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Ryzen+Thunderbolt 3キャプチャは使い勝手も画質も優秀、“実用型録画/配信PC”を組んでみた
「B550 VISION D」と「Live Gamer BOLT」は録画配信のベストパートナー! text by 加藤 勝明
2020年8月31日 00:00
ゲームの実況配信や録画は、今では特別なものではなくなったと言える。とはいえ、配信の内容を少し複雑にしようとしたり、画質を上げたりしようと凝り始めると話は別だ。PCの負荷も高くなるため、機材選びのハードルも上がるからだ。
最近はPCの性能が高くなってきたので、1台のPCでゲームプレイとライブ実況配信と録画を任せられることも増えてきた。しかし1台ですべてを行なう場合はゲームと、配信/録画との負荷のバランス取りが不可欠。さらに、ゲームのクラッシュが配信&録画を巻き込んでしまう最悪の事態もあり得る。
これを回避する方法は、ゲームと配信&録画用のPCを分けてしまうことだ。ゲーム側はそのパワーをすべてゲームに注ぎ込めるし、配信&録画PC側はゲームに負荷を奪われる心配もない。
本稿では「配信&録画専用マシン」にするには何が必要かを考え、その上でそれにふさわしいパーツをチョイスしてみたい。さて、ゲームプレイ用と別に、配信&録画PCを用意するとなると、パフォーマンスは欲しいが、コストはあまりかけたくないという方が多いはず。そこでCPUは、安価で多くのコアが使えるAMDのRyzenとして、これを中心に構成を考えてゆくことにした。
Ryzenのコスパをさらに引き上げるならB550マザー。クリエイティブ用途ならGIGA-BYTEの「B550 VISION D」!
Ryzenをベースに配信&録画PCを作る際、カギになるのはマザーのチョイスだ。Ryzenは対応するマザーの範囲が非常に広いが、今着手するのであれば、次世代Ryzen(Zen3世代)への対応が確実な「X570」か「B550」チップセット搭載品を選びたい。
とくに最新のB550マザーは、各メーカーともX570マザーで蓄積した知見が多く盛り込まれており、価格を抑えつつもこれまでになく高性能かつ魅力的な製品が流通している。
配信の負荷に耐え安定動作ができるマザーなら何でもよい、と考えてしまいがちだが、今回はGIGA-BYTE TECHNOLOGY製クリエイター向けマザー「B550 VISION D(rev. 1.0)」を使い、4Kで高画質録画にも対応できるPCを組み立ててみた。
もちろんこのマザーを選ぶ理由は単にカッコよいからではない。配信、録画を含むクリエイティブワークに向けた工夫が詰め込まれているのだ。B550 VISION Dの細部をチェックしつつ、その配信&録画適性の高さを紐解いていく。
意外に難度は高い!? Ryzen環境でのキャプチャ事情Thunderbolt 3接続キャプチャユニットが新たな鉄板になる?
配信&録画専用のPCを作るということは、別のPCや家庭用ゲーム機の映像出力をキャプチャするハードウェアが必要だ。
とすると、USB接続のキャプチャユニットをキャプチャ用PCに付ければ手っ取り早く完成では……と考えるところだが、ことAMD(Ryzen)環境になると話が変わってくる。筆者の経験上、Ryzen環境(Socket AM4マザーのUSBまわりの設計にも依存しているようでもある)とUSB接続のキャプチャユニットはとにかくハマりやすい。
ゆえに、絶対の安定性を求めるのであればAVerMedia「Live Gamer 4K(GC573)」のような、PCI Express拡張カードが筆者のオススメ。4K/60fpsはもちろん、フルHD/240fps、さらにはHDRにも対応できる。
拡張カードにない利便性を求めるのであれば、積極的に検討してみたいのだが、「Thunderbolt 3接続のキャプチャユニット」。帯域の広さを活かして、一般的なUSB接続のユニットより高解像度、高フレームレートに対応した製品が存在する。今回注目したのは、AVerMediaの最新外付けキャプチャユニット「Live Gamer BOLT(GC555)」だ。GC555はThunderbolt 3で接続することにより、外付けキャプチャユニットとしては最高の性能を獲得している。GC573と同様に4K/60fpsやフルHD/240fpsの録画にも対応している。
