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PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2021年版/中編】

Intel、Micron、マウスコンピューター、MSI、NVIDIA、パソコン工房

 新年明けましておめでとうございます。

 新年といえば去年の振り返りと今年の展望。「メーカーから見た去年の売れ筋パーツ」や「今年の意気込み」が気になる人も多いはず。

 そこで今回、PCパーツやBTOメーカー各社に「2020年にヒットした製品」や「2021年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載しました。

 掲載メーカーは計18社。各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあったりします。掲載順はブランド名アルファベット順ですので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。

PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」(2021年頭版)
【前編】AMD、ASRock、ASUS、ドスパラ、FRONTIER、GIGABYTE
【中編】Intel、Micron、マウスコンピューター、MSI、NVIDIA、パソコン工房
【後編】パソコンショップSEVEN、SanDisk、Seagate、TSUKUMO、Western Digital、ZOTAC

インテル株式会社 技術本部 部長 工学博士 安生 健一朗氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

①高い性能でゲームを楽しめる第10世代デスクトップCoreプロセッサー (i9-10900Kやi7-10700Kなど)

 人気ゲーム DEATH STRANDINGがもらえるUYBキャンペーン、Fortniteのゲーム内アイテムがもれなくもらえるキャンペーンが好評。リモート環境下で自宅でPCを使って過ごされる方も増え、またその用途もオンライン会議やオンライン飲み会など、多岐にわたって広がってきたのも一因と思われます。

②モバイル向け第11世代CoreプロセッサーおよびEvoプラットフォーム

 新しいグラフィックスブランド Iris Xeグラフィックスを搭載したノートPCが各社から発売。一般の薄軽ノートPCでゲームをカジュアルに楽しめる、という魅力は驚きとともに、好評いただいています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

①NUC Ghost Canyon

 ノートPC向けのハイパフォーマンスCPUを使い、500W電源を搭載しながらも5リットルのコンパクト筐体に収めたNUCシリーズ。外付けグラフィックスカードも搭載可能。

②Iris Xe Max Graphics

 外付けグラフィックスチップをノートPC向けに初めて開発。外付けグラフィックスと内蔵グラフィックスを連動して動作させるインテル ディープ・リンク・テクノロジーによって、CPU、GPUの機能を余すことなく活用し、薄型筐体でも高性能を実現。

③AI活用したアプリケーションによる新たなPCの活用

 続々増えるAIを活用したアプリケーションを、インテルDL Boostテクノロジーで高速化。インテルのAIアクセラレーション機能がその威力を発揮します。

●2021年の意気込みを教えて下さい

 2021年は新しいデスクトッププラットフォーム (コードネーム: Rocket Lake)が発売予定、ディスクリートグラフィックス製品も展開予定です。

 東京オリンピックに合わせて開催されるeSports大会Intel World Openの開催を通じて、世界のeSports市場をリードしていきます。

 日本で展開しているIris Xeグラフィックス検証プログラムが、どのように進化するのかご注目ください。たくさんのゲーミングパートナーと一緒にユーザーにPCゲーミングの楽しさをお届けします。

●読者に一言どうぞ

 デスクトップをメインPCにしながら、出先ではノートPCでもゲームが楽しめる時代がようやくやってきました!是非第11世代Coreプロセッサー Iris Xeグラフィックス搭載ノートPCを実際に触ってみて、その性能を体感してください。

 そしてゲームだけではなく、音楽やクリエーション、オンライン会議など、どんどんPCの使い方は広がって、さらにAIでその便利さは加速しています。また、2021年も皆さんが楽しいPCライフを送れるよう、お得なキャンペーンもたくさん展開しますので、お楽しみに!

