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白いPCを組むならCORSAIR、Ryzen PCをホワイトなパーツをふんだんに使って組む

自慢したくなる?満足感の高い中身も真っ白なゲーミングPC text by 久保勇

 真っ白な水冷CPUクーラーや、フレームも白いRGB LED搭載ファンなど、オールホワイトなPCを組むのに理想的なPCパーツが増えてきたので、「今組める真っ白なPC」をコンセプトに1台組んでみました。

 昨年末に白いRyzen搭載PCを組みましたが、ケースファンなど一部白いパーツが無かったため妥協部分がありました。今回はそうした部分が少ないので、市販品を組み合わせるだけでもかなり美しい一台が組みあがっています。

 また、現在入手しやすいPCパーツだけで組んでいるので、人とは違うPCが欲しい、PC自慢をしたい、自己満足を追求したPCを組みたいといった人はぜひ参考にしてもらえればと思います。

白いPCパーツを多数ラインナップするCORSAIRで統一Ryzen 7 2700X + GeForce RTX 2060で今どきのゲーミングPCに

今回のレビューで使用した主なPCパーツ

 今回はなるべくCORSAIRのパーツを中心に使用し、白いPCパーツを組んでいます。

 CORSAIRは白いPCパーツを多数販売しているので、組み合わせの自由度も高め。白いケースも複数モデルから選んだりできるので、白いPCを組む際におすすめのメーカー。

 同じ白いPCパーツでも、メーカーや製造時期などにより色味が変わることもあるので、なるべく同じメーカーで統一した方が綺麗にまとまります。また、RGB LEDの制御を考えると、パーツは1社でまとめるか、マザーボードのユーティリティ制御に対応したものでまとめる方が綺麗なPCに仕上がります。

 それでは今回使用している個々のPCパーツを紹介します。製品情報へのリンクは記事末尾に記載しているので、気になるパーツがあったかたはそちらもチェックしてみてください。

CORSAIR Hydro Series H100i RGB PLATINUM SE

Hydro Series H100i RGB PLATINUM SE

 今年に入ってからようやく選択肢が増えだした白い水冷CPUクーラー、その中から今回はCORSAIR Hydro Series H100i RGB PLATINUM SEを選びました。

 白いラジエーターに白いファン、ヘッドも白と、個人的に待ちに待ったモデルです。製品サイトを見てもらうとよくわかりますが、動作時の様子がとにかく美しい。めちゃめちゃ使ってみたくなる一台で、白好きには理想に近いモデルではないでしょうか。

 ファンは12cm×2機で、ケーブルもそれほど固くないので取り回しもしやすいです。ちょっと惜しいのが接続ケーブル類が黒な点、なるべく目立たないように配線したいところ。

真っ白な水冷CPUクーラー
ヘッドのロゴ部分とその周りのフレーム部分が光ります
ラジエーターも真っ白
ヘッドの接触面
LGA115x/2011、Socket AM4/TR4などに対応
付属品一式

CORSAIR Crystal Series 680X RGB - White

Crystal Series 680X RGB - White

 ケースに選んだのはCORSAIR Crystal Series 680X RGBのホワイトモデル。

 デュアルチャンバー構造でガラスパネルを採用したモデルで、エアフローと見た目の両立を図ったモデルです。インターフェイスもUSB 3.1 Gen2 Type-Cコネクタを備えるなど、最新マザーボードとの組み合わせにも適しています。

。魅せるPCのベースにもよいケースです。背面側の電源/ストレージ用スペースはかなりゆとりがあり、ケーブル類をこちら側に逃がしやすい構造になっています。

 デフォルトで3基のRGB LED搭載ファンと1基のファンを備え、追加で2基のファンが搭載可能。RGB LED制御用のユニット「CORSAIR Lighting Node PRO」を標準搭載しており、RGB LEDファンは最大で6機まで制御可能。RGB LED搭載ファンを底面に設置することでよりカラフルにみせることもできます。

正面
ガラスパネルがある左側面
背面
右側面
ケース内部
電源やストレージを搭載するスペース

CORSAIR LL120 RGB 120mm Dual Light Loop White RGB LED PWM Fan - Triple Pack with Lighting Node PRO
CORSAIR LL120 RGB 120mm Dual Light Loop White RGB LED PWM Fan - Single Pack

