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Microsoft Flight Simulatorを手軽に始めるならBTO PC、今ならGeForce RTX 3070搭載機を
高画質フライトを楽しめるPC環境を整えてみた text by 坂本はじめ
2021年3月22日 00:00
高度に再現された地球環境が魅力のフライトシミュレーター「Microsoft Flight Simulator」は、それをプレイするためだけにゲーミングPCを新調したくなるほどの魅力を持ったタイトルののひとつだ。
しかし、Microsoft Flight Simulatorは、現行のゲームの中でも特に「重い」とされるゲームであり、その魅力を味わうためには相応の機材が必要となる。
今回は、これからMicrosoft Flight Simulatorを始めたいというエントリーユーザー向けに、「フルHD&高画質」でのプレイを目指したPC選びのポイントを紹介していく。
Microsoft Flight Simulatorを手軽に遊び始めるならBTO PCもアリ!PCを選ぶ際のポイントをチェック
Microsoft Flight Simulatorをプレイするには、Windows 10を搭載したPCが必要だ。
それも、単にWindows 10を搭載しているだけでなく、最新ゲームの中でも重量級と言われるMicrosoft Flight Simulatorを動かせるだけの性能を備えていなければならない。公式からは、以下の要件が公開されている。
PCの自作に慣れていれば要件を満たすPCパーツを揃えるだけだが、PCにあまり詳しくない場合はハードルが高い。エントリーユーザーがいきなりゲーミングPCを構築するのは難しいので、そうした場合はBTO PCのゲーミングモデルをおすすめしたい。
今回は、上記のシステム要件のうち「理想的」の要件を満たすPCとして、ツクモのゲーミングBTO PC「G-GEAR GA7J-F210/T(カスタマイズモデル)」を用意した。このPCを使って、購入時に特にチェックすべき4つのパーツ「ビデオカード」「CPU」「メモリ」「ストレージ」の選択ポイントと、必要となる周辺機器に関しても紹介しよう。
ビデオカードはGPUだけでなくVRAM容量にも注目、今ならGeForce RTX 3070
画面の描画を担当するGPUと、その専用メモリであるVRAMを備える「ビデオカード」は、Microsoft Flight Simulator用のPC選びにおける最重要パーツのひとつだ。GPU性能とVRAM容量のどちらかが足りなければ、描画の破綻やフレームレートの低下が発生し、満足に遊ぶことができない。
今回用意したG-GEAR GA7J-F210/T(カスタマイズモデル)には、NVIDIAの最新世代GPU「GeForce RTX 3070」が搭載されており、カードには8GBのVRAMが実装されている。GeForce RTX 3070は、前世代の最上位GPUであるGeForce RTX 2080 Tiに匹敵する性能を備えているため、このビデオカードは、Microsoft Flight Simulatorの理想的なスペックを超えるGPU性能と、要求通りのVRAM容量を実現しているというわけだ。
市街地でのフレームレートを左右するCPU、シングルスレッド性能の高いモデルを
衛星写真や航空写真とマップデータを組み合わせることでリアルな地形を描画するMicrosoft Flight Simulatorでは、オブジェクトの数が多い市街地エリアにおいてCPUへの要求が厳しくなる。この時の負荷は、コアの数より、1コアあたりの性能が問われるタイプのものであるため、公式の要求スペックと同等のコア数を備えつつ、なるべくシングルスレッド性能の高いCPUを選びたい。
G-GEAR GA7J-F210/Tに搭載されているCore i7-10700Fは、推奨スペックのCore i7-9800Xと同じ8コア16スレッドCPUでありながら、最大動作クロックは0.3GHz高い4.8GHzに達するCPUだ。最新設計と高クロック動作で優れたシングルスレッド性能を備えたCore i7-10700Fは、Microsoft Flight Simulator用としてはコストパフォーマンスの高いCPUのひとつである。
精緻な地形表現には32GBのメモリ容量が「必要」、16GBでは実は足りないシーンも
