【 2001年4月14日号 】

ATI製との差に注目、Appian製RADEON VE搭載カードが登場

Appian HurricaneAppian Hurricane
Appian HurricaneAppian Hurricane
Appian HurricaneAppian Hurricane

 ATIの純正品に続いてAppian GraphicsからRADEON VEを搭載したビデオカードが登場し、アキバ界隈でちょっとした注目を集めている。

 発売になった製品は、マルチディスプレイに対応したRADEON VE搭載ビデオカード「Appian Hurricane」。ハードウェアとしての基本部分がATI純正品と同じだとはいえ、発売元のアスクの発表によれば、まったくのオリジナル製品として開発されたものだというから、パワーユーザーにとっては未知の実力を持つ注目の製品だ。実際、一部ショップがテストしたところによると、VGA BIOSもデバイスドライバもオリジナルのものであり、逆にATI純正のデバイスドライバーをインストールしても動作しなかったという(純正品とどの程度違うのかは不明)。単なるOEM品であれば、実力もおのずと知れるところだが、ここまで来るとある意味で別物とも言え、純正品との差が気になるところだ。

 Appian Graphicsは自作PCユーザーにとっては聞きなれないメーカーだが、もともとMacでのマーケットも含めてマルチディスプレイ対応ビデオカードでは以前から実績のある専門メーカーであり、どこよりもマルチディスプレイ環境に関して実績のあるところ。そのAppianだからこそ、1チップでマルチディスプレイを実現できるRADEON VEをビデオチップに採用しているわけだ。

 もっとも、そうした専門性の高いメーカーから出てきた製品だけに、廉価版のビデオチップを採用しているにもかかわらず、27,500円~27,800円と実売価格が高いのが難点(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。それだけの価値があるかどうかは、実際に使ってみないとわからない面が大きく、カタログスペックだけでは判断が難しい。それを考えると、いわゆる人柱と呼ばれる初期ユーザーの評判次第で、今後の人気も左右されそうだ。

 ビデオカードはハードウェアとしてのビデオチップだけではなく、ソフトウェアとしてのBIOSやデバイスドライバの完成度で大きく評価の変わる製品であり、その意味では実力あるビデオチップを使ってソフトウェア面をオリジナルにした今回の製品は、OEM中心で製品が均一化する方向にある中でかなりユニークな存在であるのは確か。特にマルチディスプレイを実用として使おうとする人にとって、メーカーの実績という点でも大きな期待を抱かせる製品に違いない。

 なお、現在発売されている製品はビデオメモリとしてDDR 32MBを搭載し、インターフェイスはAGPに対応(PCI版も発売予定がある)、出力コネクタはVGAコネクタ×1/DVI×1の構成になっている。

□Appian Hurricane(Appian Graphics/アスク)
http://www.appiantech.com/products/hurricane.html
http://www.ask-corp.co.jp/appian/hurricane.htm

 (Appian Hurricane)

[撮影協力:コムサテライト3号店]


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