【 2001年9月15日号 】

総アルミのオーディオ機器ライクな小型自作PCキット「Sagitta」発売

SagittaSagitta2
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 総アルミ製のボディを採用したSocket 370対応の小型自作PCキット「Sagitta」がエムシージェイから発売された。まるで高級オーディオ機器のようなうな美しい外観が目を惹く注目株だ。実売価格は29,800円~30,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 「Sagitta」は、まるで小型DVDプレイヤーや高級アンプのような質感あるデザインが印象的な小型自作PCキット。アルミ素材による銀色ボディが高級感をかもし出し、ほかのブックサイズ自作PCキットと比べるとデザイン的に一歩抜きん出た製品といった感がある。本体サイズは幅266mm×高さ78mm×奥行き271mm(横置き時)とかなり小型だ。机上で使うもよし、ミニコンポなどのAV機器と組み合わせて設置するもよし、さまざまなレイアウトで活用できそうだ。

 ハードウェア仕様を見てみると、マザーボードは電源ユニット製品などで知られるDelta製のi810Eチップセット搭載マザーボードで、i810EによるVGA、サウンド機能のほか、オンボードデバイスとしてLAN(SiS900)、ビデオ出力(CH7008A)機能も備えている。2本のDIMMスロットには最大512MBのSDRAMが搭載可能だ。

 そのほか基板上には唯一の拡張スロットであるMini PCIスロットが設けられているが、標準ではモデムカードで使用されている。Mini PCI対応製品が店頭販売されるケースもほとんどないため、実質的にはこのモデムカード専用のスロットと考えたほうがよいだろう(マニュアルにも「Mini PCI socket for Modem and LAN」という記述がある)。また、搭載ドライブはスリムタイプの24倍速CD-ROMドライブのみでFDDは搭載しておらず、空きベイがないため後からの内蔵もできない。このように拡張性は皆無と言えるが、そこは省スペース性やデザイン面などとトレードオフといったところだろう。

 対応CPUはマニュアルに「Intel PPGA/FC-PGA Celeron and Pentium III series processor」とあることから、残念ながらFC-PGA2タイプのPentium IIIやTualatinには対応していないようだ。対応クロックについては明記されていないものの、マニュアルのBIOS設定の項目を見ると倍率は8倍までサポートとの記述があるため、あくまでBIOSレベルでの話だが1GHzクラスのCPU(FSB 133MHz、内部倍率7.5倍)も使用可能と思われる。ただし、DステップのPentium III/Celeronが動作するかどうかは不明なので注意したいところだ。

 さらに、その小型な筐体サイズから使用できるCPUクーラーには制限があり、高速電脳によれば「全高30mm以下」である必要があるそうだ。また、SDRAM DIMMも同様に30mm以下の背の低いタイプが必要とのこと。大型のCPUクーラーが使えないとなると、発熱量の点でネックとなる1GHzクラスのCPUは実質的に搭載できないと考えたほうがよいかもしれない。

 ちなみに、こうした自作PCキットにしては珍しくBIOS上からFSBクロックが66~150MHzの間で変更が可能(FSB/PCIクロックの組み合わせで15種類から選択)になっているが、先に述べたようにCPUの発熱量を考えると無理にオーバークロックはせずに定格のクロックで使うのが無難と言えそうだ。

 拡張性がほとんどなく、発熱量の面から使用するCPUの選択にも注意が必要だが、高級感あふれる洗練されたデザインの筐体は、この製品の何よりも代えがたいメリットと言えるだろう。見た目重視のユーザー、あるいは小型PCフェチを自称するユーザーにとって、要チェックの製品であることは間違いなさそうだ。

□エムシージェイ
http://www.mcjpc.com/

 (エムシージェイ Sagitta)

[撮影協力:高速電脳]


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