特集、その他
2TBで約7GB/sのPlextor最新SSD「M10PG」で大作ゲームを楽しむ、ヒートシンクの冷却性も優秀
高性能かつ発熱面でも扱いやすいPCIe 4.0 SSD text by 坂本はじめ
2021年9月13日 00:00
Plextorの新作SSD「M10P」は、同ブランドで初めてPCI Express 4.0対応したSSDであり、転送速度7GB/sをうたう最新鋭のハイエンドSSDでもある。
今回は、3タイプの製品が展開されるM10Pシリーズの中から、ヒートシンク搭載モデルである「M10PG」を中心に、Plextor最新のSSDが実現した性能を確認してみよう。
3タイプの製品が用意されるPlextor M10Pシリーズ、リードの公称値は最大7GB/s
PlextorのM10Pシリーズは、インターフェイスにPCIe 4.0 x4を採用したNVMe SSDで、ヒートシンクを搭載するM.2型の「M10PG」、ヒートシンク非搭載のM.2型「M10PGN」、拡張カード(HHHL)型の「M10PY」という3タイプで製品展開される。
いずれも、キオクシアの「BiCS」フラッシュメモリ(TLC型)と、InnoGrit製のSSDコントローラを組み合わせた製品で、容量ラインナップは512GB、1TB、2TB。最大容量モデルである2TBモデルは、リード最大7,000MB/s、ライト最大5,000MB/sという速度を実現。250万時間のMTBFと1,280TBWという、信頼性と耐久性も兼ね備えている。
ヒートシンクを搭載するM.2型SSD「M10PG」の実力をチェック
今回テストするのは、ヒートシンクを搭載するM.2型SSDの「M10PG」の2TBモデルだ。フォームファクターとしてはM.2 2280に準拠する本製品だが、標準で付属するヒートシンクを取り付けた場合、本体サイズは80.0×24.0×20.5mm(長さ×幅×高さ)となり、幅と厚さがかなり大きくなる。
ちなみに、M10PGはヒートシンク搭載SSDとしては珍しく、ヒートシンクが搭載されていない状態でパッケージに収められており、使用前にユーザーの手でヒートシンクを取り付けることになる。取り付け作業自体は簡単なので心配は無用だ。
ヒートシンクを取り付ける前にSSD本体を確認してみたところ、基板は片面実装となっており、表面側にSSDコントローラ、キャッシュ用のDRAM(2枚)、NANDフラッシュメモリ(2枚)が実装されていた。
この仕様は、ヒートシンク非搭載のM10PGNでも同様なので、両面実装仕様のSSDが利用できないノートPCなどへの組み込みには、M10PGNを利用すると良いだろう。
リード約7GB/s・ライト約5GB/sの高速さ、CrystalDiskMarkで速度をチェック
ここからは、定番のストレージベンチマークテスト「CrystalDiskMark」を使って、M10PGのパフォーマンスと動作温度をテストした結果を紹介する。使用した機材は以下の通りだ。
CrystalDiskMark 8.0.4で、「NVMe SSD」モードと「デフォルト」モードで取得したベンチマーク結果が以下のスクリーンショットだ。
NVMe SSDモードの結果に注目してみると、リード最大「6,945.31MB/s」、ライト最大「5,014.73MB/s」を記録しており、おおむねスペックどおりの最大転送速度を実現していることが確認できる。
ヒートシンクは効果的にSSDを冷却、ベンチマーク中の最大温度は最大60℃
以下のグラフは、NVMe SSDモードでCrystalDiskMarkを実行しているM10PGのステータス情報から作成したものだ。ステータス情報の収集には、モニタリングソフト「HWiNFO64 Pro 7.06」を利用している。
テスト中の最大動作温度は「60℃」で、これはHWiNFOで取得したサーマルスロットリングの作動温度である「83℃」より20℃以上低いものとなっている。水冷CPUクーラーを使用した今回のテスト環境では、M.2スロット周辺にエアフローが生じないSSDにとって厳しい環境なのだが、M10PGの専用ヒートシンクによってSSDが効果的に冷却されていることが確認できた。
最新ゲームを数多くインストールしておける2TBモデル大作ゲームで性能を発揮するPlextorのPCIe 4.0対応SSD
Plextorにとって初のPCI Express 4.0対応SSDとなったM10Pシリーズなのだが、もうひとつPlextorにとって初となる要素が存在する。それは、2TBモデルの存在だ。
