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初めてでも安心して使えるPCパーツをセレクト、「CFD Selection」を強化するCFD販売の狙いとは

ライトユーザーが安心して使える製品を提供 text by 石川ひさよし

 「Selection」と言えば厳選されたモノとして、よくショッピングサイトで見かける。この「Selection」がCFD販売のPCパーツラインナップの中にもあるのをご存知だろうか。

 CFD販売は、これまでも代理店として扱っている製品の一部をオリジナルパッケージ化して販売しているが、その中でも特別なモデルを「CFD Selection」ブランドとして展開しているという。

 そこで、新たにブランドを押し出す意図や、どのような製品展開を行っていくのか、「CFD Selection」を担当する同社の小坂井氏に話をうかがった。

PC詳しくなくても大丈夫!日本人のこだわりどころを押さえた「Selection」

現在、CFD SelectionはMicron製のメモリを中心に展開。
CFD販売 コンポーネントマーケティンググループの小坂井 真弓氏。
CFD Selectionはゲーミングメモリもラインナップしている。

――CFD Selectionとはどのような取り組み・製品なのか教えてください

[小坂井氏]CFD販売の製品にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

 これまでどちらかと言えば「PC DIYの知識のあるお客様が選ぶ製品」というイメージがあったと思います。PCを組み立てる際、必要なスペックをわかっていて、ご自分でパーツを調べてたどり着くといった中~上級者向けが中心だったと思います。

 しかし、近年は市場の状況が変化してきました。例えば、e-Sportsのブームであったり、ストリーマーの活躍などです。e-SportsからPCに入る場合、BTOのゲーミングPCなど完成品PCが入り口になるかと思いますが、しばらく使用していると必要な性能などもわかってくるので、ストレージを強化したい、メモリを増設したいといったニーズが生まれたりもします。そうしたところから、ライトユーザー層でPC DIYに興味を持つ人が少しずつ増えています。

 ただ、PC DIYの経験の少ない方にとって、星の数ほどあるPCパーツの世界は難しいのではないでしょうか。メモリやSSDをとっても、様々なメーカーから様々なグレードの製品が販売されています。こうしたライトユーザー層に対し、CFD販売が厳選した良いものを、ベストプライスでエンドユーザー様にまっすぐお届けすることをコンセプトとして「CFD Selection」をご用意いたしました。

 日本人がこだわる部分や好み、安心感を感じられる部分などを考慮し、日本市場にマッチした製品セレクトを行っています。

――CFD Selectionでの取り扱いメーカーと製品ジャンルを教えてください

[小坂井氏]現在、メモリモジュールでCFD Selectionを展開しており、SSDにも拡大しているところになります。

 CFD販売では、複数メーカーのメモリ、複数メーカーのSSDを取り扱っていますが、現在CFD Selectionとしては、Micronの「Crucial」と「Ballistix」の両ブランドメモリモジュールを、そして、メモリはこれまでCFD販売ブランドとして展開していたCFD Panramを、SSDでは東芝のBiCS Flash NANDにPhison製コントローラを採用したモデルを新たにCFD Selectionとして拡充していきます

 Crucialはコストパフォーマンスがよいスタンダードメモリ、Ballistixはパフォーマンスを求めるゲーミングメモリといったように、単に低価格なモデルをセレクトしているわけではなく、性能・価格帯は幅広くご用意しています。また、SSDのようにPC DIYだけでなく、コンシューマーゲーム機で利用できる製品もあります。DIY向けだけでなくDIY未経験のゲームユーザー向けのブランドでもあるのです。

NANDのリマークチップ混入を防ぐ取り組みも、選別した扱いやすい製品をユーザーへ万が一の際もしっかりサポート

CFD Selectionとして販売されているCrucialのオーバークロックメモリ「BALLISTIX」。
NANDのリマーク品混入を防ぐ取り組みも行われている。

