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倍率変更可能なSocket Aマザー「A7V」に人気集中
「A7V」は国内で最も人気のあるマザーボードメーカーASUSから発売された初めてのSocket A対応マザーボード。Apollo KT133チップセットを搭載し、PROMISEのUltra ATA/100対応IDEコントローラーPDC20265も搭載している。定評あるメーカーの製品ということで、もともと人気を呼ぶことは必至だったが、発売前にネット上で“CPU動作クロックの内部倍率を強制的に変更するディップスイッチがついている”という情報が流れたため、前評判が一気に過熱した。
現在アキバに出回っているのはオーディオ機能付きの「A7V-WA」とオーディオ機能なしの「A7V-WOA」の2種類。いずれもマニュアルには記載がないものの、マザーボード上には「DSFID」という項目のシルク印刷があり、そこには5.0×~12.5×まで0.5×刻みで倍率を変えるための6連ディップスイッチ用設定の一覧が書かれている。6連のディップスイッチはDIMMスロットとIDEコネクタの中間に存在し、FSB設定用の4連ディップスイッチ“DSW”の隣に配置されている。ただし確認できた限りでは、この6連ディップスイッチは「A7V-WOA」のみにしかついていない。そのため、店頭でも「A7V-WOA」が真っ先に売れていくという。
言わばSlot A版Athlon用で知られるオーバークロックツールのSocket A版がマザーボードにオンボード搭載されたようなもの。しかもSocket A用CPUに対して動作クロック倍率の変更をサポートする製品はこれが初めてということで、注目度が高くなるのも当然。
ただし問題もある。CPU側の改造が必要な場合もあり、そう簡単に「A7V-WOA」さえあれば誰でも自由に倍率変更ができるというわけでもない。現在市場に出回っているSocket A用のDuronやAthlonは、倍率固定になっているものとそうでないものがあり、固定化されていないものはそのまま「A7V-WOA」のディップスイッチだけで倍率変更できるものの、そうでないものはCPU自体の改造が必要になってしまう。見分け方はCPU表面にある“L1”と書かれた4つの電気ブリッジの状態を見ることで、これが全てオープンであれば倍率固定、ショートであれば倍率変更可能なものということになる。このブリッジはCPUにかなり目を近づけなければ確認できないほど小さい。必要な改造というのは、オープン状態の電気ブリッジを全てショートにすること。しかし、これは道具を使わないとできないもので素人には難しくリスクも大きい。このあたりは実証実験レポートを掲載しているZZR250氏の運営するホームページが詳しいので、興味のある人は参考にしてみるといい。
また一部ショップの話によると、このディップスイッチは初期出荷の製品だけについているもので、これ以降の製品では省かれる可能性もあるというから、マザーボード側の環境がこのまま維持されるとも限らない(現在のマザーボードのRev.は1.01)。
いずれにしても、倍率変更の実現はCPUの改造が必要になる場合もあるリスクの大きいもので、誰もができるというものではないということは確か。基本的にはメジャーメーカー製の製品ということで、安定性やサポートに期待して手に入れるというのが本来の姿ではある。
実売価格は「A7V-WA」が18,799円~21,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、「A7V-WOA」は16,800円~23,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
□ZZR250's HomePage
http://www2s.biglobe.ne.jp/~fw190/
□A7V(ASUS)
http://www.asus.co.jp/Products/Motherboard/socketa/a7v/index.html
(ASUS A7V) |
[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOPとツクモパソコン本店IIと高速電脳]
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