PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2021年版/前編】

AMD

日本AMD株式会社ジャパンマーケティング本部マーケティングスペシャリスト　佐藤美明氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

　昨年に引き続きヒットしている第3世代Ryzen プロセッサーをはじめ、Ryzen 4000モバイルシリーズ、そして新しく登場したRyzen 5000シリーズです。第3世代Ryzenはゲーム用途も競合製品に肩を並べ、総合的に高いパフォーマンスが認知されたこと、そのパフォーマンスをノートPCでも享受できるRyzen 4000モバイルCPUが2020年特有の事情も重なりグローバルでヒットしました。さらに、11月に登場したRyzen 5000シリーズCPUはゲーム用途を含め全方位で最強といえるパフォーマンスを発揮していることが理由と思います。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか？

　DIY向けではないですが、まずはEPYCシリーズです。今後世界最高性能を目指すスーパーコンピューターにも採用が決定しており、日本でも大規模サーバーやトップクラスの研究所の採用が続出しています。このEPYCで培われたテクノロジーがPC向け製品に採用されたりします。

　そして、やはりグラフィックスのRadeon RX 6000シリーズです。2大家庭用ゲーム機にも採用されているRDNA2アーキテクチャーがベースで、レイトレーシングをはじめとしたDX12 Ultimateに対応しており、競合製品に負けない性能と優れたコストパフォーマンス・電力効率を発揮し、久しぶりのRadeonグラフィックスのハイエンドを担う製品の登場は、市場を活性化させる起爆剤となると思います。

●2021年の意気込みを教えて下さい

　AMDにとって2020年は大きな躍進の年でした。全方位最強のRyzen 5000シリーズプロセッサー、ハイエンドが復活したRadeon RX 6000シリーズグラフィックスの発売、そして2大家庭用ゲーム機も新世代に移行しました。

　しかし、2021年もAMDはまだまだ止まりません。CPUやグラフィックスはロードマップ通りに開発が進んでおり、2021年もみな様に喜んでもらえるような新製品を用意しています。まずは年初から話題を提供していきます。ぜひ2021年もAMDを注目していてください。

●読者に一言どうぞ

　皆様、2020年も本当にありがとうございました。おかげ様でCPUは引き続き大きな人気を得ていますし、グラフィックスも高い評価を得て、とても期待されています。これからもAMDはより良い製品を出すために挑戦していきます。

　皆様からの応援が力になりますのでよろしくお願いいたします！

ASRock

ASRock Incorporation　エクストリームプロダクトマーケティング 原口 有司氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

　マザーボードでいうとIntel系ではコストパフォーマンスを重視される方が「B460M Pro4」を、AMD系ではRyzen 5000シリーズと組み合わせて「B550M Steel Legend」がヒットした印象があります。ASRock全体としては昨今のコロナ禍の影響もあってか、DeskMiniシリーズが引き続きヒットしました。テレワーク需要もあり、DeskMiniのコンパクトでパワフルなベアボーンが個人だけではなく法人需要も高まってより販売台数が伸びたと感じています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか？

　ASRockのグラフィックスカードに注目です！10月末にAMD Radeon RX 6000シリーズが発表され、ハイエンド帯のGPUが出てきたことにより、ストライプ機構と研磨加工を施したStriped Axial Fanや、特許出願中のV字カットとV字通気口で規則的かつ早く気流を作り冷却効率を高めるAir Deflecting Finなど、クーリングシステムを新たに開発しただけでなく、マザーボードで培った性能を最大限引き出す電源回路のノウハウをグラフィックスカードにも活かし、皆さんに満足してもらえる製品を提供できるのではないかと思います。

●2021年の意気込みを教えて下さい

　2020年はZ490 AQUAや、G.Skill、Razerとコラボなど、市場をにぎわす製品をいろいろと出してきましたが、2021年はより進化したASRockの製品がいくつも控えています。皆さんの期待を超えるようなASRock製品があるので楽しみに新年を迎えていただければと思います。

