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PS5にもピッタリなSSD「Samsung SSD 980 PRO with Heatsink」、速度面もバッチリ
増設も簡単で安心して使えるヒートシンク付きSSD text by 坂本はじめ
2022年3月1日 11:30
Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkは、7GB/s級の速度を実現したPCIe 4.0 SSDである「980 PRO」をベースに、ゲーム機であるPS5に搭載可能なサイズのヒートシンクを装備したSSDだ。
今回は、このSSDをPS5に搭載。温度計測やロード時間のテストを通して、Samsung SSD 980 PRO with HeatsinkのPS5増設用SSDとしての適正を確認する。PS5でもSSDのファームウェアを更新すべきなのか、手段は用意されているのかといった部分も紹介するので、増設用SSDの購入を検討しているPS5ユーザーはぜひチェックしてもらいたい。
PS5に搭載可能なヒートシンク付きのPCIe 4.0 SSD実測リードは6.8GB/s超え、1TBと2TBをラインナップ
Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkは、インターフェイスにPCIe 4.0 x4を採用したNVMe SSDで、フォームファクターにはM.2 2280を採用している。本体サイズは80×24×8.6mm(長さ×幅×高さ)。
Samsungのハイパフォーマンス向けSSDである「980 PRO」をベースに、独自のヒートシンクを標準搭載したSSDで、自社製のSSDコントローラとTLCタイプのSamsung V-NANDの組み合わせにより、リード最大7GB/s、ライト最大5.1GB/sを実現。容量ラインナップは1TBと2TB。
標準搭載されたヒートシンクは、PS5のSSD増設用M.2スロットの「幅25mm、高さ11.25mm(基板上8mm、下2.45mm)」という要件を満たすように設計されており、SSD本体も「PCIe 4.0 x4」というPS5の要件を満たしているので、Samsung SSD 980 PRO with HeatsinkはPS5の増設SSDとして利用可能なSSD製品のひとつとなっている。
PCで使う分には、現在発売されているPCIe 4.0 SSDの中でも最高クラスの速度を実現しているSamsung SSD 980 PRO with Heatsinkだが、PS5という異なるプラットフォームでもその実力をしっかり発揮できるのか確認するというのが今回の目的だ。テストには1TBモデル「MZ-V8P1T0C/IT」用意し、最新ファームウェアに更新したものを使用する。
PS5の増設SSD用スロットに装着、手順はかなり簡単
PS5の増設SSD用M.2スロットは、本体の右側面(横置き時は底面)に配置されており、外装カバーを取り外すことでアクセスできる。PS5本体の電源をオフにしたうえで、SIEが公開している公式動画にしたがって取り付け作業を行おう。
PS5に取り付けられるように設計されているだけあって、Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkの取り付け作業は簡単に完了した。
取り付け後にPS5を起動すると、増設したM.2 SSDのフォーマットを行う画面が表示され、画面に従って作業を進めるとフォーマットとベンチマークテストが実行されたあと、PS5タイトルのインストール先としても利用可能な「M.2 SSDストレージ」として認識される。
本体内蔵SSDとほぼ同じ性能を発揮するSamsung SSD 980 PRO with Heatsinkゲーム用SSDとしてもばっちりな性能
PS5は本体に825GBのSSDを内蔵しており、その高速性をいかしてPS5タイトルのロード時間を激減させている。M.2 SSDストレージに期待されるのは内蔵SSDと同程度のロード時間を実現することであり、内蔵SSDと遜色ない結果が得られればPS5用の増設SSDとしては合格点が与えられる。
そこで今回は、内蔵SSDとM.2 SSDストレージでインストールしたゲームのロード時間を比較。PS5のストレージとしてSamsung SSD 980 PRO with Heatsinkが適切なパフォーマンスを発揮できるのか確認してみた。
テストしたゲームは、「The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience」、「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」、「バイオハザード ヴィレッジ」の3本で、それぞれロード時間を3回ずつ測定し、その平均値を比較する。
The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience
映画「マトリックス」の世界を再現する技術デモ「The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience」では、メインメニューから「街を探索」を選択したさいに発生するロード時間を比較した。
計測の結果、ロード時間はどちらも「約4.84秒」で並ぶ形となった。それぞれのSSDで3回ずつロード時間を測定しているが、それらのバラツキもほとんどなく、安定して同じロード時間を実現していた。
Marvel's Spider-Man: Miles Morales
「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」では、メインメニューから「セーブデータのロード」を実行したさいに発生するロード時間を比較した。
ロード時間は、Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkが約「4.03秒」で、内蔵SSDも約「4.03秒」。ここでもSamsung SSD 980 PRO with Heatsinkは内蔵SSDと遜色ないパフォーマンスを発揮している。
バイオハザード ヴィレッジ
バイオハザードシリーズの最新作「バイオハザード ヴィレッジ」では、メインメニューから「コンティニュー」を実行したさいに発生するロード時間を比較した。