コンシューマープロダクツグループ マーケティングマネージャー 宮本 貴通氏氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

 2020年も様々な製品を発表させていただきましたが、中でも反響が大きかったのがNVMe 対応のハイエンドモデル P5シリーズです。皆様をお待たせさせてしまいましたが、ご期待に応えられたのがその理由かと思っています。

 その一方、発売から2年以上経つ現在でもヒット商品となっている2.5インチSSDのMX500は、2020年も大好評でした。高い信頼性を持ちながら価格もリーズナブルであることがロングセラーとなっている要因です。

 当社はSSD創世記から製品を開発製造し、最新のP5はSSD製品としては17世代目になるなど、この製品分野で歴史を積み重ねてきました。NANDメモリーとDRAMメモリーを自社開発・製造しているメーカーでもあります。このあたりのご理解が製品の支持に繋がっているのではないかと感じています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 クルーシャル(Crucial)では、DRAM製品も自社開発・製造をしており、豊富なラインアップを揃えています。その中でも、特にPCゲームやハイパフォーマンス向けのシリーズとして、Crucial Ballistix(バリスティックス)シリーズに注目して頂きたいと思います。

 以前からマイクロンは自社工場で製造したDRAMチップを使って、JEDECに準拠したメモリーを製造販売してきました。今では、そのメモリーチップの選別品をベースにバリスティックスの製品群を揃えています。先日OCの世界記録を達成した製品もありますので、皆様のPCに是非使ってみてください。

 メモリーモジュールが光る「RGB」製品もラインナップしていますので、PCをデコレーションする時もパフォーマンスはそのままにライトアップが楽しめます。

●2021年の意気込みを教えて下さい

 2019年は、クルーシャル(Crucial)が国内のSSD市場でトップとなり(BCNアワード2020受賞)、内蔵SSDの著名メーカー・ブランドの一つとして広く認めて頂けた年でした。2020年は更に一歩進み、クルーシャル(Crucial)がSSDのトップブランドであるというイメージを確立できたように感じています。2021年はDRAM製品群のご紹介を強化、オーバークロック製品のCrucial Ballistix(バリスティックス)シリーズを強くおススメしていきたいといきたいと考えています!

●読者に一言どうぞ

 2020年は皆様にとりましても大変な1年だったと思います。クルーシャル(Crucial)としてもオンラインでのイベントに参加したり、新たにTwitter (@CrucialJapan)を開設したり、少しずつではありましたが新しい日常に合わせた活動を進めてきました。

 2021年は明るい1年になるように祈りつつ、またいつか皆様とイベントなどでご一緒できることを期待し、楽しみにしています。年間を通し、いろいろな情報を発信しながら皆様と一緒に楽しめるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。

マーケティング本部 広報室
●2020年にヒットした製品を教えてください

 テレワークの影響で、自宅などの据え置きに近い環境で画面が見やすい15.6型タイプのノートPCに注目が集まりました。とくに、オンライン会議のプレゼンでも快適に操作できるミドルクラス以上のスペックを持ったモデルの販売が好調でした。

 デスクトップPCでは、RTX 3000番台のグラフィックスカードを搭載したモデルが人気でした。とくに昨年前半にインテルの第10世代CPUと、グラフィックスの新製品が揃ったモデルに買い替えたいという方が多かったようです。

 液晶ブランドのiiyama液晶は、多機能スタンドモデルや、28型以上の大型モデルやゲーミングディスプレイが前年に比べて伸びたのが特徴的でした。テレワーク時の利便性と効率性、プライベートでの利用環境を考慮し選択された方が多かったようです。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 mouseでは、お子様が使用することを前提とした堅牢性を備え、ペン&タッチ入力やオンライン学習など多彩なシーンで学習をサポートするスタディパソコン「mouse E10」、人気の「Minecraft」付属モデルをご用意しています。

 2021年の予定ですが、リビングでの動画再生や、大画面につないで親御さんとお子様で一緒に大画面を見ながらの家庭内学習などのご利用ができる、AMD APU搭載の小型デスクトップPC「mouse CT」シリーズや、USB TYPE-C対応、付属のケーブル1本を接続するだけで映像出力と給電を行える15.6型ポートブル液晶を発売開始します。あわせてご注目ください。

●2021年の意気込みを教えて下さい

 マウスコンピューターには、シンプルでコスパも抜群な「mouse」、ゲーミングPC「G-Tune」、ビジネス向けPC「MousePro」、クリエイター向けPC「DAIV」、液晶の「iiyama」幅広いランナップでお待ちしています。

 あなたにピッタリな1台を見つけていただけるよう、製品作りを努めてまいります!

