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FPSで勝ちに行くなら240Hz有機ELゲーミングモニター、残像感の無さが魅力の「CORSAIR XENEON 27QHD240 OLED」

応答速度0.03msで超高速、黒が美しいWQHDモニター text by 坂本はじめ

 CORSAIRの「XENEON 27QHD240 OLED」は、27型WQHD(2,560×1,440ドット)有機ELパネルを採用したゲーミングモニター。「META Technology」を導入したLG最新の第3世代有機ELパネルの採用により、240Hz/GTG 0.03msという超高速駆動を実現したモデルで、150万対1のコントラスト比や優れた色再現性も備えており、FPSからRPGまで幅広く楽しめる。

 今回は最新技術で作られたWQHD有機ELゲーミングモニターXENEON 27QHD240の外観や機能を確認しつつ、実際にゲームでの使用感をチェックしてみた。国内での発売は6月17日(土)予定で、予価は155,980円前後とされている。

240Hz/GTG 0.03msを実現する27型WQHD有機ELゲーミングモニターG-Sync Compatible/FreeSync Premiumにも対応

 CORSAIRの「XENEON 27QHD240 OLED」は、WQHD解像度で240Hz/GTG 0.03ms駆動に対応した有機ELパネルを採用する27型ゲーミングモニター。本体サイズは604.4×530.8×224.3mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約9.9kg。

27型WQHD有機ELゲーミングモニター「CORSAIR XENEON 27QHD240 OLED」。
本体背面。
本体側面。有機ELパネル自体は非常に薄い。

 XENEON 27QHD240 OLEDが採用した有機ELパネルは、LGのMETA Technologyを導入した最新鋭パネルである第3世代OLEDパネル。画面解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)で、最大リフレッシュレートは240Hz。応答速度はGTGで0.03msと非常に高速で、残像感の少ない映像でゲームや動画を楽しむことができる。

 OLEDの光を極小のレンズ群によって効率的に画面外に取り出すMLA(マイクロレンズアレイ)や、輝度や色再現性を高めるMETAブースターなどの新技術が導入されたLGの第3世代OLEDにより、CORSAIR XENEON 27QHD240 OLEDは優れた色再現性(DCI-P3カバー率98.5%、sRGBカバー率100%)や、150万対1というコントラスト比を実現した。

有機ELパネルはLGの第3世代OLEDを採用。
新技術のMETA Technologyの導入により、コントラスト比や色再現性にも優れている。
リフレッシュレートは最大240Hz、応答速度はGTGで0.03msと非常に高速。
出荷時にカラーキャリブレーションが行われており、本体にレポートが同梱されている。

 本体背面に配置されている映像入力用のインターフェイスは、DisplayPort 1.4、HDMI 2.1(2基)、USB Type-Cで、いずれもWQHD/240Hzに対応しており、ディスプレイ同期技術であるG-Sync CompatibleとFreeSync PremiumとHDRにも対応する。なお、G-Sync Compatibleに対応しているのはDisplayPort 1.4とUSB Type-Cのみとされているが、GeForce RTX 4070であればHDMI 2.1でもG-Sync Compatibleを利用することができた。

 ユニークな機能として、HDMI接続時は4K(3,840×2,160ドット)かつ120Hzでの映像入力に対応している。有機ELパネル自体はWQHD解像度なので、4Kで入力された映像をフルに表示することはできないが、出力解像度をフルHDまたは4Kしか選べない機器を接続した場合、より高精細な4Kを選択できる。

