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プラモもフィギュアも“PCケース”に飾ろうぜ!Cooler Master「MasterFrame 360 Series」を試す

液晶モニターやミラーも装備、展示の腕やアイデアも問われる!? text by 内田 泰仁

 「見せるPC」が人気になって数年、“カッコいいパーツを組み込んだ内部を見せる”、“LEDを駆使したライティングを見せる”、“デスク上を含めたトータルコーディネートを見せる”など、さまざまなスタイルが登場している。そして、これらの「見せるPC」を仕上げるのに欠かせないのが、ベースとなるPCケースだ。

 すでに一部のユーザーは、PCケース内にフィギュアやプラモデル、アクリルスタンドなどを飾ったり、さらには組み込んだパーツも活かしたジオラマを作ったりと、ディープに楽しんでいる。今回紹介する「MasterFrame 360 Series」は、「見せる」を発展させる方向性として、「立派なお立ち台」を装備するに至ったホビー色の強い製品だ。

本体正面に本格的な展示スペースを設ける3バリエーションのPCケース

 MasterFrame 360 Seriesは、ケースのフロントパネルの前方に最大で高さ360mm(バリエーションモデルによって異なる)の造形物を設置できるスペース、いわゆる「お立ち台」が設けられている。フィギュアやプラモデル、ぬいぐるみやアクリルスタンドなどの推しグッズを置くことができるので、アイデア次第でいろいろな「見せるPC」に仕立て上げることが可能だ。

今回試用したモデルは、15.6型/フルHD相当(1,080×1,920ドット)の液晶モニターを搭載する「Stage LCD」
本体正面のお立ち台。上部にはスポットライト(ARGB LED)も装備している

 製品バリエーションはこのお立ち台部分の構造の違いで3種類用意されており、特徴は次のとおり。

Panorama
強化ガラスで囲える密閉型スタイルのお立ち台を装備。ホコリや不用意な接触などから大切な展示物を保護したい場合に有効。お立ち台背面にはミラーパネルを設置。置けるアイテムの最大サイズは幅220×奥行き118×高さ360mm。お立ち台の天地サイズは本機が最大
Stage Mirror
お立ち台はオープン構造で、背面にミラーパネルを設置したモデル。囲いがない分、お立ち台に置いたアイテムをいろんな方向から鑑賞できる自由度が上がっている。台座と天井の形状がPanoramaと若干異なるため置けるアイテムの最大サイズが異なり、幅290×奥行き110×高さ328mmになる
Stage LCD
お立ち台はオープン構造で、背面にミラーの代わりに15.6型の液晶パネルを搭載する。お立ち台に置いたアイテムと液晶に表示した映像を組み合わせた、より高度な展示を可能とする、もっとも芸術性が高い凝った仕様のモデル。置けるアイテムの最大サイズは幅290×奥行き110×高さ328mm
写真左から、PanoramaおよびStage Mirror(Cooler Masterの広報資料より)。ホコリ汚れを避けたければPanoramaがベスト。ミラーによる展示演出の効果もなかなかおもしろい

 プラモデルやフィギュアなどのホビージャンルでは、ミラー背景の陳列ケースはよく見かける。また近年では、液晶パネルを上手く活用した展示や写真撮影といったテクニックも用いられているので、MasterFrame 360のラインナップは、こういった他ジャンルのトレンドを上手く組み込んだ構造と言える。

【主なスペック】
フォームファクターATX
前面USBType-C×1、Type-×2
標準搭載ファンなし
搭載可能ファン12cm×6/14cm×2/18cm×2/20cm×2のいずれか
(天板/底面とも、厚さ75mm以内)
搭載可能ビデオカードの長さ430mm
搭載可能CPUクーラーの高さ145mm
搭載可能ラジエーターの長さ36cmクラス
(天板/底面とも、ファンと合わせて厚さ75mm以内)
搭載可能電源ユニットの長さ210mm
ベイ3.5インチシャドー ×1または2.5インチシャドー×2
本体サイズ(W×D×H)291×549×581mm(突起部含む)
カラーブラック

PCケースの本分である実用性に優れる整理された内部構造

 個性的な外観と構造に目が行くが、PCケースとしての完成度は、老舗PCパーツメーカーのCooler Masterということでもちろんハイレベル。同社は現在、構造やレイアウトの柔軟性、自由度が高いモジュラー構造やツールレス作業の実現などを軸とした「FreeForm 2.0」というデザイン思想を掲げているが、本機もこのFreeForm 2.0に基づく設計となっているという。

