トピック
6K RAWの動画撮影もバッチリ、「T-CREATE」のCFexpressカードは手堅い選択肢
TEAMGROUPのクリエイター向け製品をテスト、メモリやSSDも使ってみた text by 坂本はじめ
- 提供:
- TEAMGROUP
2025年7月26日 00:00
メモリやSSD製品を手掛けるメーカーとして知られるTEAMGROUPは、クリエイター向けに開発した製品を「T-CREATE」ブランドで展開しており、DDR5メモリやNVMe SSDといったPCパーツから、プロフェッショナル向けのCFexpress 2.0 カードまで、幅広いメモリ製品をラインアップしている。
今回は、CFexpressカードをはじめとするT-CREATEブランド製品を使用して、6K撮影に対応するシネマカメラBlackmagic PYXIS 6Kを用いた映像制作にチャレンジ。6K/30pのBlackmagic RAW撮影を完遂できる実力があるのか確認してみた。
TEAMGROUPが手掛けるクリエイター向けブランド「T-CREATE」

まずはT-CREATEについて紹介しよう。TEAMGROUPのクリエイター向けブランドであるT-CREATEは、特に大容量・耐久性・安定性の3要素を重視した製品開発が行われている。
例えば、T-CREATEブランドのメモリモジュールは、ゲーマー向けであるT-FORCEブランドのオーバークロックメモリほどの速度はないものの、ノイズに強く電源安定性に優れる10層基板や放熱性の高いヒートシンクを搭載することで、高い安定性と信頼性を実現している。外付けSSDでは、映像業界を意識した16TBのUSB 3.2 Gen 2x2接続モデルや、1/4インチのネジでカメラ用リグに固定できる放熱性重視モデルが用意されていたりもする。
また、2025年中には16TBのM.2 SSDや、U.2接続で最大64TBの超大容量SSDの提供を予定しており、プロ向けの環境に特化した大容量SSDの開発にも積極的。今回のテストにおける主要な機材であるCFexpress 2.0 カードもそのひとつだ。
動画/写真撮影用メディアを多数展開するT-CREATEBlackmagicのカメラを使って性能を確認
冒頭でも紹介した通り、今回は6K/30pのBlackmagic RAW撮影が可能なシネマカメラ「Blackmagic PYXIS 6K」を用いた映像制作で、T-CREATEブランドの製品が期待通りに機能するのかをテストする。
Blackmagic PYXIS 6Kで利用可能な記憶媒体は、本体に内蔵可能なCFexpress Type Bカードと、USB Type-C接続の外付けストレージ。今回はT-CREATEのCFexpress Type Bカードをメインに検証しつつ、USB外付けSSDでの撮影も行う。
CFexpress Type Bカードは2種類のグレードをラインアップ
T-CREATEブランドには、「T-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type B」と「T-CREATE EXPERT CFexpress Type B」という、CFexpress Type B準拠のメモリカードが2種類ラインアップされており、いずれも最大容量モデルでの最大転送速度はリード1,800MB/s、ライト1,700MB/sを実現し、5年間の製品保証が提供される。
高性能モデルにあたるT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type Bは、フラッシュメモリのメモリセルに1ビット記録を行うpSLC方式を採用。これにより、記憶容量は最大でも1.3TBに留まるものの、容量全域で1,600MB/sを維持する一貫性の高い書き込み性能を実現。4Kや8K RAWでの長時間記録に適した特性を備えている。
一方、標準モデルのT-CREATE EXPERT CFexpress Type Bは、記憶方式は非公開だがマルチビット記録を採用。一般的なSSDなどと同じように長時間の連続書き込みや空き容量の減少による書き込み性能の低下は生じるが、最大容量は2TBに達し、容量単価も高性能モデルより安い。

カメラリグなどに固定できるUSB Type-C接続の外付けSSD「T-CREATE P31 External SSD Black」
外付けSSDとして用意したのは、USB Type-Cをインターフェイスに採用するT-CREATEの外付けSSD「T-CREATE P31 External SSD Black」。今回は最大容量モデルの4TBモデルと、最小容量の1TBモデルでテストを行う。
ビデオカメラの外付けストレージとして利用することを想定して設計されたユニークな外付けSSDであり、金属製の筐体にはカメラ製品で多用される1/4インチのネジ穴を本体に12箇所備えるほか、カメラに固定するための1/4インチのネジが同梱されている。
容量ラインアップは1TB/2TB/4TBの3種類だが、記憶容量によって最大速度とインターフェイスが異なっている。1TBと2TBが最大で「リード1,000MB/s・ライト950MB/s」をUSB 3.2 Gen 2接続(10Gbps)で実現するのに対し、最大容量の4TBは最大で「リード2,000MB/s・ライト1,800MB/s」をUSB 3.2 Gen 2x2接続(20Gbps)で実現する。