本体背面の映像入力端子と電源入力端子。HDMI 2.1(2基)、DisplayPort 1.4、USB Type-Cの4ポートを備える。
USB Type-Cは映像入力のほか、65Wの電力供給やUSBハブ機能を利用するためのアップストリームポートとしても機能する。
DisplayPort 1.4接続時。WQHD/240Hz表示とHDRに対応している。
HDMI 2.1接続時。こちらもWQHD/240Hz表示とHDRに対応している。
スペックシート上はG-Sync Compatibleに対応するのはDisplayPort 1.4とUSB Type-C接続時とされているが、HDMI 2.1対応のGeForce RTX 4070を使用した際には、HDMI接続でもG-Sync Compatibleが利用できた。
HDMI接続時は搭載パネルの解像度を超える4K/120Hzでの映像入力が可能。出力解像度がフルHDと4Kの2択しかない機器と接続した時、より高精細な4Kを選択できるようになるのがメリットだ。

 本体背面には映像入力端子のほか、USB 3.1 Gen 1ハブ機能やヘッドセット端子、電源入力端子が配置されている。XENEON 27QHD240 OLEDの電源供給は専用のACアダプタ経由で、このACアダプタは最大180Wを供給可能な大容量品で、この容量はディスプレイ本体への電力供給だけでなく、各USB端子への電力供給も兼ねているためだ。

本体背面右側に配置されたインターフェイス。最上段のUSB Type-CはPC等を接続するアップストリームポートで、これを接続すると4基のUSB Type-A(5Gbps)に機器を接続できるようになる。その他、ヘッドセット端子とケンジントンロックも用意されている。
同梱のACアダプタは180W。DP ALT MODE対応のUSB Type-Cポートは65Wの電力供給に対応しており、アップストリーム用のUSB Type-Cポートは15Wの電力供給が可能なので、大容量品が付属している。

有機ELの焼き付き防止機能などはOSDから調整可能

 電源スイッチは本体底面に配置されており、OSD操作用のジョグスイッチや映像入力切替スイッチが同じく底面に配置されている。

 OSDでは輝度やディスプレイ同期などの機能を調整できるほか、有機ELパネルで起こりやすい「焼き付き」の軽減や解消を目的とした機能を設定できる。

 XENEON 27QHD240 OLEDのOSDでは、有機ELの焼き付きを補正する「残像リフレッシュ(Image Retention Refresh)」を手動で実行できるほか、焼き付き防止のために1分毎に表示ピクセルを1つずらすピクセルシフト機能「軌道(Orbit)」のオン/オフが可能だった。ピクセルシフトはデフォルトで有効になっているが、ゲームプレイ中に気になるようであれば、一時的にオフにしてみるのも良いだろう。

本体底面に配置されたスイッチ群。左からOSD操作用ジョグスイッチ、電源スイッチ、入力切替スイッチ。
XENEON 27QHD240 OLEDのOSD。輝度をはじめとする表示関係や機能の調整が行える。
OSDには有機ELの焼き付き防止機能も用意されており、焼き付き補正の「残像リフレッシュ」を手動実行したり、ピクセルシフト(軌道)のオン/オフを設定できる。

ピボット対応の多機能ディスプレイスタンドが付属VESA100規格対応でモニターアームも利用可能

 XENEON 27QHD240 OLEDのディスプレイスタンドは「高さ」「上下角度(チルト)」「左右角度(スイベ
ル)」「画面回転(ピボット)」に対応。調整範囲は、高さが0~100mm、上下角度が-7~+15度、左右角度が-30~30度、画面回転が-90~90度。

 また、ディスプレイ本体はVESA100規格に対応しており、モニターアームを利用することもできる。

XENEON 27QHD240 OLEDのディスプレイスタンド。高さ、上下角度、左右角度、画面回転に対応している。
本体はVESA100に対応。モニターアームを利用することが可能だ。
画面回転機能(ピボット)により、左右どちら周りでも90度まで画面を回転できる。
高さ調整機能により、0~100mmの範囲で画面の位置を変更できる。
上下角度調整機能(チルト)により、下向きに7度から上向きに15度までの範囲で上下角度を調整できる。
左右角度調整機能(スイベル)により、左右30度の範囲で角度を調整できる。