このGC555を使うためにThunderbolt 3が必要であり、Thunderbolt 3が利用可能な最新Socket AM4用マザーと言えば……? そう、B550 VISION Dがまさにこれに当てはまる。B550 VISION DとGC555はまるでコインの表と裏のような関係にも見えてくる。
“光らない”派も注目の新トレンドとなるか?フラットデザインを取り入れた最新マザーB550 VISION Dの詳細を確認する
というわけで、Ryzenで取り回し重視のキャプチャ環境を考える場合、AVerMediaのGC555が最適解であり、それを使うためにはThunderbolt 3を備えたB550 VISION Dが最適のチョイスであることがお分かりいただけただろう。
ルックス面では、ホワイトを基調とし、直線的なデザインのヒートシンクやシールドを多用した、フラットデザインが目を引く。自作PCのトレンドであるホワイト主体のパーツ構成と、ケース内をスッキリ見せることを強く意識したものだろう。
ちなみに、このマザーボードは“光らない”。光らなくても格好いいモノはカッコいい。設計者のこだわりが伝わってくるようでおもしろい。
録画&配信PCは高負荷に耐えなくてはならない。つまりまず見るべきはCPUソケットの周辺だ。B550 VISION Dでは50A対応のDr. MOSが採用され、12+2フェーズのVRMになっている。本稿では選択しなかったが、16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xを全力で回しても問題はない。ただ、CPUの補助電源(EPS12V)は8ピンが1系統のみであるため、限界を攻めるようなOCには向いていない。
B550マザーはX570と同様にPCI Express Gen4をサポートするが、チップセット側のPCI ExpressはPCI Express Gen3になっている。1世代前のB450はGen4に(公式には)対応しない上に、チップセット側はPCI Express Gen2となっていたことを考えると、足回りが強化されたチップセットと言える。
B550 VISION Dには2本の空きM.2スロットが用意されているが、CPU側はCPU直結のPCI Express Gen4 x4接続、チップセット側はPCI-Experss Gen3 x4接続となる(ちなみに、2本目のM.2は公式スペックだとGen4 x2と表記されている)。
B550はX570からPCI Express Gen4対応を削ったサブセット的な位置付けだが、そのわりにマザーがあまり安くないという印象は否定できない。だが前述のとおりB550はこれまでの知見が数多く採り入れられてるため、X570マザーを上回っている部分もある。
とくにメモリスロットまわりの設計は、X570よりも明らかに向上しているようだ。たとえば同社のX570マザーでは、DDR4-4400辺りが対応メモリの限界だが、このB550 VISION DはDDR4-5200(RenoirならDDR4-5400)まで引き上げられている。無論この値で動かすのはメモリOCとなるため、成否はメモリやCPUの個体差も関係する。
搭載インターフェースは前述のとおりThunderbolt 3が一番の目玉だが、有線LAN装備はあえてIntel製のギガビットイーサ(1GbE)を2系統搭載している点もおもしろい。
最近のマザーは2.5GbEや10GbEの採用例が多いが、チップメーカーによってはリンクアップに不具合が出たり、ハブも買い揃えないと性能が出なかったりといった欠点がある。だが、B550 VISION Dではあえて枯れた1GbEを使うことで安定性を重視しているのだ。2ポートあるからと言ってLAGG(リンクアグリゲーション)で速度アップ……とは簡単にいかないが(ハブの対応も必須)、そもそもWAN側を10G対応にすると回線費もネットワーク機器のコストも跳ね上がる。それよりも、現実的な1G回線でより安定したネットワーク通信が得られるという意味では理にかなった構成と言える。
B550 VISION Dを眺めると、マザーの端にオレンジ色のSerial ATAポートが実装されているのに気が付くはずだ。このSerial ATAポートは「SATA DOM(Disk On Module)」の接続にも利用できるポートで、Serial ATAコネクタからDOMモジュールに直接電源を供給することが可能だ。
