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EPS12Vコネクタは二つとも挿さないとダメ?【よくある質問と回答】
DOS/V POWER REPORT 2023年秋号の記事を丸ごと掲載!
2024年4月2日 11:30
Q. EPS12Vコネクタは二つとも挿さないとダメ?
利用しようとしているマザーボードにEPS12V コネクタが二つありますが、両方とも挿す必要があるのでしょうか?
A. ハイエンドCPUのブースト動作強化の流れを考えると必要
マザーボードによってはCPUに電力を供給する8ピンのEPS12V電源コネクタが二つ搭載されていたり、一つだけだったり、なかには8ピンと4ピンの組み合わせの製品も存在します。
そして、650W以下の電源ユニットではEPS12V電源コネクタが一つしかないものが多いので、マザーボードにコネクタが二つある場合にはどうすればいいか困ってしまうこともあるでしょう。IntelのLGA1700プラットフォームを例に言うと、8ピンが一つだけでも動作します。
IntelはATX規格において、4ピンのATX12Vなら最大192W、8ピンなら384Wまで電力供給を可能としており、8ピンのEPS12Vが二つなら768Wという数字になります。最上位のCore i9-13900KSは、通常時で150W、Turbo Boost時で253Wを消費するという目安が定められていますが、数字的には電源ユニット側の出力が足りていれば8ピン一つで十分まかなえる計算になります。
ですが、電源ケーブル通過時やVRMによる降圧時の損失などがあること、さらにミドルクラス以上のマザーボードではブースト時の消費電力の目安を、CPUメーカーの定格を大きく超えた値に設定したものがめずらしくありません。そのため、上位CPUとの組み合わせを意識したハイエンドマザーではEPS12Vを2基備えている場合が多いのです。
また、8ピンが一つのマザーボードはコスト削減のためVRMも必要最低限の構成であることが多いので、高負荷時において安定したパフォーマンスを発揮することが難しい旨を、マニュアルやCPUサポート欄に明記したものもあります。
ちなみにEPS12Vコネクタはもともとはサーバー用として規格化されていたものですが、CPUの消費電力が増えるにつれ、ATX12Vコネクタに代わるものになりました。
[TEXT:野村晋也]
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