●読者に一言どうぞ

 2021年も引き続き、製品、イベント、直営の店舗を通じて、新しい体験やお客様の生活を豊かにする製品・サービスをご提供できるよう尽力してまいります。

 マウスコンピューターをこれからもよろしくお願いいたします。

社長 Ricky Chiang氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

 ゲーミングノートPCではRyzenとRadeonを搭載した「Bravo」シリーズが注目度の高い製品でした。MSIロゴを新しくしてビジネスノートPCシリーズをスタートしたことも大きなトピックです。

 ゲーミングモニターでは「Optix G27C4」が昨年後半のPS5発売に伴い、手ごろな価格と1080p/120Hz対応で人気急上昇となりました。

 マザーボードでは「UNIFY」シリーズが強力な電源回路やLEDをなくした黒一色のシンプルなデザイ等「質実剛健」なコンセプトで人気となりました。

 また、2020年にヒットしたグラフィックスカードといえば、やはり「GAMING」シリーズです。今年は新世代GPU発売の盛り上がりもあって、高性能と信頼性を求める多くのお客様に選んでいただき大変嬉しく思います。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 「GeForce RTX 3090 SUPRIM」が一押しです。性能だけでなく、クーラーデザインや見た目、細部にまでこだわって仕上げたシリーズですので、ぜひ一度手に取ってもらえればと思います。

 マザーボードはやはり「MAG B550 TOMAHAWK」が高いコストパフォーマンスで安定性を重視する方にオススメです。

 モニターは大人気を博したウルトラワイドモニターの後継「Optix MAG342CQRV」が使い勝手・性能共に向上していますのでご注目ください。

 ノートPCでは、MSIでは珍しいホワイトなゲーミングノートPC「Stealth 15M」シリーズですね。超薄型・軽量ながらインテルの最新CPU「Tiger Lake」と「GeForce RTX 2060 Max-Q」を搭載しています。

●2021年の意気込みを教えて下さい

 昨今の状況もあり、2020年はテレワークによるモニターへの需要が非常に高く、加えてPCの需要もノートPC、デスクトップPC、自作PCパーツ問わず高まっていました。そんな中、MSIの得意とするゲーミングという分野だけでなく、ビジネスやクリエイターに向けた製品を展開しつつも、ゲーミング・ハードウェア分野もしっかりと伸ばし、“MSIらしさ”と“今までのMSIとは違った一面”どちらも両立して魅力的な製品をお届けしたいと考えております。

 グラフィックスカード部門のBCN AWARD連覇にも気合十分です。

●読者に一言どうぞ

 ありがたいことに、2020年は多くのお客様のおかげでグラフィックスカード部門でBCN AWARD 1位に輝くことができました。大変感謝しております。また、新世代のCPUとGPUどちらも登場し自作PCはもちろん、PC業界全体に活気がありました。そんなCPUやGPUにあわせ、2021年も魅力的な新製品を展開していく予定です。ぜひご期待ください。

 今後も多くのお客様に満足していただけるような製品をお届けできるよう、努めて参ります。2021年もMSIをどうぞよろしくお願いいたします。

コンスーマーマーケティング部 部長 高橋一則氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

 GeForce RTX 30 シリーズは、GeForce RTX 20シリーズと比べ、同じ価格で2倍のパフォーマンスを発揮します。レイトレーシング性能や4K/8K性能も大幅に向上し、最新のタイトルを美しい描写で楽しんで頂くことが可能です。

