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Tiger Lake-H + GeForce RTX 30で16万円、最新ミドルクラスノート「MSI Katana GF66 11U」はかなり強力!

144Hz液晶搭載で、DLSSを活用して高フレームレートも実現 text by 坂本はじめ

 先日、試作機のビジュアルを紹介したMSIの新作ゲーミングノート「Katana GF66 11U(Katana-GF66-11UD-480JP)」の実機が編集部にやってきた。

 シンプルで洗練されたデザインの筐体に、Tiger Lake-HとGeForce RTX 30シリーズという最新のプロセッサを搭載した新世代ゲーミングノートが、どれだけの実力を備えているのかチェックしてみよう。

15.6型/144Hz液晶で16万円の新世代ミドルクラスゲーミングノート

MSIの15.6型ゲーミングノート「Katana-GF66-11UD-480JP」

 今回テストするのは、MSIの15.6型ゲーミングノート「Katana GF66 11U」シリーズの国内向けモデル「Katana-GF66-11UD-480JP」。公式オンラインショップ「MSIストア」での販売価格は158,800円。

 Katana-GF66-11UD-480JPは、10nmプロセスで製造されたTiger Lake-Hベースの8コア16スレッドCPU「Core i7-11800H」と、4GBのGDDR6メモリを専用VRAMとして備える「GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU」を搭載。これらIntelとNVIDIAの最新プロセッサに加え、144Hz駆動のフルHD液晶ディスプレイも備えたKatana-GF66-11UD-480JPは、本格的にPCゲームを楽しめるミドルレンジ・ゲーミングノートだ。

 標準構成では、16GBのDDR4メモリ(8GB×2)や、512GBのM.2 NVMe SSDを搭載しており、これらはMSI公認サポート店で注文する際、容量などをカスタマイズすることができる。

マットブラックに赤が映える「Katana GF66 11U」デザインはイラストレーターの長野 剛氏とコラボ

 ゲーミングノートとしての性能を確認する前に、Katana-GF66-11UD-480JPのビジュアルと、筐体各部に配置されたインターフェイスを確認しておこう。

 Katana-GF66-11UD-480JPのベースとなっているKatana GF66 11Uは、MSIが黄金比に着想を得て開発したという、流線的でありながらもシャープなデザインの新筐体を採用するゲーミングノートのひとつで、イラストレーターの長野 剛氏とのコラボレーションによって「伝説の剣」をイメージした意匠が施されている。

 Katana-GF66-11UD-480JPは、筐体全体をマットブラックでカラーリングされており、キーボードの印字やバックライトにアクセントカラーの赤が加えられている。ゲーミングノートにありがちな派手な装飾は排除されており、スマートで落ち着きのあるビジュアルに仕上がっている。

Katana-GF66-11UD-480JP。マットブラックの筐体にキーボードの赤が映える。
本体サイズは359×259×24.9mmで、重量は2.2kg。
天板。MSIのドラゴンロゴがエングレービング加工で描かれている。
底面。刀の鍔(つば)をイメージしたデザインの通気口が設けられている。

 Katana-GF66-11UD-480JPが備える15.6型のディスプレイは、画面解像度フルHD(1,920×1,080ドット)の液晶パネルで、最大リフレッシュレートは144Hzとなっている。ディスプレイ上部には92万画素のマイク内蔵ウェブカメラが配置されており、ディスプレイヒンジは最大で180度まで開くことができる。

 キーボードには、テンキー付きの日本語キーボードを搭載。キーボード面には、マルチジェスチャーに対応したボタン一体型のタッチパッドも搭載している。

144Hz駆動のフルHD液晶ディスプレイを搭載。ディスプレイ上部には、マイク内蔵のウェブカメラが配置されている。
ディスプレイは最大で180度近くにまで開くことができる。
キーボード面。テンキー付きの日本語キーボードと、ボタン一体型タッチパッドを搭載。
キーの側面や印字には半透明の赤いパーツが使用されており、稼働中は赤いLEDバックライトの光を透過する。

 本体両側面には、USBポートやGigabit LANなどのインターフェイスが配置されており、画面出力端子としてHDMIポートを1基備えている。本機には150W出力(20V/7.5A)対応のACアダプタが同梱されており、本体内蔵のバッテリーは53.5Whr(3セル、4,562mAh)となっている。

 外観からは見えない部分になるが、Katana GF66 11UにもMSIオリジナルデザインのクーラー「Cooler Boost 5」が搭載されており、従来のCooler Boostからヒートパイプを改良されたものが採用され、CPUとGPUの性能がしっかり発揮されるよう最適化されている。

本体左側面。USB 3.2 Gen 1 Type-A、USB 2.0 Type-A、電源入力。
本体右側面。USB 3.2 Gen 1 Type-A、USB 3.2 Gen 1 Type-C、Gigabit LAN、ヘッドセット端子、HDMI出力。
付属のACアダプタは150W出力(20V/7.5A)。
ACアダプタのサイズは、実測でおおよそ138×69×23.5mm。

高い性能を発揮するTiger Lake-H + GeForce RTX 30の構成ベンチマークテストで基本性能をチェック

 それでは、メジャーなベンチマークテストを使って、Katana-GF66-11UD-480JPの基本的な性能をチェックしてみよう。

CINEBENCH R23でベンチマーク、Tiger Lake-Hの高い性能をしっかり発揮

CINEBENCH R23の実行結果。

 CPUベンチマークのCINEBENCH R23では、マルチコアテストで「8,478」、シングルコアテストで「1,516」を記録。最新アーキテクチャCPUならではの優れたシングルスレッド性能だけでなく、消費電力や発熱による制約があるノートPCでありながらマルチスレッド性能も上々。10nmプロセスで製造されたTiger Lake-Hの電力効率の高さが伺える結果だ。