SATA DOMモジュールは一般的に容量が小さいためWindowsを運用するには向かないが、VMware ESXiやKVMなどのハイパーバイザを入れて運用したいという人にはうれしい装備と言えるかもしれない。
B550 VISION Dはクリエイター向けをうたうからなのか、単なるにぎやかし目的のLEDは一切搭載されていない。ただアドレサブルRGBやRGB LED用のピンヘッダは用意されている。安定性第一のクリエイターには必須の仕様ではないが、ホワイト基調のフラットデザインなので、さまざまな色の光とマッチするはず。挑戦してみる価値はあるだろう。
B550 VISION Dで配信&録画PCを作ってみたCPUは8コアのRyzen 7 3800XT、ビデオカードのVRAMは8GBあると動画編集も安心
B550 VISION Dのチェックが一通り終わったところで、高画質で配信&録画を実行するための配信PCの構成を解説しよう。
このパーツ構成は、別に用意したゲーミングPCで出力したゲームの映像(4K/60fps)をGC555のHDMI入力から取り込み、YouTubeにフルHD/60fpsで配信しつつ、別途ローカルに4K/60fpsで録画することを最低限の目標としつつ、さらに動画編集やエンコードの速度もある程度確保することを目指す。なお、配信および録画は定番の「OBS Studio」を使うことを想定している。
配信をフルHDで、録画を4Kで実施することを考える場合、CPUで配信用のエンコードを、GPU(ビデオカード)側で録画用のエンコードと役割分担をするのが一番スマートだ。今のRyzenならCPUで4Kを処理させるのも決して不可能ではないが、16コア32スレッドのRyzen 9 3950XだとCPUだけで9万円近くかかるため、予算に余裕がないと厳しい。
だがCPUはフルHD配信用と割り切るなら、8コア16スレッドのRyzen 7 3800XTで十分だろう。Ryzen 7 3800Xと同じコア数とTDPながら、クロックをわずかに高く調整したCPUだ。ただエンコードのような高負荷な処理だと3800Xと大差はつかないので、費用対効果を追求するならRyzen 7 3800Xもオススメ。
マザーがGIGA-BYTEなのでメモリもGIGA-BYTEにすればよいのでは……という割とイージーに決めてしまったが、DDR4-3200の8GB×2なので性能的には十分。ダミーモジュールが2枚付いているので、メモリスロットを全部埋めたような見た目になるのはよい。
ただ動画編集も凝りたいという場合は16GBではちょっと心もとない。万全を期すなら16GB×2ないし16GB×4を選択するのがよいだろう。
CPUでフルHD配信用のエンコード処理をさせるなら、ビデオカード側で4K録画用の処理をさせるのが一番スマートだ。GPUエンコードというと画質が……と考える人もいるが、今のGPUのエンコード機能は画質がかなり向上している。細部の表現ではCPUにかなわない面もあるが、CPUリソースをかなり奪われるので現実的とは言えない。
今回チョイスしたのはTuring世代のGeForce RTX 2060 SUPERを搭載したGIGA-BYTE製カードだ。GC555でキャプチャした4K映像を4K/60fps/50Mbpsで録画するだけなら、GTX 1650 SUPER(Turing世代のNVEncを持った最安GPU)でも十分だが、安価なGPUだけあってビデオメモリが4GBと少ないため、動画編集時にボトルネックになる可能性がある(とくに4Kだとビデオメモリの消費量も増えやすい)。そこでビデオメモリが8GBで一番安いGeForceという点からRTX 2060 SUPERを選抜した。
Ryzen 7 3800XTとB550がPCI Express Gen4対応なのだから、SSDも当然これに合わせたい、という点から選択した。GIGA-BYTE以外にも複数のメーカーからGen4対応のM.2 SSDが出ているが、ほぼ中身は同じ(Phison製のコントローラ搭載)だ。予算が厳しければGen3対応のSSDでも構わない。ビットレートが50Mbpsの録画であっても、1秒あたりの書き込みは6~7MBに収束するからだ。ただ、録画した4K動画をコピーたり編集作業で操作することを考えたら、トップスピードの高いGen4のほうがいくぶん有利、というだけだ。
また、SSD選びの際には容量にはとくにこだわりたい。たとえば4K/60fps/平均50Mbps/x264で約45分録画したMP4ファイルだと、ファイルサイズは1本21GB強と非常に大きくなるためだ。4Kで録画するなら512GBでは少な過ぎ、1TBが合格ラインだ。SSDをGen3対応にする代わりに容量を増やす、などの工夫も十分ありだ。