Microsoft Flight Simulatorの理想的なシステム要件において、メインメモリの容量は32GBとされている。メモリ容量は16GBもあれば十分とされる現代のゲーミングシーンにおいて、この要件は「理想的」ゆえに過剰な余裕を持った数字である思われるかもしれない。
しかし、広大なマップを精緻に描画するMicrosoft Flight Simulatorを高画質設定で実行した場合、使用メモリ容量は16GBを大きく上回る。リアルに再現されたマップでのフライトを楽しみたいのであれば、32GBのメモリ容量は「必要」なのである。
ストレージには150GB以上の空き容量が必要、OSとゲームを入れるなら最低500GB以上のSSDを
Microsoft Flight SimulatorをPCにインストールするためには、最低でも150GB以上の空き容量があるストレージが必要とされているのだが、実際には、初回インストール時に150GB以上のダウンロードが発生する場合や、アドオンやアップデートの際にインストール容量とは別に空き容量が要求される場合もある。
1台のストレージに、OSを入れるシステムディスクと、Microsoft Flight Simulatorのインストール先の役割を担わせるのであれば、最低でも500GB級の容量を確保しつつ、アクセス速度にも優れたSSDを利用することをおすすめする。
ディスプレイは画面の大きさと表示品質に注目
ここからは、PC本体以外でMicrosoft Flight Simulatorのプレイに役立つ機材を紹介していこう。まずは表示装置であるディスプレイだ。
Microsoft Flight Simulatorは、基本的に60fps以下での動作が基本となるため、リフレッシュレートや応答速度に優れたゲーミングモニターを使う必要性は薄い。どちらかといえば、没入感の高まる大画面や、発色の美しいパネルを採用したディスプレイを用いた方が、ゲーム性にマッチするだろう。
今回は画面サイズを重視し27インチ/フルHDのLG 27GN650-Bを用意した。また、27GN650-Bでもサポートされているが、可変リフレッシュレート技術(G-SYNC、G-SYNC Compatibleなど)は、シーンによってはMicrosoft Flight Simulatorでも表示品質の向上に役立つ場合もある。
キーをカスタマイズできるキーボードとマウスがあると便利
Microsoft Flight Simulatorは、操作項目が非常に多いため、すべての操作を行うにはキーボードとマウスを用いる必要がある。とはいえ、特別な機能を要求される訳ではないので、ごく一般的なキーボードとマウスで問題ない。
快適に遊ぶという面では、追加キーを備えたゲーミングマウスやゲーミングキーボードを用いれば、キーカスタマイズによって自分好みの操作系を構築することができるので便利だ。今回はキーボードにRazer Cynosa V2、マウスにロジクール G604 LIGHTSPEEDワイヤレス ゲーミング マウスを用意した。自分の手に合うかどうかも重要な要素なので、基本的にユーザーの好みに合わせて選んでもらって構わない。
操作感を高めるゲームパッド、直感的な操作できるので初級者におすすめ
前述の通り、Microsoft Flight Simulatorはキーボードとマウスで操作可能なタイトルだが、ゲームパッドを用いれば、より操縦している感覚を得ながらプレイすることができる。今回はMad Catz C.A.T. 7を選んだ。
XBOXコントローラと同等のキーを備えたゲームパッドなら基本的な操作を行うことが可能で、追加キーを備えていれば好みの機能を割り当てて自分好みのスタイルで操作できるようになる。
ゲームを存分に楽しみたいなら持っておきたいヘッドセット
ヘッドホンとマイクが一体化したヘッドセットは、ゲームを存分に楽しむ上で持っておくと便利なデバイスだ。今回は接続面などでも使い勝手の良いRazer BlackShark V2を選んだ。
こだわって収録されたMicrosoft Flight Simulatorのゲームサウンドは、ゲームへの没入感を高めてくれる重要な要素。周囲を気にせずゲームサウンドを楽しみたいなら、ゲーミングヘッドセットの利用がおすすめだ。
なお、Microsoft Flight Simulatorではマイクが必要というわけではないので、ヘッドセットではなくヘッドホンでも十分ではある。ただ、テレワークにボイスチャット、プレイ動画の録画など、PCでマイクを使う機会も増えてきたいま、ゲーミングヘッドセットが活躍する場面は多いはずだ。
