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テレビ、PC、スマホをこの1台でカバー! CORSAIR本気のリビング用キーボード「K83」を試す

「暮らし方改革」を一歩進める決定版、接続方式は選べる3種類 text by 日沼 諭史

CORSAIR K83 ワイヤレスエンターテインメントキーボード。置いてあるだけでも絵になる高いデザイン性も特徴。
リビングにある様々なデバイスを1台でコントロールするコンセプトで設計されている。

 唐突だが、あなたの自宅にキーボードは足りているだろうか。筆者は足りていなかった。

 いきなり何言ってるんだコイツ、という白い目を向けられそうだが、最近はご存じの通りスマートフォンやタブレット、テレビなど、自宅で使う多くのデバイスがキーボード操作にも対応してきている。PC以外でもキーボードを活用できる場面が増えてきているのだ。つまり、キーボード1台ではとても足りない。

 タブレットやテレビはタッチやリモコンで操作できるんだからキーボードなんて不要、という意見もあるだろうが、文字入力の絶対的な快適さは物理キーボードにはかなわない。これはGUI操作におけるマウスの優秀さとも似ているだろう。

 とはいえ、デバイス1台1台にキーボードやらマウスやらを個別に用意しておくとなると、単純に邪魔だ。共用できるワイヤレス製品1台にまとめるとしても、操作対象を変えるときにいちいちペアリングし直すのでは逆に不便きわまりない。

 そんなやっかいな課題をまるっと解決してくれそうなキーボードがCORSAIRから登場した。それが「K83 ワイヤレスエンターテインメントキーボード(以下K83)」だ。日本ではAmazon.co.jpで限定販売されており、価格は税込16,200円。

 ゲーム向けのPCや周辺機器で知られるCORSAIRだけに、実務的な用途だけでなく、ゲームなどのエンタメ性能も高そうな一品となっている。さっそく筆者の自宅で試してみた。

3種類の接続方法で複数デバイスに対応するマウス機能付きキーボード

真上から見たK83
本体が薄型で若干傾斜が設けられている

 K83は、接続方法を3種類から選ぶことが可能な、マウス操作にも対応するキーボード。

 あるときはドングルを介した2.4GHzのワイヤレス接続で、あるときはBluetooth接続で、そしてまたあるときはUSBケーブル接続で利用でき、キーボード右側にはタッチパッドやスティック、左右ボタンなどを備えている。これ1台あれば、複数のデバイスでキーボードとマウスが使えるようになるわけだ。

 たとえばデスクトップPCはUSBケーブル接続で利用し、リビングのテレビはドングルによるワイヤレス接続で、タブレットはBluetooth接続で利用する、といった使い分けが可能。

 Bluetooth接続については2系統用意されているので、もう1台他のデバイスをペアリングしておくこともできる。接続先の切り替えはファンクションキーを押すだけなので、再接続にかかる手間も最小限だ。

K83に付属するUSBケーブルとUSBドングル
F5~F8キーは接続方法の切り替えボタンも兼ねている

 右側にあるマウス操作のためのパッドやボタンは、実は4ボタンマウス以上の機能をもっている。

 真ん中の丸いエリアは指先の滑りの良いタッチパッドで、人差し指で操作しながら、その下に見える左右ボタンを親指でクリックできる。もしくは、キーボード右端を握り込む形で持ったときは、右上にあるスティックでマウスカーソルを操作することも可能だ。

右側にはタッチパッドと左右マウスボタン、スティックなど
握り込むようにして持ち、スティックを操作

 そして、キーボード本体の裏面には、小さめの「L」ボタンと大きめの「R」ボタンが用意されている。これは、スティックを親指で操作しつつ、人差し指と中指でLRボタンを押すというような使い方ができるもの。ようするにほとんどゲームパッドのような使い勝手が実現可能なのだ。

 スマートフォンやタブレットのゲームアプリのなかにはゲームパッド対応のものもある。そこでこのパッドを活用すれば、他の人より有利にプレーできる可能性もあるのではないだろうか。

 一方で、ワイヤレスキーボードで気になるのは電池もち。K83は電池交換式ではなく充電式の内蔵バッテリーで駆動し、最長約40時間の連続動作を可能としている。ほぼ丸2日間たっぷり使えるため、いざというときに電池切れ、なんてトラブルはまずなさそうだ。

