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高コスパビジネスモニターなのにパネルは本格クリエイター向け広色域IPS、「MSI Modern MD271UL」を試す
スタイリッシュで4K対応、アイケア機能も搭載した1台 text by 坂本はじめ
2023年8月25日 00:01
スタイリッシュなビジュアルが目を引くMSIの「Modern MD271UL」は、4Kの液晶パネルを採用した27型ビジネスモニター。
目への負担を減らすための「EyesErgo」機能を搭載するほか、クリエイティブ用途も想定した10bit表示対応の広色域IPSパネルを採用することで、用途を問わず美しい階調表現が可能な点もウリとしている。安値店での販売価格は税込42,800円前後と、価格も魅力的な「Modern MD271UL」の特長を今回は紹介しよう。
広色域IPS液晶パネルを採用した4Kビジネスモニター「Modern MD271UL」DCI-P3カバー率99%/Adobe RGBカバー率95%を実現
MSI Modern MD271ULは、4K解像度(3,840×2,160ドット)と60Hz駆動に対応したIPS液晶パネルを採用した液晶ディスプレイ。パネルは27インチで、本体サイズは613.49×198.3×473.1mm(幅×奥行き×高さ)。
ディスプレイスタンドにはアルミ素材を使用しており、ビジネスやクリエイティブの場にもよく馴染むスタイリッシュなビジュアルを実現している。
Modern MD271ULが備える画面入力端子はHDMI 2.0b×2基、DisplayPort 1.2a×1基、USB Type-C(DP Alt mode)×1基。
いずれの入力端子も4K60Hzでの表示に対応するほか、DisplayPortとUSB Type-Cについては4K60Hzでの10bitカラー表示(約10億7,300万色)にも対応する。USB Type-CはUSB PDにも対応しており、接続した機器に最大で65Wまでの電力を供給できる。
付属品はACアダプタとHDMIケーブルで、USB Type-CやDisplayPortを利用する際は別途接続用のケーブルを用意しよう。
Modern MD271ULが採用した4K液晶パネルはIPS方式を採用しており、DCI-P3カバー率99%、Adobe RGBカバー率95%、sRGBカバー率99%という広色域をカバーしている。
27型4Kという高精細な表示と優れた色再現、そしてIPS液晶パネルならではの広い視野角を兼ね備えたModern MD271ULは、動画や写真など色を扱うクリエイティブなシーンにも好適な表示性能を備える。
また、Modern MD271UL特有の機能と言う訳では無いが、MSIはDisplay Kitと呼ばれるユーティリティを提供しており、これを用いるとウィンドウの配置のカスタマイズや、ディスプレイの設定に関連する機能に素早くアクセスすることができる。Modern MD271ULと組み合わせるPCにインストールしておいて損はないだろう。
アンチフリッカー/ノングレアパネル/ブルーライトカットで目に優しい製品を目の疲れ具合をチェックする「Eye-Q Check」も搭載
MSIはビジネスモニターなどに対して、長時間の利用による疲労から目を保護するアイケア機能「EyesErgo」を搭載しており、Modern MD271ULもEyesErgoに基づく機能や設計を採り入れている。その代表的なものが「アンチフリッカー」、「ノングレアパネル」、「ブルーライトカット」だ。
アンチフリッカーは、眼精疲労の原因となることもある画面のチラつき(フリッカー)の発生を防ぐもので、Modern MD271ULのアンチフリッカー機能は認証機関であるTUV Rheinlandを取得している。
Modern MD271ULの液晶パネルは、画面への映り込みを抑える表面処理を施したノングレアパネルとなっている。背後の光源やそれを反射した物が画面に映り込んでしまうと視認性が悪化してしまい、目の疲れや集中力の低下につながる。特に明るい部屋で作業を行うユーザーにとって、ノングレアパネルを採用していることは重要な要素だ。
疲れ目対策の定番機能とも言えるブルーライトカットについて、Modern MD271ULはソフトウェア的に実装しており、OSDから「アンチブルー」を選択したり、ユーティリティのDisplay Kitで「アイセーバー」を選択することで利用できる。
ブルーライトカットを有効化すると表示色に影響が生じるが、特に色が重要ではない長時間作業であれば、ブルーライトカットを用いてみるのも良いだろう。
目の疲れ具合や最適な姿勢を簡易チェックできる「Eye-Q Check」
EyesErgoの一環として、Modern MD271ULには目の疲れ具合や最適な姿勢を簡易的にチェックする「Eye-Q Check」という機能が用意されている。これはOSDから利用できる機能で、「プロフェッショナル」→「ゲームアシスタンス」の順でアクセスすることでEye-Q Checkに辿りつける。
Eye-Q Checkには、「アムスラーグリッド」、「乱視」、「姿勢矯正」という3つの機能が用意されており、いずれかをOSDで選択すると画面が各機能の表示に切り替わる。
「アムスラーグリッド」と「乱視」は目の疲労度を簡易チェックする機能で、アムスラーグリッドで表示される格子状のグリッド線がぼやけたり波打って見える場合や、乱視表を片目で見た時に色の濃淡が違って見えるようであれば、20分程度休憩することをMSIは推奨している。
一方、「姿勢矯正」は画面に対して最適なポジションを探すのに役立つ機能で、画面上に表示される目のマークに目線の位置を合わせることを推奨している。
USB PD対応でノートPCとはUSB Type-Cケーブル1本で画面出力も充電もOK家に帰ってきたら手軽に大画面
先に紹介した通り、Modern MD271ULが備える画面入力端子のひとつであるUSB Type-Cは、DP Alt modeでの画面入力に対応していることに加え、USB PDによる65Wの電力供給に対応している。
そこで今回、別途用意したUSB PD給電/映像出力対応が明記されたUSB Type-Cケーブルを用いて、画面出力とUSB PD給電に対応するMSIのビジネスノート「Modern 14 C13M」をModern MD271ULに接続してみた。
結果としては、GPU(Iris Xe Graphics)とドライバの仕様により10bitカラー表示こそ利用できなかったものの、4K60Hzでの画面表示とUSB PDによる充電は問題なく利用することが可能だった。10bit出力対応のノートPCであれば、ケーブル1本でModern MD271ULのフルの性能が利用できるだろう。
自宅などの拠点でモバイルノートを大画面に接続して利用したいと考えているユーザーにとって、USB Type-Cケーブル一本で充電と画面出力を同時に行えるのは間違いなく便利であり、別売りのケーブルを用意してでも利用する価値はあるはずだ。
4万円台前半で買えるスタイリッシュでコスパに優れた4Kビジネスモニター
Modern MD271ULは、最安なら税込で42,800円前後という比較的安価な価格設定でありながら、スタイリッシュな外観や広色域パネルによる優れた表示性能に加え、目を労わるEyesErgo機能やUSB PDによる給電機能を備えており、コストパフォーマンスの高い4Kビジネスモニターだ。
USB Type-CやDisplayPortケーブルが別売りとなってはいるものの、価格を考えれば理解できる構成。4Kの高精細かつ広大な作業領域を求めていたり、色を扱う作業をする機会があるユーザーなら、Modern MD271ULは検討すべきディスプレイのひとつであると言える。
[制作協力:MSI]