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英語キーボードのゲーミングノートPCにこだわるあなたに!性能も価格も満足のMSI「Cyborg-15-A13VFK-6403JP」
SSDは1TB、メモリは32GBに増量済み、Windows 11 Proも搭載 text by 芹澤 正芳
- 提供:
- MSI
2024年10月23日 00:00
エントリーから超ハイエンドまで幅広いラインナップを揃えるMSIのゲーミングノートPC。その中でサイバーパンクの世界にインスパイアされたデザインを採用するのが「Cyborg」シリーズだ。一部にスケルトン素材を用いるなどデザイン面に“近未来感”を持たせつつ、ゲーミングノートPCとしてはスリムで軽量なボディを実現。室内移動やちょっとした持ち運びが気軽なサイズにまとめられているのが大きな特徴になっている。
そんなCyborgシリーズの中で大きめの15.6型液晶を採用し、144Hzのリフレッシュレートと10コア16スレッドのCPU、一部モデルではGeForce RTX 4060 Laptop GPUや32GBのメモリとゲーミングでもクリエイティブ用途でも活躍できる性能を持ちながら、19万円台と良好なコストパフォーマンスを実現しているのが「Cyborg 15 A13Vシリーズ」だ。今回レポートする「Cyborg-15-A13VFK-6403JP」は、国内流通のノートPCとしては希少な“英語キーボード”搭載モデル。ゲーミング性能はもちろん、温度や動作音も含めたレビューを早速お届けしよう。
Core i7-13620HとRTX 4060の強力タッグ
「Cyborg 15 A13V」は、CPUにIntelの第13世代Coreプロセッサー「Core i7-13620H」を採用。パフォーマンス重視のPコアを6基、効率重視のEコアを4基で合計10コア16スレッドというノートPCとしてはメニーコアと言える仕様だ。Turbo Boost時は最大4.9GHzとかなり高いクロックで動作とマルチスレッドにもシングルスレッドにも強い。用途を選ばず活躍できるCPUと言える。
ゲーミングPCの心臓部と言えるGPUの搭載バリエーションが2種類あるCyborg 15 A13Vだが、Cyborg-15-A13VFK-6403JPは「GeForce RTX 4060 Laptop GPU」を採用。NVIDIA最新世代でミドルレンジに位置するGPUで、CUDAコアは3,072基、ビデオメモリはGDDR6が8GB、メモリバス幅は128bitだ。AIによるアップスケーラー(Super Resolution)とフレーム生成(Frame Generation)を組み合わせた強力な描画負荷軽減技術の「DLSS 3」に対応し、第8世代のNVENCによって以前からのH.264/HEVCに加えて、AV1のハードウェアエンコードにも対応しているのが特徴だ。
PCの設計に合わせてブーストクロックは1,470MHzから2,370MHz、カード電力は35Wから115Wの間で調整できる仕様のGPUだが、本機はカード電力45W、ブーストクロック1,470MHzという控えめの設定。ここは薄型ボディを実現するための選択と言えるだろう。
希少な英語キーボードモデル、というだけでなく、スペック面でも一歩上を行くのがCyborg-15-A13VFK-6403JPのオイシイところ。メモリとSSDはCyborg 15 A13Vの中でもっとも標準容量が多い構成で、メモリはDDR5が32GB(16GB×2)と最初から大容量を搭載、ストレージはNVMe SSDが1TBだ。いずれも、ゲームはもちろんクリエイティブ用途にも対応しやすく、当面は容量面で不足を感じることは少ないだろう。
シンプル&サイバー感の絶妙なバランス
続いて、本体をチェックしていこう。Cyborgシリーズはデザインにサイバーパンクの世界観を取り入れているのが特徴だが、パッと見は黒を基調とした落ち着いた雰囲気で仕事でも使いやすい。それでいて、底面、ヒンジ部、天板の一部にスケルトンカバーを採用。FPS/TPSの基本操作に使われるWASDキーや電源ボタンにスケルトンキートップを使用するなど、さりげなく近未来感を演出している。
本体の重量は約1.98kgでサイズは幅359.36mm×奥行き250.34mm×高さ21.95~22.9mmと15.6型のゲーミングノートPCとしては軽くて薄めだ。会社や大学との往復ぐらいなら十分に対応できる。ゲームと仕事、学業用を兼任しやすいのも強みと言える。
