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PCパーツ各社に聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2026年版/AMD、ASUS、ASRock、GIGABYTE、MSI、ZOTAC編】

 新年明けましておめでとうございます。

 新年といえば去年の振り返りと今年の展望。「メーカーから見た去年の売れ筋パーツ」や「今年の意気込み」が気になる人も多いはず。

 そこで今回、PCパーツメーカーなど計22社に「2025年にヒットした製品」や「2026年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載しました。

 各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあったりします。掲載順は順不同のため、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。


日本AMD株式会社 コンポーネントチャネル(APJ) プリセールス 佐藤美明氏

●2025年にヒットした製品を教えてください

 CPUはAMD Ryzen™ 7 9800X3Dです。第2世代AMD 3D V-Cache™ テクノロジにより、ゲーミング最強CPUとして君臨、という言葉が相応しい性能と存在感は多くのプロeSports選手からカジュアルゲーマーの方々に選ばれました。

 そして、Ryzen™ 7 9700Xもヒットしました。ゲーミングでもクリエイティブでも十分な性能を発揮しながら低TDPで、とてもバランスに優れたところが皆さんに好まれました。

 GPUはAMD Radeon™ RX 9070 XTです。4Kプレイもに対応しながら同等性能の競合製品よりも競争力のあるコスト、使いやすいソフトウェア機能や安定したドライバーが高評価でした。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 CPUはAMD Ryzen™ 5 9500Fや7500Fです。Socket AM5対応ながらコストパフォーマンスに優れた製品で、FHDを中心に気軽にゲーミングや普段使いの用途でPCを検討している方に特にお勧めで、今はCPUのコストを抑えて将来にCPUをアップグレードする、というAMDだから実現できる選択が可能です。

 GPUはAMD Radeon™ AI PRO R9700です。AI推論に最適化し、VRAM32GBを備えていますが、競合の同等性品より大きな価格優位性があります。ローカルでAI開発に使用したい、クリエイティブワークで大きいVRAMが必要といったニーズから、国内でも単品・搭載システムともに受注が増加中です。

●2026年の意気込みを教えて下さい

 2025年は日本のDIY市場でAMDにとって過去最高と言える良い1年でした。CPUは常にトップのシェアを維持し、GPU製品も今までにない高いシェアと評価を得ました。

 2026年もこの勢いを維持できるよう、慢心せずユーザーの皆様に向き合い、引き続き市場で喜ばれる製品を提供していきます!

●読者に一言どうぞ

 AMD製品がここまで市場に受け入れられようになったのは、ユーザーの皆様の声によることが非常に大きいと思っています。

 良い製品を作るだけでは売れる時代ではないと言われますが、地道に製品を開発し続けた結果、皆様に認めていただけるようになったと感じています。 (厳しい時もがんばってきたAMDエンジニアを褒めてあげてください!)

 これからも温かく、時には厳しく見守り、応援をお願いします!

ASUS JAPAN マーケティングチーム一同

●2025年にヒットした製品を教えてください

 2025年は自作市場でも動きの大きい一年でした。年初はRyzen 9000シリーズやGeForce RTX 50シリーズの登場でとても注目を集めました。

 当初はグラフィックス要件の高いゲームの発売などで需要が高まっていましたが、後半になるにつれて、AI需要も高まり、かなり変動の多い1年だったと思います。また、初音ミクのコラボモデルも大変好評で嬉しかったです。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 ROG Strix PG27AQWP-Wです。背面はスケルトンになっていて、見た目でもわくわくするモデルです。

 スケルトンにした理由は、マザーボードやグラフィックスカードなど数多くのパール製品を出しているASUSらしい理由で、自作PCのクラフトマンシップを継承しています。スペックもOLED(有機EL)で540Hzなど申し分ないモデルです。

●2026年の意気込みを教えて下さい

 2026年はROGブランド20周年という大きな節目の年となります。自作PCユーザーやゲーマーとともに歩んできた20年を礎に、次の時代に向けた挑戦を加速していきます。

 進化を続けるOLEDモニターは、高リフレッシュレートや高解像度がさらに求められる領域に入りつつあり、それらの性能を最大限に引き出すGPUやマザーボード、電源・冷却といったパーツ製品の重要性も高まっています。

 ROGは表示デバイスとパーツの両面から、体感価値の高いゲーミング環境を提案していきます。

●読者に一言どうぞ

 ROGは2026年に20周年という節目を迎えます。ここまで歩んでこられたのは、長年ROG製品を選び、使い続けてくださった自作ユーザーやゲーマーの皆さまの存在があってこそです。

