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組み込みやすい小型ケース「DeepCool CC560」/小型ながら拡張性に優れる「Thermaltake S200 TG ARGB Snow Edition」/フロントメッシュで通気性よし「ZALMAN Z1 PLUS」【買い得ケース品評会③】

DOS/V POWER REPORT 2023年夏号の記事を丸ごと掲載!

ケースファンを4基装備 組み込みやすい小型ケース

DeepCool Industries CC560 直販価格:6,980円(ドスパラWeb限定モデル)

ベイ:3.5インチシャドー×1、3.5/2.5インチシャドー×1、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm角×3(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:370mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:163mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(前面)●本体サイズ(W×D×H):210×416×477mm●重量:5.25kg●そのほかのカラー:ブラック
Type-AのUSBポートを2基装備するスタンダードな構成だ。右端はLED用のボタンにも見えるが、リセットボタンだ

 7,000円を切る価格ながら、12cm角ファンを4基も標準で装備する驚きのPCケースだ。ケースファンには青色LEDが組み込まれており、前面パネルの通気口から青い光がほんのりと広がるさまはなかなか美しい。

 内部構造は非常にシンプルで、メインパーツを組み込むエリアに構造物は何もない。奥行きが41.6cmと短めなコンパクトケースだが、マザーボードやビデオカードの組み込みで悩む場面はないだろう。またマザーボードベース中央にあるスペーサには突起があり、これをマザーボードの中央にあるネジ穴に合わせれば、マザーボードの位置合わせが簡単にできる。

実際にパーツを組み込んでみた!

 マザーボードベース裏面と右側板の隙間は約2.5cmだった。前面近くなど一部がへこんでいるタイプではなく、全域でこのスペースを確保している。またちょうどよい場所にケーブル固定用のフックを用意しており、ケーブルの流れに沿って自然に整理できた。

4基のケースファンに青色LEDを搭載
前面に12cm角ファンを3基、背面にも1基搭載するなど、ケースファンの構成は豪華。青色LEDの光も美しい。前面パネルの両脇には吸気用の細かい穴があけられている

 ファンコネクタは3ピンで、デイジーチェーンでまとめて制御可能だ。LED用に独立したケーブルはなく、ファンケーブルでLEDにも電源を供給するタイプだ。アイドル時は500 ~ 600rpmで、これもかなり静かに運用できるだろう。ただファンの回転数と一緒にLEDの光量も下がるが、そのあたりはコストとのトレードオフか。

前面パネルは下部に手をかけて引っ張ると外せるタイプで、裏側に防塵フィルタがある。ケーブルは何もつながっていない
12cm角ファンや24cmクラスのラジエータを付けるネジ穴は左側面に寄っており、マザーボードのヒートシンクなどと干渉しにくい
マザーボードベース中央にあるスペーサは、ほかのスペーサと違って少し突起があるタイプなので、マザーボードが組み込みやすい

 今回の検証では、高負荷時のCPU温度は79℃、GPU温度も同じく79℃だった。ケースファンを4基搭載するモデルとしては少々もの足りない結果ではある。前面パネルが全面メッシュ構造ではないということもあり、吸気量が足りなかったようだ。ただ、問題がある温度ではないし、何よりこの価格を考えれば十分な結果とも言える。

小型ながら拡張性に優れる アドレサブルRGB LEDファンも装備

Thermaltake Technology S200 TG ARGB Snow Edition 実売価格:10,000円前後

ベイ:3.5インチシャドー×1、3.5/2.5インチシャドー×1、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm 角×3( 前面) ●搭載可能ビデオカードの長さ:330mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:166mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(前面)●本体サイズ(W×D×H):210×395.5×460mm●重量:約4.8kg●そのほかのカラー:ブラック
フロントポートは、天板右側に装備している。Type-Aコネクタが2基とサウンド入出力端子という構成で、LED変更用のボタンはない

 アドレサブルLEDを搭載した12cm角ファンを、前面に3基備えるATXケースだ。メッシュ構造の前面パネル越しに、LEDの光がふわっと広がるさまが美しい。高機能スタンダードケースだと当たり前の装備ではあるが、今回取り上げたような買い得ケースだとあまり見かけない。

 奥行きが40cm未満と今回取り上げたモデルの中でもかなりコンパクトだ。ただメインパーツを組み込むエリアには何も構造物がないため、マザーボードやビデオカードはスムーズに組み込めるだろう。奥行きが短いので、電源ユニットと3.5/2.5インチシャドーベイの位置も近い。ただシャドーベイが薄型なので、3.5インチHDDを1台しか利用しないなら、太い電源ケーブルをまとめて整理する場所としても使えるのは便利だった。

実際にパーツを組み込んでみた!