4ゾーンRGB LED内蔵の英語キーボード
前述の通り、今回紹介するCyborg-15-A13VFK-6403JPは、シリーズ唯一の英語配列キーボードを採用している。「日本語プリントのない日本語キーボード」ではなく、“純”英語配列仕様だ。滅多に出番のない日本語特有のキーがそもそもないので、スペースキーなどが大きい、キーのサイズや配置バランスに無理がない、など英語キーボードならではのメリットも少なくない。英語配列のほうが好みという人には大きな注目点だろう。
キーボードのスペック詳細は公開されていないが、クリック感がしっかりあり、剛性も非常に高く、操作感は良好だった。右下にはCopilotキーも用意されている。テンキーもあるので、仕事にも使いやすい。
バックライトはRGB LED仕様で、四つのゾーンに分かれており、MSI CenterアプリのMystic Light機能で、ゾーンごとに好きな発光色や発光パターンを設定できる。もちろん、全体まとめての設定やOFFにも可能だ。強めの明るさでブラックのキーやボディによく栄えるバックライトと感じた。
なお、MSIではこのほかにも、「Thin 15 B13U」にも英語キーボードモデルを用意している(Thin-15-B13UCX-6503JP)。GPUの仕様が異なることもあり、Cyborg 15 A13Vより価格はお手頃。テンキーレス仕様の英語キーボードモデルを探しているならこちらもチェックしてみていただきたい。
リフレッシュレート144HzのフルHD液晶を搭載
液晶は15.6型のフルHD解像度だ。表面はノングレア(非光沢)で、詳しいスペックは公表されていないが、視野角の広さからIPSパネルと見られる。リフレッシュレートは144Hzと高く、FPS/TPSでのガチなプレイにも向く。それ以外のゲームジャンルでもなめらかな描画は没入感をアップしてくれるのがよいところ。このほか、ディスプレイ上部には92万画素のWebカメラを搭載、底面にはステレオスピーカーも備えている。
インターフェースは左側面にUSB 3.2 Gen 1×1、ヘッドセット端子を搭載。右側面にUSB 3.2 Gen 1×1、USB 3.2 Gen 1 Type-C(映像出力対応)×1、HDMI出力、有線LAN(ギガビットイーサ)が備わっている。
無線LANはIntel AX211によるWi-Fi 6E(最大2.4Gbps)に対応し、Bluetooth 5.3もサポートしている。付属のACアダプターはゲーミングノートPCとしては控えめな120W出力なので、それほど大きくはない。持ち運びやすいのはナイスだ。
FPS/TPSで高fpsを出し、重量級ゲームも快適に遊べる性能
次にベンチマークで性能をチェックしてみよう。動作モードは、MSI Centerアプリで「究極のパフォーマンス」に設定して実行している。まずは、PCの基本的な性能を見る「PCMark 10」と定番3Dベンチマークの「3DMark」を見ていこう。
PCMark 10はいずれのスコアも高く、普段使いのPCとして文句なしに快適な性能を持っていると言ってよい。3DMarkはRTX 4060としてはややもの足りないスコア。ここはブーストクロックが低めの設定なので仕方のないところ。重要なのは実ゲームが快適にプレイできるかだ。
というわけで、実ゲームに移ろう。まずは、定番FPSの「Apex Legends」と「オーバーウォッチ2」から。トレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレート、botマッチを実行した際のフレームレートをそれぞれ「CapFrameX」で測定している。
Apex Legendsなら最高画質でも144Hzのリフレッシュレートを活かし切れる平均146.3fpsを達成。オーバーウォッチ2でも画質を高設定にすれば平均164.5fpsを出せると、十分なめらかな描画でプレイが可能だ。
最大60fpsのゲームも試そう。ここでは「ストリートファイター6」と「エルデンリング」を用意した。ストリートファイター6はCPU同士の対戦を60秒実行した際のフレームレート、エルデンリングはリムグレイ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「CapFrameX」で測定している。