CPUクーラーはRyzen 7 3800XTを全力で回しても冷やせるもの、ということで簡易水冷を選択。電源は筆者の手元にあった2,000Wを選択したが、750Wもあれば十分だ。
最後に、OSがちょっと悩ましい。Windows 10を使うこと自体はもちろん確定なのだが、AVerMediaのTwitterによれば、Windows 10は1909(November 2019 Update)のほうが安定しているとのことなのだ。ただ、筆者が試した限りでは、GC555と2004(May 2020 Update)でも不具合は観測されなかった。リスクを避けるなら1909を導入し、AVerMediaのお墨付きをもって2004に更新すべきだろう。
OBSで4K配信/録画をするための設定手順を確認4K配信/録画にはケーブル品質にも注意
ハードの解説が終わったところで、今回筆者が実際にゲームをYouTubeへフル配信しつつ、ローカルに4Kで録画するために使ったOBSの設定を明らかにしておきたい。
まず全体の接続図だが、ゲームプレイ専用のPCからHDMI出力で映像を引き出し、これをGC555のHDMI Inに接続。さらにGC555のHDMI OutからHDMIケーブルでプレイ用の4Kディスプレイに出力した。ゲームの音は直接ゲーム用PCからヘッドホンで聞いているが、配信用の実況トークは別途マイクを通じてB550 VISION Dのオンボードオーディオに接続している。
全体の構成は至極スタンダードなものだが、最初にハマったのがHDMIケーブルの選択だ。GC555の公式ページには「4Kを使用するには(中略)HDMI 2.0(ハイスピードもしくはプレミアム認証済みハイスピード)ケーブルをご使用ください」とあるが、筆者手持ちのハイスピードHDMIケーブル(1.5m)だと、HDMI Outからのディスプレイ出力が断続的に途切れて使いものにならなかった(ただし録画や配信は途切れない)。だがケーブルをプレミアムHDMIケーブル(サンワサプライ「KM-HD20-P20」)に交換すると、ケーブルを2mにしたにもかかわらず安定した出力を得られた。キャプチャの神はケーブルにも宿るのだ!
4K配信が快適なのはもちろん、ゲーミングPCとしても十分な性能を発揮ベンチマークで性能チェック
今回の構成では、4Kのゲーム映像をフルHDでYouTubeに配信しつつ、4Kで録画しても、キャプチャ側のパワー不足が原因で配信映像がカクカクする、という事象は観測されなかった。今回の観測範囲ではエンコードのミスはごくまれで、ゲームPC側で60fpsを大きく割り込んだ時に発生する感じだった。
さて、このPCを普通に使った場合の性能も気になるところだ。ここで「PCMark 10」と「3DMark」のスコア、「CrystalDiskMark」によるSSDの速度を紹介しよう。Ryzen 7 3800XT+RTX 2060 SUPERなので、これ自体でも普通にゲーミングPCとして活用できるスペックを備えている。
配信時はCPUをしっかり冷却できれば動作温度に問題なし搭載パーツの温度は全体的に高くない
今回試したB550 VISION DとGC555で組んだ配信&録画用PCを使えば、配信と録画1時間近く続けてもエンコードミスをほぼゼロに抑えることができたが、このときのCPUやGPUなどの温度が気になるだろう。そこで前掲の設定で配信&録画したときの各部の温度やクロックなどを「HWiNFO」で追跡してみた。
今回の設定ではGC555でキャプチャした4Kの映像をフルHDにスケーリングして配信するのはCPUの仕事だ。最大クロックは4.4GHz前後で推移するが、各コアの占有率を加味するAverage Effective Clockは1.7GHz前後。つまりCPU占有率は40%程度に抑えられている。これはx264のFast/high設定によるものだが、これを1段上げてMedium/high設定ではCPU占有率は90%近くまで急上昇し、エンコードミスが頻発し配信もままならない状態になる。Fast/high設定以上に画質にするにはCPUパワーが足りないのだ。
続いて各部の温度もチェックしてみた。検証時の室温は30℃前後だ。