ケース内部。左側面側はマザーボードやビデオカード、CPUクーラーなどを取り付けるメイン区画。最新のPCケースらしく、空間を横切ったりスペースを削ったりする構造物がない。右側面側は電源ユニットやドライブを取り付けたりケーブルを収納したりする裏面区画。写真ではカバー類を付けているが作業スペースはこちらもかなり広い

 外装パネルはすべてツールレスで取り外し可能で、各部のマウンターやベイ類などはすべて着脱できる。お立ち台というほかにない構造物を装備しつつも、ケース内部の空間には遮蔽物はなく非常に広い。また、いわゆる“デュアルチャンバー構造”となっているため、マザーボードや拡張カードの設置スペースと、電源ユニットや裏面配線を逃がすスペースは完全に独立している。ケーブル類をまとめる作業はかなり容易だ。

左右両側面の内部を、角度を変えて見たところ。ケーブルを隠すカバー同士の間にはケーブルを通すための隙間が設けられている。マザーボード裏のカバーは開口部を調整することも可能

 内部の空間が広いだけあって組み込み可能なパーツのサイズにも余裕があり、ビデオカードは最長430mmまで、水冷クーラーのラジエーターは360mmまで利用可能だ。取り付け可能なケースファンの数とサイズも豊富で、12cmファンなら天板と底面に最大でそれぞれ6基、14/18/20cmファンならそれぞれ2基使用できる。

底面および天板のファン/ラジエーター取り付け部分を内部から見たところ。ケースの前後面や側面にはファンを取り付けられないが、上下に合計12基ものファンが取り付け可能。14cm~20cmファンにも対応できる

 なお、左側面と前面がクリアパネルのケースでは、天板+右側面+背面にファンを取り付け、天板&側面吸気→背面排気とする製品が多いが、本機は底面吸気→天板排気の“煙突構造”となっている。ただし、標準ではケースファンがないパッケージ構成となっているので、できれば底面側に吸気用のファンを追加し、天板に水冷CPUクーラーのラジエーターと排気方向のファンを取り付けるとよいだろう。

ケース下部を底面側から見たところ。底面カバーは金属製メッシュプレートでネジ止めされている。ファンの取り付け作業時には一旦プレートを外す
ケースを天板側から見たところ。こちらのメッシュプレートで、カバーはマグネット固定。本機の側板や天板カバーを固定するマグネットはかなり強力

 また、ケース背面側には標準的な拡張カード用ブラケットの口が開いておらず、ビデオカードは垂直設置専用の構造だ。まさに「見せる」をメインテーマとしたケースならではと言える思い切った設計だ。マザーボードとビデオカードをつなぐPCI Express 5.0 対応のライザーケーブルが付属しており、最新世代のGPUを利用する際でもパフォーマンスへの影響は最小限にとどまる。実際に試してみたところ、ベンチマークテストのスコアにはほとんど影響が見られず、よほどシビアに意識するのでなければ、ほぼ気にする必要はない、もしくは見た目とのトレードオフと割り切れる範囲、と言ってよさそうだ。

MasterFrame 360の背面側全景
一般的なケースにはある拡張カードのブラケットが収まるスペースはなく、ビデオカードを垂直配置して固定するためのブラケット用開口部のみが設けられている。複数の拡張カードを使用することはほとんど考慮されていない。本機ほぼ唯一の“見せることに特化したために一般的なPCケースからオミットしたポイント”と言える
組み込み後の様子になるが、ビデオカード取り付け部分を見てみよう。カードは、ケース背面のブラケット開口部へのネジ止めと、ベースプレートの下部半ばくらいに取り付けられているビデオカードステイで支える形で垂直配置する
本機に付属するPCIe 5.0対応ライザーケーブルをマザーボードに取り付けてビデオカードと接続する
ビデオカードステイ。前後位置の調整はできないが、高さの微調整は可能

 なお、マザーボードはATX、microATX、Mini-ITXに対応。製品ページではASUSのBTFしか明言されていないが、いわゆる背面コネクター設計のマザーボードにも利用できるように、マザーボードベースには十分な開口部が設けられている。

マザーボードは、ATX、microATX、Mini-ITXの各サイズに対応。裏面側からマザーボード裏面にアクセスする開口部も多く設けられているため、背面コネクター設計の製品も利用可能
3.5インチおよび2.5インチドライブの取り付け方(マニュアルより抜粋)。Stage LCD/Mirrorは裏面区画に取り付ける。Panoramaは若干構造が異なり、着脱可能なマウントプレートにドライブを固定してから収納する
フロントパネル上部には、USB 20Gbps Type-C×1、USB 5Gbps Type-A×2、オーディオ入出力×1、電源およびリセットスイッチを備える

