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ZOTACからRyzen 7 8840U搭載のポータブルゲーミングPC登場!コイツは期待度大!!
パワフルな小型PCやコンパクト系ビデオカードなど多数展示 (COMPUTEX AKIBA出張所 / ZOTAC編)
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- ZOTAC
2024年6月10日 00:00
PC/IT関連の見本市「COMPUTEX 2024」が、6月4日~6月7日(現地時間)の日程で台湾で開催された。
PC・周辺機器メーカーのZOTACは、メイン展示会場の南港展覧館にブースを構え、新たなポータブルゲーミングPC「ZOTAC GAMING ZONE (BETA)」を大々的にアピールしている。ほかにも一般・業務用の小型PCや最新GPU製品などが多数展示されていたので、その中から注目の展示物をピックアップして紹介したい。
ストローク調整可能なトリガーボタンなど操作性にこだわった「ZOTAC GAMING ZONE」
ZOTACブースの目玉は、何と言っても「ZOTAC GAMING ZONE (BETA)」だ。小型PCにも強みを持つ同社のノウハウを活かし、昨今人気を集めているポータブルゲーミングPC分野に参入することになる。
名称に「BETA」が含まれているとおり、現在のところは参考出品段階で、価格や販売時期は未定だが、展示品は表面塗装など一部を除いて完成品に近い状態とのこと。デザインや仕様もほぼ確定しており、各種キーももちろん機能するため、実際にゲームをプレイすることもできる。
スペック的な特徴を挙げると、CPU(APU)にRyzen 7 8840U(8コア16スレッド、最大5.1GHz)を、GPUにRadeon 780Mをそれぞれ採用しており、メモリは16GB(LPDDR5X)、ストレージは512GB SSD(M.2 NVMe、PCIe 4.0 x4)を搭載する。ディスプレイはタッチ対応の7型AMOLED(有機EL)で、120Hz対応のフルHD解像度。
ただし、この分野では後発の製品ということもあってか、そうした基本装備や処理性能だけでなく、ゲーミングデバイスとしての操作性にもこだわっているところがポイントのようだ。
アナログジョイスティックを左右に用意するほか、その根本部分がダイヤルになっており、回転させることで音量などの調整が簡単に行える。さらにその下にはタッチパッドもダブルで備え、両指で繊細なカーソル操作などが可能だ。
両サイドの上部に2個ずつのボタンと、背面にも左右1個ずつボタンが配置されており、そのうち上部奥側のトリガーボタン(LT、RT)についてはストロークを2段階で切り換えられる仕組になっている。
たとえばFPSでは浅いストロークにして素早く射撃するなど、プレイするゲームに合わせて変更することで操作感をアップさせられるだろう。
さらにはWebカメラを内蔵しているため、Web会議や動画配信などにも活用できる。USB4ポートを通じて専用ドッキングステーションを接続することもでき、多数の周辺機器の接続や大画面外部モニターへの出力にも対応する。このドッキングステーションについても価格などは未定だ。
薄型コンパクトのCore Ultraマシンなど小型PCが勢揃い医療機関に適したホワイトPCも
ZOTACは、小型PC分野でアドバンテージを持つメーカーでもある。同社が「ZBOX」ブランドで展開する製品は小型ながら高いパフォーマンスを達成しているのが特徴で、どちらかというと業務用にフォーカスした製品が数多くラインナップしている。
筐体サイズなどによっていくつかのシリーズがあるが、特に日本のビジネスシーンで人気が出そうなモデルは「M」シリーズだろう。
「ZBOX edge MI672」は149.5×149.5×28.5mmという薄型コンパクトな設計としつつも、Core Ultra 7 155Hと最大64GBのメモリを搭載。VESAマウント対応で省スペースを実現できる。グラフィックス性能の面で有利なAMD Ryzen 7 7840HS搭載モデル「ZBOX edge MA762」も用意する。