K83を裏返すと、LRボタンが現れる
充電ポートはマイクロUSB。満充電で約40時間動作する

 機能以外の部分で見ると、K83の最大の魅力の1つはなんといっても所有感のあるデザインだろう。

 よくあるモバイル性能だけに特化したコンパクトキーボードとは一線を画している。ボディ表面はヘアライン加工が施されたアルミニウム素材で仕上げられ、高級感が漂う。

 このアルミ素材のおかげか剛性は高く、キータッチの安定感はかなり高い。キーを叩いたときに瞬間的に歪むような、コンパクトキーボードにありがちな頼りなさは一切ないし、ストロークも浅すぎず、ややコシがあって打ちごたえのあるフィーリングだ。

アルミニウムボディの洗練されたデザイン
薄く、片手でつかんで楽に持ち上げられる
キーストロークは浅すぎず、それなりにコシもある
LEDバックライトも備えている

 本体重量は480gと超軽量モデルではないが、自宅で持ち運んで使うのがおっくうになるような重さでもない。

 剛性があるわりには本体は薄く、片手でつかんで軽く持ち上げられるし、リビングのソファに座りながらK83を膝に置いて使うようなスタイルでは、ほどよい重量があるおかげで安定させやすいというメリットもある。

 機能充実でさまざまな使い方ができそうなK83、実際のところどんな感じで使えるだろうか。

リビングのテレビが超快適なエンタメマシンにK83があれば操作性は別物レベルで向上

リビングのテレビをK83で操作

 筆者の自宅リビングに設置しているテレビは、ソニー製のAndroid TV。K83とは最も相性のいいデバイスの1つだ。なぜなら、K83はファンクションキーを「クイックキー」としても利用でき、F1~F4はAndroid OSにおける「戻る」「ホーム」「タスク」「検索」が割り当てられているから。

 また、F9~F12はメディアコントロールキーになっていて、再生中のコンテンツの停止・頭出し・スキップなどをワンタッチで実行できる。さらにタッチパッドの上にあるホイールを回転させればボリューム変更も可能だ。

F1~F4キーはAndroid OSの「戻る」「ホーム」「タスク」などと同じ役割をもつ
F9~F12キーはメディアコントロールキー。標準ではいずれもキーボードの「Fn」キーと一緒に押すことで機能する
タッチパッドの上にあるホイールはボリューム変更に使える。その下にある小さなカギマークのボタンは、ファンクションキーをクイックキーに固定するためのもの

 このようなAndroidに最適化された機能のおかげで、Android TVの操作性はぐっとアップする。テレビなのだからある意味当たり前なのだが、これまでは放送中の番組を見るか、録画した番組を見るか、Netflixなどの定額動画配信サービスを楽しむか、くらいの使い方しかしてこなかった。

 ところが、K83を組み合わせることで、まずテレビ上での「検索」という行為が日常的になる。

 テレビを使っていて「ああ、キーボードがあればなあ」とつくづく思うのが、予約録画などをするときの番組検索ではないだろうか。標準の赤外線リモコンのボタンは文字入力時の操作性がほとんど考慮されておらず、テレビ本体の赤外線受光部にしっかり向けなければならないこともあって、長い文字列の打ち込みは苦行みたいなもの。

 でもキーボードがあれば即座に入力できるし、ワイヤレス接続なら受光部に向いているかどうかも関係ない。

リビングにキーボードがあるとテレビの操作性は激変する
番組検索は、キーボードがあるとはかどり方がハンパない

 さらにK83は検索専用キーもある。F4キーでもいいけれど、筆者のAndroid TVの場合はWindowsキーでGoogleのキーワード検索画面が表示されるので、こちらの方が使い勝手が良い。

 気になるワードをキーボードからさっと入力するだけで見たい動画があっさり現れ、そのまま動画再生を始められる。思ったほど面白くなかったらF12キーでどんどん次の動画にスキップすればいい。

 もちろんテレビ内蔵のWebブラウザーで検索もできる。まあ、テレビのデバイスとしてのパフォーマンスがあまり高くないことを考えると、情報収集をしたいなら素直にスマートフォンでWeb検索した方が快適ではあるのだけれど。