UHS-II対応やV90対応など、高速なSDXCカードもラインアップするT-CREATE
今回のテストには使用しないが、T-CREATEブランドでは、デジタル一眼カメラやビデオカメラの記憶媒体として広く採用されているSDXCカードも展開しているので、簡単に製品のラインアップを紹介しよう。
EXPERT SDXC UHS-II U3 V90とEXPERT SDXC UHS-II U3 V60は、インターフェイスにUHS-IIを採用したSDXCカード。それぞれ動画撮影時の最低書き込み速度を示すビデオスピードクラスV90(90MB/s)とV60(60MB/s)に対応しており、4K動画の連続撮影に適した書き込み性能を持つ。
EXPERT S.M.A.R.T. Micro SDXCは、インターフェイスにUHS-Iを採用したMicro SDXCカード。カードの健全性を確認できるS.M.A.R.T.をサポートするほか、ビデオスピードクラスのV30やアプリケーションパフォーマンスクラスのA2に準拠。TEAMGROUPの専用SDカードリーダーに接続した場合は、最大でリード160MB/s、ライト150MB/sを実現する。

Blackmagic PYXIS 6Kで6K30p動画の長時間連続に挑戦T-CREATEのCFexpressカードはコマ落ちせずに録画できる?
ここからは、シネマカメラであるBlackmagic PYXIS 6Kでの6K撮影をテストしていく。
カメラ側の設定としては、コーデックを「Blackmagic RAW」、品質を「固定ビットレート(3:1)に設定したうえで、解像度は最大の「Open Gate (6,048×4,032)」を選択。フレームレートは30fpsを選択し、カードでコマ落ちが発生した場合は収録を停止するよう設定した。




今回、6K RAW撮影を行うT-CREATEのCFexpressカードは、pSLC方式を採用するT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type Bの1.3TBモデルと、T-CREATE EXPERT CFexpress Type Bの1TBモデル。いずれも普通に6K RAW撮影を行うだけなら十分なスペックを備えているので、今回は容量をほぼ使い切るまで連続撮影にチャレンジした。
室温約25℃の環境下で連続撮影を行った結果、1.3TBのT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type Bでは約80分、1TBのT-CREATE EXPERT CFexpress Type Bでは約60分の連続撮影を無事完了できた。カード側が原因でコマ落ちが発生した場合は収録を停止するよう設定していたので、どちらのCFexpressカードでも安定して動画を記録できたことになる。
撮影完了後にCFexpressカードをPCに接続して確認したところ、約80分の連続撮影を完遂した1.3TBモデルは1.18TB中1.14TBが埋まっており、約60分連続撮影した1TBモデルは953GB中856GBが埋まっていた。いずれのカードも、記憶容量の90%前後が埋まるほどの連続記録に耐え抜いてみせたわけだ。
CFexpressカードで記録した6K RAW動画を、Adobe Premiere Proのメディアプロファイルで確認し、ファイルサイズと動画時間(トータルデュレーション)からビットレートを計算すると、おおよそ250MB/s以上で記録されていたことが分かる。
つまり、今回連続撮影にチャレンジしたT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type B(1.3TB)とT-CREATE EXPERT CFexpress Type B(1TB)は、記憶容量のほとんどを一気に使い切るような状況であっても、最低250MB/s以上の書き込み速度を維持していたということだ。
T-CREATEの外付けSSDは動画撮影もいける!
先に紹介した通り、Blackmagic PYXIS 6KではUSB Type-Cを介して外付けストレージにも動画の記録が可能なので、T-CREATEのUSB外付けSSDであるT-CREATE P31 External SSD Blackの1TBモデルと4TBモデルでも6K RAW撮影をテストしてみた。
結果として、1TBモデルでは約60分、4TBモデルでは約120分の連続撮影が可能だった。なお4TBモデルに関しては、容量を使い切ったりコマ落ちが発生したわけではなく、検証時間の都合上打ち切っただけであり、このまま続行していてもさらに長時間の撮影が可能だったと考えられる。
カードをカメラ本体に内蔵して記録できるCFexpressの方が、ケーブリング不要でかさばらないというメリットはあるが、USB外付けSSDにはカメラだけでなくPCとの接続も容易という使い勝手の良さもある。
クリエイターPC向けのパーツも用意されているT-CREATEクリエイター向けメモリとSSDを使ってみた
T-CREATEブランドの製品はメモリや内蔵SSDも展開されている。今回、これらのパーツを使いクリエイターPC環境を構築し、Blackmagic PYXIS 6Kで撮影したデータを使って編集作業に使用してみた。
PCの構成は以下の表のとおりで、Core Ultra 7 265KとGeForce RTX 5080を組み合わせたハイスペックPCだ。

