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ゲームの入れ過ぎでPCのSSDが足りない!だったら換装&増設で解決!! システム移行、ゲームの移動法も教えます
NextorageのSSD「Gシリーズ」と「NEM-PA」を例に手順を紹介 text by 芹澤 正芳
- 提供:
- Nextorage
2023年6月30日 00:00
PCゲーム市場は相変わらず盛り上がっているが、新作・名作をガンガンインストールしていると困ってしまうのがストレージの容量だ。近年は1本で50GBから100GBになる大容量タイトルも多く、1TBのSSDでもすぐ容量不足になってしまう。話題の最新作「ディアブロIV」もインストール後の容量は実に77GBだ。解決策は、「SSDの交換(換装)」と「SSDの増設」。そこで今回は、Gen5 SSDも投入し存在感を強めてきているNextorageのSSDを例に、作業のフローを整理してみる。
SSD製品で存在感を増しつつあるNextorageとは?
Nextorageは、ソニーのストレージ開発部門を源流とするメーカーだ。そこに最新インターフェース対応のSSDコントローラをいち早く投入する技術力、開発力の高さで知られる最大手、Phisonが資本参加したことで、一気にSSD市場での存在感を増している。
Nextorageとしては2019年10月発足と若いメーカーではあるが、ソニーで長年開発を行なってきた技術は実績十分。SSDのほか、信頼性が求められる産業用メモリや、CFexpressやSDメモリーカードといった“得意分野”のストレージ類はもちろん、ベッドルームプロジェクタも手掛けるなど立ち回りはユニーク。Phisonとは開発において密な協力関係にあり、それがトップクラスの性能を誇るGen4 SSDや、Gen5 SSDの素早い投入につながっている。
Gen4(PCI Express 4.0)SSD最強の一角、Gシリーズの実力
現在OSをインストールしてあるシステム用のSSDが容量不足で、より大容量のSSDにシステム丸ごとの移行をしたいと考えているならオススメしたいのが、Nextorageの「Gシリーズ」だ。
Phison「PS5018-E18」をベースとした8チャンネルコントローラを搭載するPCゲーマー向けのGen 4対応NVMe SSDで、記憶容量は1TB、2TB、4TBの3モデルがラインナップされている。公称シーケンシャルリードは全モデル共通で7,300MB/s、シーケンシャルライトは、1TBモデルが6,000MB/s、2TB/4TBモデルが6,900MB/sとGen 4対応SSDとしてトップクラスだ。容量ギリギリまで使ってもランダムリード速度が落ちにくくなるキャッシュ用のDRAMも搭載している点もゲーム用としては心強い。
型番 | NE1N1TB | NE1N2TB | NE1N4TB |
容量 | 1TB | 2TB | 4TB |
インターフェース | PCI Express 4.0x4 | ||
プロトコル | NVMe 1.4 | ||
コントローラ | 8チャンネルコントローラ | ||
NANDフラッシュ | 176層 3D TLC NAND | ||
DRAM | DDR4 1GB | DDR4 2GB | DDR4 2GB |
シーケンシャルリード(最大) | 7,300 MB/s | 7,300 MB/s | 7,300 MB/s |
シーケンシャルライト(最大) | 6,000 MB/s | 6,900 MB/s | 6,900 MB/s |
ランダムリード(最大) | 750,000 IOPS | 1,000,000 IOPS | 940,000 IOPS |
ランダムライト(最大) | 1,000,000 IOPS | 1,000,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
TBW | 700 | 1,400 | 3,000 |
保証期間 | 5年(制限付き保証) |
まずはGシリーズの性能をチェックしておこう。今回は4TBモデルの「NE1N4TB」を使用している。テスト環境は以下のとおりだ。
CPU | Intel Core i9-13900K(24コア32スレッド) |
マザーボード | Intel Z790搭載マザーボード |
メモリ | DDR5-5600 32GB(PC5-44800 DDR5 SDRAM16GB×2) |
システムSSD | M.2 NVMe SSD 2TB(PCI Express 4.0 x4) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti搭載カード |
CPUクーラー | 簡易水冷クーラー(36cmクラスラジエータ搭載) |
電源 | ATX 1,000W 電源(80PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Pro(22H2) |
ベンチマークとして、基本となるストレージ速度を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4c」、アプリの起動や処理をエミュレートしてアプリケーションベースの性能を計測する「PCMark 10-Full System Drive Benchmark」、ゲームの起動やロード、録画、移動などの処理をエミュレートする「3DMark-Storage Benchmark」の定番3種類に加え、ローディングタイムを測定できる実ゲームのベンチマークとして「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」と「BLUE PROTCOL Benchmark」も実行する。