F4キーで起動する検索画面はデフォルトで音声検索になるため、戸惑うかも
Windowsキーをワンプッシュすれば動画検索画面に。ここからWeb検索にも遷移できる

 ログインが必要な動画配信サービスなどでユーザーIDやパスワードを入力するときも、キーボードは活躍してくれる。

 この2つは入力ミスが許されないこともあって、通常は操作性の良くないリモコンでポチポチ慎重に操作するわけだが、やっとのことで入力し終わって「IDかパスワードが間違っています」みたいなエラーになるとイライラがMAXである。

 キーボード入力なら、もし入力ミスがあったとしてもやり直しが苦ではない。PC上で入力に慣れたパスワードなんかは、キータッチのリズム感で身体(指先)が覚えているところもあるので、テレビでもそれと同じように入力できるのはありがたい限りだ。リモコンとは比較にならないレベルでキーボードが快適だ。

ログイン画面でのパスワード入力は、テレビリモコンが苦手とする操作の1つ。K83ならスイスイログインできてしまう

 ところで、Android TVはGoogle Playからゲームをインストールすることもできる。なかにはゲームパッドでの操作にしか対応しないAndroid TV向けゲームもあるが、スティックやタッチパッドを備えるK83ならそういったゲームもプレー可能だ。

 例えばレースゲームでは、スティックでレースカーのステアリング操作ができる。モバイルゲームがベースとはいえ、大画面テレビとなるとさすがの迫力。スティックを使うと、一般的なゲームパッドと同じように項目選択などが直感的にできるようになるので、没入度も間違いなく高まる。

Android TVにダウンロードしたレースゲームをスティック操作でプレー。ハイスコアを狙えるかは微妙だが、楽しく遊ぶことはできる

タッチパッド一体型はデスクトップPCでも便利省スペースでも扱いやすく、ゲームでも活躍

 特にリビングで活躍するK83だが、自宅の書斎などでも利用価値は高い。テンキーレスのコンパクトなサイズなうえにマウスも兼ねているので、あまりスペースの広くないデスク上での作業にももってこい。

 タッチパッドはWindows 10のジェスチャー操作にも対応し、2本指でなぞると画面スクロールやファイルアイコンの拡大・縮小などが自由自在だ。設置スペースを気にして小型の2ボタンマウスなんかを導入するより、このタッチパッドの方がよほど効率良く使えるはず。

自宅にある筆者の狭い仕事スペースにも余裕で置ける

 また、3種類の接続方法が選べるK83だが、デスクトップPCと接続するときは個人的にはUSBケーブルによる有線接続がおすすめ。

 1日の終わりにPC(の常時給電のUSBポート)と接続しておくようにすれば忘れずに充電でき、バッテリー切れの心配が不要になるからだ。

別途マウスを置かなくていいのも助かる
タッチパッドはジェスチャー操作に対応
PCにUSB接続すれば、PC上でキーボードが使えるのと同時に充電もできる

 ゲーミングPCやゲーミングパーツを扱っているCORSAIRらしいギミックがそこかしこに見られるのも、PCゲーマーにはうれしい部分。

 たとえば多くのゲームで移動などに割り当てられる「W/A/S/D」の各キーが、他と区別しやすいよう異なる色になっている。基本となるこれらのキーをゲームプレー中に確認することはまずないけれど、ゲーミングっぽさのあるニクい演出と言えるだろう。

 また、複数キーの同時押下を認識する「20キーロールオーバー」に対応し、専用ツール「CORSAIR ICUE」(Windows対応)を使ったマクロ設定などのカスタマイズも可能で、繊細かつ高速な操作が必須となるゲームでもプレーヤーをしっかりサポート。

 もちろんスティックや裏面のLRボタンもPCゲームでは有用で、スクロール、エイミングや方向・視点の切り替え、アイテムの持ち替えなど、右手だけで簡単に操作できる。

「W/A/S/D」キーだけが色分けされている。ゲーミングっぽい雰囲気だ
キースイッチ部分
CORSAIR ICUEでカスタマイズも可能、キー操作を自動化するマクロ設定も行える
ICUEからはバックライトの明るさなども変更可能だ