広い空間や開口部、取り外せるファンマウンターで組み込みは楽々

 それでは、実際にパーツを組み込んでみよう。使用したのは以下のパーツだ。スペックのイメージとしてはアッパーミドルレンジのゲーミングPCだ。

すべてのパーツを組み込んだ完成状態がこちら。ここからお立ち台でどう遊ぶかがMasterFrame 360最大のお楽しみだ
【検証環境】
CPUAMD Ryzen 7 9700X(8コア16スレッド)
マザーボードASRock B850 Pro RS WiFi(AMD B850)
メモリDDR5-5600 32GB(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2)
ビデオカードZOTAC GAMING GeForce RTX 5070 SOLID
SSDM.2 NVMe SSD 2TB(PCI Express 5.0 x4)
PCケースCooler Master MasterFrame 360(ATX)
電源ユニットCooler Master ELITE GOLD 850
(850W、80PLUS Gold)
CPUクーラーCooler Master MasterLiquid Atmos II 360 LCD
(簡易水冷型、36cmクラス)
ケースファンCooler Master SickleFlow Edge 360 ARGB
(12cm角×3、連結タイプ)
AMD Ryzen 7 9700X
ZOTAC GAMING GeForce RTX 5070 SOLID
12cm径ファンを3基搭載する「SickleFlow Edge 360 ARGB」。3連ファンが一体になっているため、ファン同士をケーブルなどで接続する必要がなく、ケースへの固定も4カ所ネジ止めするだけでOK
水冷ヘッドに液晶モニターを搭載する「MasterLiquid Atmos II 360 LCD」。ラジエーターサイズは36cm。本機もSickleFlow Edge 360 ARGBを搭載する
「ELITE GOLD 850」。出力850WでATX 3.1/PCIe 5.1に対応し、80PLUS Gold認証取得。フルモジュラーで奥行き14cmとコンパクトだ

 お立ち台付きPCケース、と言っても組み込み作業自体は普通のPCケースと大きく違うわけではない。内部スペースが広くデュアルチャンバー構造なので、パーツ類の組み込みやケーブルの処理は非常にラクだ。マザーボード上部側のEPS 12ピンコネクター周辺、マザーボード下部の各種ピンヘッダー周辺にも十分なスペースがあり、目視確認や手を入れての作業にもほとんど支障はない。

組み込み完了後の左側面内部全景。ケーブルを整理してカバーで隠しているためだいぶスッキリまとまっている
マザーボード上部、2本のEPS12V電源ケーブルの接続部周辺。ファンやラジエーターとのクリアランスも十分確保されている
マザーボード下部(ビデオカードは取り外してある)。こちらも十分スペースがあるため、見えない/見にくい、手が入らないといったことはない

 「見せるPC」のセッティングでは、いかにケーブルが悪目立ちしないように処理するかがポイントになってくるが、MasterFrame 360には、ケーブルや2.5/3.5インチドライブを隠すためのカバーが表面、裏面に取り付けられており、面積的にも広いので、正直なところ、ケーブルをあまりきれいにまとめられなくても余裕で隠せる。とはいえ、ここで手を抜き過ぎるとメンテナンス時などに苦労することにはなるので、ある程度キレイに整理しておいたほうがよいとは思う。

組み込み完了後の裏面配線側の全景
カバーで隠しているため、電源ユニット周辺などのごちゃっとした様子は見えない
カバーを外した全景。見えないとはいえ、ある程度キレイにまとめておいたほうが後で困らない
組み込み後の表面カバー周辺の様子。今回は2.5/3.5インチドライブを使わなかったため、そもそもこのカバーで隠すものは最低限だったが、ケーブルだけではなく、広く開いた開口部もデザイン的に“カッコイイ!”というものでもないので、このカバーはなかなか有効のように感じる

 ファンやラジエーターについては、天板と底面のマウンターに取り付ける。マウンターはそれぞれ4本のレール状プレートになっており、これを組み合わせて最大で3基×2列=6基のファンを取り付けられる。マウンターは着脱可能で、マウンターにファンやラジエーターを取り付けてからケースに戻して固定、という作業手順となる(特に底面については、脚がある関係でマウンターを外さないとファンの固定が難しい場所がある)。