これら小型PCは、一般的な事務作業用途であれば単体で十分な性能を発揮するが、本格的な3Dグラフィックスを扱うなど高負荷な処理が発生する用途では不足する場合もある。そうしたときに比較的低コストでパフォーマンスを引き上げられる仕組としてZOTACが提案しているのが、ディスクリートGPUボックスの「EGB-AD3500」だ。
NVIDIA RTX 3500(MXM接続)を内蔵しており、PCとThunderboltで接続することによって高いグラフィックス性能を追加するとともに、3つのDisplayPortで最大3画面同時出力を可能にする。普段はPC単体で仕事をこなし、必要に応じてこのディスクリートGPUボックスを利用することで、高度なクリエイティブ作業にも容易に対応できるわけだ。
同社によれば、チームに1台導入しておけば、高価な高性能PCを人数分用意しなくても、この製品をメンバーで使い回すことで高負荷な業務も効率化できるとしている。
そのほかのユニークな業務用製品としては、背負って使うバックパック型の「VR GO VR47N4500 BACKPACK PC」がある。CPUを最新第14世代のIntel Core i7-14700HXにした、既存製品のマイナーアップデート版という位置付けだ。
かつてはVRゲームマシンとして注目されたバックパック型PCだが、現在のVRゲーミングはヘッドマウントディスプレイと通常のデスクトップPCの組み合わせに落ち着いている。しかしそうした状況の中で盛り上がりつつあるのが、ビジネスやクリエイティブの現場での活用なのだとか。
たとえば巨大な建造物の3Dスキャンを行うときや、アーティストが動き回りながら3Dグラフィックスでデザインするときなど、常に身体の近くに高性能PC本体があったほうが都合のよい分野で活躍すると言う。
今回出品されていたバックパック型PCも、GPUにNVIDIA RTX A4500を採用するなどクリエイティブ向けの装備だ。
もう1つ気になった展示が、医療機関向けの小型・ホワイトPC。なかでも「ZBOX H39R5000W」は、清潔感のある真っ白でコンパクトな金属筐体に、Core i9-13900HXとNVIDIA RTX 5000、最大64GBメモリ、2.5GbE LANポート×2などのハイエンドクラスの装備を詰め込んでいる。
周囲の医療用機器への影響を最小限にすることを要件としたIEC 60601-1およびEN 60601-1の認証も取得し、安全性の高い設計となっているようだ。
こうした高性能な医療機関向けPCは、高解像度イメージを大画面で扱ったり、画像のAI処理を行ったりすることも少なくない医療現場のニーズの高まりに応えたもの。
とはいえ、ここまでコンパクトで装備が充実したホワイト筐体のPCはなかなか見かけないものでもあり、スペック的にはゲームやクリエイティブにももちろん活用可能だ。コンシューマー向けとしても販売されることを期待したい。
スモールフォームファクターなGeForceや10機搭載可能なGPUサーバーも展示
一般ユーザーとしてはGPU製品としてなじみのあるZOTACだけに、GPU関連の製品ももちろん最新のものが並べられている。
NVIDIAが提唱するスモールフォームファクター(SFF)に適合するGPUとして展示されていたのが、ブラックの「ZOTAC Gaming GeForce RTX 4070 SUPER Twin Edge」と、ホワイトの「ZOTAC Gaming GeForce RTX 4070 Twin Edge White」。いずれもツインファンにして全長と厚みを抑え、シンプルながらも有機的なデザインとなっている。
GPU絡みでおもしろそうなのが、最大10機のGPUを搭載できるというGPUサーバー。ZOTACとしてはあくまでも代理店向けにベアボーン的に提供しており、内部に搭載するCPUやGPUの数・種類、メモリ・ストレージ容量などについては顧客の要望に応じて柔軟にカスタマイズできるようにしているのが特徴だと言う。ラック型のほかに、拡張性は劣るがタワー型も用意している。