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PS4をSSDで爆速化!!内蔵と外付けどちらが速い?新旧&Proで総当たりテストして手順も解説!
【PS4 SSD換装完全版2019】 text by 芹澤正芳
2019年8月9日 06:00
HDDからSSDに変更でここまで変わる! 実際のゲームで効果をチェック
PlayStation 4(以下、PS4)でゲームを遊ぶとき、起動やマップ、セーブデータの読み出しで待たされるのはいつものこと。いつも待たされるだけにフラストレーションがたまる。しかし、この待ち時間を改善する方法がある。それは“SSD”の導入だ。ゲームを保存するHDDの代わりに、はるかに高速なSSDを使う。そのSSD導入には以下の二つのやり方がある。
・PS4が内蔵するHDDをより高速なSSDに換装する
・外付けドライブ化したSSDを増設する
これらはいずれもPS4を高速化してくれるのだが、どちらがより速いのかご存じだろうか? ネット上でもよく議論されている話題だ。実際のところ、PS4は大きく分けると新旧とProの3タイプが存在し、それぞれSSD化の効果が異なることもあって、真実は分かりにくい。そこで今回は、3タイプのPS4を用意し、それぞれでSSD換装と外付けSSD化を試してゲームの起動やロードの時間を測定してみた。換装、外付けの手順も合わせて解説するので、自分が使っているPS4ではどの方法がベストか確認していただきたい。
PS4の拡張ストレージとして使うための手順に
まず、SSD化の二つの方法のメリット、デメリットを確認しよう。内蔵HDDをSSDに換装する方法は、ゲームの起動やデータロードを高速化できるのに加えて、PS4本体の起動時間も短縮可能なのが最大のメリット。換装するために多少手間がかかる点がデメリットと言える。一方の外付け化は、PS4の起動時間を短縮することはできないが、PS4本体のUSBポートに挿すだけと手軽なのが最大のメリット。ただ、PS4本体のUSBポートは初代と薄型で2基、PS4 Proで3基しかなく、それを1基使ってしまうのがデメリットと言える(外付けSSDをUSBハブ経由の接続することはできないため)。ここでは、SSDに換装、外付けSSD、そのどちらのやり方も紹介していく。自分の好みの方法を選んで、実践してみてほしい。
なお、換装作業は自己責任での実施とはなるが、PS4の内蔵HDDの交換によって本体の保証が切れることはない。作業自体は簡単なので、HDDやSSDの取り扱いには十分注意しつつ、挑戦していただきたい。
1. USBメモリにPS4のセーブデータをバックアップ
2. パソコンでシステムソフトウェアをダウンロードしてUSBメモリにコピーする
3. PS4内蔵のHDDを取り出し、SSDに交換して戻す
4. PS4の初期化とシステムソフトウェアのインストールを実行
5. バックアップしたセーブデータをPS4本体に戻す
1. SSDを外付けドライブケースに装着する
2. PS4本体のUSBポートに接続する
3. 外付け拡張ストレージとしてフォーマットする
4. 外付けSSDにゲームを移動/インストールする
HDDからSSDに変更でここまで変わる! 実際のゲームで効果をチェック
SSDを導入することで、どこまでゲームの起動やロード時間が変化するのだろうか。そして“換装”と“外付け”どちらが速いのか? 新旧PS4で結果は異なるのか? 実際に導入手順を紹介する前に、その効果をお見せしたいと思う。初期型、薄型、PS4 Proのぞれぞれで標準状態の内蔵HDD、SSDに換装した場合、外付けSSDを導入した場合におけるゲームの起動とロード時間をストップウォッチで手動計測している。同じゲームでも1、2秒のブレが発生することもめずらしくないため、それぞれ5回測定した平均値を掲載した。なお、今回のテストでは、Apex Legendsとフォートナイトはダウンロード版、その他のタイトルは全てパッケージ版を使って計測している。
まずチェックしたのは、人気のバトルロイヤル系ゲームの「Apex Legends」と「フォートナイト」の2本だ。Apex Legendsは、PS4のメニュー画面から○ボタンでゲームを開始してタイトル画面が出るまでを“起動”、トレーニングモードが開始されるまでを“ロード”としている。起動、ロードともにSSDを導入することで10%から15%短縮されている。
なお、初期型と薄型の内部インターフェースはデータ転送速度が最大300MB/sのSerial ATA IIだが、PS4 Proは600MB/sのSerial ATA 3.0を採用。それもあってPS4 Proでは、より高速化の効果が大きい。加えて、PS4 Proは期型、薄型よりもCPUの性能が高く、メモリの搭載量も多いので、その影響もあると考えられる。
「フォートナイト」はPS4のメニュー画面からタイトル画面が出るまでの時間を測定している。起動に時間がかかるフォートナイトだが、SSDにすることで換装、外付けともに15%から25%の短縮に成功している。なお、ロード時間の計測は、ストレージよりもネットワークに起因する待ち時間が大半を占めるため、実施していない。
PS VR専用タイトルに対する効果を見ておこう。ここでは「みんなのGOLF VR」を使用した。ゲームの起動時に表示されるPS VRのセッティング解説画面で○ボタンを教えてから、タイトル画面が出るまでの時間を“起動”、コースのゲームモードを選び、キャディとの会話が終わってプレイ画面に切り換わるまでの時間を“ロード”とした。これもApex Legendsとフォートナイトと同じ傾向。起動、ロードともに高速化している。
