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仕事に!趣味に!ゲーム機にも、ポケットサイズSSD「My Passport Go」がワークスタイルを変える!
Western Digitalの高速なUSBポータブルSSDの利便性を再確認 text by 日沼 諭史
2019年3月29日 10:05
大容量のUSB外付けストレージというと、かつては3.5インチHDDを搭載した弁当箱並みの大きさをイメージすることが多かった。
しかし、その後2.5インチHDD採用のコンパクトなタイプや、HDDの速度面の弱点をカバーした2.5インチSATA SSDを搭載した製品も登場して、外付けでも携帯性と速度を両立したものが当たり前になってきた。もちろん、USB 3.0/3.1のような高速なインターフェースが標準になったのも大きいだろう。
そしてここへ来て、さらにコンパクトさで上をいく新世代とも言えるポータブルSSDとして、Western Digitalの「My Passport Go」が現れた。なんと生身の2.5インチ2.5インチSATA SSDより小さい!速度面でも妥協はなさそうだ。
My Passport Goがどんな風に使えるのか、そして読み書き性能はどれほどのものなのか、いろいろ試してみた。
【記事目次】
・「My Passport Go」ってどんな製品?
- 様々なシーンで活躍するポータブルSSD -
・軽くて持ち出しやすい、外での仕事で活躍
・出先のその場でデータを受け渡し、素早くデータを共有
・資料データもプライベートの音楽ライブラリも丸ごと持ち運び
・PlayStation 4の高速化に、ゲーム機にも使えるポータブルSSD
「My Passport Go」ってどんな製品?
My Passportシリーズとしてさまざまなタイプの外付けストレージをリリースしているWestern Digital。
今回のMy Passport Goは、そのなかでも携帯時の使い勝手にフォーカスした製品だ。縦横サイズは67×95mmで、厚みは10mm。縦横サイズで言えば、だいたい70×100mm程度の2.5インチSATA SSDよりひと回り小さい。
Western Digitalでは“ポケットサイズ”をうたっているが、感覚的にはほとんどカードサイズと思えるくらいだ。
これほどの小ささを実現しているにもかかわらず、USBケーブルは収納式。別途ケーブルを持ち運ぶ必要のない使い勝手の良さがポイントとなっている。
さらに、エッジ部分にはやや弾力があって傷が付きにくいシリコン素材が使われており、衝撃を吸収する構造になっている。このような工夫により、2メートルの高さから落下させても問題のない耐衝撃性能を備えているという。
モーターなどの可動パーツがないので、元々衝撃や振動には強いSSD。My Passport Goはより小さく軽量なだけに、胸ポケットに入れたことを忘れてうっかり落としてしまうこともありそうだが、一定の耐衝撃性能がしっかり担保されているおかげで頻繁に持ち運ぶ人も安心だ。製品保証も3年間付帯されている。
ラインアップは500GB(型番 WDBMCG5000ABT / 税込9,800円前後)と1TB(型番 WDBMCG0010BBT / 税込19,800円前後)の2タイプ。カラーは日本国内ではブルーのみが用意される。
初期のフォーマットはexFATで、WindowsでもmacOSでもそのまますぐに使用可能。両OS対応のバックアップソフトも同梱され、DropboxやGoogle Drive、OneDriveといったクラウドストレージ、その他SNSなどのデータを簡単に自動バックアップできる機能もある。
このツールと一緒に使うことで、ネットワークのない場所でPC作業をしなければならないときでも、My Passport Goも一緒に持ち運んでさえいれば、クラウドストレージの実データにいつでもアクセスできるようになる。こういったツール面で外付けストレージを持ち運ぶ意義を高めてくれるのも、ありがたい部分だ。
様々なシーンで使えるMy Passport Go“カードサイズ”に近いコンパクトさが生むメリット
このコンパクトで耐衝撃性能も備えたMy Passport Go。どういった用途で便利に使えるのか、いくつか例を挙げてみよう。
軽くて持ち出しやすい、出先の仕事で活躍するポータブルSSD
