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420mmラジエーターでRyzen 9 5950Xもしっかり冷える「CORSAIR iCUE H170i ELITE CAPELLIX」
フルタワーケース「iCUE 7000X RGB」にサイズもピッタリな新型水冷クーラー text by 坂本はじめ
2021年8月11日 00:01
CORSAIRの「iCUE H170i ELITE CAPELLIX」は、140mmファンを3基も搭載できる420mmサイズの巨大ラジエーターを採用したオールインワン水冷クーラーだ。
先日レビューで紹介したCORSAIRの新作フルタワーケース「iCUE 7000X RGB」での利用を想定して設計された、巨大ラジエーター搭載オールインワン水冷の実力を確認してみよう。
水冷ヘッドと冷却ファンにアドレッサブルRGB LED搭載140mmファン×3基の420mmラジエーター搭載水冷クーラー
CORSAIR iCUE H170i ELITE CAPELLIXは、アドレッサブルRGB LEDや交換可能な水冷ヘッドキャップを特徴とする「iCUE ELITE CAPELLIX」の新モデルとして発売された、420mmラジエーター採用オールインワン水冷クーラーだ。140mmファンを3基並べて搭載できるそのラジエーターサイズは、iCUE ELITE CAPELLIXシリーズで最大である。
対応CPUソケットは、IntelのLGA1200/115x/2011/2066と、AMDのSocket AM4/AM3/AM2/TR4/sTRX4。標準搭載の冷却ファンとして、磁気浮上ベアリングとアドレッサブルRGB LEDを搭載した140mmファン「ML140 RGB」が3基同梱されている。
ファンコネクタ×6、LEDコネクタ×6を備える制御ユニットの「iCUE Commander CORE」ユーティリティソフト「iCUE」
iCUE H170i ELITE CAPELLIXは、同梱の制御ユニット「iCUE Commander CORE」に水冷ヘッドや冷却ファンを接続することで、PC上で動作するユーティリティソフト「iCUE」を通して管理する仕様となっている。
iCUE Commander COREは、ファンコネクタ×6とRGB LED機器用コネクタ×6基を備えており、接続したファンやLEDストリップをまとめて制御することが可能だ。iCUE H170i ELITE CAPELLIXは3基のRGB LED搭載ファンを備えているので、残り3基分、好みのファンやLED機器などを接続できる。
iCUEでは、iCUE H170i ELITE CAPELLIX各部のステータス情報をモニタリングできるほか、冷却ファンやLEDイルミネーションのカラーコントロールや、ファームウェアのアップデートなど、iCUE H170i ELITE CAPELLIXが備える全ての機能にアクセスできる。また、他のiCUE対応デバイスとの間でLEDの同期制御を行うことも可能だ。
選ばれしケースのみが搭載できる420mmラジエーターCORSAIR製ケースでは新モデルの「7000系」と「1000D」でのみ利用可能
420mmという巨大ラジエーターを採用するiCUE H170i ELITE CAPELLIXは、どんなPCケースでも利用できるという訳ではない。
iCUE H170i ELITE CAPELLIXを搭載するには、最低限140mmファンを3基ならべて搭載できるファンステイが必要であり、CORSAIR製のPCケースでは先日紹介した「iCUE 7000X RGB」を含む「7000シリーズ」と、スーパータワーケースこと「Obsidian Series 1000D」のみがiCUE H170i ELITE CAPELLIXを搭載することができる。
特に、着脱可能なファンステイを備える7000シリーズとの相性は非常によく、ケースのトップまたはフロントのファンステイに420mmラジエーターを取り付ければ、簡単に組み込むことができる。
16コアのRyzen 9 5950Xがしっかり冷える420mmラジエータの冷却性能CPUベンチマーク中の温度推移をチェック
ここからは、420mmの巨大ラジエーターを搭載したiCUE H170i ELITE CAPELLIXの冷却性能をチェックしてみよう。
今回は、CORSAIRの新作フルタワーケースiCUE 7000X RGBに、メインストリーム向け最強の16コア32スレッドCPU「Ryzen 9 5950X」とRadeon RX 6800 XTを組み込んだハイスペックマシンを用意。この環境で、Ryzen 9 5950Xの冷却にiCUE H170i ELITE CAPELLIXを利用した場合の冷却具合を確認する。
テスト時の室温は約26℃で、iCUE H170i ELITE CAPELLIXをはじめとする冷却ユニットの制御は「安定」に設定。CPUに高負荷をかける「CINEBENCH R23」のMulti Coreテストを最低実行時間10分で実行し、CPU温度やiCUE H170i ELITE CAPELLIXのステータスなどをHWiNFO64 Pro v7.06とiCUEのモニタリング機能で計測した。
ベンチマーク中に取得したモニタリングデータに基づいて、ベンチマーク中のCPU温度と、各種ステータスの推移グラフを作成した。
ベンチマーク中の最大CPU温度は64.4℃で、平均CPU温度は59.3℃。Ryzen 9 5950Xのサーマルスロットリングが作動する温度は90℃なので、かなり余裕のあるCPU温度であるといえる。
テスト中、CPUは3.8GHz前後のCPUクロックで動作しており、iCUE H170i ELITE CAPELLIXのポンプは約2,500rpm、冷却ファンは最大で約1,400rpmで動作していた。冷却ファンの最大スピードが2,000rpmであることを考えると、かなり余裕のある状態でRyzen 9 5950Xの発熱を処理できているようだ。
フルタワーケースの収容能力を最大限に活用できる420mmラジエーターiCUE 7000X RGBとあわせて検討したい巨大オールインワン水冷
420mmという巨大なラジエーターを採用したiCUE H170i ELITE CAPELLIXは、フルタワーケースの収容能力を最大限に活用できる美しいイルミネーションも魅力のオールインワン水冷クーラーだ。
新作フルタワーケースであるiCUE 7000X RGBとの相性も抜群で、見た目も楽しめるハイエンドPCの自作を狙っているなら、iCUE 7000X RGBとiCUE H170i ELITE CAPELLIXというベストな組み合わせを見逃す手はない。CORSAIRのケースとクーラーを組み合わせで、上質なPCの自作にチャレンジしてはいかがだろうか。
[制作協力:CORSAIR]