【 2000年9月15日号 】

自作PC用の液晶一体型PCケースがついに登場

Palladine LCDpcPalladine LCDpc
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 シンガポールのメーカーが開発した液晶一体型PCケースの単体販売がアキバの一部ショップで始まった。フロントパネルに15インチTFT液晶とFDDとCD-ROMドライブ用のベイなどを搭載し、その裏側にマザーボードを詰め込むという、Panasonic WiLL PCやSHARP Mebius Vinoなどに似た構造になっている。フェイスが販売を始めたもので、価格は109,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 製品はRichfield Innovationsというメーカーが開発した「Palladine LCDpc(GPC-00J-B)」。最大1,024×768ドット表示が可能な15インチTFT液晶ディスプレイを搭載し、内蔵するマザーボードにはmicroATXフォームファクタの製品が使える。また、フロントパネルには液晶とスピーカーのほか薄型FDDが標準で内蔵され、その上にはDVD-ROMドライブやCD-Rドライブなどを自由にセットできる5インチベイが1つ用意されている。液晶の入力コネクタはアナログタイプで、ケース背面にビデオカードのVGA出力と接続するためのケーブルが出ている。電源容量は不明。

 この製品で注意しなければならないのは、マザーボード収納部の奥行きが規格の24.4cmよりも短い約21.5cm(実測)となっているため、実際に使えるマザーボードがかなり限定されてしまう点。確実に使える例としては、同店が展示中のデモ機で使用している、i815Eチップセット搭載Socket 370対応マザーボードのGIGABYTE GA-6OMM7Eが挙げられる。また、マザーボードのすぐ真上にHDD用の3.5インチベイがあるため、背の高いCPUクーラーなどが設置できない点や、I/Oポート周辺のバックパネルが固定式で交換できないといった注意点もある。

 PCの構成部品を全て内蔵して奥行きが約30cm(実測)というコンパクト設計のため、マザーボードのサイズ制限がつくなどの注意点はあるが、手軽に液晶一体型オールインワンPCを作れてしまうというのは大きな魅力。コンパクトでローコストなサブPCとして活用するも良し、世界最速の省スペースPC作りに挑戦するも良し。

 これまでタワー型を中心とした自作PCの世界が、液晶一体の省スペース型にまで広がったという意味で、この製品の存在意義は大きい。価格が高いと感じる人もいるかもしれないが、15インチTFT液晶ディスプレイ単体での実売価格が10万円前後であることを考えれば、むしろ安いと言っても過言ではない。

 これをきっかけに、自作PCの世界にも液晶一体型デスクトップPCの波が押し寄せてくる可能性もあるかも知れない。

□Palladine LCDpc(Richfield Innovations)
http://www.palladine.com/
http://www.rfcd.com.sg/

 (PCケース)

[撮影協力:フェイス]


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