 これからも「組む楽しさ」「使って実感できる性能」にこだわり、皆さまとともに次の時代のゲーミング体験を創り上げていきます。今後のROGにもぜひご期待ください。

エクストリームプロダクトマーケティング 原口有司氏

●2025年にヒットした製品を教えてください

 「AMD Radeon™ RX 9070 XT Steel Legend 16GB」がASRockのグラフィックスカード史上、爆発的大ヒットを記録しました。

 高性能なFANやパーツ、デザインの評価も高くマザーボードや電源ユニットのSLシリーズと合わせると統一感が出てよいと評判でした。グラフィックカードがここまで売れたことはなかったので、新しい時代のマイルストーンになった年だったなぁと改めて思いました。

 タイミング的にはモンスターハンターワイルズの需要と買い替え需要がピッタリと重なったのも大きな要因となりましたが、このタイミングでとても良い製品を市場に出すことができ、皆様に選んで頂けたのがうれしく思います。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 今年から本格展開している”ASRockの電源ユニット”は、社名の通りまず堅牢性と信頼性を軸にしつつ、最新規格と独自機能を盛り込んでいます。例えばケーブルの異常発熱を検知して自動で電源供給を停止する保護機構や、USB機器の安定性を高める+5Vブーストモードなどです。

 ありがたいことに、TaichiはハイエンドGPUやAIアクセラレータカード向けに多く採用いただき長く欠品するほど……Steel Legendはミドルレンジながら高耐久と国内正規代理店10年保証でご信頼いただき、スマッシュヒットと捉えています。

●2026年の意気込みを教えて下さい

 この記事が掲載される元旦では、まだ何もお話しが出来ないような事しかなくとてもむずがゆい思いです。

 1秒でも早くお伝えしたい気持ちはありますが、まだお話しする事が出来ません!!ただ一言だけお伝えするとするならば、年初からガンガン飛ばしていき、業界をにぎわせるニュースがたくさんあるので楽しみにしておいてください。

 また、1月17日(土)にはLIFORK 秋葉原IIにてASRockファンミーティングイベントを行いますので、ぜひ会場に足を運んで頂けると幸いです。

●読者に一言どうぞ

 2025年もASRock製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

 2026年も全力疾走で、皆さまが「ASRock、こんなの待ってた!」と胸が高鳴るような、一歩先の発想と確かな品質を兼ね備えた製品をお届けしてまいります。驚きとワクワクに満ちたASRockを、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 皆さまの日々の創造や挑戦のそばにいられるよう、これからも妥協なくものづくりを続けていきます。次の一台も、その先の一歩も、ASRockと一緒に楽しんでいただければ幸いです。

日本ギガバイト株式会社 代表取締役 Angela Liu氏

●2025年にヒットした製品を教えてください

 2025年はRTX 50シリーズ搭載のゲーミングノートPCをはじめ、AORUS AMD X870Eマザーボード、さらにAORUS RTX 50およびRX 9070 XTグラフィックスカードが大きな反響を呼びました。高い性能と品質、革新的なデザインが評価され、ゲーマーからも注目されています。

 特に白系PCパーツ「ICEシリーズ」が好調で、ケース・電源・CPUクーラーまで展開し、GIGABYTEで統一した白PC構成が可能となりました。

 モニターではWOLED採用モデルや500Hzの超高リフレッシュレートOLEDなど、個性的な製品が注目を集めています。

 ノートPC「AERO X16」は、Ryzen AI CPUとRTX 50シリーズGPUを搭載しながら約1.9kgの軽量さを実現、AI時代をリードします。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 GIGABYTEはAI分野に注力し、手のひらサイズのAI専用PC「AI TOP ATOM」を展開しています。パーソナル生成AI環境の構築を検討するAI開発者や研究者、データアナリストに適した一台です。

 さらに、外付けGPU「AORUS RTX 5090 AI BOX」は、Thunderbolt 4/5接続によりノートPCの性能を大幅に強化。単一ケーブルでデスクトップPCに匹敵するGPUパフォーマンスを実現し、モバイル環境でのAI処理や高度な演算を可能にします。

 また、LGディスプレイ製の最新第4世代WOLEDパネルを採用したモニター「MO27Q28G」も展開し、ゲームから映像鑑賞まで没入感の高い映像体験を提供します。

●2026年の意気込みを教えて下さい

 2025年はTGSに初出展し、多くの来場者にGIGABYTE製品をご紹介することができました。来年度はさらに大きなブースで、製品の魅力をより多くの方に体感していただきたいと考えています。

 2026年も革新の精神を受け継ぎ、さらに先進的な製品を展開してまいります。GIGABYTEテクノロジーは設立40周年を迎え、最新のイノベーションとともに特別な一年を盛り上げてまいります。

●読者に一言どうぞ

 2025年も皆様からの温かい声に支えられましたこと、心より感謝申し上げます。

 お陰様でデザイン性と高いパフォーマンスを兼ね備えた製品づくりに取り組んでまいりました。2026年も成長と革新を重ね、テクノロジーを通じて皆様の生活をさらに豊かにしてまいります。

