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競技シーン用設計の高性能ゲーミングデバイス「CORSAIR CHAMPION SERIES」、第一弾はキーボードとマウス

キーボードの機能を全ロックして大会仕様にするトーナメントモードスイッチも搭載 text by 白倉甲一

CORSAIRから新たに登場した「SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES」と「K70 RGB TKL CHAMPION SERIES」

 今回紹介するゲーミングデバイスはCORSAIRの「K70 RGB TKL CHAMPION SERIES」と「SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES」。競技シーンを意識したCHAMPION SERIESのゲーミングマウスとゲーミングキーボードだ。

 同シリーズはゲーミングチームとの協力によって開発されており、プロプレイヤーが要求するレベルを満たすため、フィードバックを反映したプロトタイプを何度も作成したとされており、改良を繰り返すことで最終的な製品版を完成させたという。プロが求めるデザイン性や耐久/信頼性への意見を活かすことでどのようなモデルに仕上がっているのか、実際の製品を見てみよう。

CHAMPION SERIESの特長は機能が割り当てられた物理キーの多さユーティリティやネット環境が無くても様々な機能を利用可能

CHAMPION SERIESの解説、プロが求める機能的な部分や耐久性などを実現するためのシリーズとなっている。
実際にゲーミングチームとの協力によって製品開発が行われており、プロトタイプモデルを何度も作り直し改良したとのことだ。

 プロ向けを意識した製品は過去にも登場しているが、レビューするにあたりCORSAIRに「CHAMPION SERIES」ならではの特長を確認したところ、「場所を問わず使用できることを意識した製品になっている」とのことだ。

 例えば、プロは大会会場で試合をすることもあれば出先でデモプレイをすることもある。こうした環境ではキーボードの設定などをおこなうユーティリティソフトが利用できない場合もあり、そうした環境下でも問題なく使用できることが求められる。環境を選ばず快適な操作性を維持するため、機能や設定を切り替えるための物理キーを用意したり、メディアコントロールキーなどを搭載して対応している点が特徴になっているという。

 もちろん、スイッチやセンサー類などはプロが求める高性能な物が採用されており、性能的な面でもプロ用途を意識しているシリーズなのだが、物理的な搭載機能などに関してもゲーミングデバイスを選ぶ際は見てもらいたい。

銀軸で持ち運びしやすいテンキーレスの「K70 RGB TKL CHAMPION SERIES」マクロや特殊機能をオフにするトーナメントモードスイッチも搭載

 「K70 RGB TKL CHAMPION SERIES」は、長年培ったCORSAIRキーボード技術を詰め込みつつ、オフラインのゲーム大会などを想定した「Tournament Mode Switch」を搭載したモデル。

 国内で販売されるのは日本語配列モデル、キースイッチはCherryMXスイッチの赤軸とSPEED軸それぞれ2種類。今回レビューで使っているのは高速入力が特徴のSPEED軸だ。

CORSAIR製キーボードの特徴とも言えるアルミニウムフレーム筐体。バックライトは明るい場所でもしっかり視認できる。
CherryMXスイッチのSPEED軸。荷重45gのリニアストロークでスイッチ接点が1.2mmと短い距離で反応するため素早いキー入力が可能なメカニカルスイッチ。
正面、日本語配列テンキーレス。アルミニウムフレームが特徴的なCORSAIRキーボードシリーズ特有のデザインを踏襲している。
背面、四隅に滑り止めのラバーグリップと上部2カ所にチルトスタンドを備える。

 本体サイズは360 x 164 x 40mm。本体重量は0.93kg。テンキーレスの日本語配列キーボードで、上部にメディアコントロールキーや音量調節ダイヤルなどを備える。

 フルNキーロールオーバーと100%のアンチゴーストに加え、「CORSAIR AXON ハイパープロセシングテクノロジー」による8,000Hzものポーリングレートで高速で正確なキー入力と20層の多彩なライティング制御を実現している。

筐体の左上にはメディアコントロールキーとインジケーターを搭載。
筐体の右上にはバックライトの調光やキーロックなどのキーボードの機能変更スイッチと音量調節ダイヤルを備える。
RGB LED搭載で好みの色に設定して使用することが可能。
オンボードメモリの容量は8MBで、50個のプロファイルが記録可能。

 持ち運びを意識しているためかオンボードストレージがかなり強化されており、カスタムマクロやライティングなどのオンボードプロファイルを最大で50個保存できるようになっている。