ファイナルファンタジーXIVベンチマークはフルHDで非常に快適なスコア

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク。

 ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、フルHD解像度かつ最高品質設定で「13,728」というスコアを記録した。最高評価である非常に快適の基準スコア(7,000)を大きく超えており、GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUがゲームをプレイするのに十分な性能を備えたGPUであることが確認できる。

3DCG制作のパフォーマンスをBlender Benchmarkでテスト

 CPUのCore i7-11800Hと、GPUのGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU(OptiX)で、それぞれBlender Benchmarkを実行した結果が以下のスクリーンショットだ。今回、設定などの問題なのか、テスト項目の「Victor」がうまく動作しなかったので、それ以外の項目でのテストを行っている。

Core i7-11800Hの実行結果。Victorを除いた合計時間は「2,865秒」。
GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUの実行結果。Victorを除く合計時間は「603秒」

 その他のシーンの合計レンダリング時間をみてみると、Core i7-11800Hの2,865秒に対し、GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUは4分の1以下となる603秒で処理を完了している。

 このように、レイトレーシング処理用のRTコアや、深層学習用のTensorコアを備えるGeForce RTX 3050 Tiは、クリエイティブな分野でも高いパフォーマンスを発揮するGPUであり、CPUとGPUの両方がクリエイティブアプリへの高い適正を備えるKatana-GF66-11UD-480JPは、クリエイターにとっても魅力的なノートPCなのである。

高画質設定でも100fpsが狙える「Apex Legends」

Apex Legends。

 ここからは、実際のゲームでKatana-GF66-11UD-480JPの実力をチェックしていく。

 まずテストしたのは、国内での人気が高いFPS「Apex Legends」だ。GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUのVRAM容量の許す限り高画質に設定した「画質優先」と、品質を妥協してパフォーマンスを重視した「フレームレート優先」の2種類で平均フレームレートを計測してみた。なお、テスト時の画面解像度はフルHDで、ゲーム側のフレームレート上限を300fpsまで解放している。

 測定の結果、「画質優先」設定での平均フレームレートが104.4fpsで、「フレームレート優先」設定では148.2fpsを記録した。

 高画質設定でも100fps以上の平均フレームレートを記録したKatana-GF66-11UD-480JPのパフォーマンスは上々で、多少画質を妥協すればディスプレイの表示能力(144Hz)の限界を引き出すこともできる。ミドルレンジクラスのゲーミングノートとしては、かなり優秀なゲーミング性能であると言えよう。

「画質優先」時のグラフィック設定。
「画質優先」時のゲーム画面。100fps前後での動作を実現できる。
「フレームレート優先」時のグラフィック設定。
「フレームレート優先」時のゲーム画面。常に144fpsを維持できる訳ではないが、それなりの画質でかなりの高fpsを実現できている。

「フォートナイト」でDLSSが使えるGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU

フォートナイト。

 バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」は、リアルタイムレイトレーシングを実現する「DirectX Raytracing(DXR)」や、GeForce RTXシリーズが搭載するTensorコアを活用する「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」に対応している。さすがにGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUでDXRを有効にするのは厳しいが、GPUの描画負荷を軽減するDLSSはきわめて有効な技術だ。

 そこで今回は、フルHD解像度でグラフィックプリセットを「最高」にした設定をベースに、DLSS無効時と、3種類のDLSS設定(品質、バランス、パフォーマンス)で、それぞれ平均フレームレートを測定してみた。テスト時のグラフィックスAPIはDirectX 12。

 測定の結果、DLSS無効時の平均フレームレートが71.3fpsであったのに対し、DLSS「品質」設定時は96.4fps、DLSS「バランス」設定時は106.2fps、DLSS「パフォーマンス」設定時は117.3fpsを記録。DLSSを用いることで大幅にフレームレートを向上させることができた。

 DLSS設定の違いによるゲーム画面の変化を確認するため、以下にスクリーンショットを用意した。

 例えフレームレートが向上しても、画質の劣化が著しければ満足にゲームをプレイすることはできないが、スクリーンショットを比較してもらえれば、もっともフレームレートが高くなったDLSS「パフォーマンス」設定でも、かなり良好な画質を保っていることが分かるはずだ。

DLSS「オフ」。
DLSS「品質」。
DLSS「バランス」。
DLSS「パフォーマンス」。

最新世代のCPU&GPUで確かな性能を獲得したミドルレンジゲーミングノート

 スマートな美しさを備えた新設計の筐体が魅力のKatana-GF66-11UD-480JPは、DXRやDLSSに対応したGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUと、ゲームへの適正が高いCore i7-11800Hを搭載することで、高フレームレートでのゲーミングが可能な性能を実現している。

 その実力と機能は、これまでミドルレンジを担ってきたGeForce GTX 1650 Ti搭載ゲーミングノートとは一線を画すものであり、これだけの性能を備えながら158,800円で購入できるKatana-GF66-11UD-480JPは、ゲーマーに限らず、高性能なノートPCを求めるユーザーにとって、コストパフォーマンスに優れた選択肢となるだろう。

[制作協力:MSI]