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Core i3 + B660マザー環境のコスパ良すぎ!Core i3-12100の性能をASUS PRIME B660M-A D4で引き出す
Core i7-6700Kを圧倒できる第12世代CoreのCore i3搭載PC text by 坂本はじめ
- 提供:
- ASUS JAPAN
2022年4月28日 00:00
第12世代Coreの下位モデルはコストパフォーマンスが高く、一部モデルはかなりの人気を集めている。今回はその中から「Core i3-12100」を使い、美味しいところを引出しつつ割安なPCを構築してみたい。
CPUの性能を引き出すため、今回マザーボードにはこだわり、ASUSのIntel B660チップセット搭載micro ATXマザーボード「PRIME B660M-A D4」を使用している。CPUとマザーボードを合計しても3万5千円前後とかなり割安で、この構成がどれだけの性能を持っているのか、過去の人気ハイエンドモデル「Core i7-6700K」を使用した環境と比較しつつ、パフォーマンスの検証も行いたい。
拡張性とコスパを両立するB660マザー「ASUS PRIME B660M-A D4」割安マザーでもVRMはヒートシンク付き
近年のIntelのCPUは使用環境に合わせてどこまで性能が発揮できるのかが変わってくる。CPUの性能を引き出すにはCPUクーラーも重要だが、電力供給や制御を行うマザーボードも重要だ。ということで、まずは使用マザーボードから紹介しよう
ASUS PRIME B660M-A D4は、冒頭でも紹介した通りIntel B660チップセットを搭載したLGA1700対応マザーボードで、フォームファクターはmicroATX。メモリスロットはDDR4規格に対応しており、この点も割安にPCを組むには有利だ。実売価格は17,000円前後。
安価なマザーボードには、メモリスロットやM.2スロットの数や速度を犠牲にしてコストを重視したものも存在するが、ASUS PRIME B660M-A D4はGPU接続用のPCIe x16スロットこそ「Gen 4」までの対応に留まるものの、PCIe 4.0 x4対応M.2スロットを2本、DDR4-3200対応メモリスロットを4本搭載するなど、基本的な機能は充実している。
コスパ重視で最低限のPCを構築したいユーザーはもちろんのこと、将来的にメモリやSSD、ビデオカードなどを追加したいと考えているユーザーにとっても、選びやすいマザーボードに仕上がっている。
エントリー向けマザーながら4K×3画面出力対応、仕事用にも高コスパ
ASUS PRIME B660M-A D4はエントリー向けのモデルとしては珍しい構成の部分があるので、ピックアップして紹介しよう。
このマザーボードはCPU内蔵グラフィックス(iGPU)の利用を想定して設計されており、バックパネルインターフェイスとして、DisplayPort 1.4を1基、HDMI 2.1を2基備えている。これらの画面出力端子はいずれも4K60Hz出力に対応しており、高精細な4Kディスプレイを3台同時に接続することも可能だ。
GPU性能を特に必要としないユーザーや、価格の高騰が続くいまビデオカードの購入は避けたいというユーザーにとって、ASUS PRIME B660M-A D4の充実した画面出力機能は魅力的なものであると言えよう。
1万7千円前後で買える最新鋭4コア8スレッドCPU「Core i3-12100」
今回、ASUS PRIME B660M-A D4と組み合わせるのは、第12世代Coreの4コア8スレッドCPU「Core i3-12100」だ。第12世代Coreのエントリーモデルで、実売価格は税込みで17,000円前後。
Alder Lake-Sの4コア/6コアCPUは高コストパフォーマンスなモデルが多いが、内蔵GPUを使用するのであればこの「Core i3-12100」がかなり割安なモデルになる。iGPUには「Intel UHD Graphics 730」を搭載しており、ASUS PRIME B660M-A D4が備える3基の画面出力端子を特に制限なく利用できるもポイントだ。
Core i3-12100の電力指標は、PBP(Processor Base Power)が60W、MTP(Maximum Turbo Power)は89Wに設定されており、製品パッケージにはIntel純正のCPUクーラーが同梱されている。動作クロックはベース3.3GHz、ターボブースト時最大4.3GHz。
性能や価格、程よいCPUクーラーが同梱さ入れていることなども、ASUS PRIME B660M-A D4とはつり合いの取れたCPUであると言えるだろう。
割安なPCパーツを集めてPCを構築、OS込みでも10万円でお釣りが来る高コスパPC
今回、Core i3-12100とASUS PRIME B660M-A D4を使ってPCを構築するにあたっては、CPUとマザーボード以外のパーツについても安価に入手できる低コストパーツを用意した。それぞれ簡単に紹介しておこう。
CPUとマザーボードも合わせたPCパーツの総額は6万5千円前後で、DSP版のWindow 10/11であればHome/Pro問わず合わせて購入しても10万円未満で構築可能な構成となっている。
DDR4-3200動作の8GBメモリ2枚組「UMAX UM-DDR4D-3200-16GBHS」
メインメモリとして用意したのは、鮮やかな青色のヒートスプレッダが印象的な「UMAX UM-DDR4D-3200-16GBHS」。DDR4-3200(CL16/1.35V)動作に対応するOCメモリで、8GBメモリを2枚セットにした16GBキット。実売価格は8,000円前後。
PCIe 3.0 x4接続のM.2型NVMe SSD「WD Blue SN570 500GB」
SSDはWestern Digitalから販売されているPCIe 3.0 x4接続のNVMe SSD「WD Blue SN570 500GB」をシステムストレージに採用した。実売価格は7,000円前後で購入可能で記憶容量は500GB。低価格でありながら、リード最大3.5GB/s、ライト最大2.3GB/sという速度や、300TBWという耐久性を実現した、費用対効果の高いSSDだ。
容量単価が安い80PLUS BRONZE認証電源「FSP HEXA 85+ 650W」
FSPの80PLUS BRONZE認証電源「HEXA 85+ 650W」は、650WというミドルレンジPCには十分な容量を低コストで実現した電源ユニットだ。今回の構成にここまでの容量は不要だが、余裕を持たせておけば将来のアップグレードにも柔軟に対応できる。実売価格は9,000円前後。
程よいサイズ感で見た目も安っぽくない高コスパPCが完成かつての最上位CPU「Core i7-6700K」に挑戦!