横から見た状態。キートップに程よく角度がつき打鍵しやすくなっている。
傾斜をつけたい場合は背面のチルトスタンドを起こして使用できる。
着脱式のUSBケーブル。持ち運びの際などは取り外しておくことでケーブルに変なテンションがかからず断線の心配をする必要が無くなる。
付属の交換用キートップとキー引き抜き工具。滑り止め加工が施されており、FPSやMMOに最適化された物が付属している。

 またケーブルは着脱式になっている。持ち運びを想定した際、カバンの中に収納したキーボードはケーブルの根元へテンションがかかりやすく断線の元になる。それゆえ着脱可能なケーブルを採用したのは理に適っていると言えるだろう。

フェアなプレイを約束する「Tournament Mode Switch」を搭載

 ユニークな機能としては、ケーブル横のスイッチをONにする事でバックライトを単色の静態発光へ切り替え、カスタムアクションやマクロ機能などを強制的にOFFにする「Tournament Mode Switch」を備えている。

 名前の通りオフラインの大会などに持ち込んだ際の使用に配慮した機能で、切り替え後スイッチをロックすることもできる。フェアなプレイを心がけるユーザーはもちろん、チート行為を疑われないための仕組みとしてもなかなか面白い機能だ。

OFFの状態。通常通りの動作。
ONの状態。バックライトは単色に、カスタムアクションやマクロ機能は使用不可能となる。
ロック状態。カバーを持ち上げることでロックされる。

 また、ゲーム中にマクロを使わないユーザーの場合、とりあえずでゲーム中はこの機能をONにしておけばExcel用などに組んだマクロがゲーム中に暴発するという事態も防げる。普段使いとゲームで機能を使い分けるといったことも可能だ。

入力精度次第で操作をしっかり受け止めてくれる認識精度の高さと速度

 人気のバトルロイヤルFPS「エーペックスレジェンズ」をプレイし、実際にどれほど正確に高速入力が可能なのか確認してみた。

 SPEED軸の特徴であるスイッチ接点の短さを生かして浅打ちしつつの操作で高速入力を意識しつつのプレイだったが、基本的にかなり快適で取りこぼしや誤入力は感じられなかった。

うっかり遮蔽の少ない場所での交戦となってしまったが、正確に素早く操作できるので少しの遮蔽を上手く使って敵部隊を撃退できた。
ヒートシールドを焚き、Ultを投げ、一度身を隠しつつシールドを巻く。という忙しい操作でも慌てず冷静に操作さえすれば、しっかりキー入力はキーボード側が認識してくれる。
最大8,000Hzのポーリングレートは魅力的ではあるが、PC側への性能も要求されるので、利用する場合はハイエンドPCを用意した方が良いだろう。

 また細かいところで言えば音量調節ダイヤルは素早く音量を上げ下げできるので、建物内で細かく足音を聞きたい時などにサッと音量を上げ、元に戻すときも手元で素早く元に戻せる所に使い勝手の良さを感じた。使いこなせば有利に立ち回れそうだ。

 なお、注意すべき部分があるとすればポーリングレートで、最大値の8,000Hzにした場合、PC側への負荷が高くなる。このため、ゲームの負荷が高いシーンでPCの性能をゲームとキーボードで奪い合うかたちになってしまうことがあり、逆にカクついてしまい折角の8,000Hzのポーリングレートを活かした応答速度が台無しになってしまうことがある。ポーリングレートをあげて使用する際は、PCスペックはなるべく高い物を用意したい。

柔らかいパラコードケーブルで操作も快適、軽量モデルで被せ持ちに適した右手用マウス18,000dpiのSABRE RGB PRO CHAMPION SERIES

 「SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES」は本体サイズ129 x 70 x 43 mm。本体重量は74gと軽量級。軽量級にしてはやや大きめだがスタンダードな右手用マウスで被せ持ちに適した形状となっている。

ポピュラーな右利き用マウス形状で被せ持ちに適している。
マウスソールはバランス良く四隅に配置、センサーにはPixart社製のPMW3392を採用。

 センサーに最大解像度18,000dpiの光学センサー「Pixart PMW3392」を搭載し、「CORSAIR AXON ハイパープロセシングテクノロジー」による8,000Hzものポーリングレートでマウス操作を的確かつ即時にPCへと認識させるようになっており、どんなに激しい動きにも対応できる高いスペックを持ち合わせているゲーミングマウスと言えるだろう。なお、キーボードと同じく、8,000HzのポーリングレートはPC側に要求される性能も高いので、その点は意識しておいて欲しい。

左側面にはLEDインジケーターとサイドボタン。サイドボタンはクリック感もハッキリとしていて打ち分けもし易い。
右側面、横から見てわかるようにDPIスイッチはフラットなデザインになっていてプレイを妨げない。
右側面に向かってやや傾斜した形状。
手前側に向かって緩やかに傾斜している。

