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無線の安定性を向上、ゲーミングマウス「CORSAIR HARPOON RGB WIRELESS」を試す

完成度の高いシンプルなデザイン、独自の無線接続技術「SLIPSTREAM」を採用 text by 白倉甲一

CORSAIR HARPOON RGB WIRELESS

 一般向けマウスは無線モデルが標準になりつつあるが、ゲーミングマウスにも無線化の波は押し寄せている。

 以前は、接続状態の安定性や重量などの面で難点が目立つ製品も多かったが、ここ数年に発売されたモデルは、技術向上に伴い実用レベルに達している製品も多く見受けられる。

 そうした中、今回のレビューでは、独自の無線技術「SLIPSTREAMテクノロジー」を採用するCORSAIRのゲーミングマウス「HARPOON RGB WIRELESS」を紹介する。軽量かつシンプルなデザインに仕上げられた無線モデルで、実売価格は税込8千円~9千円前後だ。

 さっそく製品のスペックや使用感を確認してみよう。

無線モデルながら90gと軽量高級パーツ採用かつシンプルなデザインの右手用ゲーミングマウス

 まずは外観からチェックしていこう。

 右手用マウスとしてはシンプルな形状だが、サイドは内側に抉るような凹みをつけることで持ちやすくなっており、さらにラバーコートを施すことでホールド感を高めている。かぶせ持ちはもちろん、つかみ持ちなどにも対応できそうだ。

サイズは115.5×68.3×40.4mm、小型と言うほどではないが日本人の手には大きすぎないちょうど良さだ。
サイドボタンは左側のみ。画像ではわかりにくいがかなり内側にカーブしている。

 本体重量は99gと、現行の無線ゲーミングマウスと比較してもなかなか軽い。「HARPOON」には有線モデルの「HARPOON RGB」もラインナップされているが、こちらと比較しても重量差はわずか14gで、無線化にともない重量が大きく増加しているわけでは無い。

上から見た状態、ボタンは計6個。
センサーには最大解像度10,000dpiのPIXART社製「PMW3325」を搭載。
左側、サイドボタンは2つ。ラバーコートが施されているのでグリップも良好。
右側、こちらにもラバーコートが施されている。

 センサーに最大解像度10,000dpiのPIXART製「PMW3325」を採用するほか、5,000万回のクリック耐久性を誇るオムロン製スイッチを採用するなど、ハイグレードなパーツを採用しているのも特長。

 余計なボタンや装飾を排除したシンプルな構造かつ、高品質なパーツを採用したマウスが欲しいというユーザーにおすすめ出来るモデルになっている。

正面、左右メインボタンのスイッチには耐久性に優れたオムロン社製スイッチを搭載している。
左側が高く、右側が低めになっているので手首をあまり捻らずにホールドできる。
有線接続時は切り込みに沿って挿し込むため、しっかりと固定できる。
有線接続用のケーブルは長さ1.8m。

 接続方式は有線(USB)、Bluetooth 4.2、専用USBレシーバーによる無線方式の3つに対応。

 中でも専用レシーバーを用いた接続ではCORSAIR独自の「SLIPSTREAMテクノロジー」が利用可能で、無線接続でも安定した接続を可能にしているという。

底面の裏蓋を外すと専用レシーバーが収まっている。小型でUSB差し込み時の出っ張りはそれほど大きくない。
接続方式は底面下部のスイッチで切り替え可能。

 専用レシーバー接続での連続駆動時間は約30時間。バックライト非使用で約45時間となるため、連続稼働時間を少しでも延ばしたい場合などはバックライトオフの状態で使用するのも良いだろう。

 また、Bluetooth 4.2 + LEでの接続であれば最大60時間駆動となるので、ノートPCと合わせて持ち運ぶ場合や、外出先での作業などに使うのであれば、稼働時間の長いBluetooth接続が便利だろう。

独自の無線技術により有線マウスレベルのパフォーマンスを実現CORSAIRの「SLIPSTREAMテクノロジー」

 「SLIPSTREAMテクノロジー」は、1ms以下の低遅延をウリとする2.4GHz帯を利用したCORSAIR独自の無線接続技術。

 従来の2倍のパケット伝送を行うと同時に、周波数を動的に切り替えるインテリジェント周波数シフト(IFS)を使用することで、超高速かつ強力な信号耐性を備えているという。PCとの接続に関しては、付属の専用レシーバーを使用する。

 2.4GHz帯の周波数は障害物などに強く、安定した接続が可能な反面、ルーターや家電など様々な機器で利用されており、干渉したり混線の恐れがある。そのデメリットを解決する為に生み出されたのが「SLIPSTREAMテクノロジー」というわけだ。

無線接続と本体重量99gの軽さで取り回しは軽快。長時間使用での重さによる負担は特に感じなかった。
スコープを覗いての繊細な操作でも遅延などは体感できなかった。

 簡単にではあるが、実際にゲームで使用感を試してみたところ、1ms以下の超低遅延データ転送うたうだけあってラグを感じることはなく、接続状況が悪くなることも無かった。

 強力な信号耐性を特長しているモデルなので、オフラインイベント時やゲーム大会など、2.4GHz帯無線の混線が予想される状況でも活躍してくれるだろう。

ユーティリティ「iCUE」で設定もイルミネーションも一括制御

 HARPOON RGB WIRELESSは、CORSAIRの統合ユーティリティ「iCUE」に対応している。他のCORSAIR製品と合わせて統合的に制御できるほか、イルミネーションなどの連携設定も可能だ。

ロゴはカラーLEDイルミネーションに対応。
イルミネーションパターンは様々で他のデバイスとの連動も可能。

 ボタンの割り当てやマクロなど、設定は細かい調整が可能。自由度も高く、ホイールボタンなども調整できるので、いろいろ試して自分好みのカスタマイズを模索してみよう。

 HARPOON RGB WIRELESSはカスタム用ボタンを多数搭載しているマウスでは無いので、機能は厳選して割り振る必要があるが、プロファイル機能を使ってソフトウェアやゲームごとにうまく切り替えて使えば快適に使用できるだろう。

プロファイルは複数登録することが可能で、プログラムごとに異なる設定を使い分けるといったこともできる。
「アクション」ではマクロやホットキーなどの設定が可能。タイミングなども細かく調整できる。
DPI設定画面。段階ごとのLEDへの色分けやスナイパーモードの設定も可能。
スナッピングや精度を高める設定も可能、好みで調節しよう。

シンプルながらも作り込まれた無線ゲーミングマウス

 無線ゲーミングマウスとしては安めの価格帯で重量も軽く、ハードウェア的にも申し分の無い出来映えのモデルとなっている。初めての無線ゲーミングマウスとして選ぶのであれば、良い選択肢になるだろう。

 また、目玉と言える「SLIPSTREAMテクノロジー」による無線接続の安定性に加え、稼働時間を延ばしたい場合はBluetooth接続に切り替えられたり、レシーバーが本体に収納可能だったりと、使い勝手や持ち運びの面でもよく考えられたモデルに仕上がっている。

 家と出先、カジュアル用途と本格ゲーミングといった、「異なる利用シーンでも1つのマウスで対応したい」といったニーズにも応えられる魅力的なモデルだ。

[制作協力:CORSAIR]

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