 また、盛り上がるeスポーツプレーヤーに向けて、NVIDIA REFLEXテクノロジによる反応時間の大幅な改善、新しいNVIDIA G-SYNC ESPORTSディスプレイ(360Hz)、配信者向けのNVIDIA BROADCASTツールなど、ゲーマーの皆様に楽しんでプレイして頂くための環境も整備しております。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 GeForce RTXシリーズを搭載した、ゲーミングノートも盛り上がりを見せています。デスクトップ版のGPUと同等のパフォーマンスを発揮するGPUを搭載し、ディスプレイ性能も120-144Hzへと向上しています。高性能なGPUパフォーマンスをフレーム落ちなしにプレイできます。ゲーミングノートでも、思いっきりeスポーツを楽しんでください。

 また、「STUDIO」ブランドして、ゲーミングとは別にクリエーター向けの製品も提供しています。各種クリエーター向けアプリケーションとの互換が保証されている「STUDIOドライバ」も提供し、お客様の環境に合わせた製品を提供しています。

●2021年の意気込みを教えて下さい

 2020年度は、コロナ禍の不況の中、GeForce GPUの販売が大変好調で、記録的な出荷台数となり、大いに飛躍した年でしたが、2021年度も引き続き市場を牽引していきたいと思います。

 我々は、GeForce を単なるGPUだけでなく、ゲーミングプラットフォームとして、クリエーター向けのプラットフォームとして、様々なアプリケーションと共に提供いたします。100%満足頂けるGeForce製品を目指して、頑張っていく所存です。

●読者に一言どうぞ

 2020年は、店頭イベントを開催することもままならず、ユーザーの皆様と触れ合う機会もなかった中、GeForce製品を多数ご購入頂きましてありがとうございました。当面は、インプレスの番組を始めとするオンラインでの機会が増えそうですが、コロナが解消されたら、皆さんに直接お会いする機会も設けたいと思います。引き続き、2021年もご愛顧頂ければ幸いです。ゲーマーの皆様もクリエーターの皆様も楽しみにしていてください。

パソコン工房 秋葉原 BUYMORE店 イイヤマンレッド氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

 NVIDIA GeForce RTX3xxxシリーズは高額商品ながら爆発的な人気で、現在に至ってもまだまだ品薄の状態です。特に高解像度、高画質設定やマルチモニターでのゲームプレイが一般化し、旧製品でのプレイに満足出来なくなったユーザーの買い替え需要が大半となります。

 もう一つはAMD Ryzen 5xxxシリーズです。性能と価格のバランスに革命をもたらした新商品で、現在に至っても常に品薄状態です。旧来のプラットフォームの継続運用が可能な点も買い替え需要を後押ししていると思われます。AMDさん!早く供給量のパワーアップお願いします!!

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 AMDがシェアを拡大する中にあってもやはりintelの根強い人気を感じますね。コロナ禍でニーズに高まりの見える配信系の用途では各種デバイスとの親和性からIntelベースでの環境構築が好まれる傾向も根強く、AMDのCPU供給不足状態の今、これからの巻き返しに期待したいところ。店頭では各種メーカーのZ490チップセットベース構成向けにお買い得なキャンペーンもご用意しています!

●2021年の意気込みを教えて下さい

 秋葉原地区をはじめ、全国の店舗、及び通販で、自作パーツやオリジナルパソコンを応援価格で元気に盛り上げていきたいと思います!

●読者に一言どうぞ

 AKIBA PC Hotline!の読者様には日頃よりご愛顧いただき誠にありがとうございます!パソコン工房を運営する弊社ユニットコムはおかげさまで創業30周年を迎えました。今後もお客様に愛される店舗を目指して挑戦と成長を続けてまいります。

 2021年も引き続きよろしくお願いいたします!

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