【 2001年3月10日号 】

世界初のCrusoe搭載マザーボードが登場、メモリもオンボード

IB750IB750
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 自作PCユーザーに、また新たなCPUの選択肢が加わった。今度はTransmetaのCrusoeだ。アキバにCrusoeをオンボード搭載したマザーボードが登場したのだ。

 Crusoeを搭載したマザーボードの販売を始めたのはぷらっとホームで、製品は台湾のIBASE Technologyが開発した「IB750」。マザーボード上にCrusoeや64MBメモリを含むPCの全機能を搭載したオールインワン型製品で、あとはOSを格納するストレージデバイスさえあれば立派にPCとして動作する。ただし、これはいわゆるSBC(Single Board Computer)と呼ばれる工業用組み込み向け製品のため、マザーボードの基板が工業用では一般的な5インチサイズ基板になっており、ATXケースなどにはそのまま入れることはできない。とはいえ、ケースへの設置方法さえ解決できれば、電源はATXタイプが使えるほか、ほかの各種インターフェイス類も標準的なタイプのため、ごく普通のPCとして使うことができる。

 搭載しているCrusoeはTM3400の400MHzモデル。実はこれ、なんと正式にはまだ未発表のCPUであり、つまり今回はCrusoe初のフライング販売ということになる。CrusoeのTM3xxxシリーズはモバイル機器向けという位置付けで、現行製品にはTM3200が存在するものの、TM3400はまだ正式には発表されていない。公式な資料がないため正確なスペックは不明だが、TM3400はTM3200の強化版で、キャッシュの強化やDDRメモリ対応などが行われたものといわれている。これまでイベントなどで何度かTM3400搭載製品が出品されことはあったが、実際に販売された例はこれが初めて。

 マザーボード上にはSDRAM 64MBが搭載されているほかDIMMスロットが1本あり、PCIスロットも1本ある。チップセットはSouthBridgeがVIAのVT82C686A、NorthBridgeはCrusoe内蔵の機能が利用される。ビデオはmini PCIに似たMicro PCIスロットに接続されているLynx3D搭載のカードを使用する。なお、LANインターフェイスのコネクタだけは基板上に上向きに直接つけられているが、そのほかのシリアルやVGA、USBなどのインターフェイスは全てマザーボード上のピンからケーブルで延長するかたちで通常のコネクタが使えるようになっている。

 製品にはWindows 95/98/2000/NT用のデバイスドライバーが収められたCD-ROMが付属し、実際にテストしたみたところではWindowsではどのOSでも特に問題なく動作したとのこと。ケースに関しては工業用規格のものを調達するか、自分で改造するなどしてATXケースや何らかの既存ケースに組み込むしかないが、それさえ苦にならなければ、世界初の自作Crusoe搭載PCを作ることができる。もともとマザーボードのサイズが小さいうえ、発熱の小さいCPUの特性からCPU冷却用ヒートシンクも小さいため、全体的にスペースを取らないのが大きな特徴。それを考えると、むしろATXケースなどに入れるより、ゲーム機のケースなど既存の小型ケースに組みこんでしまう方が面白いかもしれない。

 なお、今回入荷したものはあくまでサンプル出荷品であり、同店では一切サポートや問い合わせ受け付けていないとのこと。典型的な、いわゆる“人柱アイテム”ではあるが、それを納得して使ってみる価値はありそうだ。

 実売価格は、本来オプションの電源ケーブルセットやビデオモジュールを全て含んで55,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、同店には2枚しか在庫がないとのことなので、手に入れたい人はお早めに。

□IB750(IBASE Technology)
http://www.ibase-i.com.tw/ib750.htm

 (iBASE IB750)

[撮影協力:ぷらっとホーム]


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