LL120 RGB 120mm Dual Light Loop White RGB LED PWM Fan

 今回使用しているケースにはRGB LED搭載ファンが3基、通常ファンが1基搭載されていますが、これらは白いファンではありません。このため、今回はそれらの交換用にRGB LED搭載ファン「LL120」のホワイトモデルを用意しました。

 前回は黒色フレームの「LL120」を使用しましたが、真っ白感がいまいち出なくなってしまうことがわかっていたので、こだわりのポイントです。

 このファンはフレームは純白、ブレードが半透明の白になっており、光らせない状態でも見た目が美しいというのもポイント。3個セットにはRGB LED制御用ユニットの「Lighting Node PRO」が付属しているので、これを購入するとさらにRGB LED対応機器を接続することが可能になります。

フレームは白色、ブレードは半透明の白色
裏面側
厚みなどは通常の12cmと同じ
ケースとの接地面には防振用のゴムがついています
単品のセット内容
3個セットにはRGB LED制御ユニットのLighting Node PROが付属

CORSAIR VENGEANCE RGB PRO 32GB (2 x 16GB) DDR4 DRAM 3200MHz C16 Memory Kit - White
CORSAIR VENGEANCE RGB PRO Light Enhancement Kit - White

VENGEANCE RGB PRO

 RyzenでPCを組むならDDR4-3200で組みたい!ということで、今回はRGB LED搭載のオーバークロックメモリ「VENGEANCE RGB PRO」のホワイトモデルを用意。DDR4-3200対応の16GB×2枚セットを使用しています。

 Ryzenを使用した際、メモリ2枚までなら比較的DDR4-3200でも安定動作する環境が多いかと思われますが、4枚搭載した際は動作がシビアになってきます。“魅せるPC”でメモリが2枚しかないのはさみしいので、今回はダミーメモリの「VENGEANCE RGB PRO Light Enhancement Kit」も用意しました。

 これで安定動作すれば、高速かつメモリ4枚刺し(見た目だけ)という環境を構築できます。

こっちがDDR4-3200対応のVENGEANCE RGB PRO
こちらは光るだけのダミーメモリ
見た目は全く一緒
端子側
側面
メモリスロットはすべて埋めた方が美しいです

玄人志向 GK-RTX2060-E6GB/MINI

GK-RTX2060-E6GB/MINI

 今回ビデオカードに選んだのは、玄人志向の白いビデオカード「GALAKURO」シリーズのGeForce RTX 2060搭載モデル「GK-RTX2060-E6GB/MINI」。

 白いビデオカードは製品数がかなり少なく、入手も手軽ではありませんが、「GALAKURO」シリーズは中上位GPUを搭載した白いビデオカードを複数ラインナップ。白PCを組むなら「GALAKURO」といった状態になっており、末永く販売してもらいたいところです。

 今回は取り回しの良いショート基板モデルを選んでいますが、予算があれば真っ白な基板でフルサイズの「HOF」を関するGeForce RTX 2080 Tiモデルなども見ごたえがあってお勧め。

 白いPCを組む際は、バックプレート側と側面が見える部分になる場合が多いので、ここが白くなっているかが重要になります。今回のモデルは黒い部分が目立たないデザインになっているので、白PC向けのビデオカードとしてはかなり適したモデルになります。

本体正面
バックパネル、この部分が白いのはかなり重要
出力ポート
本体側面、カード端子側
本体側面、こちら側からみて白く見えることも重要
本体後部

CORSAIR RMx White Series RM750x

RMx White Series RM750x

 本体が白い電源はいくつかありますが、CORSAIRからは本体もケーブルも真っ白なモデルがラインナップされているので、その中から750Wモデルの「RMx White Series RM750x」を今回は選択しました。

 ケーブルは別途スリーブ化したものを購入すると、電源本体よりコストがかかったりするので、初めから魅せるためのケーブルが付属した製品は貴重です。今回のモデルは実売でも2万円を下回っており、お買い得感があります。

 RMx White Series RM750xは80PLUS Gold認証で、保証も10年と長いので、品質を気にする人にもおすすめのモデルです。

ファン搭載側
側面
プラグインコネクタ部分
本体背面
付属品一式
初めからスリーブ化されたケーブルが付属しているので、魅せるPCにピッタリな電源です

MSI B450M MORTAR TITANIUM

B450M MORTAR TITANIUM

 現在日本では白いマザーボードがほぼ手に入りません。中古で探したり、海外から輸入すれば手に入りますが、新品を手に入れるのは困難です。

 そうした状況なので、白いPCを組む際は、白いヒートシンクなど白いパーツを多く実装したマザーボードか、銀色のマザーボードから選ぶことになりますが、今回は銀色のマザーボード「MSI B450M MORTAR TITANIUM」を使用しました。
 チップセットはAMD B450ですが、Ryzenの上位モデルまでしっかりサポートされており、次世代CPUへの対応も予定されています。