FPSやTPSに向いた残像感の少なさは特筆すべきレベル美しい陰影表現が可能なXENEON 27QHD240 OLEDはオープンワールドゲームを遊んでも楽しい

 今回は、XENEON 27QHD240 OLEDで「エーペックスレジェンズ」と「エルデンリング」をプレイしてみた。

エーペックスレジェンズ
エルデンリング

 FPSゲームであるエーペックスレジェンズは、240Hz/GTG 0.03msを実現するXENEON 27QHD240 OLEDの高速性が特に効果を発揮するゲームのひとつで、実際に操作してみるとハイフレームレートならではの滑らかな動きに加え、照準を動かしても画面内のオブジェクトがくっきりと描かれているように感じられた。大多数のユーザーが触れた瞬間に残像感の少なさを実感できるのではないかと思う。

 ゲーム内で照準や視点を動かしたとき、残像感が少ないほど視認性が高い環境と言える。残像感が少ないほど見てから反応するといった動作がよりスムーズに行えるので、ゲーミングモニターを選ぶ上でリフレッシュレートの高さと合わせて重要となる性能だ。FPSやTPSなどをプレイするうえで有機ELパネルの特性は有利に働くので、エーペックスレジェンズをはじめとする競技性に高いゲームに対して優れた適正を備えていると言えるだろう。

240Hz高リフレッシュレートと、0.03msを謳う有機ELパネル特有の応答速度はFPSやTPSのようなジャンルとの相性が良い。
ゲーム中の視点を大きく動かしても画面内の物体がブレるような残像感はほとんどなく、常にくっきり表示されているように感じられた。

 オープンワールド・アクションRPGであるエルデンリングは、上限フレームレートが60fpsに制限されているタイトルだ。このため240Hz駆動というXENEON 27QHD240 OLEDの高リフレッシュレートは生かせないのだが、各素子がそれぞれ発光する自発光方式の有機ELパネルの特性は、エルデンリングの世界を美しく表現できる。

 コントラスト比が高く、黒がしっかりと黒く表示されるので、重厚感のある雰囲気を楽しめる。こうした有機ELパネルの陰影表現の美しさはもちろん、色再現性にも優れたXENEON 27QHD240 OLEDの表示性能は、没入感が重要なオープンワールドRPGのようなジャンルのゲームへの適正も高い。

エルデンリングの上限フレームレートは60fpsなので240Hz駆動の恩恵はほとんど得られないが、高いコントラスト比や色再現性がゲームへの没入感を高めてくれる。
暗いシチュエーションも多いエルデンリングでは、有機ELパネルの陰影表現の良さが印象的だった。実機でなければ伝わらないのが惜しいところだ。

有機ELの特性に配慮が必要だが、それに見合う素晴らしい表示性能が得られる27型ゲーミングモニター

 CORSAIR XENEON 27QHD240 OLEDは、240Hz/GTG 0.03ms駆動に対応した最新鋭のWQHD有機ELパネルを採用したことで、競技性重視のFPS/TPSゲームから、グラフィック品質が重要なRPGゲームまで広いジャンルのゲームに高い適正を備えている。この性能は、ゲームに限らず動画鑑賞のように動きのある映像を表示する用途にも適したものだ。

 素晴らしい表示性能を備えるXENEON 27QHD240 OLEDだが、焼き付きや素子の劣化といった有機ELの弱点が完全に解消された訳では無い。長時間のデスクトップ画面表示のように、変化の少ない画面を延々表示し続けるような用途には適していないので、静止画表示への適正が高い液晶パネルとうまく使い分けたい。

 表示性能を維持するためにユーザー側も気を遣う必要がある有機ELパネルだが、XENEON 27QHD240 OLEDの表示性能にはそれに見合うだけの価値がある。表示性能重視でゲーミングモニターを探しているのであれば、27型というゲームに適したサイズ感で抜群の表示性能を備えたXENEON 27QHD240 OLEDは注目すべき一台である。

[制作協力:CORSAIR]