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ゲームの入れ過ぎでPCのSSDが足りない!だったら換装&増設で解決!! システム移行、ゲームの移動法も教えます

NextorageのSSD「Gシリーズ」と「NEM-PA」を例に手順を紹介 text by 芹澤 正芳

 PCゲーム市場は相変わらず盛り上がっているが、新作・名作をガンガンインストールしていると困ってしまうのがストレージの容量だ。近年は1本で50GBから100GBになる大容量タイトルも多く、1TBのSSDでもすぐ容量不足になってしまう。話題の最新作「ディアブロIV」もインストール後の容量は実に77GBだ。解決策は、「SSDの交換(換装)」と「SSDの増設」。そこで今回は、Gen5 SSDも投入し存在感を強めてきているNextorageのSSDを例に、作業のフローを整理してみる。

SSD製品で存在感を増しつつあるNextorageとは?

 Nextorageは、ソニーのストレージ開発部門を源流とするメーカーだ。そこに最新インターフェース対応のSSDコントローラをいち早く投入する技術力、開発力の高さで知られる最大手、Phisonが資本参加したことで、一気にSSD市場での存在感を増している。

 Nextorageとしては2019年10月発足と若いメーカーではあるが、ソニーで長年開発を行なってきた技術は実績十分。SSDのほか、信頼性が求められる産業用メモリや、CFexpressやSDメモリーカードといった“得意分野”のストレージ類はもちろん、ベッドルームプロジェクタも手掛けるなど立ち回りはユニーク。Phisonとは開発において密な協力関係にあり、それがトップクラスの性能を誇るGen4 SSDや、Gen5 SSDの素早い投入につながっている。

NextorageはGen5対応の高速SSDをいち早く投入し、SSD市場で注目を集めている
【NextorageのGen 5 SSD「NE5Nシリーズ」先行実動テスト! ソニーのDNAにPhisonの最新技術が融合して何が起きたのか!?】

Gen4(PCI Express 4.0)SSD最強の一角、Gシリーズの実力

 現在OSをインストールしてあるシステム用のSSDが容量不足で、より大容量のSSDにシステム丸ごとの移行をしたいと考えているならオススメしたいのが、Nextorageの「Gシリーズ」だ。

Nextorageの「Gシリーズ」。ヒートシンクを備えていないモデルだ

 Phison「PS5018-E18」をベースとした8チャンネルコントローラを搭載するPCゲーマー向けのGen 4対応NVMe SSDで、記憶容量は1TB、2TB、4TBの3モデルがラインナップされている。公称シーケンシャルリードは全モデル共通で7,300MB/s、シーケンシャルライトは、1TBモデルが6,000MB/s、2TB/4TBモデルが6,900MB/sとGen 4対応SSDとしてトップクラスだ。容量ギリギリまで使ってもランダムリード速度が落ちにくくなるキャッシュ用のDRAMも搭載している点もゲーム用としては心強い。

コントローラはPhison「PS5018-E18」をベースにしたものを採用。NANDはMicron製の176層タイプだ。キャッシュ用のDRAMも備える。ラインナップ中最大容量の写真は4TBモデル
【Gシリーズの主なスペック】
型番NE1N1TBNE1N2TBNE1N4TB
容量1TB2TB4TB
インターフェースPCI Express 4.0x4
プロトコルNVMe 1.4
コントローラ8チャンネルコントローラ
NANDフラッシュ176層 3D TLC NAND
DRAMDDR4 1GBDDR4 2GBDDR4 2GB
シーケンシャルリード(最大)7,300 MB/s7,300 MB/s7,300 MB/s
シーケンシャルライト(最大)6,000 MB/s6,900 MB/s6,900 MB/s
ランダムリード(最大)750,000 IOPS1,000,000 IOPS940,000 IOPS
ランダムライト(最大)1,000,000 IOPS1,000,000 IOPS1,000,000 IOPS
TBW7001,4003,000
保証期間5年(制限付き保証)

 まずはGシリーズの性能をチェックしておこう。今回は4TBモデルの「NE1N4TB」を使用している。テスト環境は以下のとおりだ。

【検証環境】
CPUIntel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボードIntel Z790搭載マザーボード
メモリDDR5-5600 32GB(PC5-44800 DDR5 SDRAM16GB×2)
システムSSDM.2 NVMe SSD 2TB(PCI Express 4.0 x4)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 4070 Ti搭載カード
CPUクーラー簡易水冷クーラー(36cmクラスラジエータ搭載)
電源ATX 1,000W 電源(80PLUS Gold)
OSWindows 11 Pro(22H2)

 ベンチマークとして、基本となるストレージ速度を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4c」、アプリの起動や処理をエミュレートしてアプリケーションベースの性能を計測する「PCMark 10-Full System Drive Benchmark」、ゲームの起動やロード、録画、移動などの処理をエミュレートする「3DMark-Storage Benchmark」の定番3種類に加え、ローディングタイムを測定できる実ゲームのベンチマークとして「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」と「BLUE PROTCOL Benchmark」も実行する。