天板に固定するラジエーターとファンをマウンターに取り付けたところ。水冷クーラーのチューブを前後どちらから出すか悩むところだが、スペースには十分余裕があるのでお好みとチューブ長の余裕次第
こちらは6基分のファンをマウンターに固定した底面側。SickleFlow Edge 360 ARGBは4カ所のネジ止めだけでOKなので取り付け作業が楽
マウンターに固定したファン群をケースに取り付けた状態。底面、天板ともに構造は同じ。底面側から吸気し、天板側から排気する設置方向とする

 今回、9基分のファンと36cmラジエーター+ファン3基分を取り付けたのだが、ファンもCPUクーラーも3連ファンが一体構造になったものを利用したこともあって作業の負荷はかなり低かった。ただ、マウンター側のネジ穴が微調整可能な範囲のない丸穴だったため、高精度にジャストサイズに仕上がっているファンを取り付けるのはちょっとだけ苦労した。取り付けてしまえば「なんてぴっちり収まるんだ!」となるので気持ちよいのだが……大昔にたまにあった「ネジの位置の精度が甘いのを、取り付け場所の多少の遊びや微調整、力業で吸収するしかない」という状況とは大違いである。

ケースにファン群を取り付けた。繰り返しになるが、空間には十分余裕がある。12cmファン×3やラジエーターを取り付け位置に仮置きするだけでも苦労するケースもたまにあるが、本機は空間にたっぷり余裕があり、作業は非常にしやすい。ファンを固定した状態でケーブルの着脱することも可能なほどだ

 今回、液晶モニター搭載のStage LCDをサンプルとして使用したが、お立ち台のモニターを活用するにはフロントパネルから延びるケーブルの結線が必要で、電源供給にはSerial ATA電源の接続、モニターのドライバーのインストールや表示のカスタマイズにはUSB 2.0ピンヘッダーとの接続が必須だ。

Stage LCDのお立ち台のサイズ感はこんな感じ(Stage Mirrorも同様)。スペックシートには最大サイズの記載があるが、高さと幅についてはそれよりも多少大きくても大丈夫

 液晶モニターには、画像/動画を自動表示する「Playback Mode」、Windowsのサブモニターとして利用できる「Secondary Screen Mode」、液晶モニターの設定を行う「Access Mode」の3つがある。デフォルトはPlayback Modeで、電源投入時はWindowsの状況とは関係なくこのモードで動作している。

 Windowsと連携して利用するにはドライバーのインストールが必要だ。Windows起動後に本体前面底部にある3つのボタンのうち、中央+右ボタンを長押しするとAccess Modeに切り換わり(もう一度長押しすると元のモードに戻る)、WindowsがモニターをUSBストレージとして認識する。このUSBストレージには、Windows用ドライバー、モニターに表示する画像や動画を収納するフォルダー、モニターに表示できるように動画を変換するユーティリティが同梱されている。モニターの表示内容の制御には特にツールが必要なく、前述のフォルダーにファイルを置き、液晶モニターを再びPlayback Modeに戻せば、フォルダー内のファイルを順にループ再生してくれる。

お立ち台正面下部/ボタンの位置を示すガイド。ここから底面に指を入れると、3つボタンがあるのが分かる。液晶モニターの操作はこのボタンで行う
寝かしてお立ち台底面のボタン。左ボタンを短く押すとPlayback ModeとSecondary Screen Modeの切り換え、中ボタンと右ボタンで輝度の調整、左ボタン長押しでモニターOFF

 Secondary Screen Modeでは、本機のモニターはWindowsによる制御で動作するため、基本的には普通のデスクトップとして機能する。Playback Modeでは表示できるファイルの種類やサイズに制限があるが、Secondary Screen Modeでは使用するWindowsアプリ次第なので自由度が高い。ここを“お立ち台の背景”としてフル活用しようということであれば、Secondary Screen Modeで使用して用途に応じたアプリをここに表示するとよいだろう。

内蔵液晶モニターのモード
Playback Mode。ケース内のメモリに保存した動画、静止画を自動再生する
Access Mode。ケース内のメモリをWindowsにUSBストレージとしてマウントする
Secondary Screen Mode。マルチモニターとしてWindowsの画面を表示できるので自由度は一番高い。解像度はフルHDの縦置き
Access Modeに入ると、モニターがストレージとして認識される。Secondary Screen Modeで使用するには「DRIVER」フォルダー内のインストーラーを実行する。Playback Modeで表示する動画と静止画は、それぞれ「MP4」および「JPG」フォルダーにファイルを置くだけ
Playback Modeに表示できるデータに変換するのに使える「CM Converter」が付属。「TOOL」フォルダー内にインストーラーが収録されている