エントリーユーザー向けからは離れてしまうが、顔の向きに応じて視点を操作できるヘッドトラッキングデバイスなども没入感を高めるのに役立つデバイスだ。今回はNaturalPointのTrackIR 5+Clippro setを用意してみた。
Microsoft Flight Simulatorでは通常、視点の移動にはマウスやコントローラを用いるが、このデバイスを使用すると顔の向きと視点移動をある程度連動させることが可能で、実際に使用してみると想像以上の楽しさを感じられる。
マウスやコントローラ、VRヘッドセットとも異なる視点操作が味わえるヘッドトラッキングデバイスは、Microsoft Flight Simulatorに直感的な視点操作をもたらすユニークなアイテムだ。余裕があるなら、購入を検討してみてもらいたい。
最高画質なら30fps、高画質なら40fps以上が狙えるGeForce RTX 3070搭載PCフルHD解像度で4種類の描画品質プリセットをテスト
今回用意した機材でMicrosoft Flight Simulatorがどの程度動くのか、画面解像度をフルHD(1,920×1,080ドット)に設定し、最軽量の「LOW-END」から最高品質の「ULTRA」まで、4種類の描画品質プリセットでフレームレートを測定してみた。
測定の結果、もっとも軽いLOW-ENDで平均53.99fpsで、最高品質のULTRAで35.22fpsだった。30fpsが快適なプレイを維持できる基準であるMicrosoft Flight Simulatorにおいて、ULTRAでもほとんどのシーンで30fps以上を維持できていた。
もちろん、フレームレートが高い方が滑らかな描画でゲームを楽しむことができるわけだが、Microsoft Flight Simulatorの場合はフレームレートを犠牲にしても画質をあげた方がゲーム体験として上という場合もある。下の画像は画質「LOW-END」設定のものと、画質「ULTRA」設定のものだ。
描画品質の違いは、Microsoft Flight Simulatorの売りである地形の再現に大きな影響を及ぼす。Microsoft Flight Simulatorならではのフライトを楽しむためには、なるべく高い描画品質を選びたいところだ。
テスト中の負荷の状態も紹介しておくが、CPUに関しては全コアに平等に負荷がかかるわけではない。今回の例では重い負荷は2スレッドに集中していた。グラフでは4スレッドに大きい負荷がかかっているように見えるが、同時に重い負荷がかかっているのは2スレッドだ。今後のゲームのアップデートや予告されているDirectX 12版の登場で挙動が変わる可能性はあるが、現在のバージョンではシングルスレッド性能が高いCPUが向いている。
また、メモリはプレイ状況や画質設定によるが、16GB以上消費するシーンも見られる。PCゲームはメモリが足りなくなった瞬間にパフォーマンスが大きく低下するので、Microsoft Flight Simulatorを快適に遊ぶのであれば32GBは搭載しておきたい。
Microsoft Flight Simulatorには高性能PCは必須より楽しむなら周辺機器にもこだわりたい
Microsoft Flight Simulatorを始めるユーザーにとって必須といえる機材は高性能なPC本体だ。せっかく遊ぶのであれば、エントリーユーザーでもなるべく高画質な設定で遊びたいところ。
今回用意したツクモのBTO PC G-GEAR GA7J-F210/T(カスタマイズモデル)であれば画質を高めつつ一定以上の快適さが得られるので、Microsoft Flight Simulatorを遊ぶためにPCを購入するといった場合は、パーツ構成の参考にしてもらいたい。もちろん手間をかけずすぐ遊びたいのであれば、このモデルを購入するのもおすすめだ。
また、プレイ体験は周辺機器とそのクオリティによっても大きく変化する。特にディスプレイのような表示装置や、コントローラやマウスなど操作関連のデバイスが違えば、ゲームをプレイして感じる印象も変わる。Microsoft Flight Simulatorでのゲーム体験をより良いものとするためにも、今回紹介した機材をベースにしつつ、予算や好みに合わせ快適な環境を構築してもらいたい。
[制作協力:ツクモ]