――CFD Selectionにおける選考基準などはあるのでしょうか。

[小坂井氏]まず信頼性が高く間違いのないパーツであることを重要視しています。

 CFD Selectionでは、メーカーとタイアップしながらCFD販売なりの味付けをして販売しています。販売前にさまざまな検証を行い、安定性や相性を改善するチューニングをメーカー側に依頼した後に製品化しているものもあります。

 また、わかりやすく扱いやすいといった部分も意識しています。高性能であってもピーキーな製品などは採用していません。

 もう一つ重要な選定条件としては、供給面がしっかりしていることです。どんなに製品の品質が良くても、安定してユーザー様にお届けできないのであれば、採用の見直しや切り替えなども視野に入れ販売しております。

 SSDであれば、各メーカーさまざまなグレードの製品を投入していますが、DRAMレスの製品や、安価であっても小容量の製品、QLCチップ採用製品などは、負荷をかけると極端に転送速度が低下することがあります。

 PC DIY上級者であれば、こうした特性と価格を天秤にかけ「特性に合わせた用途で割り切って使う」といったことが可能ですが、ライトユーザーには難しい部分かと思います。もちろん、今後ファームウェアのアップデートなどで採用基準を満たすこともありますが、現状では採用を見送っています。

 こうした若干癖のある製品は、ライトユーザー向けのCFD Selectionにはそぐわない面がありますので、扱いやすく安定性の高い製品をセレクトするようにしています。

――近年、メモリやSSDでチップのリマーク問題が話題となることが見受けられます。そうしたリマーク品への対策は何か行っていますか。

[小坂井氏]まず、信頼の置けるメーカーの製品をセレクトし、搭載チップの指定なども可能な限り行うことでリマーク品の混入を防いでいます。また、定期的に抜き取り検査なども行っており、製造メーカーと常に協議を行い、品質面でグレードが落ちたりしないよう調整しています。

 万が一問題があった場合、本来の正しい仕様の製品をユーザー様に使用していただくため、個別に対応を行う方針をとっております。その際はサポート窓口までご連絡いただければと思います。

 なお、DRAMもNANDもチップの供給不足などが生じやすい部材です。長い製品サイクルのなかで、採用チップの変更といったことも起こりえます。

 そうした小さな変更につきましても、常日頃からメーカーとコミュニケーションを密にとることで状況を把握し、採用パーツの変更などがある場合は、CFD販売の製品としての型番も変更するといった方法で、スペックの違いをお知らせできるような対応を考えています。


メモリテストシステムの「TurboCATS III(TCIII-2667ST)」。メモリ製造メーカー向けの本格的なテスターでの検証も行われる。
SSDの検証などに使用されるオシロスコープ。
テスターだけでなく、自作PCパーツを使用してのテストも実施。

――製品の選定や味付けに関しまして、CFD販売社内での検証は行っていますか。

[小坂井氏]製品採用前の検証は、名古屋本社の品質事業部、東京事業所の2箇所で行なっています。

 例えば、設計が仕様書どおりのレイアウトであるのか、スペックどおりに製造されているのかといった簡単なものから、数週間におよびベンチマークによる負荷テストでのパフォーマンスや、その際の温度計測を実施しています。

 問題が発覚した場合ですが、我々のグループ会社にはメモリの製造を行なっているバッファローがあり、そちらにはメモリテスターやオシロスコープ、レントゲンなど様々な計測器がありますので、それらを使用して問題を解析することが可能です。そうした面はCFD販売の強みの一つになっています。また、さらに重大な不具合等が生じた場合は、製造メーカーに協力を要請し、解析を依頼するともに、改善ができるのか協議をしています。

 販売開始後に関しては、定期的に使用部材などが変更されていないかなどのチェックを行うほか、使用パーツの変更などによりマイナーチェンジがあった場合も、型番変更のために一通り再チェックを行っています。