 こういったプレースタイルでは、どちらかというとK83を膝上に置いて使う形になるので、デスク上にミリメシ(ポテチなど)をいっぱいに広げて、万全の補給体制で戦場へ向かいたい気分のときにぴったり。もしくはリビングの大画面テレビにPCゲームを映し出し、ソファでくつろぎながらプレーするのもいいだろう。

 実務的な面では、意外と使えるのがスティック。たとえばテキスト編集時にスティックを上下左右に倒すとカーソルを素早く動かすことができる。矢印キーだと指を4本使わなければならないところ、スティックなら指1本添えるだけでいい。

 上下に倒し続ければわりと高速に画面スクロールでき、しかも1行ずつの移動になるので、場面によってはタッチパッドやマウスホイールを使ったときよりもフレキシブルかつ正確にスクロールできる。Microsoft Excelのような表計算ソフトでもセル移動の操作が同様にできるので、表データの確認作業で使うと効率アップ間違いなしだろう。

PCのシミュレーションゲームで試してみたが、快適に操作できた
右手を握り込む形で持てば、FPSなどのゲームも本気モードでプレーできる
指1本添えるだけで高速なカーソル移動が可能に。タッチパッドやマウスを直接操作するより効率が良い
膝上に置いた状態でも操作はしやすい

K83があればタブレットはノートPC風スタイルで使えて便利キッチンに置いてレシピ確認も快適に

 AndroidタブレットやタブレットPCでは、Bluetooth接続で使うのが一番。普段はタッチで操作しつつ、長文入力が必要なときにK83を使いたい。

 画面がスマートフォンより大きいとはいえ、ソフトウェアキーボードを使うと入力欄が狭くなってしまい、長文メールの作成やブログ・SNS投稿はとても快適とはいいがたい。K83を接続していればソフトウェアキーボードが現れず、画面全体を有効活用できるから、長文入力がずっと楽になるはずだ。

メール作成などある程度長文テキストを打ち込むときは、タブレットでも物理キーボードは便利
タブレットとキーボードを離して置いてもいい。見やすい場所に置くことで料理の手順もスムーズに!?

 Androidタブレットでは、物理キーボードとマウスを使えるようになるだけで、ほとんどノートPCのような使い勝手になるのも面白いところ。

 一般的なノートPCよりも圧倒的な省スペースを実現できるから、キッチンカウンターに置いて料理中にレシピを検索したり、動画や音楽を流したり、チャットしたり、なんて使い方もアリだろう。

 タブレットとK83をすぐ近くに置いておく必要もないので、タブレット本体は見やすい位置に立てかけ、K83は水や油のかからない場所に置いておくのも良さそうだ。

キッチンカウンターに極省スペースのノートPCを設置したような見栄え
薄型なので、立てかけておけばキッチンスペースでも邪魔にならない

さまざまなデバイスで共有できるK81、1台あれば家庭内の様々なシーンが快適に

 USBケーブル、2.4GHzワイヤレス、Bluetooth×2と、3種類の接続方法で4デバイスを扱えるK83は、自宅にあるさまざまなデバイスの使い道を大きく広げてくれる。

 テレビでは検索する習慣がつき、コンテンツ視聴が楽ちんに。PCではスティックのおかげでゲームプレーも実務的な作業も快適になって、タブレットと組み合わせれば圧倒的な省スペースを実現しながらPCと同等の使い方ができる。リビングの「暮らし方改革」ができる……というと言い過ぎだろうか。

 複数のデバイスで共用できるということは、家族1人1人が所有するデバイスで1台のK83を共用しやすいということでもある。キーボードを人数分もしくはデバイス数分揃えると家の中がキーボードだらけになってしまうが、同時に使うことの少ないデバイスについては1台のK83をシェアして使うようにすれば、設置スペースやコストも抑えられる。

 なによりキーボードとしてのクオリティが高いK83は、リビングにおけるゲームライフやネットライフのクオリティを底上げしてくれる。税込16,200円とやや高めではあるけれど、安物買いのなんとやらになってしまう前に、K83を1台、決定版的なキーボードとして自宅に導入してみてはいかがだろうか。

[制作協力:CORSAIR]