●読者に一言どうぞ

　イベントなどで直接皆さんとお会いすることができず、寂しい1年となりましたが、2020年は大変お世話になりました。色々な配信などでもお邪魔させてもらい、見ていただいた方に少しでもASRock製品や自作PCに興味を持っていただけているだけでメーカーとしてはうれしい限りです。2021年も「待ってたぜASRock！」と思ってもらえるような製品を出して、より自作PCを楽しんでもらえるように頑張りますので引き続きよろしくお願い致します。

ASUS JAPAN

ASUS JAPAN 株式会社　パートナーマネージメント部 マーケティングマネージャー
●2020年にヒットした製品を教えてください

　まず5月に発売いたしました「ROG STRIX Z490-F GAMING」です。コンシューマー市場で最も売れたZ490チップセット搭載モデルで非常に多くのお客様に手に取って頂き、さらに高い評価を頂いております。

　マザーボードではZ490だけではなくB550チップセット製品も好評でした。価格.comプロダクトアワード2020 パソコンパーツ部門で「ROG STRIX B550-F GAMING」「TUF GAMING B550ーPLUS」がそれぞれ金賞・銀賞を受賞いたしました。そして2020年は「TUF GAMING」シリーズのビデオカードが非常に人気がありました。特に最新世代のTUF GAMINGのビデオカードはクーラー・デザイン・コンポーネントを刷新し新たな装いとなっています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか？

　そしてASUSは常に新カテゴリーへの参入をしております。2020年はケースやクーラーそしてROG EYEというWEBカメラなど、今までASUSにはなかった製品を発売しました。ROG EYEは価格.comプロダクトアワード2020カメラ部門 WEBカメラで金賞を受賞など高い評価を頂いております。ASUSと言えばマザーボード・ノートPC・スマートフォンなどの印象が強いメーカーですが、今後も出てくるであろう周辺機器含む製品にご注目頂ければと思います。

●2021年の意気込みを教えて下さい

　2021年はやはり「ROG」シリーズのマザーボードです。ROGは常に時代の最先端となるゲーミングマザーボードを生み出しております。2021年に販売を予定している「ROG」シリーズも最先端の物になると思います。その製品の発表、発売を楽しみにして頂ければと思います。

●読者に一言どうぞ

　まず、ASUS製品を手に取って頂いたお客様誠にありがとうございます。PCパーツカテゴリーだけではなく、モニターやゲーミングPC、スマートフォンなど2020年は非常に高い評価をして頂きました。2021年も沢山の新製品、そして読者の皆様がワクワクするような製品・話題を提供していきたいと思います。

ドスパラ（株式会社サードウェーブ）

広報室　室長　佐久間康子氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

　2020年は、ゲーミングPC GALLERIA（ガレリア）が生まれ変わり、斬新なケースに大きな反響がありました。ゲーマーの求める機能が詰まったケースデザインがとても好評で、多くのお客様にご支持いただきました。

　特にGALLERIA XA7C-R70Sは、圧倒的な高コストパフォーマンスを誇り、また、ハイスペックでありながら静粛性も併せて評価いただきました。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか？

　ドスパラには、ゲーミングPC『GALLERIA（ガレリア）』の他に、クリエイター向けPC『raytrek（レイトレック）』、リーズナブルでありながら性能は妥協せず、最高のバランス性能をもつ『THIRDWAVE(サードウェーブ）』があります。

　どのシリーズも、最新の機能やお客様のご要望を取り入れながら、常に新製品を皆様にお届けしていきます。ぜひ、ご注目ください。

●2021年の意気込みを教えて下さい

　2021年も引き続き、PCゲーマー、eスポーツアスリート、クリエイター、仕事や趣味でPCを使う方々、すべての皆様にご満足いただけるよう、製品・サービスをブラッシュアップしてまいります。

●読者に一言どうぞ

　いつもドスパラを応援いただき誠にありがとうございます。今後も、皆様に楽しんでいただけるキャンペーンやイベントの開催はもちろん、ワクワクする体験をご提供できるよう努めます。

　ドスパラはもっともっと楽しくなります。ご期待ください！

FRONTIER

FRONTIER　イメージキャラクター　加須田　まいこ氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