メインメモリに採用したT-CREATE CLASSIC DDR5 DESKTOP MEMORY BLACK(CTCCD564G6000HC48DC01)は、DDR5-6000動作に対応した32GBメモリ×2枚組。メモリタイミングのCL48-48-48-96と動作電圧の1.1Vは、JEDECのDDR5-6000規格に相当するスペックであり、Intel XMPとAMD EXPOの両プロファイルに対応している。
通気口を設ける独自のヒートシンクや高品質な10層基板の採用により高い安定性と信頼性を実現しており、期間の定めのない製品保証を提供するライフタイム保証(Lifetime warranty)が付与されている。
SSDのT-CREATE CLASSIC PCIe 4.0 DL SSD(TM8FPM002T0C329)は、インターフェイスにPCIe 4.0 x4を採用する記憶容量2TBのM.2型NVMe SSD。フォームファクターはM.2 2280で、最大速度はリード7,400MB/s、ライト6,400MB/s。
TEAMGROUPが特許を取得したグラフェンヒートシンクを備えるほか、2TBモデルの総書き込みバイト数は1,200TBWと耐久性にも優れる。製品保証期間は5年。
高速なCFexpressカードと内蔵SSDなら、PCへのデータ取り込みも高速
今回6K RAW撮影で記録した動画ファイルは、単体で1TB前後という大容量のファイル。これをPCに取り込むとなると相当な時間がかかりそうだが、高速なCFexpressカードと高速なカードリーダーを組み合わせることで転送時間をぐっと短くすることができる。
ここからは、USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応するT-CREATEブランドの「T-CREATE EXPERT R31 3-in-1メモリーカードリーダー」を使用して、CFexpressカードをPCと接続した場合の転送速度を確認してみよう。
今回使用したT-CREATEのCFexpressカードは、最大転送速度がリード1,800MB/sに達するとされており、PCに内蔵したSSDはそれを大幅に上回るライト速度を実現している。CFexpressカードをUSB 3.2 Gen 2x2接続のカードリーダーに接続し、ベンチマークソフトのCrystalDiskMarkで計測したところ、スペック通り1,800MB/sに達するリード性能が確認できた。
約246GBの動画データを用意し、これらのCFexpressカードとSSDの組み合わせで、PCにデータを取り込む際にかかった時間と速度を比較してみた。


Windowsのエクスプローラーを使用してCFexpressカードからデータを取り込んだ結果、pSLCを採用するT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type B(1.3TBモデル)は、約246GBの動画データの転送を「3分25秒」で完了し、T-CREATE EXPERT CFexpress Type B(1TBモデル)は「4分36秒」で完了。データ転送速度はT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type B(1.3TBモデル)が1,289MB/s、T-CREATE EXPERT CFexpress Type B(1TBモデル)は959MB/sとなった。
T-CREATE EXPERT CFexpress Type BもSDカードなどと比べるとかなり高速だが、より高いパフォーマンスを求めるのであれば、pSLC方式を採用する上位のT-CREATE EXPERT CFexpress Plus Type Bを選ぶと良いだろう。ファイルの容量が大きくなりがちな映像制作では、高速なCFexpressカードと高速なPC内蔵SSDを組み合わせることによる時短のメリットはかなり大きいはずだ。
映像制作をより快適にする高速SSDと大容量メモリ
撮影した6K RAW動画で、DaVinci ResolveでのカラーグレーディングやPremiere Proでの動画編集を試してみたところ、かなりスムーズに編集作業を行えた。
Core Ultra 7 265KとGeForce RTX 5080という、デスクトップPC向けの中でもハイエンドクラスに位置するCPUとGPUの強力な性能が快適性を実現しているわけだが、それを支えているのは大容量ファイルをスピーディーに扱えるSSDと、合計64GBの大容量を実現するDDR5-6000メモリの存在だ。
今回はそこまで複雑な編集は行っていないが、高画質でプレビューを再生するとメモリ使用量は簡単に40GB程度に達していた。6K RAW動画を扱うのであればメインメモリの容量は64GBをスタートラインと考えるとよいだろう。
本格的な映像制作にも使えるT-CREATEブランドの製品
一口にクリエイター向けブランドと言っても、想定しているターゲット層は各社各ブランドによって異なるが、TEAMGROUPが手がけるT-CREATEブランドに関しては、かなりプロフェッショナル志向の強い製品ラインアップだ。
特に、今回テストしたT-CREATE製品の中ではpSLC方式を採用するEXPERT CFexpress Plus Type Bカードや、外付けSSDのP31などは、シネマカメラを含む本格的な映像制作向けに設計されており、クリエイター向けと呼ぶにふさわしい実力を備えていた。
クリエイターとして映像制作に携わっているのであれば、メモリ製品の選択肢のひとつとしてT-CREATEブランドを加えてみてはいかがだろうか。