【 2000年11月3日号 】

銅製部品までついた最高級ビデオカード「SPECTRA 8800」発売

SPECTRA 8800SPECTRA 8800
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 カノープスからGeForce2 Ultraを搭載したビデオカード「SPECTRA 8800」が発売になった。例によって同社の独自技術を駆使した高品質がうたい文句の製品で、今回はチップの冷却部品として銅板の「インタークーラーブレード」を使っているところが目新しい。

 「SPECTRA 8800」と言えば、6月のGeForce2 GTS搭載ビデオカード「SPECTRA 8400」が出た時点で、搭載メモリ量を32MBから64MBに容量アップした上位モデルとして開発中であることが伝えられ、一時アキバでは予約をとりはじめるショップも現れるほどだったが、その後この話は一旦キャンセルとなり、10月に改めてGeForce2 UltraとDDR SDRAM 64MBを搭載した製品として発表されたという紆余曲折の経緯がある。正式発表からはまだ1ヶ月も経過していないにもかかわらず、早耳のパワーユーザーにとっては実質約半年待ちというイメージさえする、ちょっと珍しい製品になっている。

 この製品が他社のGeForce2 Ultra製品と違うところは、ノイズを避けるためにビデオ信号を主基板から分離してコネクタまで延長するSSH技術や、ディスプレイに合わせてフィルタを任意に切り替えられるDFS技術など、SPECTRAシリーズ伝統の技術が採用されているほか、500MHz(250MHzのDDR)動作のDDR SDRAMチップを搭載して460MHz(230MHzのDDR)で動作させる高マージン設計である点、DDR SDRAMの高速アクセスを安定化させる変則6層プリント基板を採用しているなどの点で、さらに「インタークーラーブレード」と呼ぶ銅板の冷却部品を搭載しているのが目新しい。

 最近はCPUクーラーに銅製部品を使ったものが流行っているが、ビデオカードに銅製の冷却部品が搭載されているというのは珍しい。この「インタークーラーブレード」は、GeForce2 Ultraのほか、その近くに搭載されているDDR SDRAMチップも同時にカバーする大型のもので、その上に動圧流体軸受けを採用した冷却ファンがつけられている。SPECTRAシリーズは、どのモデルもビデオカードとしては見た目にはかなり似通った印象があるが、この「SPECTRA 8800」だけは、鈍い光を放つ銅のインパクトから、明らかにほかとは違う印象を受ける。

 これまでのSPECTRAシリーズではほとんど変化のなかったリテールパッケージも、この製品ではかなり違ったデザインに変更されている。今回は黒地に金の文字を使った豪華なイメージのデザインで、無数に製品が並ぶ店頭でも目立つ存在になっている。

 これだけの豪華仕様なだけに、価格も超豪華で、なんと実売価格は57,800円~69,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)となっている。今時のビデオカードとしては、まさに破格の高値。個人向けのビデオカードとしては性能も品質も最高峰だが、価格もそれなり、というわけだ。クオリティに金を惜しまないという人には、待望のビデオカードには違いないだろう。

 なお、「SPECTRA 8400」などと同様、「SPECTRA 8800」もPC本体の電源から直接電供給を受ける仕様になっているので、PC本体側の電源容量に余裕があるかどうかのチェックは忘れずに。

□SPECTRA 8800(カノープス)
http://www.canopus.co.jp/catalog/sp8800/sp8800_index.htm

 (カノープス SPECTRA 8800)

[撮影協力:エルプラザT-ZONE. PC DIY SHOPソフトアイランドギガパレス秋葉原店]


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