 なお、フロントパネルから延びているARGB LEDのケーブルはお立ち台上部のスポットライトのもの。マザーボードのRGB LEDコネクターの数にもよるが、複数のRGB LEDファンやCPUクーラーを組み込む場合は、上手く系統を整理してマザーボードにつなげたほうが発光の制御、演出の調整がしやすいだろう。今回の環境では、「底面ファン6個」、「天板ファン3個+CPUクーラー」、「お立ち台スポットライト」の3系統に分けてマザーボードに接続し、マザーボードのユーティリティで管理するようにした。

お立ち台上部スポットライトは自在に角度を変えられる。ARGB LEDなので、マザーボードなどに接続して発光の調整が可能
今回は大人の事情であまりいろいろ置いてみるわけにもいかないが……積んでしまっているプラモやフィギュアの山を崩すきっかけになる――かも!?

大量のファンを設置可能で冷却性能は優秀ハイエンドパーツも安心して利用できる

 本機の最大の見せ場はここまでにお見せしたような“お立ち台”を活かしたものではあるが、基本的な性能についても一通りテストしたのでご紹介しておく。まずは基本パフォーマンスを見るPCMark 10および3DMarkから。

PCMark 10の計測結果
3DMarkの計測結果

 いずれもスコア的にはこの構成のPCとしては妥当なもので、冷却不足、排熱不足によるパフォーマンス低下などが起きている様子はない。ファンが合計12個も入っているのだが、静音性もかなり優秀なSickleFlow Edge 360 ARGBを使用していることもあって、テスト中の負荷の高い状況でも耳障りな騒音になるという印象はなかった。

 また、テスト結果を見る限り、ライザーケーブル経由で接続しているビデオカードのパフォーマンスが著しく低下している様子はない。PCI Express 5.0 対応というだけあって品質はかなり高いケーブルと判断してよいだろう。見せる、映えるに特化したケースだが、パフォーマンス面にも抜かりがないのは大きなポイントだ。

 次にCPU、GPUの温度を見てみよう。今回はCinebench 2026(Multi ThreadsおよびGPU)のスタートから10分間、およびPCMark 10のスタートから15分間のCPUおよびGPUの温度と実効クロックの推移を追った。計測に使用したツールはHWiNFO 64、CPU温度はCPU (Tctl/Tdie)の値としている。PCMark 10の推移については、前述のテスト中にモニタリングしたものだ。

Cinebench 2024(Multi Threads)実行中のCPU温度および実効クロックの10分間推移
Cinebench 2024(GPU)実行中のGPU温度および実効クロックの10分間推移
PCMark 10実行中(約14分間)のCPU温度および実効クロックの15分間推移
PCMark 10実行中(約14分間)のGPU温度および実効クロックの15分間推移

 アッパーミドル構成のPCということもあり、温度の推移は十分に余裕がある状態。単純に負荷が高いCinebench 2026においても、実効クロックは十分に期待どおりの値が得られている。PCMark 10はCPU/GPUの負荷がCinebench 2026ほど上がらないこともあって、温度は終始低めで推移。総合的に見て、Windows上で各種アプリを利用する上では熱による悪影響などは出ないものと判断できる結果だ。まだまだ余力はありそうなので、もっと高性能な構成でも悠々利用できるだろう。

刺さる人には強烈に刺さる楽しさと、PCケースとしての実用性が融合

 いろいろなアイデアが登場している「見せるPC」の中には、PC内部の空間やピラーレスケースの構造を活かして、小物やフィギュアなどを収めたPC作例――というよりも “作品”と呼んでもよいほどのものもある。そこまで突き詰めたものを作るのはなかなか容易ではなく、場合によってはPCとしての扱いやすさに多少なりとも影響してくる可能性も出かねない。しかし、“お立ち台にお気に入りのアイテムを置く”くらいであればチャレンジのハードルはぐっと下がるし、PCの実用性にはほとんど影響がない。さらに、ミラーや液晶モニターを巧みに用いた“作品”作りを目指すなら、その発展性や将来の楽しみはさらに広がっていく。お立ち台の活用は、PCを組み合わせたホビーとして楽しいものになるはずだ。

 もちろん、MasterFrame 360のPCケースとしての使い勝手は、最新トレンドを上手く昇華したハイレベルなもの。発熱もサイズも大きいハイエンドパーツの運用も苦ではないだろう。標準の状態ではケースファンが未搭載である点には注意が必要だが、ファンを別途用意し、底面から天板に向けてエアフローができるようにセットアップするのがオススメだ。ぜひご自身の手で、飾るのも見るのも楽しい自作PCを作り上げてみてはいかがだろうか?