【 2000年3月11日号 】

ダイハードBIOSと純金ヒートシンク(?)搭載のマザー「AX64 Pro」
2つのBIOS ROMを搭載、純金はオーバークロック用?

AX64 Proパッケージ
【AX64 Pro】【パッケージ】
BIOS ROMが2個純金ヒートシンク
【BIOS ROMが2個】【純金ヒートシンク】
24K純金の効果Die-Hard BIOS
【24K純金の効果】【Die-Hard BIOS】

 GIGABYTEに続いて、今度はAOpenからBIOS ROMを二重化したマザーボード「AX64 Pro」が発売された。二重化されたそのBIOSの名は“ダイハード(Die-Hard)BIOS”。つまり、二重化によってダイハード(なかなか死なない)なBIOSになっているというわけだ。

 製品はApollo Pro133Aチップセットを搭載したSlot 1対応マザーボード「AX64 Pro」で、価格は14,800円~15,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

ダイハードなBIOS

 「AX64 Pro」は、1999年7月にApollo Pro133チップセット搭載マザーボードの第1弾として登場した「AX63 Pro」の言わばApollo Pro133A版。といっても、チップセットが変わっているだけではなく、部品配置や拡張スロットの構成なども変わっているほか、新たにダイハードBIOSという仕組みを採用している点が大きく違う。

 このダイハードBIOSとは、その名の通り“なかなか死なないBIOS”のこと。GIGABYTEがDual BIOSの名でBIOS ROMを二重化して話題になったように、このダイハードBIOSもBIOS ROMを2つ搭載することで、BIOSの信頼性を高めている。何らかの原因で例え一方のBIOS ROMにトラブルが起こったとしても、もう一方に切り替えることですぐにリカバリーできるというわけだ。マニュアルによると、通常時に使用するBIOS ROMのほかにレスキューROMという名の緊急用BIOS ROMが搭載され、どちらを使って起動するかはジャンパ設定で決めることができる。自作PCユーザーにありがちなBIOSアップデートの失敗や、β版BIOSでのトラブルなどもこれで簡単に復旧でき、安心して使えるというわけだ。

24K純金ヒートシンク?

 このマザーボードのユニークな点はほかにもある。この製品はチップセット上に金色のヒートシンクがついているのだが、これが同梱されている日本語マニュアルによると、なんと「24K純金ヒートシンク」なのだという。解説には「オーバークロック時には、純金ヒートシンクがより良い熱放散性を提供します」とまで書かれている。見た目にはAOpen製マザーボードで見慣れたいつものヒートシンクなのだが、これが純金なのだという。おそらく純金のメッキという意味と考えられるが、いずれにしてもなかなかゴージャスな仕様だというほかはない。

 ほかにも、バッテリーなしでCMOSセットアップの内容を保持する特殊な方式を採用していたり、CPUコア電圧が可変なこと、FSBも66MHz~150MHzまで幅広く設定でき、マニュアルの随所にオーバークロックのための説明が付記されているなど、明らかにパワーユーザー向けの内容となっている。

 Apollo Pro133Aチップセットを搭載しているため、AGP 4x、Ultra ATA/66、FSB 133MHz、VC-SDRAMサポートなど、最新スペックが満載。ダイハードBIOSと純金ヒートシンクもセットで、最近には珍しく個性的なマザーボードに仕上がっているのは確か。人と違ったマザーボードを求めているという人には、いい有力候補になるかも知れない。

□AX64 Pro(AOpen)
http://www.aopen.com.tw/products/mb/ax64pro.htm

[撮影協力:ツクモパソコン本店IIWAVE EYE秋葉原店クレバリー1号店]


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