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Ryzen 9 5900Xを早速購入、Ryzen 9 3900Xを大幅に上回る性能を体感してみた
MSI MEG X570 UNIFYで最新Ryzenの性能をテスト text by 新井将彩成
2020年11月7日 07:00
11月6日に発売されたAMDの最新CPU「Ryzen 5000シリーズ」。秋葉原のショップでは上位モデルが早々に売り切れるなど好調な滑り出しとなっていますが、AKIBA PC Hotline!編集部も上位モデルのRyzen 9 5900Xを早速購入してきました。
新世代のZen 3アーキテクチャを採用することでRyzen 3000シリーズからどれくらい進化したのか、簡単にテストしてみたのでその結果をご紹介します。
MSIのハイスペックマザーMEG X570 UNIFYで性能をテストRyzen 5000シリーズを使うためにまずはBIOSアップデート
今回、Ryzen 9 5900Xのテストに使うマザーボードはMSIの「MEG X570 UNIFY」。
12+2+1フェーズ構成のVRMを備えており、PWMコントローラやMOSFETなどのコンポーネントにはInfineonのIR製品を採用するなど、コストを抑えつつも電源周りの性能はハイエンドマザーボードと同格の高性能モデル。
3本のM.2スロットに全て金属製のヒートシンク「M.2 Shield Frozr」を備えるほか、高クロックメモリの通りも良いなど、装飾などを抑えることでコストを性能面に振ったモデルになっています。なお、店頭価格は税込33,000円前後です。
Ryzen 5000シリーズを使う上で1点注意が有り、使用するにはマザーボードのBIOSをRyzen 5000シリーズ対応BIOSにアップデートする必要があります。対応BIOSが入っていないマザーボードでは正常にポストせず操作不能になるので、手持ちのマザーボードでRyzen 5000を使用する場合は事前にアップデートしておくことをお勧めします。
MSIの場合は、UEFI上からBIOSを更新する方法、マザーボードと電源があれば更新可能なFlash BIOS Buttonを使った方法、OS上からユーティリティを使った方法がありますが、Ryzen 3000/4000シリーズとマザーボードが手元にある場合は、UEFI上から更新するのが簡単なのでそちらがお勧め。
Ryzen 5000シリーズとマザーボードをセットで購入する場合は、ショップが初めから起動する状態で販売してくれるケースが多いので、購入時に相談することをお勧めします。
今回はすでに最新BIOSが入っているマザーボードでテストを行いましたが、UEFI上から更新する手順を紹介します。
Ryzen 9 5900Xはどれくらい高性能?前モデルRyzen 9 3900Xと比べてみた
新世代のRyzen 9 5900Xはどれくらい高性能なのか、前世代の12コア/24スレッドモデルRyzen 9 3900Xと比較して進化の度合いを比べてみました。Ryzen 5000シリーズは前評判も高く、アーキテクチャが更新されたモデルなので性能面でかなり期待ができます。
テストにあたり、今回は以下の機材を使用しています。ビデオカードはMSIのGeForce RTX 3070搭載モデル「GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO」、クーラーは12cmファンを3基備える水冷の「MSI MAG CORELIQUID 360R」と、せっかくなのでMSIで揃えてみました。
Cinebench Release 20でコア性能を比較
まずはCPUコアの性能差をみるため、Cinebench Release 20のスコアをとってみました。以下がその結果になります。
Ryzen 9 5900XとRyzen 9 3900Xは同じ12コアCPUですが、スコアにはだいぶ差が付きました。Ryzen 5000シリーズは世代が進み、より性能を引き出せるようになったと言えそうです。
ゲーム性能が高いのはどっち?ファイナルファンタジーXIVベンチマークで比較
CPU自体の性能がかなり上がっていることはわかりましたが、その性能はゲームでも活かされるのか、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークを使ってスコアを比べてみました。
結果はRyzen 9 5900Xが大幅にRyzen 9 3900Xを上回るスコアに。これだけ大きな差が付くと新旧モデルで別物感があり、期待以上といった印象です。
動作温度と消費電力をCore Tempで確認
性能面ではRyzen 9 3900Xから大きく進化しているRyzen 9 5900Xですが、性能が向上した分消費電力や発熱が増えることは歴代のCPUでもよくあったことです。
そのあたりどのような差が新旧CPUであるのか、Core Temp 1.16を使って動作温度の最小値と最大値、消費電力を比べてみました。動作温度の最大値はCinebench Release 20実行中のもので、消費電力も同じくCinebench Release 20実行中のものを測定しています。なお、CPUクーラーの設定はどちらもオートのままテストしています。
動作温度の最小値はそれほど大きな差はありませんが、高負荷時はRyzen 9 5900Xの方が動作温度はかなり上がるようです。また、消費電力も高負荷時でRyzen 9 3900Xから60Wほど多く消費しているようです。動作温度や消費電力が明確に上がってしまうところは残念ではありますが、その分非常に大きなリターンもあるので、使いこなし次第といったところではないでしょうか。
使っていて楽しいRyzen 5000上位モデル + X570搭載高性能マザーボード環境
Ryzen 9 5900Xは前世代からかなりパワーアップしていることがわかりました。Ryzen 9 3900Xと同じコア数のCPUとは思えないような数字をたたき出してくれます。
また、今回使用したMSIのマザーボード「MEG X570 UNIFY」は鉄板モデルとしても知られていますが、Ryzen 5000シリーズと組み合わせた際も悪くない感触です。ベンチマークで新世代CPUらしい数値をしっかり出してくれるところは素性が良さそうな印象。テストした時間がまだ短いので動作に関して完璧と言い切れない部分はありますが、新世代の上位CPUとの組み合わせで評価されるモデルになる予感がします。
Ryzen 5000シリーズは触っていてなかなか面白いCPUなので、是非高性能マザーボードと組み合わせて性能を限界まで引き出してみてください。
[制作協力:MSI]