|
GHz時代突入でユニークなCPUクーラーが続々と登場
1.2GHz対応をうたうものあり、妙な形のものあり
【TwisterSECC2(表)】 | 【TwisterSECC2(裏)】 |
【TwisterSECC2(横)】 | 【Twisterシリーズ】 |
【TwisterS370(上)】 | 【TwisterS370(下)】 |
【TwisterS370(横)】 | 【CoolerMaster開発中】 |
【DRACO-Thunderbird】 | 【1.2GHz対応】 |
【GlobalWIN VOS32】 | 【GlobalWIN WAA08】 |
●新構造のTwisterシリーズ
CUSTOMが販売を始めたTwisterシリーズは、アルミ鋳造製の高価な国産CPUクーラーで、構造が極めてユニークなのが特徴。U字のダクト構造を持つSECC2(Slot 1)用の「TwisterSECC2」と、ヒートシンクが複雑な形状になっているFC-PGA(Socket 370)用の「TwisterS370」の2モデルがある。
「TwisterSECC2」は、ヒートシンク部分が垂直のU字型ダクト構造で覆われているユニークなSECC2用CPUクーラー。ダクト構造の両端にはファンが取り付けられており、一方が吸気、もう一方が排気の役目を担い、ダクトの一方からもう一方へ強制的に通気を行うことで中のヒートシンクを冷やす仕組みになっている。その構造はもちろん、ヒートシンク部分を覆う蓋にあたる部分が半透明のアクリル板になっているため、内部構造が丸見えで、見た目のインパクトもかなり大きい。CPUの動作クロックに関する保証表示がないため、実際にどれほどの冷却性能を発揮するのかは未知数だが、1GHzオーバーでも十分使えるのではないかとの期待を抱かせる新構造ではある。
FC-PGA用の「TwisterS370」もユニークな形状になっている。ファンがついた状態では一見普通のCPUクーラーだが、ファンを外してヒートシンクの形状を見ると、その複雑さに驚く。CPUコアより少し上にあるベース部分が、4枚羽根のファンのような形になっており、羽根の部分には傾斜があり、その先に穴が空いている。つまり風の流れがこの4つの穴を通る形になり、その羽根の下には風の流れに合わせて曲線のヒートシンク、その上に間欠のらせん状に長いヒートシンクが配されている。よくある、単純な板に横一線のヒートシンクがついた製品とは明らかに異なる構造で、メーカー側はこれを「波及吸気システム」と呼んでいるらしい。こちらも実際の冷却性能は未知数だが、大いに興味をそそられる製品ではある。
どちらも国内で手作業で造られているために価格は高く、「TwisterSECC2」が13,800円、「TwisterS370」が10,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)となっている。メーカーは名古屋にあるピー・エム・シー。高価なのが難点だが、マニアには注目の製品と言えそうだ。
●1.2GHz対応やヒートパイプ付きなど新作続々
今週発売された新型のCPUクーラーの中には、ほかにも目新しいものがいくつかある。
「DRACO-Thunderbird」はSocket A/Socket 370に対応したCoolerMasterの最新CPUクーラーで、“Thunderbird 1.2GHz & FC-PGA 1.2GHz対応”と公式にうたっている製品。構造的には目新しいところはないが、大型ファンを採用しているため、見た目にも冷却効果は高そうだ。まだ実在しない1.2GHz動作のCPUへの対応をうたっているところからしても、ある程度余裕がありそう。実売価格は2,980円~3,980円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。また、CoolerMaster製品に強い高速電脳によると、同社は銅板とヒートパイプを使ったSocket A/Socket 370用のCPUクーラーも開発中とのことで、すでに同店では試作品をテストしている最中という。
さらにGlobalWINからは、大型ヒートシンクにダブルファンを乗せたSlot 1/Slot A用CPUクーラー「VOS32」と、透明プラスチック板による組み立て式通風ダクトを使用するケース用ファン「WAA08」がセットになった1GHz対応クーラーキット「VOS32KIT」が3,880円~5,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)で発売になっている。
これらに限らず、このところクーラー製品の新型が相次いで登場しており、性能の高さをウリにするものや、構造の新しさをウリにするものなど特徴も様々。とにかくスピードと安定性を求めるPCマニアにとっては目移りするような状況になっている。
●アルファ製クーラーやガス冷却ケースに人気
ある代理店によれば、1GHzのCPUが登場して以来、冷却性能の高さで以前から定評のあるアルファ製CPUクーラーが急速に売上を伸ばしているという。また、ガス冷却システムを採用し、CPUを氷点下15度にまで下げるというPCケース「Vapochill」の販売を始めたLaser5も、8万円前後する高価なシステムながら売れ行きは好調というから、強力なCPU冷却に対するニーズはこれまで以上に高まっているようだ。オーバークロック需要の面も否定はできないが、CPUもGHzクラスでの動作となると冷却の具合によって安定度も左右され、以前よりCPUクーラーが重要なパーツとして認知され始めているのは確か。
CPUがGHz時代に突入して、一番“ホット”な分野がCPUクーラーだといっても過言ではない。競争が激しくなってきているぶん、これらまだまだ新しい製品が出てきそうだ。
□Coolermaster
http://www.coolermaster.com/
□VOS32/WAA08(GlobalWIN)
http://www.globalwin.com.tw/new-product/vos32.html
(CPUクーラー) |
[撮影協力:CUSTOMと高速電脳とAZ'TECとPCiN秋葉原とOVERTOP]
[↓次の記事]: | SOLTEKから妙な日本語で喋るマザーボードが発売に |