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ハイエンド構成でも超静音、Ryzen搭載の超弩級ゲーミングBTO PC「ZEFT Gaming PC G22R」を試す

Ryzen 9 5900X + GeForce RTX 3080搭載で2020年末の大作ゲームもサクサク text by 坂本はじめ

 パソコンショップSEVENより、フルタワーケース「COSMOS C700M」を採用するハイエンドゲーミングBTO PC「ZEFT Gaming PC G22R」が届いた。

 今回は、超大型筐体にRyzen 5000シリーズとGeForce RTX 3080を搭載した超弩級ゲーミングBTO PCの実力がどれほどのものなのか、今冬注目の最新ゲーム「ウォッチドッグスレギオン」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」などでチェックしてみよう。

COSMOS C700M採用の超弩級ゲーミングPC「ZEFT Gaming PC G22R」

ZEFT Gaming PC G22R

 パソコンショップ SEVENのBTO PCである「ZEFT Gaming PC G22R」は、筐体にCooler Masterのハイエンドフルタワーケース「COSMOS C700M」を採用したモデル。

 306×651×650mm(幅×高さ×奥行)という大型筐体に、Ryzen 5000シリーズの12コア24スレッドCPU「Ryzen 9 5900X」と、NVIDIA Ampereアーキテクチャ採用のハイエンドGPU「GeForce RTX 3080」を搭載した、ハイスペックなゲーミングPCだ。

 なお、パソコンショップ SEVENは以前にインタビューを行っているので、メーカーの特色やこだわりを知りたい読者の方はそちらも参照してもらいたい。

正面。
背面。マザーボードやビデオカードのインターフェイスや、電源ユニットにアクセスできる。
ケース右側面。開口部の広いスモークガラスパネルで覆われており、ケース内部のパーツの外観やイルミネーションを観賞できる。
ガラスパネルを取り外したところ。ケーブルが目立たないように配線されている。

 標準構成では、DDR4-3200動作のメモリを32GB(16GB×2枚)や、1TB PCIe 4.0 SSD(システム用)、1TB SATA SSD(データ用)、850W電源(80PLUS GOLD認証)を搭載するほか、CPUの冷却には360mmサイズの大型ラジエーターを搭載した水冷ユニットを採用している。標準構成の販売価格は383,800円(税抜き)で、パーツ構成のカスタマイズに対応する。

CPUの冷却には360mmラジエーター搭載のオールインワン水冷「MASTERLIQUID ML360P SILVER EDITION」を採用。
リアとトップに冷却ファンを搭載。フロントから吸気した空気をスムーズにケース外に排気するエアフローが構築されている。
トップパネル。トップパネルと両サイドのハンドルはアルミ製で、筐体の質感はハイエンド製品らしく上質だ。
トップパネル前方に配置されたフロントパネルインターフェイス。USB 3.0(×4)、USB 3.1 Type-C、音声入出力や、電源スイッチなどを備える。
左側面。マットな質感の金属製パネルで覆われている。
ケースや内蔵パーツにはRGB LEDが搭載されており、標準では白色に統一されていた。

 標準のLEDカラー本体に合わせた白系の色が設定されているが、「ASUS Armoury Crate」や「ZOTAC FireStorm」などのユーティリティツールを用いることでLEDカラーを変更することも可能。好みに合わせ、任意のカラーやパターンを作成してイルミネーションを楽しむこともできる。

LEDイルミネーションは「ASUS Armoury Crate」や「ZOTAC FireStorm」などのユーティリティツールを用いることで制御可能。
定番の虹色など、任意のカラーやパターンでイルミネーションを楽しむこともできる。

高負荷時でもかなり静音、ゲーミングPCとは思えない動作音を実現ベンチマークで基本性能をチェック

 ZEFT Gaming PC G22Rのゲームでの性能をチェックする前に、ポピュラーなベンチマークテストでパフォーマンスをチェックしてみよう。

 まず実行したのは、CPUベンチマークテストの「CINEBENCH」。最新版であるR23と、1つ前のバージョンであるR20でスコアを取得した。

 CINEBENCH R23で記録されたスコアは、マルチコアが「21,281」で、シングルコアが「1,621」。R20ではそれぞれ「8,342」と「643」で、これらのスコアは、Ryzen 9 5900Xがシングルスレッド性能とマルチスレッド性能の両面に優れたCPUであることと、ZEFT Gaming PC G22RがCPUの性能をしっかり引き出せていることを示している。

CINEBENCH R23。スコアは、マルチコアが「21,281」、シングルコアは「1,621」。
CINEBENCH R20。スコアは、マルチコアが「8,342」、シングルコアは「643」。

 ゲームベンチマークテストの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、フルHD解像度の最高品質設定で「26,937」を記録した。この数値はCPUとGPUの両方が優れたゲーミング性能を備えていてはじめて到達できるもので、ZEFT Gaming PC G22Rが優れたゲーミングPCであることの証左だ。

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(フルHD/最高品質)。スコアは「26,937」。

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークを高品質設定かつ4K解像度で実行し、モニタリングソフトの「HWiNFO」で測定した温度やファンスピードをまとめたものが以下のグラフだ。測定時の室温は約24℃。

 テスト実行中のピーク温度は、CPUが66℃で、GPUは74℃で、いずれも温度リミットには十分な余裕がある温度だ。冷却ファンの最大回転数は、CPUクーラーが約1,300rpmで、GPUクーラーが約1,510rpm、ケースファンは約650rpmで、消費電力の大きなハイエンドパーツを搭載したゲーミングPCとは思えないほど静かに動作していた。