ストリートファイター6は最高画質のHIGHESTでもほぼ平均60fpsに到達。問題なくプレイが可能だ。エルデンリングは最高画質でも平均58.5fpsと十分快適にプレイできる。ただ、レイトレーシングも最高設定にすると描画負荷がグッと上がり、平均42.2fpsに。何とかプレイはできるが、カクつきも多少発生してしまう。
重量級ゲームではどうだろうか。「Ghost of Tsushima Director's Cut」、「Starfield」、「サイバーパンク2077」を試す。いずれもアップスケーラーとフレーム生成を組み合わせたDLSS 3に対応したタイトルだ。Ghost of Tsushima Director's Cutは、旅人の宿場周辺の一定コースを移動した際のフレームレート、ジェミソンのロッジ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「CapFrameX」で測定。サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を利用した。
DLSS 3の効果があり、いずれのタイトルでも最高クラスの画質設定で平均60fps以上が出ており、快適に遊べるのが分かる。また、画質設定を下げればさらにフレームレートを上げることができ、144Hzのリフレッシュレートをより活かせる。重量級ゲームを余裕で遊べるパワーがあるのはうれしいところ。
動作モード別の性能と動作音をチェック
MSI CenterのUser Scenario機能では、パフォーマンスに関する設定を行える。標準は自動的に最適なパフォーマンスに調整する「MSI AI Engine」になっているが、そのほか「究極のパフォーマンス」、「バランス」、「サイレント」、「Super Battery」が用意されている。ここでは、「究極のパフォーマンス」、「バランス」、「サイレント」でパフォーマンスと動作音がどう変化するのかチェックしたい。パフォーマンスは主にCPUを使うCinebench 2024のMulti Core、主にGPUを使う3DMarkのSteel Nomadを実行。動作音は、Cinebench 2024実行時の最大だ。本体の正面と左側面、それぞれ10cmの位置に騒音計を設置して測定した。暗騒音は33.9dBの環境だ。
Cinebench 2024の結果を見ると、究極のパフォーマンスからバランスで約12%のスコア減、サイレントだと約半分になってしまう。各モードでCPU性能をかなり絞るのが分かる。その一方で、GPUがメインのSteel Nomadは、究極のパフォーマンスとバランスでほぼ変わらず、サイレントでも約12%のスコアダウンとCPUに比べると影響が小さい。
動作音は、究極のパフォーマンスがファンの回転が一番高くなり、動作音も大きい。とはいえ、ゲーミングノートPCとして強烈にうるさいというほどではない。薄型ながら効率よく冷却できている。深夜などファンの音をあまり出したくない環境で使う場合は、サイレントにするのがよいだろう。CPUパワーは制限されるが、かなり静かだ。
最後に、究極のパフォーマンス時のCPUとGPU温度も確かめておこう。ここではサイバーパンク2077を10分間動作させたときの、CPU/GPU温度を「HWiNFO Pro」で追っている。CPUは「CPU Package」の値、GPUは「GPU Temperature」の値だ。
サイバーパンク2077はCPUとGPUの両方に負荷がかかるゲームだが、それでもCPUは平均69.4℃、GPUは平均64.4℃とゲーミングノートPCとしては非常に低いと言ってよい温度だ。これなら長時間も安心してプレイできる。薄型だが、底面から吸気して側面と背面から効率よく排気する新設計の強冷クーラーは優秀だ。
フルHDゲーミングノートPCとして高い完成度
10コア16スレッドのCPU、RTX 4060、144Hz液晶、32GBメモリとフルHDゲーミングノートPCとして十分なスペックを備えて19万円台と良好なコストパフォーマンスを実現している。15.6型ノートPCとしては薄型軽量ボディで設置や持ち運びがしやすく、冷却性能も高いと幅広い用途に対応できる汎用性もよいところ。強烈な印象や性能はないが、全体的にバランスよくまとまっており、入門機としても乗り換え先としても安心してオススメできる1台だ。