 ちなみに、このマザーボードはCORSAIRの作例などにも使用されており、白いPCパーツとの相性はばっちり。今Ryzenで白いPCを組むならベストと言えるモデルです。

表面
背面端子、USB Type-Cなども搭載しています
裏面、銀色が美しいです。
電源部分、大型ヒートシンクを搭載
M.2スロットは2基で、上側がPCIe 3.0 x4レーン
表面はパウダー的な質感というかサラサラしたような感じです

CORSAIR Lighting Node PRO

Lighting Node PRO

 今回、ケースの下側に光るパーツが無いので、光るパーツを補完する意味でRGB LEDストラップを追加しました。

 CORSAIRからはRGB LEDストリップ単体の「RGB LED Lighting PRO Expansion Kit」が販売されていますが、入手が難しいので、RGB LED制御ユニット「Lighting Node PRO」の単体販売モデルに付属しているストラップを使用しています。

今回は付属のストラップのみを使用
ストラップ裏面は両面テープがついています
LED部分
LEDコントローラ
ストラップの延長ケーブル

そのほかの使用パーツ

 今回ほとんど白いPCパーツで揃えましたが、CPUは白いものが存在しないので通常のRyzen 7 2700Xを使用。M.2 SSDも白いモデルが流通していないので、CORSAIRのM.2 SSD「MP510」を使用しています。

 また、マザーボード上のファン接続端子では数が足りなかったり、CPUファン信号ケーブルの長さを調整したかったので、アイネックスのファンPWM信号4分岐ケーブル「CA864SAPS」とファン用電源延長ケーブル「CA-094」も使用しています。

AMD Ryzen 7 2700X
CORSAIR Force Series MP510 960GB M.2 SSD
アイネックス CA864SAPS/CA-094

ケースのファンをホワイトモデルに交換、白いPCとしての完成度をアップ

 前回の教訓を生かし、ケースファンを真っ白なモデルに交換します。

 今回使用しているケースのCrystal Series 680X RGBのホワイトモデルは、おそらく白×黒のツートンカラーでPCを組むことを想定しているモデルで、ファンなど一部パーツは黒のモデルが搭載されています。

 白いPCを組む場合、ファンは主役級の目立ち方をするので、白いファンを使わなければ白いPCである印象が薄れます。費用はかかりますが、ここはこだわりたい部分です。

ケースに標準搭載されているファン、こちらはRGB LED搭載
ケース背面に搭載されているファン、こちらはLED非搭載

 白いファンと元々ケースに搭載されているファンを並べて比べてみましたが、白いファンはやはり美しいです。配線などの手間もかかりますが、全部白に統一したいところ。

 ちなみに、LEDの信号は一番下側のファンから1、2、3番と接続されていました。

左が元々搭載されているファン
LED信号の順番は下側の方が1番

 下は交換後の画像ですが、黒い部分がなくなることで白感がアップしたのがわかってもらえると思います。白のまま楽しむもよし、光らせるのも良しで、動作時の様子が楽しみです。

ホワイト×RGB LEDなゲーミングPCを組んでみた!

 ということで、今回紹介しているパーツを使用し組んでみました。LEDすべてオフにして光らない白いPCとして使っても良さそうです。

 それと、白いPCの場合、白いケーブルはあえて見えるように配線した方が良いかもしれません。ケーブルが見えている方が機械らしさが出るというか、普通のPCには無い独特な雰囲気が出るかたちに仕上がります。

 LEDストラップは直接見えると品が無いので、フレームに隠れるように配置してみました。

白×RGB LEDで光の反射を楽しむ、黒いPCには無い独特な雰囲気

 続いてRGB LEDを光らせた際の様子をご紹介。

 まずは明るい場所での様子からですが、LEDの光が淡く反射して凄くきれいです。黒いPCの場合は光っているところがビシッと引き締まる感じですが、白は色を反射するので、全体的に淡く何とも言えない雰囲気が出ます。