最近はフリーアドレスで日によって異なる席でデスクワークしたり、コワーキングスペースやレンタルオフィス、喫茶店、ファミレスなどでリモートワークしたり、といったことも珍しくなくなってきた。
いわゆる「働き方改革」の流れもあって、仕事をする場所がその時々で変わる……みたいな人はこれからも増えるはずだ。
そういう決まった席がないとか、外出することの多い仕事・働き方では、必然的に持ち運びに適したノートPCを利用するのが基本となるだろう。いつでもどこでもノートPCを開いて仕事できるのは便利だ。
ただその反面、楽に移動できるようモバイル性能を突き詰めると、その分だけPC性能、つまりはストレージ容量に余裕を持たせることが難しくなる。容量の大きい内蔵ストレージに交換しようと思うと高くつきすぎたり、あるいは物理的に交換不能というパターンもある。
そうすると、コストパフォーマンスに優れた外付けストレージの出番となるわけだ。せっかく持ち運びを考えて小型のノートPCにしたのに、かさばる外付けストレージも携帯したら意味がない……というのが今までだったわけだけれど、ポケットにもサクッと入るMy Passport Goなら気にならない。重量も実測で53gとかなり軽く、常に携帯するなら積極的にこうした小型軽量モデルを選びたいところ。
また、喫茶店の小さなテーブルのように、スペースの限られるところで置き場所に困らないのもMy Passport Goの特長といえるだろう。
出先のその場でデータを受け渡し、素早くデータを共有
会議や打ち合わせをしているときに、相手にその場で資料ファイルなどのデータを渡したり、受け取ることはよくある。
こういうときはUSBメモリでやりとりすることが多いかもしれないが、USBメモリはせいぜい数十GB程度の容量だったりするので、動画ファイルなんかを扱っているとすぐに不足してしまうだろう。
My Passport Goであれば、最低でも500GBもの容量があるので、USBメモリには入りきらないサイズのデータもたっぷり保存しておける。服やバッグのちょっとしたポケットに入れておけるので、常に持ち運ぶのも全く苦にならない。必要時に胸ポケットあたりからサッと取り出して、できるビジネスマンを演出してみるのはいかがだろう。
また、複数人にデータを共有するような場合は、特にSSDの高速な転送速度が活きる。その場で共有しなければならない人数が増えれば増えるほどデータを書き込む時間とそれをコピーする時間が発生するので、高速であればあるほど無駄な時間を短縮できる。
My Passport Goのリード・ライト性能はどれほどのものなのか。「AJA System Test」で計測してみたところ、公表されているリード400MB/sというスペックを超え、シーケンシャルリードは413MB/sを記録した。シーケンシャルライトは229MB/sとリードほどではないが、それでもかなり高速だ。
参考までに2.5インチのポータブルHDD(3Gb/s)と比較してみると、リードは5倍以上、ライトは3倍以上と、それぞれ大きく上回った。
仕事の資料データもプライベートの音楽ライブラリも、常に丸ごと持ち運ぶ
持ち運びに適したコンパクトさを実現しつつ、大容量と高速さも兼ね備えるMy Passport Goは、これまでの「バックアップは据え置きHDD(NAS)に」という意識を変える可能性もありそうだ。
過去の仕事のデータから、プライベートで楽しむ大量の音楽ライブラリまで、丸ごと入れて常に携帯しておく、という使い方もできるだろう。
もちろん、ほとんど使うことのない古いデータを持ち歩く意味はないので、「少しでも使う可能性のあるデータ」というところがミソ。例えば出先でミーティング中に、過去に作成した資料を改めてクライアントに見せる必要が出てくることもある。あるいは資料を作成するのに過去に作ったデータをテンプレートとして使いたいときもあるはずだ。
クラウドを活用する手もあるが、データが必要なときに必ずインターネットに接続可能な場所にいるとは限らない。そういう場面でも確実にデータを参照できるようにする方法として、バックアップを携帯する意義は大きい。
さらに、My Passport Goに音楽ライブラリを丸ごとコピーして携帯していれば、出先で音楽を聞きたくなったときも、PCなどに接続してそこから好きなものを選んで流すことができる。スマートフォンでも音楽は聞けるし、ストレージが大容量になったとはいえ、他にも画像などのデータがあることも考えると、音楽ファイルだけでストレージを埋め尽くすわけにはいかない。