――実際に自作PCに搭載してのテストも行っていると思うのですが、その際の検証環境はどのようなものでしょうか。

[小坂井氏]自作PCに近い環境で行なっています。CPUに関しては、AMD、Intel双方で、マザーボードも弊社ではASRock製品を中心に、そのほかのメーカーについてはそれぞれのマザーボードメーカーと協力しながら行なっています。

――サポートについて、CFD販売の通常の製品と違いはありますか。

[小坂井氏]CFD Selectionの製品では、通常の製品よりも長期の保証を付与しています。品質や性能、一つ上の信頼のおける製品をセレクトした自信の現れでもありますし、ライトユーザーにとってより安心してお使いいただくための方策として設定しています。

 また、不具合・不良等でご相談を頂くお客様の大半は応対のスピードを求められていますので、不具合と判断できる場合には、基本的に良品との交換で対応させて頂いていております。

 海外メーカーの場合、直接サポートの際には英語でのやり取りが必要になったり、手続きに時間が掛かる場合もあります。CFD Selectionの商品は国内で責任をもって対応をさせて頂いており、そういったサポート面もCFD Selection製品を安心してお使いいただくための重要なサービスだと考えています。

――販売後のサポートのなかで、SSDではファームウェアのアップデートが必要になることもあるかと思います。その際、ユーザーへのサポートはどのように行なうのでしょうか。

[小坂井氏]SSDのファームウェアのアップデートにつきましては、製品ページからファームウェアと手順書をダウンロードできるようご案内させていただいております。また、そうした情報をわかりやすく伝えるため、CFD Selectionの製品サイトをより分かりやすいものにしていくことも検討しています。

ユーザー向けイベントの開催も積極的に検討お得感のあるSSDなど、より身近な製品の展開目指すCFD Selection

3月中旬に発売されたばかりの「CFD PG2VN」シリーズ。
CFD Selectionのラインナップは今後も拡充予定。

――CFD Selectionはゲーミング分野に積極的にアピールしていくのでしょうか。例えばe-Sportsへの協賛などは検討していますか。

[小坂井氏]e-Sportsへの協賛は今後の課題として受け止めています。まだ確実なお答えはできません。しかし、CFD販売としてゲーミングに注力していく方針です。

 もちろんゲーミングだけというわけではなく、幅広い層へ向けた取り組みも行っています。例えば、CFD販売では自作PCやラップトップPC向けに、SSDストレージの換装をテーマとしたイベントも開催しています。

 現在、PCだけでなくコンシューマーゲーム機でもストレージをHDDからSSDに換装することでロード時間を短縮するようなテクニックが盛り上がっていますので、そうしたゲーム機向けの提案も積極的に行なっていきたいと思っています。このほか、映像用途に向けたイベントも予定しています。

――今後のCFD Selectionの展開について、ご検討中で公表できるものがありましたらお願いします。

[小坂井氏]企画段階、現在開発中のものになりますが、コンソールゲーム向け・エントリーユース向けSSDやゲーミングSSD(M.2 NVMe ハイスピード)などを予定しています(3月中旬に「CFD PG2VN」シリーズが発売)。

 メモリではゲーミングシリーズでDDR4-3000/3200のラインアップを、3月末から4月頃に発売を予定しています。CFD Selection選定のメーカーについても、今後増やしていくことも考えています。

――最後にユーザーに向けてCFD Selectionからのメッセージをお願いします。

[小坂井氏]CFD Selectionはこれからも品質・サポート・ベストプライスを皆様に提供していきます。ユーザー様の声も製品展開に反映していきたいと考えておりますので、製品についてのご意見やご要望もお待ちしています。プラスなご意見はたくさん頂ければ嬉しいですし、マイナスなご意見はお手柔らかにお願いできるとありがたいです。

 ゲーム環境を快適にしたい方、自作はハードルが高いけどストレージの換装くらいならチャレンジしてみたいと思っている方、もちろん日頃からCFD販売製品をご愛用いただいているユーザー様にも、より一層愛されるブランドになるように、これからも尽力していきます。

[制作協力:CFD販売]