 今回使用しているビデオカードはLED非搭載ですが、周りのLEDの色が映り込み、良い感じにPC内部を演出してくれます。

 こちらは若干暗い場所で光らせたときの様子。明るいところで見るよりRGB LEDの色が濃く見えるので光の彩度は高いように見えます。

 LANパーティーなどに持ち込んだときはこのような感じに見えるはず。今回使用しているケースは底面にもファンが搭載できるので、派手さという点では底面にRGB LED搭載ファンを増設するのが良いかもしれません。

【動作時のイルミネーションの様子】

実はLEDを単色で光らせてもかなり綺麗、いろいろ遊べる白いPC

 RGB LEDイルミネーションでの様子をご紹介しましたが、実は白いPCは単色LEDでもかなり綺麗にライトアップできます。

 1枚目は白色にした際のものですが、非常に清潔感のある見た目になります。水冷クーラーのH100i RGB PLATINUM SEの製品サイトでも白色に光らせた際の画像が掲載されていますが、かなり綺麗です。個人的には白色で光らせた際の色合いが一番気に入りました。

 また、ほかの色も相性が良く、常用PCなら好みの色×白でまとめるのも良さそうです。どこぞのメカの色を再現したり、キャラクターのイメージカラーに合わせたり、いろいろと遊べます。

イルミネーションを白色にした際の様子
ユニコーンカラー
こっちはユニコーン覚醒色

 ファンや水冷ヘッドのLEDは、ユーティリティソフトの「CORSAIR iCUE」から細かい制御が可能。CORSAIR製デバイスであれば一括で制御できます。

 交互に違う色にしたり、一部だけ変えたりといったほか、LED一個単位の制御も可能。当然、発光パターンや色がどの程度の速さで流れるようにするかなど、様々な設定が可能です。

 設定の方ですが、LEDの色を赤と青の2色に分けて光らせたい場合、設定シートは赤のグループと青のグループで2枚作成されます。4色で光らせたい場合は4グループ分の設定シートが作られ、LED一つずつに細かい設定をした場合はLEDの個数分設定シートが作られます。

 慣れるまでちょっと複雑に感じる部分もありますが、とことんこだわって配色することも可能。花火職人的な感覚に優れる人が作りこんだらかなり凄いものができそうです。

LEDの細かい制御が可能な「CORSAIR iCUE」、CORSAIR製の対応機器の設定を一括管理できるので便利
交互に色を変えたりするのは比較的簡単
2個飛ばしで色を変えたりも
中央だけを変えたりもできます

ゲームも60fpsでしっかり遊べる白いPC、動作温度もそこそこ

 今回組んだRyzen 7 2700X + GeForce RTX 2060搭載の白いPCですが、性能の方も少し測ってみました。

 まずは3DMARK FIRE STRIKEの方ですが、スコアは16216。Intelの高クロックCPUを搭載したPCと比べるとスコアの伸びが今一歩な面はありますが、まずまずの性能です。

 ちなみに、このスコアはメモリをDDR4-3200で動作させた際のものです。メモリをオーバークロックしないでDDR4-2133で動作させた際は15300程度にまで落ちるので、Ryzenに高クロックメモリを組み合わせるのは効果が大きいようです。

 続いて「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」をどう支えた際の様子。序盤で少し遊んでいる範囲では、フルHD/最高画質で常時60fpsを維持できていました。今どきのゲームもしっかり遊べます。

 ちなみに、ゲームを遊んでいる際のCPU温度は、AMDのCPUユーティリティRyzen Masterで見ている限り50℃前後で安定していました。

所有欲が非常に満たされる白いPC、人に自慢したくなるくらいこだわろう!

 今回も白にこだわって組んでみたわけですが、少しでも綺麗だと思ってもらえたら幸いです。普通のPCからするとだいぶ異色なものですし、一般的な黒のゲーミングPCには無い違和感も楽しんでもらえたのではないでしょうか。

 見た目にこだわって性能が上がるということはありませんが、作っていて面白いですし、使っていて愛着もわきます。こういったPCは、こだわればこだわるほど人に自慢したくなるのではないでしょうか。写真を撮影していて、「あなたの自慢のPC紹介してください!」といったようなコーナーを作ったら応募してくれる人はそこそこいるのかな~と思ったりもしました(リクエストがあればやります!)。

 今年はPCを買い替える人も多いかと思います。長く使うPCであれば、性能だけでなく見た目にもこだわった1台を手に入れてみてはいかがでしょうか。無意味という人もいますが、ホビーとしてはなかなか楽しいですよ!