2020年末の超大作ゲームサクサク遊べる、ゲーム5タイトルで性能をテストハイフレームレートもレイトレーシングもイケる

 それでは、実際のゲームでパフォーマンスをチェックしていこう。

 テストしたのは、「フォートナイト」、「Microsoft Flight Simulator」、「ウォッチドッグスレギオン」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」の5タイトル。それぞれ、3通りの画面解像度(フルHD、WQHD、4K)かつ高画質設定でテストを行った。

フォートナイト

フォートナイト

 世界的な人気を博しているバトルロイヤルTPS「フォートナイト」では、描画品質プリセットを最高にした場合と、リアルタイムレイトレーシングとNVIDIA DLSSを適用した場合のフレームレートを測定した。

 描画品質を「最高」にした条件では、いずれの画面解像度でも60fpsを上回るプレイアブルなフレームレートを記録しており、加えてフルHDでは226fps、WQHDでも157fpsという、高リフレッシュレート・ゲーミングモニターの表示能力を高画質設定で引きだせるほどのフレームレートを記録している。

フルHDでは、最高画質設定でありながら200fpsを超えるフレームレートを実現。ぜひとも、高リフレッシュレートなゲーミングモニターと組み合わせて利用したい。

 DirectX Raytracing(DXR)によるリアルタイムレイトレーシングを最高品質で有効化しつつ、NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super Sampling)を「バランス」設定で有効にした場合、フルHDでは97.5fpsという余裕でプレイアブルなフレームレートを叩き出し、WQHDでも平均60fpsを超えている。

 非常に高負荷であるリアルタイムレイトレーシングを最高品質で有効にしてもなお、DLSSを用いればプレイアブルなフレームレートを実現できるのは、さすがはハイエンドゲーミングPCと言ったところである。

リアルタイムレイトレーシングとDLSS(バランス)の適用時。フルHDなら、ほとんどのシーンで90fps以上を維持できる。

ウォッチドッグス レギオン

ウォッチドッグス レギオン

 ウォッチドッグス レギオンでは、描画品質プリセット「最大」をベースに、レイトレーシングを「最大」、DLSSを「バランス」に設定してベンチマークモードを実行した。

 フルHDとWQHDでは60fpsを超える平均フレームレートを記録し、4Kでも53fpsとプレイアブルなフレームレートの基準である30fpsを超えている。ZEFT Gaming PC G22Rは、かなりの高画質設定でウォッチドッグス レギオンを楽しめる実力を備えていると言っていいだろう。

実際のプレイでは、シチュエーションによってフレームレートの変動が大きいのだが、フルHDならほぼ60fps以上を維持できる。

アサシン クリード ヴァルハラ

アサシン クリード ヴァルハラ

 アサシン クリード ヴァルハラでは、描画品質プリセットを「最高」に設定して、ベンチマークモードを実行した。

 ベンチマークの結果、WQHD以下の画面解像度で記録された平均フレームレートは60fpsを余裕で上回り、4K解像度でも30fpsを大きく上回る51fpsを記録している。今回テストした設定のままでも十分にプレイ可能なだけでなく、画質設定を多少調整すれば、4K解像度でも60fpsを目指せるだろう。

アサシン クリード ヴァルハラでは、描画プリセットを「最高」にしても、十分快適にプレイできるフレームレートを実現できる。

コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー

コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー

 コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォーでは、描画品質を設定可能な限り高く設定したうえで、レイトレーシング関連は全て最高品質の「ウルトラ」、DLSSは「パフォーマンス」にそれぞれ設定してフレームレートの計測を行った。

 測定の結果、ZEFT Gaming PC G22Rはすべての画面解像度で60fpsを超える平均フレームレートを記録した。WQHD以下は90fpsを超えており、リアルタイムレイトレーシングによる表現を滑らかな描画で楽しむことができる。

リアルタイムレイトレーシングを最高品質で適用しても、DLSSを用いれば快適にプレイできるフレームレートを実現できる。

Microsoft Flight Simulator

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、描画品質プリセットを最高の「ULTRA」に設定し、離陸から3分間に渡って測定したフレームレートから平均値を算出した。飛行ルートは羽田空港から関西国際空港で、機材は「Daher TBM 930」。

 計測された平均フレームレートは、フルHDとWQHDでは約46fpsで、4Kでは39.4fpsだった。フルHDとWQHDでフレームレートに差がついていないのはCPU的なボトルネックによるものなのだが、いずれの解像度でも快適に操作できる基準となる30fpsは超えている。

Microsoft Flight Simulatorのフレームレートはシチュエーションやロケーションで大きく変動するが、多くのシーンで30fps以上を維持できた。

最新ゲームを存分に楽しめる、静かで高性能なゲーミングPC

 ZEFT Gaming PC G22Rは、すぐれたゲーミング性能を備えており、発売されたばかりの最新ゲームであっても、リアルタイムレイトレーシングを有効にしたグラフィックを楽しみながらプレイすることができる。これほどの性能を備えていながら、大型筐体ならではの換気能力によって静粛性にも優れている。

 税抜きで約40万円という高価なゲーミングBTO PCではあるが、その性能とPCとしての完成度の高さを考えれば、十分に納得のできる価格設定である。フルタワーケースを設置できるスペースと予算を確保できるのであれば、高い満足度が得られるゲーミングBTO PCとなるだろう。

[制作協力:パソコンショップSEVEN]