CrystalDiskMarkはシーケンシャルリードで7031.74MB/s、ライトで6774.27MB/sとほぼ公称に近い速度が出ており、ランダム速度(RAND4K Q1T1)も優秀だ。この実力は、現行Gen 4 SSDとしては最速クラスと言ってよい。PCMark 10-Full System Drive Benchmarkも同様だ。とくにすごいのが3DMark-Storage Benchmarkで、Gen 4 SSDで4,000を超えるスコアはなかなか見ない。さすがPCゲーマー向けと言える。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークのローディングタイムの7秒台、BLUE PROTCOL Benchmarkのローディングタイムの23秒台はどちらもGen 4 SSDとして十分高速と言えるもの。ゲーム用として申し分ない性能を持っている。
GシリーズならTrueImageでお手軽システム移行(=換装)が可能
それではシステムドライブの移行の実際を見てみよう。Gシリーズがオススメな理由は、ストレージのクローン/バックアップアプリの定番「Acronis True Image」のOEM版が無料で使えることだ。True Imageのクローン機能を使えば、OSを含めたSSD全体のデータを別のSSDに丸ごとコピーできる。まさにクローンを作るわけだが、コピー先SSD容量が異なる場合も自動的に調整してくれるのでユーザーはお手軽に別のSSDへ移行できるわけだ。
まずは、コピー元のSSDとコピー先のSSDの両方を同じPCに接続する。M.2のSSD同士なら、それぞれマザーボードのM.2スロットに接続しておけばOKだ。あとはTrue Imageの指示に従ってクローン作業を進め、最後に元のSSDと新しいSSDを入れ換えればよい。
増設ならヒートシンク付きの「NEM-PA」がオススメ
GシリーズのようなハイエンドクラスのSSDでは、コントローラの過度な温度上昇を抑えるために一時的に性能を落とす“サーマルスロットリング”の発生を避けるため、ヒートシンクの利用はほぼ必須と言ってよい。しかし、エントリーからミドルレンジクラスのマザーボードでは複数のM.2スロットがあってもヒートシンクが付いているのは1スロットだけというパターンがある。
もしヒートシンクのない環境にNVMe SSDを増設しようと考えているなら、Nextorageでヒートシンク標準装備の「NEM-PA」を選ぶのも手だ。NEM-PAは「PS5向け」として注目を集めた製品だが、M.2、PCI Express 4.0(Gen4)、NVMeといった標準規格に準拠したSSDなので、PCでも問題なく利用できる。スペックやラインナップはGシリーズと同様で、性能は文句なしに高い。
ただし、ヒートシンク付きで冷却面の不安はないNEM-PAだが、Gシリーズとは異なりAcronis True Imageの使用権が付属しない。これもあって、“システムSSDの換装”ではなく、“SSDの増設用”にオススメというわけだ。増設ならM.2スロットに装着するだけなので作業自体もシンプルですむ。
増設したSSDの用途だが、シンプルな考え方は「ゲームのインストール専用に使う」だろう。もし、システムSSDの空き容量が厳しいなら、容量のかさむゲームをシステムSSDにインストールせず、ゲーム専用として増設したSSDにインストールすれば、それだけシステムSSDの負担は減る。Gシリーズ/NEM-PAのような高速SSDを増設すれば、パフォーマンスの面でも安心だ。
知っておくと便利! ゲーム配信プラットフォーム別の移動術
さて、Gシリーズ、あるいはNEM-PAでゲーム専用SSDを用意したら、次にやっておきたいのが「インストール済みゲームのシステムSSDからの引っ越し」だ。これによって容量が足りなくなったシステムSSDの空きはもっと楽になる。ただし、インストール済みゲームの引っ越しは、ただコピーすればOK、とはいかない。そこでここでは、具体的な引っ越しの手順を紹介する。SteamやBattle.netなど、ゲーム配信プラットフォームごとに手順に違いがあるので、そのあたりも確認していただきたい。
なお、以下で紹介する方法はいずれも“移行ツール”は不要。そのため、GシリーズでもNEM-PAでも問題なく利用できる。NEM-PAを“増設用”としてプッシュしたのはこれも理由の一つだ。
ゲーム配信の代表格と言える「Steam」は、別ドライブへのゲーム移行は非常に簡単だ。まず、Steamアプリ上で、増設したSSDをストレージとして追加。そこに移動させたいゲームにチェックを入れて「移動」をクリックするだけ。ゲームは自由にドライブ間を移動できるので、さらにSSDを追加した場合も容量管理をしやすい。人気プラットフォームだけあって、使い勝手のよさも光る。
ディアブロIVが大人気の「Battle.net」もゲームを別ドライブに移動するは比較的簡単だ。ゲームをフォルダを丸ごと増設したSSDにコピーして、コピー先のフォルダをBattle.netアプリで再度指定するだけ。ゲームが正常にプレイできることが確認できたら、元のSSDにあるゲームデータは削除して問題ない。
アサシンクリードシリーズでおなじみ「Ubisoft Connect」もゲームの移動は難しくない。まずは、Ubisoft Connectを完全に終了させる。ゲームがインストールされているフォルダを丸ごと増設したSSDのドライブに移動させる。Ubisoft Connectを起動して、そのゲームの検索機能で移動させたフォルダを指定すればOKだ。
定額で大量のゲームがプレイできるXbox Game Passが人気の「Xbox」は、インストールしたゲームをWindows 11の「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」で移動させたいゲームの横にある「…」をクリックしてメニューを開き「移動」をクリック。これで増設したSSDのドライブに移動できる。Windowsと連係したXboxアプリならではの手軽さと言える。
複数のゲームをプレイするゲーマーにとってSSDの容量不足は深刻な問題だ。容量を空けるためにゲームをアンインストールして、またプレイしたくなったら再ダウンロードでは手間も時間もかかってしまう。GシリーズやNEM-PAなら4TBの大容量モデルがあり、ゲームプレイにおける性能も申し分なし。2023年は「Starfield」や「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」など大作の発売も控えている。今からSSDの容量をたっぷり確保しておいてはどうだろうか。