【 2000年4月1日号 】

SuperDiskやHiFDに続いてUHD 144規格の大容量FDDが登場

UHD 144UHD 144
UHD 144UHD 144

 大容量FDDの規格と言えば100MBのZip、250MBのZip 250、120MBのSuperDisk(LS-120)が有名で、最近では200MBのHiFDも製品として登場しているが、実はこのほかもにいろいろと規格が存在している。例えば、3年以上も前にミツミ電機が生産計画まで発表しながら、未だ製品が出回らない128MBのUHC(Ultra High Capacity)規格や、国内ではほとんど知られていないUHD 144(Ultra High Density 144MB)という規格まである。

 UHCは依然として製品が出てきていないが、アキバでは今週、UHD 144規格の製品が突如出現した。UHD 144はアメリカのCaleb Technologyという会社が単独で提唱している144MB容量のFDD規格で、SuperDiskやHiFDと同様に従来の1.44MB 2HDメディアが読み書きでき、ドライブの製造コストが安いという特徴がある。販売が始まったのは、Caleb自身が製品化した内蔵用ドライブ「UHD144i」で、価格はメディア1枚とセットで5,980円。2HDメディアとの互換性を持つ大容量FDDとしては、確かに飛びぬけて安い。メディア単独の価格は1枚1,980円。

 ドライブのインターフェイスはATAPIで、ジャンパを切り替えることでMasterとSlaveの設定が可能。最近のマザーボードであれば、特にBIOSなども意識せずに使えるようだ。メディアは2HDのものと比べると、外見上は磁性体を保護するスライドカバーの形が若干違う点と、ライトプロテクトのスライドスイッチがないという点が異なる。結果的に、従来のFDDにUHDメディア挿入した場合は常にライトプロテクトがかかって書き込めない状態になる。Web上の資料によると、ユーザーがUHDメディアのライトプロテクトの制御を行うにはソフトウェアが必要で、またWindows上ではUHDメディアに対するDiskcopyコマンドが正しく動かないため、やはりソフトウェアが必要とある。しかし、現在売られているバルク品には特にこうしたソフトウェアは添付されておらず、この点は注意が必要。また、UHDのメディアは出荷時に特殊な情報を含む形でフォーマットされているのか、ユーザー側で再度フォーマットしないようにとの条件がつけられている。

 編集部で試したところでは、Windows 98上でUHDでも2HDとしても読み書きができ、2HDで約1.2MBのデータ書き込みに105秒、UHDでは約55MBのデータを書くのに約330秒かかった。メディアの安定供給が今後できるのか、サポートはどうなるかなど気になる点はいろいろあるが、とにかく安くて誰も持っていない大容量FDDという点で、最近では珍しい“未知の人柱用アイテム”ということはできそう。現在販売しているのは、PCiN秋葉原のみ。

 なお、テストでは2HDのメディアがフォーマットできないという問題も発生したが、これが環境固有の問題なのか、添付ソフトウェアがないせいなのか原因は特定できなかった。

□Caleb Technology
http://www.calebstor.com/

[撮影協力:PCiN秋葉原]


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