【 2001年3月3日号 】

Athlon/Duronの倍率変更を可能にするSocket A用ゲタが発売に

PK-OCK7/EV6PK-OCK7/EV6
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 ついに、どんなマザーボードでもAthlon/Duronの内部動作クロック倍率を手軽に変更できるSocket A用ゲタが発売になった。一部ショップが予告していた通り、Athlon/Duron用のオーバークロックシールで一躍有名になった、メルコのオリジナルブランドD2000から発売された製品で、製品名を「PK-OCK7/EV6」という。

 「PK-OCK7/EV6」はAthlon/Duronを手軽にオーバークロックするための画期的な製品。L1ブリッジを簡単に導通状態(クローズ)にするオーバークロックシールと、倍率指定を行うディップスイッチ付きのゲタがセットになったもので、これを使うことで、これまで非常に手間のかかる作業だったAthlon/Duronの内部動作クロック倍率の変更が簡単にできてしまう。まずシールを使ってAthlon/Duronの倍率固定ロックを解除し、あとはディップスイッチで好きな倍率に変更すればよい。これまでは、L1ブリッジをなんらかの導通剤を使って手作業でクローズし、さらにL1~L7ブリッジも様々な組み合わせで同様にクローズするか、倍率変更機能を持つマザーボードと組み合わせて実現するしかなかった。

 いわゆる“ゲタ”は、Socket Aの上にさらに別のSocket Aを上乗せする構造のもので、基板上には倍率変更用のディップスイッチが2つ設けられている。2つのスイッチとは、4連ディップスイッチのSW1と、8連ディップスイッチのSW2のことで、さらに基板上にはSW3というディップスイッチを載せるための空きパターンも用意されている。基本的に製品としては倍率変更の機能しか持っていないことになっているが、SW3に自分でスイッチをつけることで電圧の調整などを行う裏技が使える可能性もありそうだ。また、ゲタの裏側には、いくつかのピンの根元に意味深な丸いマークがつけられており、これにも何か特別な意味がありそうだ。

 なお、一部のショップが独自にマニュアルを配布している例もあるが、基本的には製品にマニュアルは付属しない。どういう設定でどんな倍率になるのかは自分で調べなければならないが、これはSW3の件も含め、あくまでも販売対象が自分自身で解決できるパワーユーザーに限定しているところに起因する意図的なハードルらしい。「これを見て何にどう使うかわかる人だけ買ってください」という、メーカー側が設定した意図的な敷居というわけだが、これは、ある種のパワーユーザーへの挑戦状ともとれそう。なお、メルコの許可を得て、この記事では倍率変更の設定リストを写真で掲載しているので、どうしてもすぐに設定方法を知りたいという人は、これを参考にして欲しい。

 D2000ブランドの製品は、もともとメーカー側で保証やサポートを行わない性格を持つため、購入する人にとっては全てが自己責任での利用になる。買っても「使い方がわからないけど教えて」「壊してしまったけどどうすればいいの?」と言ってしまうような人は、はじめから手を出さないほうが身のためだろう。

 便利さとミステリアスな要素が混在しているだけに、今後「PK-OCK7/EV6」の解析結果や利用方法でネット上も盛り上がりそうだ。実売価格は7,780円~8,500円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 (PK-OCK7/EV6)

[撮影協力:コムサテライト3号店クレバリー1号店TSUKUMO eX.]


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