 ボタン数は標準的な左右ボタン、中央クリック、DPI、サイドボタンx2の計6ボタン。DPIスイッチは誤爆の少ないフラットなタイプになっている。メインボタンのスイッチにはOMRON製スイッチを採用、5,000万回のクリック耐性を持ちクリック感もほどよくクッキリとした物になっている。

LEDインジケーター。
柔軟性抜群のパラコードケーブルを採用しているので取り回ししやすい。

 昨今の超軽量マウスでよく使われているパラコードケーブルを採用。これは柔らかいケーブルに編組チューブが緩く巻いてあり、ケーブルが曲がるのを阻害しにくくなっているタイプで、マウスバンジーなしでもマウス操作時にケーブルによる抵抗を感じることは殆ど無い。

本体の軽量さとパラコードケーブルで軽快に操作可能

 こちらも同じく「エーペックスレジェンズ」でプレイした実用感を確認。筆者の普段のマウスの持ち方が被せ持ちなこともありかなり馴染んだ感じでの操作ができた。

味方が敵を発見しあと乗りで交戦開始。リコイルも軽量マウスで軽快に制御できた。
1部隊を撃破して戦利品を漁っているとスナイパーの横やりが入ったため遮蔽に逃げつつ牽制、大きな動きでも正確に読み取ってくれるためアイアンサイトで遠距離の敵にしっかり当てられた。
操作を邪魔しないパラコードケーブルは実際に使うと効果を強く感じる、柔らかく抵抗感が少ないケーブルなので、有線マウスを使う際は積極的に採用モデルを選びたい。

 被せ持ちでしっかりホールドした状態でローセンシ気味に大きく動かすと、大抵のマウスの場合ケーブルが引っかかる感じが強く、些細ではあるが操作に影響が出ることは少なくない。マウスバンジーを使用した場合も使用しない場合よりは遙かに気にならないが、やはり抵抗感は感じてしまう。

 その点パラコードケーブルの効果はかなり大きく、ケーブルの柔らかさと緩く巻いた編組ケーブルのおかげかほとんど抵抗感はなく、無線マウスを使ってる状態に近いような感覚すらあった。

 またマウスそのものの軽さも相まって長時間の操作でも疲れにくく快適だと言える。

バージョンアップしてより使い易くなった専用ユーティリティiCUE

 CORSAIRデバイスを一括管理できる専用ユーティリティiCUEを使ってキーアサインの割り当てや、ライティングのカスタマイズ、プロファイルの編集などを自由に行うことができる。今回からは「iCUE4」となりUIなどが刷新、グラフィカルでより使い易くなった。

キー割り当てや照明などを好みの設定に変更可能。視覚的にわかりやすいので初心者でも安心だ。
プロファイルを複数作りプログラムとリンクさせる事も可能。アイコンなどデフォルトでも複数用意されているのでプロファイルの区別も付けやすい。

 各種設定の中で「ハードウェア~」となっているタブはオンボードで動作する項目になっている。持ち出したい設定などはここで設定することでiCUEが動作していない状態でも有効になる。

オンボードプロファイルの保存に対応、「K70 RGB TKL CHAMPION SERIES」であれば画像のように多数のプロファイルを登録することもできる。
CORSAIR AXON ハイパープロセシングテクノロジーの有効化も設定上から行える。ポーリングレート8,000Hzでの使用はPCスペックが要求されるため、警告が表示される。

 また、どのゲーミングデバイスにも共通して言えることだがオンボード時とドライバソフトウェア起動時では設定可能な項目や、設定の内容が詳細に変更できるかなど、若干の差が出る場合がほとんどなので自分の使いたい機能はどちらで使えるのか事前に確認しておこう。

競技シーンを目指すためのゲーミングデバイスとして性能を突き詰めたCHAMPION SERIES

 各種機能や性能を大会向けにチューニングした「CHAMPION SERIES」は競技シーンを目指すゲームプレイヤーに間違いなくおすすめ出来るモデルだと言えるだろう。

 もちろん競技シーンに限らず、ハイスペックなゲーミングデバイスを探しているのであれば選択に入ってくる性能を持ち合わせている。キーボードの「K70 RGB TKL CHAMPION SERIES」はこれまでのCORSAIRのキーボードと同じく安心して使える性能を備え、マウスの「SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES」もスタンダードよりなデザインに広い設定の幅を持たせたモデルだ。

 特に「SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES」は軽量級のマウスでしっかり被せ持ちができるモデルを探しているユーザーにもぴったりなマウスといえるので、軽量マウスを探しているユーザーはチェックしてみて欲しい。

[制作協力:CORSAIR]