ロード時間は、Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkが約「3.14秒」で、内蔵SSDが約「3.23秒」。0.09秒ほどSamsung SSD 980 PRO with Heatsinkが内蔵SSDより短いロード時間となっており、複数回の測定でも安定して同じくらいの差がついてはいる。もっとも、この程度の差は「同じ」と言って差し支えないものだろう。
ゲームプレイ前後の動作温度をサーモグラフィでチェック冷却能力も十分で動作温度面でも安心な1台
性能的には内蔵SSDに勝るとも劣らない結果が得られたSamsung SSD 980 PRO with Heatsinkだが、SSDが最大限に性能を発揮しつづけるためには、適切な動作温度が保たれている必要がある。金属製のスロットカバーで覆われたPS5のM.2スロットで、SSDが十分に冷却できているのかをサーモグラフィで確認してみよう。
サーモグラフィ画像は、Marvel's Spider-Man: Miles Moralesを30分ほど実行し続けた「ゲーム実行中」と、ゲームを終了してから10分程度放置した「アイドル時」の2枚を撮影した。テスト時の室温は約20℃で、撮影の瞬間以外は金属製のスロットカバーを取り付けておこなっているので、実使用時にかなり近い動作温度が測定できているはずだ。
サーモグラフィでの計測によれば、ゲーム中のヒートシンク表面温度は最大でも43.7℃程度で、ゲームを終了して放置すれば同じ部分で温度は40.4℃まで低下している。
SSDのコントローラやNANDフラッシュメモリの温度までは分からないが、スペック上の最大温度である70℃の範囲内にはおさまっているであろうことが伺える結果だ。Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkが備えるヒートシンクは、PS5のM.2スロットに搭載した場合でも十分に役割を果たしているようだ。
PS5に搭載する前に済ませておきたいファームウェア更新
Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkを含め、SSDには機能や信頼性の改善を目的としてファームウェアの更新が提供されることがある。基本的に、SSDのファームウェアは最新版を利用することが推奨される。
しかし、2022年2月現在、PS5にはM.2 SSDストレージとして搭載したSSDのファームウェアを更新する手段が用意されていないため、ファームウェアの更新を行う場合はPS5以外で行う必要がある。
なお、代理店ITGマーケティングのサポート情報ではファームウェアの更新方法や、動作検証の紹介などが紹介されており、発売初期のファームウェアでも、PS5での動作は確認されていることが紹介されている。購入時のままでも使用自体はできるので、この点は安心感がある。
ファームウェアの更新方法は大きくわけて2パターンあるので、簡単にではあるが紹介しておこう。
1 対応PCを所有している場合は自分で更新可能
Samsung製SSDのファームウェア更新は、PC上でユーティリティソフト「Samsung Magician」で実施できる。
NVMe SSD対応のスロットを備える自作PCなどに接続するほか、外付けケースを利用してThunderbolt 3/4接続すればファームウェアの更新が可能だ。外付けケースを利用する場合はUSB接続のケースは利用できないので注意しよう。ファームウェアを更新するには、内蔵スロット/外付けケース接続ともにPCI Express接続である必要がある。
更新は簡単で、Samsung Magicianを起動し、Drive Detailsの項目を選ぶと、ファームウェアが更新可能な場合は「アップデート」のボタンが表示されるので、更新はボタンを押し、ダイアログに従い進めるだけだ。詳しい手順は代理店ITGマーケティングのサポートサイトに掲載されているので、そちらも参照すると良いだろう。
Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkに関しては、出荷時点でPS5で動作可能なバージョンのファームウェア入っているので最新ファームウェアへの更新は必須ではないが、より最適化が進んだバージョンにしたいなど、気になる場合はPS5に組み込む前にファームウェアの更新をしておこう。
2 ファームウェア更新サービスを提供する業者に依頼
ファームウェアを更新するもう一つの方法は、PCのサポート業務を行っている業者に依頼する方法だ。
例を挙げると、日本PCサービスが提供するサポートサービス「ドクター・ホームネット」内のメニューでPS5にSSDを増設するサービスを提供している。
料金は基本料が3,300円で、PS5への取り付けが6,600円、SSDのファームウェア更新が3,300円となっている。これはサービス拠点への持ち込み時のもので、配送で依頼する際は別途送料が必要だ。費用はかかるが、PCパーツの扱いが全くわからないと行った場合は利用する手もあるだろう。
なお、3月末までは基本料とSSDの取り付け時にファームウェア更新料が無料となるキャンペーンを行っているとのことだ。キャンペーン中であれば、PS5へのSSD取り付けの場合は基本料とファームウェア更新料が割引され6,600円、SSDのファームウェア更新のみの場合は基本料が割引され3,300円でサービスが受けられる。詳しくは日本PCサービスのサービス提供サイトを確認してもらいたいが、利用する場合はぜひ活用してもらいたい。
PS5で安心して使えるSamsung SSD 980 PRO with Heatsink内蔵SSDと遜色ない速度で温度面も問題なし
Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkは、PS5の内蔵SSDと遜色ないパフォーマンスが得られるだけでなく、金属製のスロットカバーで塞がれるPS5のM.2スロットに搭載した場合でも適切な温度を維持できており、PS5の増設用SSDとして安心して使えるSSDであることが確認できた。
現状、PS5単体でSSDのファームウェア更新ができないので、ファームウェアを更新したくなった際は若干手間がかかるが、Samsung SSD 980 PRO with Heatsinkであれば初期ファームの状態でも動作確認がとられており、実用上問題はなく、この点は自作PCパーツに詳しくないユーザーでも安心して使える。PCを使用して自身でアップデートしたり、代行サービス業者のプランを利用してアップデートすることも可能なので、こだわるユーザーは是非最新版ファームウェアで使用してもらいたい。
[制作協力：Samsung]
