【 2001年1月27日号 】

“カノープス風”のGeForce2 MX搭載ビデオカードがSUMAから発売に
SSHテクノロジーにソックリのSIFテクノロジーを採用

SIFの概念図パッケージ
【SIFの概念図】【パッケージ】
基板全体サブ基板
【基板全体】【サブ基板】
ラインナップSSHの説明
【ラインナップ】【SSHの説明】

 黒い基板や金色のパーツを採用するなどユニークなデザインのビデオカードをいくつも製品化している韓国のSUMAから、今度はカノープスのSSH(Signal Super Highway)テクノロジーによく似た技術を採用した製品が登場した。

 ビデオ信号の品質を高めたほか、サブ基板を変えるだけでビデオ出力コネクタの構成をさまざまに変更できるのがウリという。

カノープスは対応を協議中

 製品はビデオチップにGeForce2 MXを採用した「PLATINUM GeFORCE2 MX SIF Type A」。メモリは32MB SDRAMを搭載している。黒い基板や金色のヒートシンクなどを採用している点は従来の製品を踏襲しているが、今回の製品はSIF(SUMA Individual analog Filter)という技術を採用している点が新しい特徴になっている。

 メーカ側の資料によると、SIFとはビデオチップから信号出力コネクタまでのビデオ信号を高架橋型のサブ基板を使ってメイン基板と分離する技術で、こうすることでノイズの影響を受けず、出力映像が高品質化できるという。どこかで聞いたような技術だが、実はこれ、カノープスがSPECTRAシリーズで採用し、特許申請しているSSHテクノロジーとほとんど同じもの。しかし、カノープスに確認したところでは「SSHは他社には一切ライセンスしていない。SUMAの製品は以前からWebで見て知っていた。現在顧問弁護士と対応を検討中。」という。ただし、厳密に比較するとカノープスの製品ではフィルターがメイン基板側にあるのに対し、SUMAの製品はサブ基板側にあるという違いがあり、このあたりで特許侵害を避けている可能性もありそうだ。

製品としての優位点は価格と豊富なオプション

 出力コネクタと一体化した高架橋式のサブ基板が交換可能になっている点もカノープス製品と同じだ。今回の製品に標準でついているサブ基板Type-AがVGAコネクタ1つだけなのに対し、Type-BはVGAコネクタ2つ、Type-CはVGAコネクタ+DVIコネクタ、Type-Dは5本のBNCコネクタ、Type-EはVGAコネクタ+3Dグラス用インターフェイス、Type-FはDVIコネクタが2つ搭載されている。代理店側からショップに伝えられている情報によると、これらのサブ基板は単体で販売される予定があるほか、今回の「PLATINUM GeFORCE2 MX SIF Type A」のように、それぞれのサブ基板とビデオカード本体がセットになった別モデルとして発売される予定もあるという。カノープスにもSPECTRAシリーズのオプションとして5本のBNCコネクタを搭載した「SSH Type-B」などの製品があり、SUMAは製品構成のほかに名前まで似せているのがわかる。

 技術の権利関係については不明な点はあるが、SUMA製ビデオカードはカノープス製品より価格が安く、サブ基板の豊富さで勝っているのは確か。カノープスとSUMAとではブランドの差に大きな違いはあるが、今後どんな売れ行きを見せるのか興味深いところ。

 日本語マニュアル付きで実売価格は13,980円~15,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 さて、SUMA vs カノープスはこのあとどんな展開を見せるのか…。

□PLATINUM GeFORCE2 MX SIF Type A(SUMASYSTEM)
http://www.suma.co.kr/product/product_view.php3?mode=view&pid=47
□SPECTRA 8800(カノープス)
http://www.canopus.co.jp/catalog/sp8800/sp8800_index.htm

 (SUMA PLATINUM GeForce2MX SIF TYPE A)

[撮影協力:コムサテライト3号店USER'S SIDE本店]


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