これまで、Plextor製SSDの最大容量は1TBだったので、2TBの登場によって一気に2倍に増加することとなった。この最大容量の増加は、1タイトルで50~100GBの空き容量を要求するのが珍しくなくなったゲームのインストール先としての適正を高めるものであり、速度と容量の両立を求める熱心なゲーマーにとって魅力的な進化であると言えよう。
そこで今回、M10PGに複数のゲームをインストールし、そのロード時間をHDD比でどの程度短縮できるのかという観点で、ゲーミング用途での快適性をチェックしてみた。
モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
モンスターハンターの世界観で展開されるカプコンのRPG「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」では、4K(3,840×2,160ドット)解像度の高画質設定で、マップ切り替え時のロード時間を測定した。
ロード時間は、HDDが9.7秒であったのに対して、M10PGは7.5秒を記録。削減された時間は2.2秒で、ロード速度は3割ほど高速化している。
それほどディスクアクセスが多いタイトルではないこともあり、劇的な差がついた訳ではないが、マップ切り替えのロードが生じる機会の多いタイトルではあるので、プレイ時間が長くなるほど、ロード時間削減の恩恵は大きなものとなっていくだろう。
モンスターハンターワールド:アイスボーン
2022年初頭に最新作「モンスターハンターライズ」のSteam版発売が予定されているモンスターハンターシリーズからは、前作にして一世を風靡した「モンスターハンターワールド:アイスボーン」で、探索に出発するさいのロード時間を測定してみた。テスト時の描画設定は、4K解像度かつ最高画質設定で、High Resolution Texture Packを適用している。
ロード時間は、HDDが44.2秒であったのに対して、M10PGは13.3秒を記録。削減された時間は30.9秒で、ロード速度は3倍以上にまで高速化している。大きくロード時間を短縮できているので、来年発売のSteam版モンスターハンターライズのロード時間を短縮することも期待したいところだ。
バイオハザード ヴィレッジ
バイオハザードシリーズの最新作「バイオハザード ヴィレッジ」では、4K解像度の最高画質設定(限界突破)で、ゲーム再開時のロード時間を測定した。
ロード時間は、HDDが15.4秒であったのに対して、M10PGは7.5秒を記録。削減された時間は7.9秒で、ロード時間を半分以下にまで短縮できた。
Microsoft Flight Simulator
Microsoft Flight Simulatorでは、ワールドマップで飛行条件を設定してから、フライトを開始できるようになるまでのロード時間を測定した。ゲームの描画設定は、4K解像度かつ最高画質設定(ウルトラ)。
ロード時間は、HDDが62.2秒であったのに対して、M10PGは31.3秒を記録。削減された時間は30.9秒で、ロード時間をおおよそ半分にまで削減できた。
サイバーパンク2077
サイバーパンク2077では、4K解像度で描画プリセットを「ウルトラ」に設定した状態で、ゲーム再開時のロード時間を測定した。
ロード時間は、HDDが31.9秒であったのに対して、M10PGは8.8秒を記録。削減された時間は23.1秒で、ロード速度は3.6倍以上で、7割以上もの時間を削減できた。
大容量&超高速を実現するPlextorのPCIe 4.0 SSD「M10P」ゲーミングPCの新調やアップグレードを狙うゲーマーにもおすすめ
Plextor初のPCIe 4.0 SSDであるM10Pシリーズは、7GB/s級のリード性能と、最大2TBの大容量を実現しており、最新鋭のSSDに相応しい速度と容量を備えている。また、キオクシア製のNANDフラッシュメモリを採用したことで、信頼性や耐久性にも優れており、SSDの搭載部品にまでこだわりたいユーザーにとっても魅力あるSSDとなっている。
高速なSSDの導入によって、システムディスクの高速化や、ゲームのロード時間短縮を狙っているなら、新たなPCIe 4.0 SSDの選択肢として、Plextor M10Pシリーズに注目すべきである。
[制作協力:Plextor]