 マザーボードベース裏面と右側板の隙間は、前面に近いへこんでいる部分が約3cmで、そのほかのエリアは約1.8cmだった。しかしながら約3cm確保している領域が狭く、ここにケーブルを集中してまとめるのはムリがありそうだ。各種ケーブルの厚みや流れを考えながら、二つくらいの流れを作って整理していくとよいだろう。コンパクトなケースなので、それなりに苦労する部分はある。

3基のアドレサブルRGB LEDファン搭載
前面に装備する12cm角ファンにはアドレサブルRGBLEDが組み込まれており、好みに合わせて色や点灯パターンを変更可能だ。前面パネルはメッシュ構造なので、しっかりと外気を取り込んで各パーツを冷却できる

 前面ファンの電源ケーブルは3分岐ケーブルでまとめられており、LEDケーブルはデイジーチェーンタイプだった。マザーボードとの接続コネクタはそれぞれ1基しか使わない。アイドル時のファンの回転数は500~600rpmといったところで、耳を近付けない限りはほとんど気になることはない。高負荷時のCPU温度は76℃、GPU温度は75℃と、今回テストしたモデルの中では冷却性能は高いほうだった。

前面パネルの下部に手を当てて、力を入れると外れる。フロントポートの配線はつながっていないので、組み込み後でも安心して外せる
薄型で、ケーブルの逃げ場にもなる3.5/2.5インチシャドーベイを装備。着脱可能な構造で、前面にラジエータを付けるなら外したほうがよい
天板のラジエータ/ファン用スペースは、左側面に寄った位置にもある。大きめなヒートシンクを装備するマザーボードでも干渉しにくい

フロントメッシュで通気性よし 大型ビデオカードが利用可能

ZALMAN Tech Z1 PLUS 実売価格:6,500円前後

ベイ:5インチ×1、3.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×3●標準搭載ファン:12cm角×2( 前面)、12cm角×1( 背面) ●搭載可能ビデオカードの長さ:385mm ●搭載可能CPU クーラーの高さ:163mm●搭載可能ラジエータの長さ:28cmクラスまで( 天板) ●本体サイズ(W×D×H):209×463×485mm●重量:約5kg
フロントポートは、天板の手前に装備する。USB 5Gbpsポートが2基とUSB 2.0ポートが1基で合計3基のUSBポートが利用可能だ。標準状態だと[LED]ボタンは機能しない

 最近ではめずらしく、5インチベイを搭載するミドルタワーケースだ。奥行きや高さは50cmに近く、今回取り上げた買い得ケースの中では比較的大きめである。そのため長さ38.5cmのビデオカードに対応し、天板に28cmクラスのラジエータを組み込めるなど、大型パーツを利用しやすい。

 5インチベイの奥行きが非常に短いこともあって、マザーボードの組み込み時にベイのフレームがマザーボードにぶつかることはない。ネジ止め箇所が少ないので光学ドライブがしっかり固定できるかどうかが気になるところだが、フロントパネルの張り出しが大きいこともあり、ぐら付くこともなく固定できた。もともと大きめなケースということもあって、各パーツの組み込みはスムーズだ。シャドーベイは着脱式だが、奥行きが16cmの電源ユニットを組み込んでも、狭苦しさを感じることはなかった。

実際にパーツを組み込んでみた!

 マザーボードベース裏面と右側板の隙間は約2cmだ。最近のPCケースとしてはちょっと狭いほうであり、各ケーブルはムリに一つにまとめず、いくつかに分けて流れを整理したほうがよいだろう。ケーブルの流れを作るためのフックも多い。

標準ファンは3基で拡張性も高い
12cm角ファンを合計3基標準で装備するほか、5インチベイを外せば前面に12cm角ファンを増設できる。ラジエータは前面だと24cmまでだが、天板なら28cmクラスまで対応する

 ファンの電源ケーブルは3ピンで、アイドル時の回転数は700rpm前後といったところだ。ほかの買い得ケースと比べるとやや音は大きめだが、それでもうるさいわけではない。また5インチベイを搭載する製品としてはめずらしく、前面パネルはメッシュ構造を採用している。前面に装備する2基の12cm角ファンによる吸気は十分のようで、高負荷時のCPU温度は76℃、GPU温度は76℃だった。今回の5機種の中で比べると2番手グループに位置しており、冷却性能は高い。

前面パネルは下部に手を当てて引っ張ると外せる。かなり力が必要だが、フロントポートなどのケーブルはつながっていない
最近ではめずらしく5インチベイを装備する。5インチベイのカバーをベイの左側面に取り付けて、目隠し板として使う機能もある
奥行きが46.3cmと、今回取り上げたモデルの中では長く、シャドーベイを付けた状態でも大きめな電源ユニットを使いやすい

[TEXT:竹内亮介]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年夏号」の記事をまるごと掲載しています。

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