【 2000年1月22日号 】

Ultra160 SCSI関連製品が続々と登場
HDDに続いてインターフェイスカードなどが発売に

SIDE DU3160SIDE DU3160
【SIDE DU3160】【SIDE DU3160】
ASC-29160ASC-29160
【ASC-29160】【ASC-29160】
Ultrastar 18LZXUltrastar 18LZX
【Ultrastar 18LZX】【Ultrastar 18LZX】
P3C-LSP3C-LS
【P3C-LS】【Adaptec AIC-7892B】

 160MB/sのデータ転送スピードを実現する最新インターフェイス「Ultra160 SCSI」に対応した製品がショップに並び始めた。

 IBMからは10,000rpmの対応HDDが登場し、IwillとAdaptecからは対応インターフェイスカードが登場。さらにASUSからはUltra160 SCSIコントローラーがオンボードのマザーボードまで発売になっている。

Ultra2 SCSIの倍の160MB/sを実現

 Ultra160 SCSIは、160MB/sものデータ転送スピードを持つ最新のSCSI規格。DDRメモリと同じ原理のダブルエッジクロッキング機能により、クロック数を上げずにデータ転送速度を倍速化しているため、これまでのSCSI機器との接続性や互換性を保ちつつ高速な環境が構築できるという特長を持つ。160MB/sというのは、これまでSCSI規格の中で最もデータ転送速度の速かったUltra2 SCSI(LVD)の倍にあたる。なお、ケーブルやコネクタ、ターミネーターなどはUltra2 SCSIと同じものを使い、従来のSCSI規格と完全な下位互換性を持っている。

続々と対応製品がデビュー

 アキバでは先週から今週にかけて、Ultra160 SCSI対応のHDD、インターフェイスカード、マザーボードが続々と登場している。Ultra160 SCSI対応の製品は昨年の段階で各社からいくつも発表されていたが、実際にショップに並ぶのこれが始めて。

 先週から販売が始まっているのは、IBM製HDDの「Ultrastar 18LZX(DMVS-18)」。10,000rpmの高速スピンドルを採用した18.3GBのHDDで、BLESSではUltra2 SCSI対応版とUltra160 SCSI対応版の2種類を69,800円で販売中。この2バージョンは見た目で判断するのは難しく、同店ではHDDに記されているパーツナンバーで見分けているそうだ。

 インターフェイスカードは2製品出ている。1つはAdaptecの独自コントローラーを搭載した「Adaptec SCSI Card 29160(ASC-29160)」で、これは64bit PCI対応(従来の32bit PCIでも使用可能)のシングルチャネルUltra160 SCSIカード。マニュアルとドライバが付属したバルク品で、価格は26,800円~32,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。また、PCiN秋葉原では同じシリーズの19160、29160N、39160の3モデルも来週入荷する予定になっているそうだ。

 もう1つのUltra160 SCSI対応インターフェイスカードはQLogicのコントローラーを搭載したIwillの「SIDE DU3160」。こちらはデュアルチャネルのUltra160 SCSIカードで、結果的にカード側で計320MB/sのデータ転送域が必要になるために、バスは66MHz/64bit PCI対応となっている。販売されているのはケーブルなどがすべてセットになったリテールパッケージ品で、日本法人の保証付き。TWO-TOP秋葉原1号店が32,800円で販売中だ。このほかにも、インターフェイスカードに関してはSIDE DU3160とほぼ同性能のRIOWORKS製「Viper SCQ-U3」がフェイスで週明けに販売される予定になっている。なお、これらのカードの性能をフルに活かす目的で66MHz/64bit PCIを利用しようとすると、現状ではマザーボードの選択肢が今週から発売になっているi840チップセット搭載の「SUPERMICRO PIIIDME」しかないので要注意だ。

 そして、ASUSからは早くもAdaptecのUltra160 SCSIコントローラーをオンボードにしたマザーボードが発売されている。製品はi820チップセット搭載の「P3C-LS」。RIMMスロットを2本備え、Ethernetコントローラーもオンボードにしたサーバ向け製品だ。価格は54,800円~61,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

SCSIは160MB/s時代に

 いずれも、基本的にはRAIDを利用したサーバーなどで活用するための製品で、個人で使用するにはメリットが少ないとはいえ、ストレージの環境強化に力を入れている人には気になる製品に違いない。インターフェイスカードの価格が最新SCSI規格の初物としては手頃だというのも魅力的ではある。

 どの製品も流通量がまだ少量とはいえ、これでUltra160 SCSIの環境を構築するための最低限のパーツが出揃ったことになる。Ultra160 SCSI時代の幕開けというわけだ。

□Ultra160 SCSI Website
http://www.ultra160-scsi.com/
□DMVS-18(IBM)
http://www.storage.ibm.com/hardsoft/diskdrdl/prod/us18lzx36zx.htm
□Adaptec SCSI Card 29160(Adaptec)
http://www.targetpages.com/adaptec/gotscsi/29160.html
□SIDE DU3160(Iwill)
http://www.iwill.net/products/Spec.asp?ModelName=SIDE%20DU3160&SupportID=
□P3C-LS(ASUS)
http://www.asus.com.tw/Products/motherboard/Pentiumpro/P3c-ls/

[撮影協力:TWO-TOP秋葉原1号店PCiN秋葉原BLESS]


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