　ミドルタワーのコストパフォーマンスに優れたゲーミングパソコンのGAシリーズです。前半はインテルの第10世代CPUの発売に合わせてケースのデザインを一新し、後半はAMDのRyzen 5000シリーズ、NVIDIAの新商品RTX 3000シリーズが前評判以上のパフォーマンスを発揮し、高評価で部材調達がかなり厳しい状況の中、商品を確保でき、予想以上の需要に驚いております。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか？

　FRONTIERではゲーミングモデルの販売が右上がりに伸びており、2020年からFROTNEIRオリジナルのゲーミングキーボード「FRONTIER KB-E3S」を発売いたしました。ゲーミングデバイスの参入は初めての取り組みでしたが、コストパフォーマンスに優れていると多くのお客様から評価を頂き、パソコン購入時のカスタマイズのセット販売だけでなく、単品販売でも予想以上に売れております。11月終わりにはキーボードに引き続きゲーミングマウスGM-S1Bを発売しておりますので、ぜひこちらも注目して頂きたいです。

●2021年の意気込みを教えて下さい

　2021年もFRONTIERではコストパフォーマンスに優れたデスクトップを中心にノートパソコン、タブレットをお客様にご提供して参ります！BTOパソコンが中心の為、受注後に生産・出荷となり、お客様に納期がかかってしまいますので部材の調達及び生産により一層努力し、1日でも早くお客様により良い商品をご提供できるように努めてまいります。

●読者に一言どうぞ

　AKIBA PC Hotline!の読者様には日頃よりご愛顧いただき誠にありがとうございます！

　皆様の期待に最大限応えられるように2021年もサービス向上を目指し邁進してまいりますので、一層のお引き立てをお願い申し上げます。

GIGABYTE

日本ギガバイト株式会社 マーケティング部 Sophia氏
●2020年にヒットした製品を教えてください

　2020年は、GIGABYTEブランドのゲーミングディスプレイを新投入しました。ハイエンドゲーミングブランドとなるAORUSシリーズの機能を搭載しつつも価格を抑え、そのコストパフォーマンスを大きく評価いただいております。その中でも特に「G32QC」は、視野に近い1500Rの曲率と31.5インチの大画面により、迫力ある映像を体験できるということで特に人気を集めております。

　2020年は新世代のGPUやCPUが登場しましたが、AORUSシリーズのグラフィックカードは新しい意匠と機能を搭載し、その圧倒的な存在感で指名買いも頂けるほどの人気を博しております。

　マザーボードも、「B550 VISION D」をはじめとするB550搭載製品が意匠や機能を評価いただき、順調な売れ行きとなっています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか？

　12月中旬に発売された、外付けグラフィックBOXの新製品にご注目ください。GIGABYTEではGTX10シリーズからThunderbolt 3接続のグラフィックBOXを販売していますが、ついにRTX 30シリーズを搭載するモデルが登場です。ノートPCでも強力なGPUを活用することができ、ゲームや制作、また学術的用途にも活用いただける製品です。水冷による静寂性も魅力です。

　また、日本投入が待たれていた、水冷CPUクーラーなどのPCパーツや周辺機器を、弊社ポータルサイト「AORUS4U」でオンライン限定商品として紹介しております。すべてのパーツ（CPU、OS以外）をAORUSシリーズで揃えるということも夢ではありませんので、ぜひアクセスしていただければ幸いです。

●2021年の意気込みを教えて下さい

　2021年はGIGABYTEにとって、新しい展開がたくさん用意された年でもあります。GIGABYTEがこれまでに培ってきた技術を惜しみなく投入し、皆様に愛される製品をたくさん展開していくほか、今まで以上に、皆様にお役立ちいただける情報や疑問の解決などを提供できるよう、YouTube、SNSを活用して情報発信を行っていくほか、PCゲーミングアクティビティの強化や、新しい生活様式に合うような活動などを模索していく所存です。

●読者に一言どうぞ

　2020年もGIGABYTE製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

　GIGABYTEを選んでおけば間違いない、と言ってもらえるような2021年を目指して一同頑張ってまいりますので、応援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

　ツイッター公式アカウントの@GIGABYTE_NewsおよびAORUS_JP@、YouTubeチャンネル「AORUS JAPAN」をフォローいただき、叱咤激励いただければ幸いです。