今回は4K/60fpsで録画する作業はGPU側で実施したが、NVEncはCUDAコアを使わないため、GPUでエンコードさせてもGPU温度はせいぜい53℃が関の山。だがこれに対しCPUの温度(tCtrl/tDie)は70℃付近で安定し、ときどき80℃近くに上昇する。このときのVRM MOS温度は47℃程度で済んでいるので、CPUクーラーさえしっかり回せばほかのコンポーネントの温度に懸念材料はないと言えるだろう。
この結果を見ると、CPUをフルロードさせたときにCPUやVRM MOS温度がどこまで上がるか気になってしまう。そこで先の録画で得られた約45分の4K/60fpsで録画したMP4動画を「Handbrake」でフルHD動画に変換してみた。画質設定はプリセットの「Vimeo YouTube HQ 1080p60」を選択している。
このエンコード処理では、CPUの占有率は最大90%で、低いときは50%台まで下がるので配信時の負荷よりもだいぶ重い。CPU温度は80℃を超える時間が増えたが、ベースの温度は2℃程度上昇したのみにとどまった。VRM MOS温度も配信時と大差ない点にも注目したいところ。
最後におまけとして、B550 VISION DのSSDヒートシンクがPCI Express Gen4対応のSSDをどこまで冷やすことができるのかも見ておこう。今回は、テストに使用したSSD標準装備のヒートシンクを特別に取り外し(保証対象外となるため要注意!)、ヒートシンクなし(SSDがむき出し)の状態と、B550 VISION Dのヒートシンクを付けた状態の二通りで比較した。SSDに負荷をかけるために「CrystalDiskMark」で64GiB×9テストを実施し、そのときの温度を「HWiNFO」で追跡した。
せっかくカッコイイSSD用ヒートシンクが付いているのに、PCI Express Gen4のM.2 SSDをむき出しで使う人はいないと思うが、見た目だけではなく熱対策にも効果てきめん。むき出しだとすぐに80℃に到達してしまうところを、ヒートシンクを使うことによって温度上昇を劇的に抑制していることがよく分かるはずだ。
Ryzenで安定した高画質キャプチャをするならGC555がオススメThunderbolt 3でキャプチャするなら「B550 VISION D」がイチオシ
ここまでB550 VISION DとGC555を組み合わせた配信&録画専用PCを考え検証してきたが、ゲーム配信や録画のためにPCを用意するの!? と絶句する人もいるだろう。確かに、現在の技術であれば、コア数の多いCPUにハイパワーGPUの組み合わせ(あるいはエンコード専用ビデオカードの設置)を採用することで、1台でゲームも配信もこなせるPCを仕上げることができる。これは確かだ。
しかし1台のPCですべてを行なうと、トラブルが発生したときにすべてを失う可能性がある。そして何よりゲーム機などの配信は難しい。だが配信用PCを別途用意すれば、仮にゲームPC側がフリーズしても配信だけはなんとか続けられるし、逆に配信側がダメになってもゲームの状態は保持される。ケーブルを付け換えるだけで家庭用ゲーム機の配信に切り換えることも容易だ。贅沢な使い方だが、配信&録画の悩みどころをつぶして質と確実性を追い求めていくと、おのずと今回のような構成に落ち着く。
とくにUSB接続キャプチャユニットの選択肢が広くないRyzen環境では、Thunderbolt 3が使える「B550 VISION D」はこれ以上ない理想的なマザーと言える。自分のゲーム配信環境を1ランク上げようと考えているなら、今回の構成を参考にしてみていただきたい。
【告知】実践! B550 VISION D+Live Gamer BOLTで生配信9月2日20時開催!!
今回のレビューで構築したB550 VISION D+Live Gamer BOLTによるハイレベルな録画&配信システム。せっかくこれだけのシステムを作ってみたのだから、実際に配信してみようぜ! ということで、来る9月2日20時から、今回のシステムの解説や製品のポイントを紹介しつつ、ゲーム実況の生配信を行ないます。
解説をつとめるのは、“改造バカ”高橋敏也氏、本稿執筆担当の“KTU”加藤勝明氏、スペシャルゲストとして日本ギガバイト、およびAVerMediaの両社製品担当各氏に参加していただきます。B550マザーとして世界初のThunderbolt 3対応製品となったB550 VISION Dと、そのThunderbolt 3対応のキャプチャユニットであるLive Gamer BOLT、そして改造バカ&KTUのスペシャルコラボ配信をお見逃しなく!
[制作協力:GIGA-BYTE]