|
Samuel2コアを搭載したVIAのC3 700A MHzが突如デビュー
ES品でマーキングや形状はCyrix IIIのまま
【VIA C3 700A MHz】 | 【価格は約7,300円】 |
【マーキング(裏)】 | 【マーキング(表)】 |
なお、複数のショップによると、正式出荷品も週明けには出回る見込みという。
●一層の低消費電力化と性能アップを実現
「C3」は従来のCyrix IIIを改良した新CPU。開発コードSamuel2(もしくはC5B)の名で知られ、主な変更点として製造プロセスの0.18μmから0.15μmへの微小化、64KBの2次キャッシュ追加などが挙げられる。この変更により、もともとの特徴である低消費電力と低発熱性がさらに進化し、これまで力不足といわれていたビジネスアプリケーションでの実行スピードは実用的なレベルにまで改善されると言われている。
この新型CPUは、すでにイベントなどで何度かデモが行われ、アキバでも2月に複数のショップで展示が行われた実績があるが、実際に販売されるのはこれがはじめて。
●なぜか電圧は1.5Vではなく1.6V
店頭に並んだのは動作クロック700MHzのモデルで、実売価格は7,280円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ただし、マーキングは2月に展示されたサンプル品と同様、従来のCyrix IIIのデザインをそのまま引き継いだものになっており、3月に正式発表された新しいシリーズ名「C3」の文字はどこにもない。また、同時公開された製品写真では「C3」のCPUパッケージはヒートスプレッダを排除したセラミックパッケージのみの形状になっているが、今回のモデルは従来のままで、見た目は基本的に従来のCyrix IIIと何も変わらない。
唯一従来品と違っているのは、モデル名の末尾に「A」の文字があることで、今回のモデルでは、従来のCyrix III 700MHzと区別できるように「700A MHz」と書かれている。この「A」付きのCyrix IIIは、以前からSamuel2コアのサンプル品として公開されてきたものであり、これが新型CPUであるということの唯一の手がかりになる。
また、マーキングを見ると、動作電圧が従来の1.9Vから大きく引き下げられているのがわかる。ただし、この動作電圧については、不思議な点もある。正式発表では1.5Vとなっているものの、今回販売されたCPUにはなぜか1.6Vとマーキングされている。おそらくサンプル品のみの限定仕様である可能性が高いが、正式出荷品が出てくるまでは、本当に1.5Vが正式仕様なのかどうかはわからない。
●実用的な小型PCに最適?
そもそも、正式発表ではC3は733MHzモデルから始まることになっており、700MHzモデルは存在せず、このあたりも謎めいている。あくまでもサンプル品だけの限定的なものと考えたいところだが、仕様に関して不明な点が多いというのはVIA(Cyrix)の伝統だと考えると、さもありなん、といったところか。
それでも、少なくとも低発熱とパフォーマンスアップが確実に達成されているのであれば、このところニーズが高まりつつある実用的な超小型PCへの応用や、ファンレス設計の静音PCの実現も可能になるため、期待度は十分。現状はいわゆる人柱アイテムの域を出ないが、この段階である程度の実績と評判が築けるのならば、もうじき出てくる正式出荷品で新たな方向性のニーズをがっちりつかみ、ブレイクする可能性も考えられそうだ。
□C3(VIA Technologies)
http://www.viatech.com/products/C3.htm
【2001/2/3】Samuel2コア搭載Cyrix III 650/667MHzのサンプル展示が始まる
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20010203/etc_samuel2.html
(VIA Cyrixシリーズ) |
[撮影協力:DOS/Vパラダイス本店]
[↓次の記事]: | Pentium 4 1.7GHzのデビュー直前、予価表示とデモがスタート |
Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp
|