CrystalDiskMark 8.0.4cの計測結果。公称最大読み出し速度に若干届いていないが、これはIntelプラットフォームでベンチマークを行なっているため。AMD環境では公称値に近い速度が出る
PCMark 10-Full System Drive Benchmarkの結果
3DMark-Storage Benchmarkの結果
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークのローディングタイム
BLUE PROTCOL Benchmarkのローディングタイム

 CrystalDiskMarkはシーケンシャルリードで7031.74MB/s、ライトで6774.27MB/sとほぼ公称に近い速度が出ており、ランダム速度(RAND4K Q1T1)も優秀だ。この実力は、現行Gen 4 SSDとしては最速クラスと言ってよい。PCMark 10-Full System Drive Benchmarkも同様だ。とくにすごいのが3DMark-Storage Benchmarkで、Gen 4 SSDで4,000を超えるスコアはなかなか見ない。さすがPCゲーマー向けと言える。

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークのローディングタイムの7秒台、BLUE PROTCOL Benchmarkのローディングタイムの23秒台はどちらもGen 4 SSDとして十分高速と言えるもの。ゲーム用として申し分ない性能を持っている。

GシリーズならTrueImageでお手軽システム移行(=換装)が可能

 それではシステムドライブの移行の実際を見てみよう。Gシリーズがオススメな理由は、ストレージのクローン/バックアップアプリの定番「Acronis True Image」のOEM版が無料で使えることだ。True Imageのクローン機能を使えば、OSを含めたSSD全体のデータを別のSSDに丸ごとコピーできる。まさにクローンを作るわけだが、コピー先SSD容量が異なる場合も自動的に調整してくれるのでユーザーはお手軽に別のSSDへ移行できるわけだ。

 まずは、コピー元のSSDとコピー先のSSDの両方を同じPCに接続する。M.2のSSD同士なら、それぞれマザーボードのM.2スロットに接続しておけばOKだ。あとはTrue Imageの指示に従ってクローン作業を進め、最後に元のSSDと新しいSSDを入れ換えればよい。

(1)コピー元とコピー先のSSDをPCに接続。NextorageのWebサイトから「Acronis True Image OEM」をダウンロードしてインストールする
(2)プロダクトキーの入力でパッケージに同梱の紙に書かれている16桁のキーを入力してソフトを有効化する
(3)アクロニスアカウントにサインインする。未登録の場合は無料で登録が可能だ
(4)ソフトが起動したら左のメニューの「ツール」→「ディスクのクローン作成」をクリックする
(5)ウィザードが起動するので「自動(推奨)」を選び「次へ」をクリック
(6)取り付けた新しいSSDが未使用の状態なら、自動的にソースディスクにコピー元(現在OSが入っているSSD)とターゲットディスクにコピー先(新しいSSD)が選択されるので「実行」をクリックする
(7)クローン作業の完了後はPCの電源を落とし、コピー元のSSDを外して、コピー先のSSDと交換し、PCを起動する。これで換装は完了だ

増設ならヒートシンク付きの「NEM-PA」がオススメ

 GシリーズのようなハイエンドクラスのSSDでは、コントローラの過度な温度上昇を抑えるために一時的に性能を落とす“サーマルスロットリング”の発生を避けるため、ヒートシンクの利用はほぼ必須と言ってよい。しかし、エントリーからミドルレンジクラスのマザーボードでは複数のM.2スロットがあってもヒートシンクが付いているのは1スロットだけというパターンがある。

ヒートシンク搭載のGen4 SSD「NEM-PA」。基本スペックとラインナップはGシリーズと同じ

 もしヒートシンクのない環境にNVMe SSDを増設しようと考えているなら、Nextorageでヒートシンク標準装備の「NEM-PA」を選ぶのも手だ。NEM-PAは「PS5向け」として注目を集めた製品だが、M.2、PCI Express 4.0(Gen4)、NVMeといった標準規格に準拠したSSDなので、PCでも問題なく利用できる。スペックやラインナップはGシリーズと同様で、性能は文句なしに高い。

 ただし、ヒートシンク付きで冷却面の不安はないNEM-PAだが、Gシリーズとは異なりAcronis True Imageの使用権が付属しない。これもあって、“システムSSDの換装”ではなく、“SSDの増設用”にオススメというわけだ。増設ならM.2スロットに装着するだけなので作業自体もシンプルですむ。

 増設したSSDの用途だが、シンプルな考え方は「ゲームのインストール専用に使う」だろう。もし、システムSSDの空き容量が厳しいなら、容量のかさむゲームをシステムSSDにインストールせず、ゲーム専用として増設したSSDにインストールすれば、それだけシステムSSDの負担は減る。Gシリーズ/NEM-PAのような高速SSDを増設すれば、パフォーマンスの面でも安心だ。