大きな効果を確認できたのは、人気のアクションRPG「モンスターハンター:ワールド」とFPSの「Battlefield V」だ。モンスターハンター:ワールドは、PS4のメニュー画面からネットワークに接続されるまでを“起動”、セーブデータを選び、ゲームが再開されるまでの時間を“ロード”とした。起動時間も高速化しているが、顕著なのはロード時間だ。SSD化によって、どのPS4でも待ち時間は1/4~1/3に短縮されている。広大なマップの読み出しが行なわれるゲームだけに、SSDのデータ転送速度の高さが活きていると考えられる。
Battlefield Vは、PS4のメニュー画面からタイトル画面が表示されるまでを“起動”、シングルプレイ「旗なき戦い」を再開するまでの時間を“ロード”とした。ロード時間は半分から2/3程度に短縮された。こちらも広いマップの読み出しが行なわれるゲームである点が共通している。RPGやFPS、オープンワールド系のゲームでは、SSDを使用する効果が大きいと言えそうだ。
最後にPS4の起動時間をチェックしたい。DUALSHOCK4のPSボタンを押してから「PlayStaitonにようこそ」の画面が表示されるまでを“起動”とした。外付けSSDは起動時間に影響しないのでここでは除外している(本体の内蔵ストレージはHDDのままなので)。初期型と薄型では約25%の高速化が確認できた。これはSSD換装の大きなメリットだ。
ただ、今回のテストではPS4 Proの起動時間はHDDとSSDでほぼ差がなかった。PS4 Proは初期型や薄型と基本スペックが異なるため起動時間に変化がなかった可能性がある。ただし、同じPS4 Proでも複数の世代があり、今回筆者が使用した環境(CUH-7200)、あるいは現状のシステムソフトウェア固有の問題というケースも考えられるため、参考程度とみておいてほしい。
最後に整理すると、SSD換装あるいは外付けSSD増設により、ゲームの起動やデータの読み込みは高速化する傾向にあることを確認できた。タイトルによる効果の大小はあるものの、いずれも体感できるレベルの効果が得られた。内蔵と外付けのパフォーマンスの違いは、Serial ATA II世代の初期型/薄型PS4ではその差が小さかった。ただし、PS4の起動が高速化できるのはSSD換装時のみなので、トータルで見ると内蔵HDDをSSD換装したほうがプラスは大きいと言える。一方、PS4 Proに関しては、Serial ATA III対応になったことによりSSDのパフォーマンスがより発揮されるため、外付け増設より内蔵換装がオススメだ。
とはいえ、PS4、PS4 Proいずれにおいても外付けのメリットがないわけではない。内蔵HDDの容量にSSDの容量を追加しつつ、(SSD部は)速度向上の恩恵を受けることができる。ユーザーの好みによってはこちらを選ぶのもアリだ。また、とにかく簡単に追加できるというのも外付け増設の魅力だ。
PS4各機種の手順をすべて見せます! 内蔵HDDをSSDに換装する
ここからはPS4に内蔵されているHDDをSSDに換装する手順を紹介していく。この作業に必要なものは以下のとおり。
・換装するためのSSD(160GB以上で2.5インチのSerial ATA接続)
・HDDの取り外しやSSDの固定するための精密プラスドライバー
・DUALSHOCK4コントローラ(有線接続が必須なので、USBケーブルも用意)
・セーブデータやシステムソフトウェアの保存に必要なUSBメモリ(8GB程度の容量で十分)
・システムソフトウェアのダウンロードとUSBメモリへのコピーをするためのインターネットに接続されたPC
HDDからSSDに換装すると、PS4には何もソフトウェアが入っていない状態になる。そのため、USBメモリを使ってシステムソフトウェアを換装したSSDにインストールする。もちろん、インストールしていたゲームもなくなってしまうので、その再インストールも必要だ。
1. セーブデータをUSBメモリにバックアップ
HDDからSSDに換装作業を実行する前に、まずはUSBメモリにセーブデータをバックアップしておく。ここで注意しておきたいのがUSBメモリのファイルシステム。PS4はWindowsでは一般的なNTFS形式を認識できないため、あらかじめパソコンでUSBメモリをFAT32またはexFAT形式でフォーマットしておこう。
3. HDD→SSD換装
ここからはPS4のHDDをSSDに換装する手順を紹介する。基本的には、HDDが固定されているトレイを本体から取り出し、HDDを固定しているネジを取る。そのトレイにSSDを固定してもとに戻すという流れだ。機種ごとにトレイを外す手順は若干異なるが、どれもそれほど難しくはない。ドライバー1本で完了できる。まずは初期型から見ていこう。
■初期型PS4の場合
■薄型PS4の場合
■PS4 Proの場合
外付け化したSSDの増設でPS4を手軽に高速化
PS4はシステムソフトウェアの4.50以降でUSBストレージ機器をゲームのインストール先として指定できる「拡張ストレージ」機能が加わった。USB接続の外付けドライブケースにSSDを組み込んだものを、この拡張ストレージとして使用すれば、HDDからSSDの換装作業やシステムソフトウェアのインストールといった手間を必要とせず、簡単にゲームの起動やデータロードの時間を短縮できる。
PS4自体の起動時間は短縮できないが、手軽に高速化に加えて、PS4の容量アップもできるのが大きなメリットだ。なお、拡張ストレージの利用には、250GB以上で8TB以下の容量であること、PS4のUSBポートに直接接続することが求められる点は注意しておきたい。
■外付けSSDの増設
[制作協力:Micron]