で、プログラムごとに異なる設定を使い分けるといったこともできる。

iCUEのホーム画面。接続中の対応デバイスが一覧表示される。
プロファイル画面。左側にあるSDカードのようなアイコンはオンボードメモリ用で3パターンまで登録可能だが、マクロ機能などの一部に制限がかかるようで、プログラムとの関連付けも行えない。

 プロファイルの使い道は色々あるが、例えばプログラムごとにそれぞれの使用キーをライティングで色分けをすると便利に使えるので、購入したユーザーは試してみて欲しい。

 使用キーの設定がうろ覚えの時に、キーボードを見るだけでなんとなく使用すべきキーを確認できるようになるので、新しいゲームを始めた時などに有効だろう。

ライティング設定画面。全体を連動させるほか、個別キーへの設定も可能。
発光パターンはかなり種類があるようだ。
マクロ設定画面。詳細設定タブでキー入力の状態や、他のマクロとの連携なども設定できる。
パフォーマンス画面。ロックするキーを設定したり、インジケーターのカラーを変更できる。

 比較的珍しい機能としては、「CPUやGPUの温度によってライティングの色を変えるプリセット」や、「マクロキーの押し下げ時などに指定した音声ファイルを再生する」といった特殊な設定も可能だ。アイデア次第では面白い使い方もできるかもしれない。

指定した温度センサーのデータを元に3段階で色分けが可能。
マクロ設定画面内のスタート設定タブで、音声ファイルを指定することでキー入力時に音を鳴らすことが出来る。マクロの起動を把握しやすくするのが目的だとは思うが、配信などの簡易サンプラーとしても使えるかもしれない。

一瞬の遅れも許さないユーザー向けの高速ゲーミングキーボード

 K70 RGB MK.2 LOW PROFILEは、メカニカルキースイッチ由来の正確さや耐久性を兼ね揃え、かつ高速入力にもこだわったロープロファイルキーボードといえる。

 ともすれば誤打鍵に繋がりかねないほどのアクチュエーションポイントの短さだが、キー入力の正確さに自信があるPCゲームプレイヤーや、負けた理由をデバイスのせいにしたくない完璧を求めるユーザーにはおすすめできる。

 また、近年パンタグラフキーボードの選択肢も減りつつあるので、薄型キーボードを好むユーザーの乗り換え先としても一考の余地があるモデルと言えるだろう。

[制作協力:CORSAIR]

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