 公式Instagram(@aorus_jp)とX(@AORUS_JP)では随時キャンペーンを開催しており、今年も多くの方にご参加いただきました。今後も最新情報やイベントを積極的に発信してまいりますので、ぜひフォローしてお楽しみください。

MSIマーケティングチーム一同

●2025年にヒットした製品を教えてください

 2025年はAI搭載ノートPCに加え、ゲーミングモニターやパーツも注目を集めました。特に「Claw 8 AI+」はポータブルゲーミングPCとして新基準を築きました。

 「MPG 271QR QD-OLED X50」はWQHD・QD-OLED・最大500Hzの圧倒的性能でFPSゲーマーや映像クリエイターから高評価。「MEG VISION X AI」デスクトップはAIタッチスクリーン搭載で直感的操作と高性能を実現。

 さらに「MEG X870E GODLIKE」マザーボード、「MAG CORELIQUID I360」水冷クーラー、「MSI GeForce RTX 5070 Ti 16G VENTUS 3X OC」グラフィックカードがハイエンド層から支持されています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 ぜひ注目していただきたいのは、「Cubi NUC AIシリーズ」。コンパクトながらCopilot+対応で、ビジネスやクリエイティブ用途に最適です。

 また、ゲーマー向けには 「MPG A1000G PCIe 5.0」 電源ユニットもおすすめ。最新規格対応で、安定した電力供給を実現します。

 さらに、グラフィックカードでは、「MSI GeForce RTX 5080 GAMING TRIO OC」 が、次世代Blackwellアーキテクチャ採用で、4KゲーミングやAI処理に最適です。

●2026年の意気込みを教えて下さい

 2026年は、もっと「使いやすさ」と「楽しさ」を重視した製品づくりを進めます。AIや最新技術を取り入れながらも、ユーザーが直感的に操作できるデザインや、長く安心して使える品質を追求します。

 皆さんの声を大切にしながら、ゲーミングもクリエイティブも、もっと快適でワクワクする体験をお届けします。

●読者に一言どうぞ

 2025年もMSIをご愛顧いただきありがとうございました!
これからも皆さんの「やりたいこと」を全力でサポートする製品をお届けします。

 2026年もぜひMSIにご期待ください!

株式会社ゾタック日本 マーケティング部 部長 圓井佑介氏

●2025年にヒットした製品を教えてください

 2025年のヒット商品といえば、1月に登場したZOTAC GAMING GeForce RTX 50シリーズが挙げられます。

 従来のゲーミングユーザーに加え、今回はAI用途やクリエイティブ用途など、より幅広いユーザー層から支持を得ました。

 本シリーズはSOLIDシリーズとAMP Extreme Infinityの2ラインで展開しており、AMP Extreme Infinityは高性能と冷却性能、存在感のあるデザインでハイエンド志向のユーザーから評価を獲得しています。

 一方、SOLIDシリーズはRTX 5090からRTX 5050までをカバーし、クラスを問わず質感やデザイン性を重視した点が支持されました。性能とデザインの両立が、シリーズ全体のヒットにつながったと考えています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

 上記とは別に注目してほしい製品として、RTX 50シリーズを搭載した世界最小クラスのミニPC「ZBOX」シリーズがあります。

 専用GPUを搭載するEシリーズとして、この秋よりRTX 5070搭載の「MAGNUS ONE」、12月にはRTX 5060 Ti搭載の「MAGNUS EN」を発売しました。

 「MAGNUS EN」は待望の壁掛け設置にも対応し、設置の自由度がさらに向上しています。

 いずれもゲーミング用途に加え、クリエイティブや業務用途でも多くのお問い合わせをいただいており、高性能と省スペースを両立した点が評価され、予定数量を早々に完売するなど、ZBOXシリーズの新たな可能性を示す製品となりました。

●2026年の意気込みを教えて下さい

 2025年は「クリエイターを応援」をテーマに、大小30を超えるイベントで機材協賛を行い、インディーゲーム開発者や映像クリエイターの方々への機材協力も進めてきました。

 2026年もこの取り組みを継続し、法人・フリーランス・学生を問わず、ゲームイベントやクリエイティブ系イベントを幅広く支援していく予定です。

 ZOTACは、ゲームやコンテンツを楽しむ方々、そしてそれを生み出すクリエイター双方をこれからも応援してまいります。

 これからもZOTACにご期待ください。

●読者に一言どうぞ

 現在、グラフィックスカードやミニPCに関して非常に多くのお問い合わせをいただいており、心より感謝申し上げます。

 ZOTACでは、グラフィックスカードはもちろん、高性能ミニPCの分野についても引き続き強化し、皆さまのご期待にお応えできるよう、製品の品質向上や安定供給などさまざまな面で努力を続けてまいります。

 今後ともZOTAC製品をご愛顧いただけますと幸いです。