以上のパーツを使って組み立てたのが、以下の写真のPCである。
安価なパーツを組み合わせて作ったPCではあるが、ケーブルを隠しながら配線できる裏配線に対応したケースのおかげで、安っぽさを感じないスマートなPCに組み上げることができた。
今時の高コスパPCはどれくらい高性能?Core i7-6700K環境と比較
第12世代Coreを搭載したこのPCは、当然ながら最新OSである「Windows 11」に対応しているのだが、今回は「Core i7-6700K」環境との比較のため「Windows 10」をインストールしてテストを行う。
第6世代Coreの最上位CPUであった4コア8スレッドCPU「Core i7-6700K」は発売当時人気が高く、現在使用しているユーザーもいるだろう。ただし、2015年発売と時間が経過しており、Windows 11にも非対応となったこともあって、そろそろ買い替え時を迎える時期ではある。Core i7-6700Kユーザーには今時のPCに買い替えるメリットがあるのかといった部分も見てもらいたい。
かつての最上位CPUを大きく上回るCore i3-12100の実力ワットパフォーマンスは最大でCore i7-6700Kの約2倍!
Core i3-12100とASUS PRIME B660M-A D4で構築した高コスパPCと、Core i7-6700K環境で実行したベンチマークテストのスコアを確認してみよう。
CPU性能を測定するCINEBENCH R23では、Core i3-12100がMulti CoreとSingle Coreの両方で、Core i7-6700Kの約1.5倍という圧倒的なスコアを記録した。同じ4コア8スレッドCPUで、ブランド的には格下となるCore i3-12100だが、そのCPU性能はCore i7-6700Kを大きく上回っていることが分かる。
3DCGソフトBlenderの公式ベンチマーク「Blender Benchmark」においても、Core i3-12100はCore i7-6700Kを32~37%上回るレンダリング速度を記録している。
総合ベンチマークソフトであるPCMark 10でも、Core i3-12100を搭載する高コスパPCが優勢で、特にiGPU性能が問われるGamingにおいては1.8倍近い大差をつけている。
Core i3-12100のiGPUも、ゲームを遊ぶのに十分な性能を備えていると言えるレベルではないのだが、新設計のGPUコアを採用したことにより、DisplayPort 1.4やHDMI 2.1といった最新のインターフェイスが利用できるようになったことが、第12世代Coreの優位性であることは間違いない。
最後に、CINEBENCH R23 Multi Core実行中のシステム消費電力を測定した結果をグラフ化してみた。
Core i3-12100を搭載した高コスパPCの消費電力は平均106.4W(最大109.2W)で、電源変換効率で有利なCore i7-6700K環境が記録した平均146.0W(147.8W)より、40W近くも低い消費電力を記録している。
ベンチマークスコアでも約1.5倍の大差をつけていたCore i3-12100搭載PCだが、スコアを平均消費電力で割った1Wあたりのスコアは「79.7」で、Core i7-6700K環境の「39.5」の2倍以上という、圧倒的なワットパフォーマンスを発揮している。
ビデオカードを追加すればお手軽なゲーミングPCに、もちろん将来Windows 11への移行もOK
今回は高コストパフォーマンスPCの構築を紹介するレビューだったので、ゲームでのテストは行わなかったが、今回のPCにビデオカードを追加すればゲーミングPCとしても当然利用可能だ。
一例として、今回構築したPCにGeForce RTX 3060を搭載した際のファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークの結果を紹介しておくが、フルHD環境で非常に快適に遊べることがわかる。
また、今はWindows 10を使用し、将来的にWindows 11へ移行することももちろん可能だ。今回のレビューではWindows 10を使用したが、Microsoftの「PC正常性チェック」でもWindows 11へ確実に移行できることが確認できた。将来的なアップグレードを検討しつつ、一旦普通に使えて割安なPCを導入したいといった人にも今回の紹介してる構成はおススメできる。
Core i3-12100とB660マザーのコストパフォーマンスは魅力的パーツの増設やアップグレードで長期的に運用できるPCも構築可能
Core i3-12100とASUS PRIME B660M-A D4で構築した最新の高コスパPCは、Core i7-6700K環境を性能と省電力性の両面で圧倒的に上回った。Windows 10環境でもこのようにしっかり性能を発揮しているので、Windows 11を導入するか否かに関わらず、旧世代PCから乗り換えるメリットは大きい。
今回製作した高コスパPCは拡張性のあるパーツを採用したことにより、将来的なアップグレードにも柔軟に対応できる。例えば、iGPU性能に不満を感じることがあれば、ビデオカードを追加するだけで本格的な性能を発揮するゲーミングPCにすることも可能だ。
Core i3-12100とB660マザーボードの組み合わせは、これからPCを新調するユーザーはもちろん、Windows 11非対応となった旧世代PCからの乗り換えを検討しているユーザーにとっても、コストパフォーマンスに優れた選択肢だ。
拡張性のあるマザーボードやケースを選択すれば、パーツの増設やアップグレードを繰り返しながら、長期に渡って運用できるPCを構築することもできるので、今回のPCをひとつの参考例としてパーツ構成を検討してもらえれば幸いである。