容量に余裕のあるMy Passport Goなら、ハイレゾ音源のようなファイルサイズの大きい音楽データも数百GBの単位で保管できるから、所有している音楽ライブラリ全体を持ち運ぶのも問題なし。いつもは厳選した音楽をスマートフォンに入れて聞いているかもしれないが、My Passport Goを活用すればそんな制約は一切なくなるわけだ。
というわけで、そんな「丸ごと持ち運ぶ」用途において気になるファイルの転送速度を計測してみた。
テスト内容は、筆者が仕事で使用している資料データなど975個、計約10GBのファイル書き込み時間。参考までに外付け2.5インチポータブルHDD(USB)と比較している。
時間は手計測だが、このテストではMy Passport Goが2.5インチポータブルHDDに比べて40%近く高速な結果となった。
PlayStation 4の高速化に、ゲーム機にも使えるポータブルSSD
ビジネスシーンだけでなく、プライベートシーンにおいてもMy Passport Goは高いポテンシャルを秘めている。
例えばゲーム機のPlayStation 4。ここに外付けUSBストレージを接続して「拡張ストレージ」とすることで、ゲーム本体データの保管先として使えるようになるのはみなさん知っての通りだ。
内蔵HDDをSSDに交換する手段もあるが、それほど難易度の高い作業ではないとはいえ、ストレージ交換やシステムの再インストールなどの手間を考えると、誰でも気軽にというわけにはいかない。
それに対して、外付けストレージならUSBポートに接続してゲームの本体データを移行するだけなので、手っ取り早く高速化を図れる。ねじ1本外す必要もないので、誰にでもおすすめしやすい方法だ。PS4やPS4 Proの高速化を目的としてMy Passport Goを導入するのは大いにアリな選択だと思う。
My Passport Goを使用するとどの程度の効果があるかも紹介しておこう。
以下はPS4 Proのゲーム起動にかかる時間と、一部ゲームスタート時のローディング時間について計測したのが以下のグラフだ。My Passport Go、内蔵標準2.5インチSATA HDD(3Gbps SATA)、別途用意した2.5インチSATA SSD(6Gbps SATA)をPS4 Proに内蔵した状態の3つを比較する形にした。
これを見る限り、外付けのMy Passport Goがあれば、内蔵ストレージをSSDにするのに限りなく近い快適さが得られるようだ。ゲーム起動も高速だが、Horizon Zero Dawnの結果に見られるように、ゲーム開始までのローディングにかかる時間が半減しているのは特にインパクトが大きい。
手軽にPS4を高速化したいと考えているのなら、My Passport Goはかなりお勧めできる選択肢だ。
My Passport Goはワークスタイル改善の鍵に気軽に持ち運べてガンガン使えるポータルSSD
今までだと、どうしても煩わしさが先行しがちだった外付けストレージの持ち運び。
しかし、My Passport GoならUSBメモリのような気軽さで携帯でき、HDD並みの容量とそれ以上の高速さを手に入れることができる。もはや「煩わしい」なんて感覚はどこにもない。
筆者もノートPCの内蔵ストレージの容量不足もあって、以前から日常的に外付けSSDを活用している。その経験上、外付けSSDがあるのとないのとでは、仕事の効率が大きく変わるものだとつくづく実感しているところだ。
出先で撮影した写真や動画を、時間をかけずにガンガン放り込んでいける気楽さが1つ。そしてもう1つ、一杯になっては外部へバックアップし……を繰り返していたノートPCの内蔵ストレージの寿命を延ばせる、というほとんど精神的な部分での効果も意外と大きい。
My Passport Goは、そういったいろんな部分での安心感を超小型のパッケージに詰め込んでいるのが最大の魅力。ワークスタイルを変革する……とまでは言えないかもしれないけれど、毎日持ち運んでいるものを見直して身軽にするなど、仕事環境を最新の状態にアップデートするキーアイテムには少なくともなりそうだ。
[制作協力:Western Digital]