Apollo Pro266搭載マザーが登場、Pentium IIIでもDDR SDRAMが利用可能に
第1弾はGIGABYTEの「GA-6RX」、DDR SDRAM普及の起爆剤となるか？

【Pentium IIIでDDR】	【GA-6RX】
【North Bridge】	【South Bridge】
【DDR SDRAMスロット】	【Chipset Over Voltage】

　Socket 370用初のDDR SDRAM対応マザーボード「GA-6RX」がGIGABYTEから登場した。VIAの最新チップセットApollo Pro266を採用した製品で、4本のDDR SDRAM用スロットを利用して最大2GBまでメモリを搭載することができる。

　Socket Aに続いてSocket 370ベースのPCでもDDR SDRAMが使えるようになったことで、いよいよ本格的にDDR SDRAMの普及が始まることになりそうだ。

●チップセットはV-LINKバス採用

　「GA-6RX」が搭載しているApollo Pro266チップセットは、Socket 370用として初めてDDR SDRAMに対応したというほかに、チップセットのSouth BridgeとNorth Bridge間のバスにV-LINKを採用した最初の製品という特徴もある。

　V-LINKは、Intelがi810チップセットなどで採用したHub Interfaceと同様、データ転送のバンド幅を266MB/sに高めたVIA独自のデータ転送バスで、従来は汎用のPCIバスでつながれていた。これにより、South BridgeとNorth Bridgeは全て新しく設計しなおされ、いずれもまったく新しい型番で製品化されている。新しい型番はSouth BridgeがVT8233、Noth BridgeがVT8633。

●メモリとチップセットの供給電圧も変更可能

　記念すべきSocket 370用初のDDR SDRAM対応マザーボードとなった「GA-6RX」は、DDR SDRAM対応のメモリスロットを4本備える。これまでに発売されたSocket A用のDDR SDRAM対応マザーボードはどれも2本から3本しかないことを考えると、この点はメモリを大量に搭載したいユーザーにとって大きな差と言えそうだ。なお、国内代理店のバーテックスリンクは発表当初に最大メモリ搭載量を合計4GBとしていたが、発売直前になって2GBに訂正している（製品にも訂正の紙が同梱されている）。

　マザーボード上の機能も豊富で、IDE RAIDコントローラーをオンボード搭載しているほか、BIOS二重化機構のDual BIOSに対応、またサウンド機能はCreativeのCT5880を搭載、同梱ソフトにはオーバークロック用ツールのEasy Tune IIIなども含まれている。ハードウェア的なオーバークロック用機能についても対応範囲が広く、FSBやコア電圧の値を細かく変えられるほか、驚いたことにディップスイッチでメモリとチップセットの供給電圧まで変えられる機能も持っている。ただし、この設定は“Over Voltage”と“Normal”のいずれかを選ぶだけのもので、具体的な電圧値などは明記されておらず、これをいじることでどれほどの変化が起こるのかは不明だ。

●いよいよDDR SDRAMも本格的な幕開け？

　AMDプラットフォームのSocket Aと、IntelプラットフォームのSocket 370がともにDDR SDRAMを利用できる環境になったことで、いよいよ自作PCマーケットではDDR SDRAMの普及が一気に加速する可能性が出てきた。Pentium 4とRIMMの普及で苦戦しているIntelを尻目に、AMDとVIAが主導で普及を進める新メモリ規格が徐々に浸透し始めているという点は興味深い。

　「GA-6RX」の実売価格は22,500円～26,800円（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。

□GA-6RX（Gigabyte Technology）
http://www.gigabyte.com.tw/products/6rx.htm

（GIGABYTE GA-6RX）

[撮影協力:高速電脳とコムサテライト3号店]

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