ヒートシンクの上側、下側ともサーマルパッドが取り付けられている
低価格マザーを中心に、2本目、3本目のM.2スロットにはヒートシンクが搭載されていないものも多い。そんな場合にはヒートシンク付きのNEM-PAでの増設が楽

知っておくと便利! ゲーム配信プラットフォーム別の移動術

 さて、Gシリーズ、あるいはNEM-PAでゲーム専用SSDを用意したら、次にやっておきたいのが「インストール済みゲームのシステムSSDからの引っ越し」だ。これによって容量が足りなくなったシステムSSDの空きはもっと楽になる。ただし、インストール済みゲームの引っ越しは、ただコピーすればOK、とはいかない。そこでここでは、具体的な引っ越しの手順を紹介する。SteamやBattle.netなど、ゲーム配信プラットフォームごとに手順に違いがあるので、そのあたりも確認していただきたい。

 なお、以下で紹介する方法はいずれも“移行ツール”は不要。そのため、GシリーズでもNEM-PAでも問題なく利用できる。NEM-PAを“増設用”としてプッシュしたのはこれも理由の一つだ。

 ゲーム配信の代表格と言える「Steam」は、別ドライブへのゲーム移行は非常に簡単だ。まず、Steamアプリ上で、増設したSSDをストレージとして追加。そこに移動させたいゲームにチェックを入れて「移動」をクリックするだけ。ゲームは自由にドライブ間を移動できるので、さらにSSDを追加した場合も容量管理をしやすい。人気プラットフォームだけあって、使い勝手のよさも光る。

Steamの左上メニューから「設定」→「ストレージ」と選び、右上の「+」をクリックする
増設したSSDのドライブ名を選択して「追加」をクリックする
ローカルドライブ(C:)をクリックして移動したいゲームにチェックを入れて「移動」ボタンを押す。これで完了だ

 ディアブロIVが大人気の「Battle.net」もゲームを別ドライブに移動するは比較的簡単だ。ゲームをフォルダを丸ごと増設したSSDにコピーして、コピー先のフォルダをBattle.netアプリで再度指定するだけ。ゲームが正常にプレイできることが確認できたら、元のSSDにあるゲームデータは削除して問題ない。

Battle.netアプリから移動させたいゲームを選び、歯車のアイコンをクリックして「エクスプローラーで表示」を選ぶ
移動させたいゲームのフォルダを選び(ここではDiablo IV)、それを増設したSSDのドライブへと丸ごとコピーする
再び歯車のアイコンをクリックして今度は「ゲーム設定」を選ぶ。「別のフォルダを使用する」をクリックして、コピーしたフォルダ(ここではDiablo IV)を選び「フォルダーの選択」をクリック。これで完了だ。コピー元のフォルダを削除して容量を確保しよう

 アサシンクリードシリーズでおなじみ「Ubisoft Connect」もゲームの移動は難しくない。まずは、Ubisoft Connectを完全に終了させる。ゲームがインストールされているフォルダを丸ごと増設したSSDのドライブに移動させる。Ubisoft Connectを起動して、そのゲームの検索機能で移動させたフォルダを指定すればOKだ。

Ubisoft Connectを終了し、移動させたいゲームがインストールされているフォルダ(ここではAssassin's Creed Valhalla)を丸ごと増設したSSDのドライブに移動させる
Ubisoft Connectを起動し、「ゲーム」から移動したゲームをクリックし、「インストールしたゲームを検索」をクリック
移動したゲームのフォルダ(ここではAssassin's Creed Valhalla)をクリックして「OK」ボタンを押す
ファイルの検知が行なわれ、Ubisoft Connectがゲームを認識する。これで完了だ

 定額で大量のゲームがプレイできるXbox Game Passが人気の「Xbox」は、インストールしたゲームをWindows 11の「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」で移動させたいゲームの横にある「…」をクリックしてメニューを開き「移動」をクリック。これで増設したSSDのドライブに移動できる。Windowsと連係したXboxアプリならではの手軽さと言える。

Windows 11の「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」で移動させたいゲームの横にある「…」をクリックしてメニューを開き「移動」を選ぶ
増設したSSDのドライブを選んで「移動」をクリック。これで完了だ

 複数のゲームをプレイするゲーマーにとってSSDの容量不足は深刻な問題だ。容量を空けるためにゲームをアンインストールして、またプレイしたくなったら再ダウンロードでは手間も時間もかかってしまう。GシリーズやNEM-PAなら4TBの大容量モデルがあり、ゲームプレイにおける性能も申し分なし。2023年は「Starfield」や「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」など大作の発売も控えている。今からSSDの容量をたっぷり確保しておいてはどうだろうか。