【 2001年5月19日号 】

i815EのBステップを搭載したマザー登場、Tualatinをサポート

P3TSSAP3TSSA
P3TSSAP3TSSA
P3TSSAP3TSSA

 次期Pentium IIIの“Tualatin”に対応したBステップのi815Eチップセットが姿を現した。このチップセットを搭載した第1弾マザーボードとして発売されたのは、SUPERMICROの「P3TSSA」。マニュアルには特に新型CPUに対応するという項目は明記されていないものの、さりげなくCPU実装例の写真には“Tualatin”と思しき姿が写っている。

 “Tualatin”とは、製造プロセスを0.18μmから0.13μmに微細化し、動作電圧を1.2Vに変更する新型Pentium III。形状も現在のFC-PGAからFC-PGA2という、Pentium 4のようにアルミ製カバーのIHS(Integrated Heat Spreader)がCPUコア上にかぶせられた新タイプになる予定で、システムバスの電気仕様も変更されることになっている。そのため、チップセット側の対応も必要となり、i815シリーズでは現行のA-2ステップからB-0ステップに移行して対応することになっていた。チップセットのステップ変更についてはIntelからPCN(Product Change Notification)がすでに出ており、「The Intel 82815 B0 step is enhanced to support current and future Intel Socket 370 processors.」と、Socket 370用の新型CPUへの対応が目的であることが明記されている。“Tualatin”対応とは記されていないが、Socket 370用の新型CPUとは、今のところ“Tualatin”以外にはあてはまらない。

 「P3TSSA」はi815Eチップセットを搭載した既存のSocket 370マザーボード「P3SSA」をベースにして開発された製品で、基板のパターンや部品実装位置など両者はまったく同一。チップセットのバージョンを変更した点と、サポート電圧を変更したのが主な変更点のようで、マニュアルにもしっかり「Intel 815E B-Step」と明記されている。“Tualatin”対応という記述はマニュアルにはないものの、すでに同社Web上のトップページには「Pentium III Tualatin Support」としてこの製品を紹介している。「P3TSSA」の「T」も“Tualatin”のことをさしているものと考えられる。なお、マニュアルに掲載されているCPU実装例の写真には、まるで現行Pentium IIIとPentium 4が合体したような、FC-PGA2と思しき形状の新型Pentium IIIの姿も写っている。

 サーバー向けの製品を主に開発しているSUPERMICROの製品だけに、新型チップセットを搭載した初物とはいえ、ある程度安定した動作が期待できそう。すでにApollo Pro133Aチップセットを搭載した“Tualatin”対応マザーボードは存在しているが、Intel純正チップセットを搭載した“Tualatin”対応マザーボードはこれが初。当面は現行のPentium IIIを使いつつ、新型Pentium IIIが登場した際に真っ先にそれを安定動作させたいのならば、今のうちにこの「P3TSSA」を手に入れておくのがいいかもしれない。

 実売価格は21,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ただし、評価用サンプルのES品扱いでの販売となっている。

□P3TSSA(Supermicro Computers)
http://www.supermicro.com/PRODUCT/MotherBoards/815/P3TSSA.htm
□Product Change Notification# 1121-01(Intel)
http://developer.intel.com/design/pcn/Chipsets/D0001121.pdf

 (SUPERMICRO P3TSSA)

[撮影協力:USER'S SIDE本店]


[前の記事]: Maxtorから100GBの3.5インチIDE HDDが登場、価格は3万円台
[次の記事]: ASUSがビデオキャプチャ機能付きのGeForce3搭載カードを発売

[ Back ]戻る  

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp